• ネット検索キーワードから見た一般市民と医療者の情報格差

     患者や一般市民が情報収集する際にネット検索する言葉と、医療者が常用する医学用語との差異を明らかにした研究結果が、「Journal of Medical Internet Research」4月13日オンライン版に掲載された。

     医学・医療情報の入手にインターネットはもはや不可欠。専門家が医療情報をかみ砕いて解説した一般向けサイトも多数存在する。それにも関わらず、一般市民が求める情報と医療専門家が重視する情報の差異について、十分には検討されていない。そこで京都大学大学院医学系研究科人間健康科の平和也氏(研究時点の所属は滋賀医科大学公衆衛生看護学講座)らは、インターネット検索サイトで用いられる単語を解析し、そのギャップを把握することを試みた。

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     平氏らの研究は、一般市民が情報収集に用いる検索サイト「Yahoo!検索」および質問サイト「Yahoo!知恵袋」で多用される語句と、医療関係者の臨床報告検索ログに頻出する語句、それぞれ上位100語を選び、その使用頻度の関連を検討するというもの。加えて、医療者はあまり用いないがネットで検索されることが多い語句についての質的検討を行った。

     まず、一般市民が「Yahoo!検索」で検索する語句と医療者の使用頻度が高い語句の関連を見ると、弱い有意な相関が認められた(r=0.290、P=0.003)。質的検討からは、糖尿病、高血圧、頭痛、貧血、腹痛、心不全、脳梗塞など、生活習慣病や日本人の死因の上位に入る疾患名は、両者で高頻度に使われていた。その一方、一般市民の検索件数が多く医療者の使用頻度が低い語句として、甲状腺機能異常、潰瘍性大腸炎、黄疸、心房細動、多発性骨髄腫、腎不全などが抽出された。

     一般市民が「Yahoo!知恵袋」で調べる語句と医療者の使用頻度が高い語句の関連も、弱い有意な相関が認められた(r=0.337、P=0.001)。質的検討で、頭痛、腹痛、下痢、嘔吐、貧血、糖尿病、発熱など、主に症状に関連する語句が、両者で高頻度に使われていた。一方、痛み、しびれ、微熱、潰瘍性大腸炎、腎不全などは一般市民が調べる頻度は高いものの、医療者の使用頻度は低かった。

     一般市民の「Yahoo!検索」の検索語句と「Yahoo!知恵袋」で使用される語句の間には、中等度の有意な相関が認められた(r=0.569、P<0.001)。頭痛、腰痛、下痢、腹痛、貧血、糖尿病などの語句は両者でよく使用されていた。検索される頻度は高いが質問サイトで使用される頻度は低い語句として、DIC(播種性血管内凝固症候群)、SLE(全身性エリテマトーデス)などが、検索頻度は低いが質問サイトで多用される語句として、痛み、しびれ、徘徊などが抽出された。

     一般市民の平均年齢は34.5歳で、女性が54.6%だった。検索ワードを年齢層別に見ると、40~50代では高血圧や異常陰影、60代では胃がん、肺がん、心房細動、間質性肺炎、肺炎球菌などが多く検索されていた。

     これらを踏まえ研究グループは、「医療者の使用頻度が高い語句と一般市民が用いる語句には弱い相関しか認められず、医療者の言葉は一般市民が使用する言葉と異なる可能性がある」としている。また一般市民の検索ワード上位に入った、潰瘍性大腸炎や甲状腺機能異常などが医療者間では使用頻度が低かったことに関連して、「これらの慢性疾患患者の情報収集ニーズは高いが、医療者側の優先度は低いようだ」と述べている。その上で「インターネットを通じて医療情報を提供する場合、このようなギャップを埋める配慮が必要」とまとめている。

     なお、検索ワードのうちアルファベットのみの語句は、同じ文字列を含む単語(例えばDICとdictionary、SLEとsleep)が検索された影響を除去しきれていないことは本研究の限界であり、解釈に注意が必要という。

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    HealthDay News 2020年5月25日
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  • 色覚の異常がある人も色から受ける印象は一般色覚者と同じ

    色覚の異常(色覚多様性)があって微妙な色の区別ができない人も、実生活においては一般色覚者(色覚正常者)とほぼ同じように、色によって表現される意味の違いを理解している。色の区別がつきにくいのになぜ意味の違いは分かるのか、その理由はこれまで不明だった。しかし、色覚に異常がある人は、過去の経験や学習した情報を基に意味を区別し判断していることを、高知工科大学情報学群の篠森敬三氏らが明らかにし、「Journal of the Optical Society of America, A」3月19日オンライン版に報告した。

