病気との付き合い方

慢性便秘症の病気・症状との付き合い方に関する基本情報

慢性便秘症は、若いうちに発症する方というのは圧倒的に女性の病気として扱われていました。しかし、65歳以上の高齢になると男女差がなくなるほど急増し、いったん慢性便秘に罹患することで、完全治癒が難しい病気として捉えられており、慢性便秘とうまく付き合うことが重要となっています。

特に日本では市販の便秘薬を服用する、サプリメントを摂取して便秘解消をはかろうと自己流の治療をする方も少なくありません。慢性便秘症は、生存率を低下させると言われている病気です。

これは、排便時のいきみが脳卒中や心臓疾患につながることからそのように言われているのです。

老若男女問わず、慢性便秘症により仕事にも差し支えるという方も多い為、慢性便秘症という病気との付き合い方について理解することが重要です。

そこで、慢性便秘症との付き合い方について解説したいと思います。
  1. 日本初、慢性便秘症診療ガイドラインが発刊
  2. 大腸内視鏡検査とは
  3. 慢性便秘症と仕事
  4. 「慢性便秘症とは何か?」を理解することが重要
  5. まとめ
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日本初、慢性便秘症診療ガイドラインが発刊

慢性便秘に悩む方は日本人口の28%もの方が悩んでいる疾患です。
2017年10月に初めて、日本消化器病学会から慢性便秘症診療ガイドラインの刊行がなされました。

ここに久里浜医療センターの水上先生も、診断と治療セクションの為、ガイドライン作成に参加されました。ガイドラインによると便秘とは、「本来体外に排出すべき糞便が十分量スムーズに排出ができない状態」と定義されています。

慢性便秘症の診断基準やその特徴としては、

  • 糞便が固い
  • 便が出ない・出にくい
  • 残便感が残る
  • 排便回数が週3回未満である

このうち2項目以上を満たし、さらに6ヵ月以上前よりそれらの症状がある方が該当すると定義されています。

大腸内視鏡検査とは

大腸内視鏡検査は、CCDカメラを装着させた細い管を肛門から挿入し、大腸の内側を診察する検査です。これを行うことにより、ポリープやがん、炎症等を診断することができます。

尚、検査の前処置として大腸内視鏡検査を行うためには、大腸の中を空の状態にしておかなければなりません。

病院によっては下剤を服用する場合と、検査日に病院で服用する場合もあります。
検査前日の夕食については軽めに済ませるか、決められた検査食を食べる場合もあります。
当日の朝食は絶食に、そして、検査が午後からの場合は昼食も絶食となります。

大腸内視鏡検査を行う際、極端に腸が長い人や、癒着がなければ痛みを感じることなく検査を行うことができます。水上先生は、「腸の一部がねじれている方は、便が通りにくく、硬い便が栓のように詰まってしまう」と気付いたと言います。

そして、腸の働きは正常である為、腸の中圧力が上がることで腹痛となって痛みが生じるという訳です。便秘解消のためにサプリメント等を摂取したり、下剤を飲むことで痛みは増すことになります。

慢性便秘症と仕事

慢性便秘症は、自覚症状の出方に個人差があることと認知度の低さが仕事にも悪影響を及ぼします。最悪、慢性便秘症を原因として仕事を辞めることになる可能性もあります。

慢性便秘症の主な症状
慢性便秘症では、主に以下の症状を呈します。

  • 排便回数の減少するもしくは、少ない
  • 排便時のいきみ
  • 下腹部の痛みや不快感
  • 便が硬くて排便できない
  • 残便感がある

他にもいくつか症状が出る可能性がありますが、基本的に「慢性便秘症になった!」と明確に自覚できるような症状は無いと言えます。

加えて、慢性便秘症は徐々に症状が進行するという特徴もあります。そのため、特に初期段階では自身が慢性便秘症という病気を患っているということに気が付きにくく、別の目的で消化器内科や便秘外来を受診した時に慢性便秘症であると判明することも多いです。

慢性便秘症であると気が付かいない人が多い
「そういえばここ最近お通じがない」「少し便秘気味なだけ」などといったように、軽い便秘を軽視してしまうことは誰にでもあると思います。また、3日以上排便がなくても、水分を多めに摂取したり少し運動をすればお通じがあるだろうと考える方も少なくありません。
通常、そのように考えることはおかしいことではありません。

