慢性便秘症の診断プロセスに関連する基本情報

慢性便秘症は原因はっきりしているものと、原因がはっきりしていないものとに分類される病気ですが、その検査方法や治療方法はきちんと確立されています。しかし、慢性便秘症であるとうたがっても「どんな検査をするんだろう」と不安になってしまっては、消化器内科や便秘外来へ赴く足取りも重くなってしまうのではないかと思います。

そこで、慢性便秘症の検査方法について解説します。
  1. 難治性便秘とは
  2. 慢性特発性便秘とは
  3. 自宅でできる慢性便秘症の診断テスト
  4. 慢性便秘症の検査
  5. 慢性便秘症の検査で気になること
  6. まとめ
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難治性便秘とは

日本人の5人に1人の割合で多くの方が悩んでいる難治性便秘。
時々便秘気味になるものの、水分を多く摂取することで治る、また、市販の下剤をたまに使用するだけで便秘解消になるという方であれば特に問題はありません。

しかし、市販の下剤を飲んでも便秘解消にならず、腹痛や腹部に膨張感を感じ、それが辛く医療機関で治療を受けるという方もいらっしゃいます。

このように、医療機関において医師の治療が必要となる便秘を「難治性便秘」と呼んでいます。この難治性便秘の原因として挙げられることは、長期に渡って市販の下剤を頻繁に使用してきたことにより、自然に糞便をスムーズに排出することができず、大腸通過遅延型となっていることが挙げられるます。

また、下剤の服用を中止することで、人間が本来自然に起こる腸のぜん動運動が行われず、自力での排便が困難となってしまい、難治性便秘に発展してしまうと考えられています。

慢性特発性便秘とは

慢性特発性便秘とは、12ヵ月間に12週間以上の便秘症状が継続した場合、便秘症が慢性化したという考えをしています。その為、慢性便秘症が他の疾患等によらず、また、薬剤等によらない場合を特発性としています。

慢性特発性便秘症は、水溶性・非水溶性食物繊維の摂取不足や、日常の運動不足、筋力低下が誘因となって引き起こされます。

自宅でできる慢性便秘症の診断テスト

まずは、慢性便秘症が疑われる症状について解説します。以下の項目で該当する物が多い場合、慢性便秘症であることが強く疑われます。できるだけ早めに消化器内科や便秘外来を受診してください。

  • お腹が張る
  • おならが出る
  • ゲップが出る
  • 胸やけや胃の不快感を感じる
  • 口臭が強くなる
  • 疲れやすく頭が重く感じる
  • 肩こりがひどくなる
  • 気分が悪くなる
  • ニキビや吹き出物などができ肌荒れがひどくなる
  • じんましんが出る
  • 食欲が低下する
  • お腹が痛くなる

もちろんこれらの症状は慢性便秘症に固有のものではありません。しかし、該当項目数が多い場合は慢性便秘症である可能性が高くなります。特に自己判断による慢性便秘症の診断は、後に大きな病気の原因につながる可能性もある為、これらの症状に該当する場合は、早めに検査を受けることをお勧めします。

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慢性便秘症の検査

次に、慢性便秘症の検査方法について解説します。

慢性便秘症の検査については、その診断を受けるために特に検査は必須事項ではないとされています。実際には、慢性便秘症の原因となる他の病気が身体に隠れている可能性を疑う為に検査が必要であると言えます。

問診
まずは「問診」です。問診では排便の周期、排便の糞便の状態などについて確認します。
正しく回答しないと検査結果にも支障が出ますので、質問内容には正確に答えてください。

腹部超音波検査
腸の中にガスや糞便が溜まっていないかどうかを確認するために行います。

腹部レントゲン(X線写真)検査
便秘により腸がどの程度張っているかを確認するために行います。

大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)
便秘により、大腸に腫瘍などの病気が隠れていないかを確認するために行います。
大腸内視鏡検査を行う前処置として、便秘の方に対しては、下剤の服用や浣腸等の前処置を行うことがあります。

血液検査・尿検査
尿路感染症や便秘に関連した他の病気が合併されていることが疑われる場合に行います。

慢性便秘症の検査で気になること

最後に、慢性便秘症の検査で多くの方が気になっていることについて解説します。

検査費用は?
保険適用される検査の場合、検査内容によって費用が異なります。一通り検査を受けた場合、保険適用でも1万円を超える検査費用がかかる場合があります。特に大腸内視鏡検査や超音波検査を行う場合は費用が高くなる可能性があります。
医療機関によっては健康保険を使用できない便秘外来もある為、費用が異なります。

検査を受ける時期はいつが良い?
慢性便秘症は、その症状に該当する場合は、早々に医療機関を受診することが望ましいと言えます。慢性便秘症は、後に腸閉塞や大腸がんなどの大きな病気の要因となる可能性もあることから、間違っても自己判断による診断を行わないよう注意が必要です。

まとめ

慢性便秘症の検査について理解を深められたのであれば幸いです。

理解したことに対しては自身の症状に合致することもあると思いますので、慢性便秘症であると疑う場合は早めに消化器内科や便秘外来を受診してください。時には慢性便秘症以外の病気が見つかることもあります。

その為、早期に受診し、早々に治療を始められることは、後にあなたの人生にとって大きなメリットになります。

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