    光の色が赤、緑、青という3つの原色で表せるように、ヒトの網膜には、3種類の視細胞がある。しかし、遺伝的にそのいずれかがないか機能が低下している場合、色覚が一般者と異なる。男性の20人に1人が該当し、緑を感じる視細胞がなく赤と緑の色の違いを識別できない「2型2色覚」が多い。

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    篠森氏と金沢工業大学情報フロンティア学部の根岸一平氏らの研究グループは、色覚異常がある人がどのように色の意味の違いを認識しているのかを調べるため、2型2色覚の学生と一般色覚の学生各5人に対し、以下の2つの実験を行った。

    最初の実験は、パソコンのディスプレイ上に「元気な」「重厚な」「繊細な」「さびれた」など9種類の言葉と2色の色をランダムに表示し、言葉によりマッチするのはどちらの色かを、できるだけ短時間で選択するという篠森氏が新たに開発した手法の実験。色は15種類ありその組み合わせは色の左右の違いを入れて210通りで、1人に対してそれぞれ3回(計630回)テストを行った。回答所要時間は1回あたり平均3.7~4.6秒だった。

    この実験の結果、2型2色覚の人は赤や緑などはあまり選択せず、黄色や白を選択する頻度が高いことが分かった。これは2型2色覚の場合はやはり、赤や緑を区別しにくい(見えにくい)ことを意味する。

    続いて行ったのは、最初の実験で使ったものと同じ15種類の色の中から1色をランダムに見せて、その色の印象が形容詞にどの程度あてはまるかという実験。形容詞には最初の実験に用いた9種類の言葉も含め、「壮麗な」と「貧弱な」、「デリケートな」と「がさつな」などの対義語を一対として示し、いずれにあてはまるかを-3から+3の数値で表してもらった。被験者は、答えが決まるまで提示された色を見ることができる設定とし、1色につき6~9分かけて35種類の形容詞を選択した。

    この実験の結果、2型2色覚の人と一般色覚の人とで、それぞれの形容詞の数値にほとんど差がないことが分かった。これは、2型2色覚の場合でも過去の経験や学習から、一般色覚者と同じような色の印象が形成されていることを意味する。

    一連の実験から、異なる色をじっくり見ることができる状況なら、2色覚の人へ一般色覚者と同様に色の印象を伝えることが可能であり、反対に数秒程度(今回の実験では4秒程度)で判断しなければならない状況では理解が間に合わない可能性のあることが分かった。実生活において2色覚の人は、例えば信号機のサインは色ではなく、経験と学習を基に、点灯している場所や明るさなどで判断していると考えられる。

    以上の検討を基に研究グループでは、「長時間見ることができる物の配色については全てを2色覚者向けに変更する必要はなく、より自由なデザイン提案があってよい。一方で色が重要な意味を持つ情報については、従来から提唱されているカラーユニバーサルデザインの配慮が必要」とまとめている。またこの研究の今後の方向性として、「色覚の異常がある人の持つ色の印象が、何歳ぐらいで一般色覚者と同じように形成されるのかを調べるため、年齢層別の比較実験を行うことが必要」と述べている。

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    HealthDay News 2020年4月20日
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  • COVID-19で逼迫する医療フロントライン、低年齢患者への対応も急務

    1月中旬に国内初の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者が確認されてから、3カ月近く過ぎようとしている。3月後半からは、連日三桁を超える新規患者が報告され、著名人の死亡という衝撃的なニュースも駆け巡った。

    生活や経済が大きなダメージを受けつつあり、また今月1日には日本医師会が「医療危機的状況宣言」を発するなど、最も過酷な状況にある医療現場での逼迫度は増している。そのような状況においても、患者の救命につながる可能性のある情報提供が、臨床の第一線を担う医療者から公に発信されている。

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    日本感染症学会はホームページに、症例報告を随時紹介するコーナーを設けた。新しいものでは、3月31日に公開された船橋中央病院での「ファビピラビル(商品名アビガン)を早期投与し軽快した80代後半のCOVID-19肺炎の1例」など、有効と考えられる治療の報告が増えている。なお同学会は、これらの論文を「緊急報告」として扱い、査読は行うがあくまでも緊急性、重要性を鑑み公開するものと位置付けている。