しかし、排便がないからと言って、下剤を服用したりサプリメントを服用することで便秘解消するような間違った対症療法を実践する方が非常に多いのです。

慢性便秘症は大腸メラノーシスであることも
大腸メラノーシスとは、大黄アロエ等の大腸刺激性下剤を長期に渡り服用し続けた場合、大腸の粘膜が黒っぽくなる状態を指します。

大腸刺激性下剤は、長期に渡り服用すべきものではなく、やむを得ない場合に使用するという程度に留めておくことが望ましいと言われています。このように、自己判断により市販薬等を服用し続けることにより、徐々に大腸メラノーシスが進行することになるのです。
すなわち、大腸刺激性下剤に関しては、安易な使用は避けるべきであると言えます。

慢性便秘症は徐々に症状が重くなる
慢性便秘症には、消化器官や内科的な病気が原因となるような原因がはっきりしている便秘と、生活習慣の乱れやストレスが主な原因となるような原因が特定できない便秘があります。便秘は、様々な原因が複雑に絡み合うような便秘もあります。

その為、ひどい便秘が続くなどの症状がさらに悪化するようであれば、便秘の原因について自己判断をせず、医師による適切な治療を受けることが大切です。

今までのように仕事ができないだけでなく、それによってストレスが溜まり、余計に便秘が重くなるなど体調を悪化させてしまいます。

ひどく体調を崩すようなことがあれば仕事を休む回数が増え、最終的に仕事を辞めるケースも珍しくありません。

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「慢性便秘症とは何か?」を理解することが重要

慢性便秘症を患いながら仕事を両立させるためには、慢性便秘症がどのような病気であるかを自分自身が理解することが重要です。

慢性便秘症は症状緩和も完治もできる病気
世の中には「慢性便秘は起こるもの」と諦めている人が少なくありません。
しかし、慢性便秘は症状緩和できますし、慢性便秘症もそうです。
完治させることも不可能ではありませんので、まずは消化器内科や便秘外来を受診してください。

慢性便秘症と診断されたら
消化器内科や便秘外来で「慢性便秘症である」と診断されたら、適切な治療が必要な場合は必ず医師の指示のもと、通院を行うようにしてください。その症状によっては、投薬治療も行われる可能性があります。

慢性便秘症は風邪のように数日で治せるものではありません。完治させるためには必要な場合は投薬治療が、また、それ以外であれば日常生活における食生活や生活習慣を改善させることにより完治の方向へ導くことが可能となります。

処方薬によって症状を緩和させることはできますが、人によっては仕事に差し支える症状が残る可能性もあります。そのため、慢性便秘症によって仕事に差し支える可能性がある場合は、しばらく仕事をお休みする等の対処が必要です。

理解のある上司に相談を
慢性便秘症でお腹が痛く、身動きが取れないほどの便秘に悩まされた場合は、仕事を休むことは仕方がないことです。しかし、ここで問題となるのは、それを報告する上司が慢性便秘症や女性(男性)の体調に無頓着な場合です。同じ女性であっても慢性便秘症の罹患歴の有無や症状の重さは人によって異なるため、女性上司でも確実に理解してくれるとも限りません。

職場で理解されないまま、仕事を休む回数が増えればその職場に居づらくなってしまうのでそれを理解してくれそうな上司に相談してみましょう。特に女性の場合は、とてもデリケートな悩みでもあることから言い辛いというのは現実です。

しかし、直属の上司が理解してくれない場合でも、他の目上の人に相談し、解決策を模索することもできます。一度勇気を出して相談し、親身になって対応してくれそうな上司を探すと良いでしょう。

まとめ

慢性便秘症は、放置することにより大腸がんといった命を脅かすリスクが高くなり、生活に悪影響を及ぼす可能性があります。

大病を患うこととなってしまっては、仕事に差し支えることから、最悪の場合は退職に追い込まれる可能性もありますので甘く見ることはできません。体調の変化を感じたら、早めに消化器内科や便秘外来で診てもらうようにしましょう。

慢性便秘症の疫学データに関する詳しい解説はこちら

慢性便秘の定義・疫学データに関連する基本情報を掲載しています。病気の統計データ。厚生労働省が定めるものや。病院でのガイドライン。治療方法。原因、薬に関する情報などまとめています。

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