病気との付き合い方

クローン病の病気との付き合い方について

クローン病は現在完治できる治療法がありません。よって、クローン病の患者さんは、まず寛解(症状が落ち着いている状態)を目指し、寛解期となったあとは寛解維持の治療を行いながら生活していくことになります。

活動期と寛解期を繰り返すクローン病は、できる限り寛解期を維持できることが大きなポイントとなります。クローン病にかかる方は10代〜30代の方が多く、この年代は学業や仕事で大切な時期といえます。

慢性疾患のクローン病は、克服できる治療法が生まれない限り、一生付き合っていかなければなりません。そこで、クローン病とうまく付き合っていくためのポイントをご紹介します。
  1. クローン病の特徴を知っておこう
  2. クローン病とうまく付き合うポイント、食事
  3. クローン病とうまく付き合うポイント、運動
  4. クローン病とうまく付き合うポイント、妊娠・出産・育児
  5. クローン病とうまく付き合うポイント、ストレスへの対策
  6. まとめ
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クローン病の特徴を知っておこう

クローン病は、炎症性腸疾患の1つで、よく比較される病気に潰瘍性大腸炎があります。今のところ完治できる治療法がなく、国が指定する難病の1つとされています。
しかし、医学が発展するにつれて、クローン病を発症する要因やその背景についていろいろと分かってくるようになりました。

クローン病を発症する背景には、その方の体質を基本として、そこに生活スタイルや食の好み、ストレスの多い環境に置かれているかどうか、などの因子が絡んでいるといわれています。これらの因子がいくつも関わることで免疫機能が異常をきたし、クローン病の発症につながるというわけです。

クローン病は、消化管のどこにでも炎症が起こりうる病気です。主な症状は下痢や腹痛で、全身にさまざまな合併症が起こります。

治療は薬物療法がメインです。現在クローン病に効果的とされる薬が増えてきており、以前よりも病気のコントロールができるようになってきています。しかし、炎症によって腸管が狭くなったり、痔瘻(じろう)や肛門周囲膿瘍の発症があったりするために、手術となることも珍しくありません。

クローン病と診断された場合、各自治体で申請手続きを行うことで、医療費の助成を受けることができます。助成が受けられるのは一定の条件があります。

クローン病とうまく付き合うポイント、食事

クローン病は栄養管理がとても大切で、栄養療法が薬を使う内科的治療と同じくらい重要なものとなっています。活動期で炎症が強いときや手術によって腸が短くなった方には点滴で栄養管理を行うことになりますが、患者さんの状態に応じて経腸栄養療法もできるだけ取り入れていきます。

食事の楽しみは、人生にとってとても大切なもの。ですから、食べたいものを全て我慢しなければいけなくなってしまうのは患者さんにとってとても辛いことです。少しでも食べたいものが食べられるようになるには、入院中だけでなく外来治療となった後も継続して計画通りの治療を行なっていくことが大切です。そして、食事が摂れるようになったら、医師や管理栄養士、看護師と一緒に計画を立て、腸に負担のかからない低残渣の食事を少しずつ食べるようにしていきましょう。患者さんそれぞれ病状が違いますが、クローン病のコントロールができていて医師の確認が取れていれば、栄養療法とバランスを取りながら、食べたいものを食べることもできます。

食事は完全に食べ物のみの生活ができるというわけにはいきませんが、食事の量と成分栄養剤・半消化態経腸栄養剤を併用して栄養を補っていくことが、クローン病とうまく付き合うポイントとなります。半消化態経腸栄養剤は、コーヒー味やバナナ味などいくつもの味があります。成分栄養剤や半消化態経腸栄養剤は、量が多いと続けるのが難しいという方もいますので、ゼリーやムースにするなどして、食べやすくするといいでしょう。

クローン病とうまく付き合うポイント、運動

クローン病は比較的若い世代で発症することの多い病気ですから、スポーツを楽しみたいという方も多いでしょう。活動期で入院が必要な程度になってしまうと生活の制限も出てきてしまいますが、症状が抑えられている間は普通に生活を送ることができますし、運動も可能です。

ただし、クローン病は低栄養や脱水になりやすい病気ですので、一般の方よりも疲れやすい傾向にあります。運動は適度にし、運動のあとはしっかり休むようにしましょう。クローン病は長い治療が必要になりますから、適度に運動を取り入れてリフレッシュすることも、クローン病とうまく付き合うポイントです。

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クローン病とうまく付き合うポイント、妊娠・出産・育児

クローン病であっても妊娠・出産することができます。母体の治療は胎児のことも考えて調整していきます。

活動期である場合には妊娠率が低下するという報告もあります。また、活動期は低栄養になりやすいので、低出生体重児や流産、早産が心配されるということもありますので、病状のコントロールができている寛解期での妊娠・出産が望ましいといわれています。

産後育児が始まると母親は睡眠不足になりがちです。心身共に疲れやすいので、周りの人に協力してもらいながら無理のない生活を送るようにしましょう。必要であれば、小児科医や地域の保健師に相談して地域のサポートを受けるのも一つの方法です。

クローン病とうまく付き合うポイント、ストレスへの対策

クローン病を発症すると、治療を行いながら生活していくことになります。現代はストレス社会ともいわれていますし、クローン病や潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患は、ストレスの影響も少なからずあると考えられています。

若い年代に発症することの多いクローン病は、学業や仕事でストレスにさらされやすい時期でもあります。生活でのストレスに、治療のストレスも重なるのはあまりよくありません。先ほど食事の部分でお伝えしていますが、症状が落ち着いていれば食事を楽しむこともリフレッシュになります。また、趣味など好きなことを楽しむことも大切です。

家族だけでなく、地域の保健師や医療機関のソーシャルワーカーなども相談に乗ってくれますので、専門家のアドバイスも受けながらクローン病とうまく付き合いながら、自分らしい生活が送れるようにしていきましょう。

まとめ

クローン病は、病気のコントロールができていれば学業や仕事も両立できます。治療計画をしっかり守り、無理のない生活を送りましょう。できるだけ長く寛解維持できるようにしていくことが、クローン病とうまく付き合うポイントです。

病状は人によってさまざまですから、治療法や生活の注意点も異なってきます。その日の体調に合わせて自分で生活スタイルを調整していけるようにしましょう。

クローン病の疫学データに関する詳しい解説はこちら

クローン病は今のところ完治できる治療法がありません。今回は、まずクローン病の歴史をご紹介し、クローン病の治療を行なっている人の数や年齢、男女比と病気の特徴など、クローン病の疫学データをもとにご紹介します。

クローン病の疫学データ、クローン病の特徴

参考文献・サイト:
羊土社 日比紀文監修 チーム医療につなげる!IBD診療ビジュアルテキスト
参考サイト1
SMTによる記事情報は、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。
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