    また、著名人の治療に用いられたことで一般にもその名称が知られるようになった「ECMO(Extracorporeal membrane oxygenation.体外式膜型人工肺)」についても、国内でのCOVID-19に対する治療実績とアウトカムに関する報告が蓄積されつつある。COVID-19対策ECMOnetは、日本集中治療医学会・日本救急医学会・日本呼吸療法医学会などが立ち上げた、ECMOを中心とした重症患者管理の助言を行う電話相談窓口。関係する学会のサイトなどを通じ、ECMOの基本的注意事項や人工呼吸管理について情報を掲示している。

    その3月30日の報告では、これまでに40例のCOVID-19患者にECMOが用いられ、ECMOから離脱し回復した患者が19人、治療継続中が15人、6人が死亡したことが伝えられた。また3月22日の報告では、COVID-19に対しECMOを適切に使用した場合の治療効果は通常のECMO使用例とほぼ同等であるが、76歳以上、LDH(乳酸脱水素酵素)636IU/L以上は予後不良因子の可能性があるという。

    乳幼児や若年層での重症化も報告されている。日本小児科学会は3月13日、「小児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の臨床的な特徴」と題し情報を掲示。それによると、主な症状は発熱と咳嗽で、上気道症状や消化器症状は特徴的ではなく、血液検査ではLDH軽度上昇を約3分の1に認めるという。3月30日には「新型コロナウイルス感染症の論文の紹介」とし、新型コロナウイルス感染妊婦が出産した新生児が、生後2時間の血液検査でSARS-CoV-2特異的IgM陽性を認めたとの中国からの報告など、海外の最新論文を複数紹介している。

    医療現場を支えるべく、日系メーカーも関連製品の生産・増産を急いでいる。ECMOの国内最大手のテルモは4月1日、生産を倍増することを発表。トヨタは北米で医療用フェイスガードなどを、スズキはインドで現地メーカーと人工呼吸器などを生産する。資生堂はフランスで、サントリーは米国子会社を通じ、アルコール消毒液の生産を開始している。

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    HealthDay News 2020年4月6日
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  • 幼少期の被虐体験が高齢期の医療費増加の一因――東京医科歯科大学

    幼少期に虐待を受けた人は高齢になってからの医療費が1年当たり11万円以上高いとする推算結果が、「JAMA Network Open」1月8日オンライン版に掲載された。日本全体では、年総額約3,330億円の医療費負担につながっているという。

     東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科国際健康推進医学分野の伊角彩氏らは、日本老年学的評価研究(JAGES)のデータと健診および診療報酬請求データを用いて、高齢者の医療費を幼少期の被虐体験の有無で比較検討した。研究対象はJAGESに参加しているある政令指定都市の要介護認定を受けていない65~75歳の住民のうち、幼少期の被虐体験に関する質問に回答した978人(平均年齢70.6±2.9歳、うち男性が43.6%)。

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     幼少期の被虐体験は、家庭内暴力の目撃、身体的虐待、心理的ネグレクト、心理的虐待の4項目を評価した。例えば「父親が母親に対して暴力を振るっていた」という質問に「はい」と回答した場合は「家庭内暴力の目撃経験あり」、「親から愛されていると感じていた」に「いいえ」と回答した場合は「心理的ネグレクトの経験あり」と判定した。

     対象者978人のうち、4.5%が家庭内暴力の目撃、1.9%が身体的虐待、10.6%が心理的ネグレクト、5.7%が心理的虐待を経験していて、18.0%は何かしらの被虐体験があった。幼少期の被虐体験がある人はない人に比べ、教育歴が短く、主観的健康感が低く、腎疾患や筋骨格疾患などの有病率が有意に高かった。

     幼少期の被虐体験の有無別に年間医療費(歯科医療費を除く)を試算すると、被虐体験がない場合は41万3,013円、被虐体験ありでは54万9,468円で、その差額は13万6,456円に上り、有意差が認められた。年齢と性別で調整すると差額は11万6,098円に縮小したものの引き続き有意だった。

     虐待の種別に見ると、身体的虐待については経験なしで43万1,106円、経験ありで72万6,254円、差額29万5,148円、心理的ネグレクトは経験なしで41万2,082円、経験ありで57万3,481円、差額16万1,400円で、これらの差はいずれも有意だった(年齢と性別で調整後は非有意)。家庭内暴力の目撃の有無や心理的虐待の有無では有意差は認められなかった。

