クローン病の基本情報について

クローン病は、腹痛や下痢、血便などの症状が現れる消化管の病気です。現在はまだ原因がはっきり解明されておらず、完治できる治療法もありませんので、国から難病として指定されています。
クローン病は慢性の病気であるため、クローン病の患者さんは長く病気と付き合っていくことになります

年々患者数が増加しているといわれるクローン病。クローン病とはどのような病気なのか、症状や治療法などについてクローン病の基本情報を詳しくご紹介します。
  1. クローン病とはどのような病気?
  2. クローン病の原因
  3. クローン病の症状
  4. クローン病を診断するために行われる検査
  5. クローン病の治療方法
  6. まとめ
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クローン病とはどのような病気?

クローン病とは、口から肛門までの消化管のどこにでも炎症が起こる可能性のある病気です。潰瘍性大腸炎と症状がよく似ていますが、クローン病は肉芽腫性炎症性疾患というものになります。肉芽腫とは、慢性的な炎症によってその部分に炎症に関わるさまざまな細胞が集まったものを指します。

炎症が起きやすいのは、回盲部(かいもうぶ)と呼ばれるところで、ここは小腸から大腸に変わるあたりになります。潰瘍性大腸炎は大腸だけに病変がみられるのに対し、クローン病はさらに広い範囲に渡って病変が現れます。

現在の医学ではまだ原因が完全に解明されていませんので、残念ながら完治できる治療法はありません。クローン病は慢性の病気であるため、症状をできるだけ抑えて「寛解」という状態を目指し、その状態が続くような治療を行っていきます。

クローン病にかかりやすい年代は10代後半から20代前半といわれています。学業や仕事、プライベートも含めて忙しい時期になりますが、日常生活の調整をしながら病気と付き合っていくことになります。

クローン病の患者数は年々増加しており、2014年には4万人を超える人がクローン病の患者さんとして登録されています。発症しやすい年代は10代後半から20代といわれており、女性より男性に多い傾向があります。

クローン病は国から難病指定を受けていますので、クローン病と診断されると患者登録をすることになります。また、一定以上の重症または軽症でも高額医療を受ける必要のある患者さんは医療費助成の対象となります。

クローン病の原因

クローン病の原因はまだ完全に明らかとなっていません。今のところ、免疫の異常、遺伝的な体質に加えてタンパク質や脂肪の多い食生活などの生活スタイルが、クローン病の発症に関わっているのではないかと考えられています。

クローン病の症状

クローン病の患者さんによくみられる症状は腹痛と下痢、血便、発熱です。ほかには、次のような症状がみられます。

体重減少
消化管の機能が落ちてしまうので、栄養の吸収が悪くなります。小児のクローン病では、成長障害につながることもあります。

痔瘻(じろう)や肛門周囲膿瘍
クローン病の患者さんの中には、肛門に病変が生じる人も珍しくありません。腹痛や下痢などの症状がほとんどないものの、肛門の痛みや違和感などで肛門科を受診し、それがきっかけとなってクローン病とわかることもあります。

これらのほか、クローン病では消化管だけでなくさまざまな部位に合併症が現れることもあります。合併症としては、結節性紅斑、ぶどう膜炎や虹彩炎(こうさいえん)、関節炎や脊椎炎、口内アフタ、肝臓や胆のうの障害などがあります。

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クローン病を診断するために行われる検査

クローン病の診断をするうえで、まず基本となるのは問診と触診です。自覚症状について、いつからどのような症状が現れているのかを確認します。また、触診によってお腹の状態をチェックしながら、視診で全身の観察もします。

そのほか、診断に必要となる検査には次のものがあります。
  • 血液検査
  • 尿検査
  • 便検査
  • レントゲン検査
  • 消化管X線造影検査
  • CT
  • MRI
  • 超音波検査
  • 内視鏡検査
  • 組織検査

クローン病の治療方法

クローン病は、現段階で完治できる治療方法がありません。そのため、基本的には内科的治療(薬物療法)を続けながら、まずは症状が落ち着いている寛解状態を目指します。その後は、寛解状態ができるだけ長く続くようにしていくことが目標となります。

クローン病は病変部位によって小腸型、小腸・大腸型、大腸型などに分類されます。また、重症度は軽症、中等症、重症の3つとなっており、分類と重症度を元に治療法を選択していきます。

薬物療法
薬物療法では、点滴や内服で薬を投与し治療を行なっていきます。軽症から中等症では、寛解導入と寛解維持を目的として5-アミノサリチル製剤を使用します。中等症以上ではステロイド薬のほか、場合によっては抗菌薬も使います。ステロイドは長期使用により副作用が出やすくなるので効果が見られたら徐々に使用量を減らします。

クローン病の患者さんの中にはステロイド依存が見られるケースもあります。ステロイドを減量しようとすると症状が悪化し、ステロイド薬から離れられない患者さんは免疫調整薬のチオプリン製剤を使います。

また、治療の効果があまり得られないときにはTNF-α製剤といって炎症を引き起こす物質のはたらきを抑える薬も使います。

血球成分除去療法
大腸に病変があり、治療効果があまり得られないケースでは顆粒球吸着除去療法を行うことがあります。点滴のように腕に針を刺し、針につながっているチューブを通して血液を体外に出します。運ばれた血液は濾過装置を通り、また体内に戻ります。濾過することで炎症に関わる血液成分を除去し、症状を抑えるという治療法です。

栄養療法
栄養療法には、中心静脈栄養療法・経腸栄養療法があります。中心静脈栄養療法は重症で病変部分の安静が必要となる場合に選択されます。経腸栄養療法は、患者さんそれぞれの病気の状態に合わせて行います。栄養剤は自分で飲む方法と、経鼻チューブを鼻から胃まで挿入して栄養剤を入れていく方法があります。

外科的治療
クローン病は基本的に薬や栄養剤で治療を行います。しかし、炎症が広がり病気が進行している場合や、腸閉塞・腸穿孔・大出血などでは患者さんの病状に合わせて手術での治療を行うことになります。

寛解導入されたら、その後は寛解維持療法を行っていきます。寛解維持療法は、薬物療法と経腸栄養療法をあわせたものです。

まとめ

クローン病は腹痛や下痢、発熱が主な症状となる肉芽腫性炎症性疾患です。原因ままだはっきりわかっておらず、完全に治せる治療法も確立させていません。国の指定難病であるため、クローン病の重症度や受けている医療によって、医療費の助成を受けることができます。

治療は薬物療法と栄養療法がメインとなっていますが、病状や合併症によっては手術による治療になることもあります。

ここでは、クローン病の基本情報についてお話しましたが、全ての方がこの情報に当てはまるとは限りません。患者さんによって、症状や治療パターンなどはさまざまです。
お腹の調子が悪く、なかなか良くならない場合や気になる症状がある場合には早めに医療機関を受診するようにしましょう。

クローン病のセルフチェックに関する詳しい解説はこちら

クローン病はお腹の痛みや下痢などを主症状とする病気です。慢性の病気であり、クローン病のタイプや合併症の有無などによって体のさまざまな部分に症状が現れます。クローン病の特徴や自覚症状について触れながら、クローン病のセルフチェック方法についてみていきます。

この症状はクローン病かも?そう思ったときのセルフチェック方法

参考文献・サイト:
診断と治療社 消化器研修ノート 改訂第2版 p.373〜374
医学書院 medicina 2015 9月号 p.1718〜1721
羊土社 IBD診療ビジュアルテキスト
参考サイト1参考サイト2
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