     前述の11万6,098円という差額を基に、国内の前期高齢者医療コスト全体への影響を計算すると、歯科医療費を除いて年間約3,330億円の医療費が幼少期の被虐体験により発生していると推計された。

     これらの結果を踏まえ研究グループでは、「幼少期に虐待を受けることが高齢期の医療費にまで影響する可能性が示された。児童虐待を未然に防ぐことや、早期に発見・介入することが重要だと考えられる。さらに、虐待を減らす取り組みは個人だけでなく社会全体の負担軽減にもつながるのではないか」とまとめている。

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    HealthDay News 2020年2月10日
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  • 納豆やみその摂取量と死亡率が逆相関――JPHC研究

    発酵性大豆食品を多く食べる人ほど死亡率が低いというデータが報告された。ただし、非発酵性の大豆食品も含めた解析では、関連が有意でないという。国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究グループの研究によるもので、詳細は「BMJ」1月29日オンライン版に掲載された。

    今回の研究の対象は、1990年と1993年に全国11カ所の保健所管轄区域に住んでいた40~69歳の成人のうち、がんや循環器疾患の既往がない9万2,915人(うち男性4万2,750人)。大豆製品の摂取量で全体を五分位に分け、2012年まで平均14.8年間追跡した。

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    研究開始から5年後に行った食事調査アンケートの回答から、総大豆食品、発酵性大豆食品(納豆とみそ)、非発酵性大豆食品、および豆腐の摂取量を計算し、総死亡(全死因による死亡)、がん死亡、循環器疾患死亡などとの関連を性別に検討した。解析に際しては、年齢、地域、肥満度、喫煙・飲酒・身体活動習慣、糖尿病・高血圧、健診受診状況、女性の月経の有無・ホルモン剤の使用、食品摂取状況、総エネルギー摂取量を統計的に調整し、影響を取り除いた。

    その結果、総大豆食品摂取量と総死亡リスクの関連については、有意な関連が認められなかった。一方、発酵性大豆食品の摂取量との関連は、男性(傾向性P値0.05)、女性(同0.01)ともに摂取量が多いほど総死亡リスクが低下するという関連が認められた。

    大豆食品の細分類別の検討では、女性において、納豆(同0.001)、および、みそ(同0.03)の摂取量が多いほど総死亡リスクが低い傾向があった。しかし男性では有意な傾向が見られなかった。豆腐に関しては男性、女性ともに有意な傾向が見られなかった。

    次に、死亡原因との関連を見ると、がん死亡リスクに関しては男性、女性ともに大豆製品摂取量と有意な関連が見られなかった。その一方で循環器疾患死亡との関連は、男性において、発酵性大豆食品(納豆とみそ)の摂取量および納豆の摂取量、女性においては納豆の摂取量と有意な関連が認められた。

    具体的には、男性において発酵性大豆食品の摂取量が最も少ない第1五分位群(13.4g/日未満)に比べ、摂取量が最も多い第5五分位群(50.2g/日以上)の循環器疾患死亡のハザード比は0.82で18%リスクが低かった。同様に、納豆を摂取しない群に比べ、摂取量が最も多い群(26.2g/日以上)のハザード比は0.76で24%リスクが低かった。女性では、納豆を摂取しない群に比べ、摂取量が最も多い群のハザード比は0.79だった。

    総大豆食品摂取量は死亡リスクとの関連が見られず、発酵性大豆食品の摂取量との関連は有意という結果について、研究グループでは「発酵性大豆食品は加工の過程で、大豆に含まれている成分の消失が少ないことが理由の1つではないか」と考察している。

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    HealthDay News 2020年2月3日
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  • 酸化ストレスの新規バイオマーカー「酸化メチオニン」――北里大

    必須アミノ酸の1つ「メチオニン」が、全身の酸化ストレスや血糖変動の指標になる可能性が報告された。酸化ストレスを定量的に評価でき、かつ、連続血糖測定(CGM)で把握された血糖変動性と有意に相関するという。北里大学医学部内分泌代謝内科学の七里眞義氏らの研究によるもので、「Scientific Reports」1月14日オンライン版に掲載された。

    酸化ストレスは体の防御機構以上の活性酸素が産生されている状態をさし、老化現象に加え糖尿病やがんなどの発症・進行に関係することが、これまでの研究で示されている。しかし酸化ストレスの強さを測定する、定量的かつ再現性の高い手法は確立されていない。七里氏らは、血中アルブミンの分子構造の147番目に位置しているメチオニン残基(Met147)が、酸化ストレスに対し素早く反応することに着目し研究を続けている。

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    今回の研究ではまず、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS)という手法を用いて、Met147に占める酸化されたメチオニン残基(酸化Met147)の割合を定量的に測定、その再現性を検討した。検体の希釈度を変えたり、保存状態を変えたりするなど、さまざまな条件設定で繰り返し測定。その結果から、LC/MSによるメチオニン残基の酸化レベル測定の信頼性は、同氏らが以前に開発した方法に比べはるかに高精度で、再現性が高く実用的なレベルであることが確認された。

    次にこの手法を用いて、糖尿病患者124人(年齢54.3±13.9歳、1型糖尿病54人、BMI25.9±6.4、HbA1c9.0±2.4%)と、健康なボランティア40人(53.2±16.4歳、BMI22.5±2.8)の酸化Met147を測定した。すると糖尿病群は対照群に比べて酸化Met147が有意に高く、酸化ストレスが亢進していることがわかった。

    糖尿病群において酸化Met147と相関する因子として、多変量解析により、eGFR、総ビリルビン、HDL-C、およびグリコアルブミン(GA)とHbA1cの比(GA/HbA1c比)が抽出された。なお、平均血糖値を反映するHbA1cやGAは、それぞれ単独では単変量解析においても酸化Met147との相関が認められなかった。

    GA/HbA1c比の高さは血糖変動を反映することから、前記の対象者中の35人(糖尿病患者28人、健常者7人)にCGMを施行し、血糖変動と酸化Met147の関連を検討。すると、酸化Met147は、血糖値の標準偏差、変動係数、血糖値70mg/dL未満の時間が占める割合、140mg/dL以上の時間が占める割合と、それぞれ有意に正相関した。また血糖値が70~140mg/dL内の時間が占める割合とは有意な負の相関がみられた。その一方で、血糖値の平均値とは相関がなかった。

    続いて血糖変動を抑制する作用のあるSGLT2阻害薬の影響を、2型糖尿病患者18人を対象に検討したところ、同薬投与前に比べ投与開始28日後の酸化Met147は有意に低下していた。

    これらの結果から研究グループでは、「LC/MSによって定量的に測定した血清アルブミンMet147に占める酸化Met147の割合は、ヒトの血管内の酸化ストレスの影響を評価する上で十分な信頼性があり、かつ感度も優れている」と述べている。

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    糖尿病でいちばん恐ろしいのが、全身に現れる様々な合併症。深刻化を食い止め、合併症を発症しないためには、早期発見・早期治療がカギとなります。今回は糖尿病が疑われる症状から、その危険性を簡単にセルフチェックする方法をご紹介します。

    糖尿病のセルフチェックに関連する基本情報

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    HealthDay News 2020年1月27日
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  • 肥満でなくても総コレステロール高値に注意 50歳以上の日本人男女を分析、滋賀医大

    50歳以上の日本人男女では、30年前に比べて総コレステロール(TC)高値に対する肥満の影響が弱まっている可能性のあることが、滋賀医科大学社会医学講座公衆衛生学部門教授の三浦克之氏が研究代表を務めるNIPPON DATA研究グループの調査で明らかになった。

    論文の筆頭著者で浜松医科大学健康社会医学講座の柴田陽介氏によると、30年前は肥満の人ほどTC高値になりやすく、痩せている人ほどなりにくかったが、近年では適正体重であっても、また女性では痩せている人でもTC高値になる人が増えていることが分かったという。
    詳細は「Journal of Epidemiology」7月21日オンライン版に掲載された。

    研究グループは今回、厚生労働省が1980年、1990年、2000年および2010年に実施した国民健康・栄養調査と旧循環器疾患基礎調査に参加した全国の50歳以上の男女(それぞれ5,014人、4,673人、5,059人および2,105人)を対象に、肥満度とTC高値との関連を調べる研究を実施した。

    なお、調査は全国300地区の一般住民を対象に行われた。研究では、TC高値は220mg/dL以上とし、肥満、痩せ、適正体重はそれぞれBMIが25.0kg/m2以上、18.5kg/m2未満、18.5kg/m2以上25.0kg/m2未満と定義した。

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    その結果、30年間で肥満の人の割合は男性では16.3%、21.6%、28.2%、34.1%と上昇したが、女性ではほぼ横ばいで推移していた(26.2%、29.0%、27.1%、27.0%)。
    また、痩せている人の割合は男女とも低下傾向にあった。
    TC高値の人の割合は男性(14.3%、26.4%、24.7%、27.4%)、女性(28.9%、47.2%、44.2%、42.3%)ともに1990年まで増加し、その後はほぼ横ばいであった。

    また、肥満や痩せの人が適正体重の人に比べてTC高値にどのくらいなりやすいのかを、年齢や喫煙、飲酒、運動習慣の有無などで調整して解析した結果、男性では1980年には肥満の人は2.4倍だったが、2010年には0.9倍へと低下していた。
    痩せている人は0.3倍から0.4倍になった。
    さらに、女性では、肥満の人は1980年の1.4倍から2010年には0.9倍まで低下し、痩せている人は0.4倍から1.0倍へと増加した。

    以上の結果を踏まえ、三浦氏らは「日本人を対象とした大規模調査で、50歳以上の男女ではこの30年の間に肥満とTC高値との関連が弱まっていることが分かった。
    近年では、体型にかかわらず脂肪(特に飽和脂肪、食事性コレステロール)が多い食事を取る人が増えており、このことで肥満や痩せとTC高値との関連が弱くなった可能性が考えられる。
    脂質異常症を予防するには肥満対策だけでなく、肥満度にかかわらず食事中の脂肪分を減らすなどの対策も必要だ」と話している。

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    HealthDay News 2018年9月10日
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  • 「健康寿命をのばそう!アワード」応募受付を開始、厚労省

    厚生労働省は7月2日、健康づくりのために優れた取り組みを行う企業や団体、自治体を表彰する「第7回 健康寿命をのばそう!アワード」(生活習慣病予防分野)の応募受付を開始したと公表した。募集期間は8月31日(金)まで。

    この表彰制度は、厚労省が進める国民運動「スマート・ライフ・プロジェクト」が掲げる4つのテーマ(適度な運動、適切な食生活、禁煙、健診・検診の受診)について、生活習慣病予防の啓発や健康増進を目指した独自の取り組みを行う企業や団体、自治体を表彰するもの。
    第7回を迎えた今回から「スポーツ庁長官賞」を新たに設立し、特にスポーツや運動を通じた優れた取り組みを行っている企業などを表彰するとしている。

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    昨年度は70件の応募の中から18件の企業や団体、自治体が表彰された。生活習慣病予防分野では特に優れた取り組みとして、竹富診療所(沖縄県)の「ぱいぬ島健康プラン21 in竹富島~健康長寿復活を目指した小さな島の取組み~」が厚生労働大臣最優秀賞に輝いた。
    その他、同大臣優秀賞(3件)や同省健康局長優良賞(12件)などが選ばれた。

    表彰式は11月19日に東京都内で行われる予定。実施概要の詳細は厚労省ホームページを参照のこと。

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    HealthDay News 2018年7月30日
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  • アブラナ科野菜を摂取するほど全死亡リスク減 約9万人の日本人男女を解析、JPHC研究

    40歳代半ば以降の日本人の男女は、キャベツやブロッコリー、白菜などのアブラナ科の野菜を多く摂取するほど全死亡リスクが低減する可能性があると、国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究グループが発表した。

    研究の詳細は「Clinical Nutrition」4月23日オンライン版に掲載された。

    アブラナ科の野菜には、抗炎症作用や発がん抑制作用で知られる「イソチオシアネート」と呼ばれる成分が豊富に含まれている。
    しかし、アブラナ科の野菜の摂取量と死亡との関連を包括的に検討した大規模な観察研究は実施されていなかった。

    研究グループは今回、JPHC研究に参加した45~74歳の男女約9万人を長期にわたり前向きに追跡したデータを用いて、アブラナ科の野菜の摂取量と全死亡、がんや心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患および外因による死亡リスクとの関連を調べた。

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    今回の研究では、ベースライン時(1990年および1993年)に全国11地域に在住し、がんや心筋梗塞、脳卒中の既往がなく、研究開始から5年後の食物摂取頻度質問票に回答した45~74歳の8万8,184人(うち男性4万622人)を対象に、2014年まで追跡を行った。
    質問票では漬け物を含む11項目のアブラナ科の野菜(キャベツ、大根、小松菜、ブロッコリー、白菜、チンゲンサイ、からし菜、フダンソウ、たくあん漬け、野沢菜漬け、白菜漬け)からアブラナ科の野菜の総摂取量を推定した。

    中央値で16.9年の追跡期間中に1万5,349人が死亡した。
    男女別にアブラナ科の野菜の総摂取量で5つの群に分けて解析した結果、全死亡リスクは、摂取量が最も少ない群と比べて最も多い群で男性では14%、女性では11%それぞれ有意に低下することが分かった(傾向P値はそれぞれ0.0002、0.03)。

    また、疾患別の死亡リスクを比較した結果、男性ではアブラナ科の野菜の摂取量が最も少ない群と比べて最も多い群でがんによる死亡リスクが16%有意に低下した(P=0.001)。
    一方、女性では摂取量が最も多い群で心疾患リスクが27%(P=0.01)、外因による死亡リスクが40%(P=0.005)有意に低下し、脳血管疾患リスクも22%(P=0.05)低下した。

    さらに、野菜の種類別の摂取量と全死亡リスクとの関連について解析したところ、男性ではブロッコリー、たくあん漬けの摂取量が最も多い群で、女性では大根、ブロッコリーの摂取量が最も多い群で死亡リスクが低減した。

    以上の結果について、研究グループは「アブラナ科の野菜に多く含まれるイソチオシアネートや抗酸化性のビタミンによる抗炎症作用と抗酸化作用が死亡リスクの低下に寄与している可能性がある」と指摘。
    今後の研究ではイソチオシアネートの種類を詳細に解析したり、尿中イソチオシアネートなどの生体指標を用いた検討を行う必要があるとしている。

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    HealthDay News 2018年7月2日
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  • 家庭の経済状況は未就学児の肥満にも影響か 東北大

    家庭の経済状況は、未就学児の肥満率に影響を及ぼす可能性のあることが、東北大学大学院公衆衛生学分野講師の遠又靖丈氏らの研究グループの検討で分かった。

    特に時間的な余裕がない家庭において、経済状況が幼児の肥満リスクに関連していたことが示唆され、研究グループは「暮らし向きは、幼児の肥満の原因の一つに挙げられるのではないか」としている。詳細は「Journal of Epidemiology」6月9日オンライン版に掲載された。

    家庭の経済状況は、学童期における肥満のリスク因子の一つとされているが、未就学児における関連は明らかにされていない。
    研究グループは、家庭の経済状況と未就学児の肥満との関連を検討するため、保育所に通う4歳児を対象とした観察研究を行った。

    研究グループは、仙台市内の143カ所の認可保育所に通う計1,848人の未就学児を対象に、2015年10月から12月にかけて横断研究を実施した。
    家庭の経済状況に関しては、両親に暮らし向きや生活の中の時間的なゆとりについて尋ね、その回答から評価。対象とした子どもを「ゆとりがある」「どちらともいえない」「あまりゆとりはない」「全くゆとりはない」の4つの群に分けて解析した。
    なお、肥満は男児がBMI 17.47kg/m2以上、女児は17.19kg/m2以上と定義した。

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    対象とした子どもの肥満率は6.8%であった。また、家庭の経済状況は「ゆとりがある」が547人、「どちらともいえない」が600人、「あまりゆとりはない」が536人、「全くゆとりはない」は165人であった。

    解析の結果、家庭の経済状況にゆとりがないと未就学児が肥満となる確率が有意に上昇することが分かった(ゆとりがある場合と比べた全くゆとりがない場合の肥満の調整オッズ比は2.31、95%信頼区間1.23~4.33)。

    研究グループは「今回の解析では、認可保育所で給食を利用する子どもが対象となっていたが、こうした中でさえも家庭の経済状況が肥満の頻度と関連していた。
    また、特に時間的な余裕がない家庭の子どもにおいて、家庭の経済状況と未就学児の肥満との間に強い関連がみられた。
    家庭の経済状況は食生活と関連しており、例えば暮らし向きに余裕がない家庭では加工食品やファストフードの頻度が高い傾向にある」と分析。未就学児においても、家庭の経済状況は肥満のリスクを高める可能性があると結論づけている。

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    肥満症とは?肥満との違いなど病気に関する基本情報を掲載しています。一般的に肥満とは違い、病気として症状があるため治療を受けることができます。どういった違いがあるのか?詳しく解説しています。

    肥満症とは?肥満との違いなど病気に関する基本情報

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    HealthDay News 2018年6月25日
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