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6月 08 2026 乳がん・子宮頸がん検診、働く女性の受診行動と性格特性に関連か
乳がんや子宮頸がんの早期発見には定期的な検診が重要だが、働く女性の受診率向上は課題となっている。今回、日本の就業女性を対象とした研究で、一般に健康管理と結びつきやすいとされる誠実性や不安と関連する神経症傾向が高い女性ほど、乳がんおよび子宮頸がん検診の受診率が低い傾向にあることが示された。研究は横浜市立大学医学部看護学科の佐藤みほ氏と、福島県立医科大学看護学部の佐藤菜保子氏によるもので、詳細は4月28日付の「JMIR Cancer」に掲載された。
日本では乳がん・子宮頸がんの罹患率および死亡率が高い一方、検診受診率は他のOECD加盟国と比べて低い。女性の就業率上昇に伴い働く女性の受診率向上が課題となる中、時間的制約に加え、心理社会的要因も健康行動に影響する可能性が指摘されている。こうした背景から著者らは、就業女性における乳がん・子宮頸がん検診受診と性格特性やリスク認知との関連を検討した。
【子宮がんの治験について相談したい方へ】
治験情報の探し方から参加検討まで、専門スタッフが一緒にサポートします著者らは、慶應義塾大学パネルデータ設計・解析センターが実施する日本家計パネル調査(JHPS)および慶應義塾家計パネル調査(KHPS)のデータを用いた二次解析を行った。対象は70歳以下の就業女性1,142人で、2019~2022年の縦断データを解析した。乳がん検診(マンモグラフィ)および子宮頸がん検診(子宮頸部細胞診)の受診有無を評価し、性格特性は日本語版Ten-Item Personality Inventory(TIPI-J)で測定した。また、リスク回避傾向、主観的健康状態、精神的健康、婚姻状況、子どもの有無、介護役割の有無、学歴、雇用状態(正規・非正規)、居住地域などもあわせて解析した。少なくとも2回の回答が得られた参加者を対象に、一般化線形混合モデルを用いて乳がん・子宮頸がん検診受診と各因子との関連を検討した。
解析の結果、乳がん検診および子宮頸がん検診のいずれにおいても、誠実性と神経症傾向が高い女性ほど受診率が低かった。乳がん検診では、誠実性(オッズ比〔OR〕 0.86、95%信頼区間〔CI〕 0.77~0.97、P=0.01)、神経症傾向(OR 0.87、95%CI 0.77~0.98、P=0.02)が関連し、子宮頸がん検診でも同様の傾向がみられた(誠実性:OR 0.88、95%CI 0.79~0.98、P=0.02、神経症傾向:OR 0.88、95%CI 0.78~0.99、P=0.04)。
著者らは、一般に自己管理能力の高さと結びつく誠実性が高い女性ほど乳がん・子宮頸がん検診の受診率が低かった点について、仕事に加えて家庭でも多くの役割を担う日本人女性では、がんの予防行動よりも仕事や家族を優先する可能性があると考察した。また、神経症傾向が高い女性では、がんと診断される可能性に対する不安が強く、検診受診をためらう可能性が示唆された。
本研究の限界として、自己記入式質問票による想起バイアスや社会的望ましさバイアスの可能性、欠測データ除外による選択バイアス、がん特異的ではなく一般的なリスク回避傾向を評価した点、医療への信頼や受診アクセス障壁に関する情報が含まれていない点などを挙げた。今後は、がん検診受診に影響する構造的要因および心理社会的要因について、さらなる検討が必要だとしている。
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治験・臨床試験は新しいお薬の開発に欠かせません。治験や疾患啓発の活動を通じてより多くの方に治験の理解を深めて頂く事を目指しています。治験について知る事で治験がより身近なものになるはずです。
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5月 26 2026 がんリスクに職業差、背景に「見つかりやすさ」の違いも――日本の大規模産業医学研究
職業は、がんリスクに影響するのだろうか。今回、日本の大規模研究で、男性では運輸関連や一部のブルーカラーの職業でがんリスクが高い傾向にあり、医師や教師などの専門職で低いといった傾向が示された。女性でも胃がんや乳がんなどで職業ごとの差がみられたという。ただし、この違いは単純な発症リスクだけではなく、健康診断の受診機会による「見つかりやすさ」や生活習慣の違いも影響している可能性がある。研究は東海大学医学部衛生学公衆衛生学の深井航太氏らによるもので、詳細は4月14日付で「Journal of Occupational and Environmental Medicine」に掲載された。
職業はがんリスクに影響する重要な要因とされるが、これまでの研究は特定の有害物質や高リスク産業に偏り、幅広い職業分類で部位別リスクを包括的に検討した研究は少ない。また、男女差や社会経済的要因、検診による「見つかりやすさ」の違いも十分に考慮されていない。日本は長期雇用により同一職業での曝露が蓄積しやすく、職場で行われるがん検診などにより職業ごとにがんの発見機会が異なる特徴を持つ。本研究は、日本の大規模データを用い、職業別・男女別・部位別のがんリスクを評価し、生活習慣や社会経済的要因、検出バイアスも考慮しながら、職業によるがん格差の実態解明を目的とした。
【がんの治験について相談したい方へ】
治験情報の探し方から参加検討まで、専門スタッフが一緒にサポートします本研究では、2005〜2023年に労災病院グループで実施された入院患者の病職歴調査(Inpatient Clinico-Occupational Database of Rosai Hospital Group:ICOD-R)のデータを用い、多施設による大規模症例対照研究が行われた。労災病院グループは全国34病院からなるネットワークで、診断は医師により国際基準に基づいて記録されている。対象は、がん患者約14万7,000人と、年齢などを一致させた対照群約27万8,000人で構成された。職業は最も長く従事した職種を基準に評価し、喫煙や飲酒などの生活習慣を調整した上で、条件付きロジスティック回帰分析により性別ごとに解析が行われた。
解析の結果、職業によってがんリスクに差が認められ、その傾向は男性でより顕著であった。男性では、肉体労働や運輸関連職でリスクの上昇がみられた一方、医師や教師などの専門職では低い傾向が示された。女性においても職業ごとの差は認められたが、全がんでの差は比較的小さく、がんの種類ごとに異なるパターンがみられた。なお、職業分類ごとの部位別がんリスクの詳細は、論文本文で男女別にヒートマップで示されている。
部位別にみると、男性では専門職で肺がん、胃がん、大腸がんなどのリスクが一貫して低い一方、販売や接客、飲食関連、運輸、建設などの職種で肺がんや大腸がん、肝がんのリスク上昇がみられた。女性では全体として職業差は限定的であったが、電気機械の組立作業に従事する人では、肺がんや胆道がん、胃がんのリスク上昇がみられるなど、特定のがん種で職業との関連が認められた。
ただし、こうした職業差の背景には、「見つかりやすさ」の違いが影響している可能性が指摘された。前立腺がんでは事務系職でリスクが高くみられたが、これは健康診断でPSA検査を受ける機会の違いにより、無症状の段階で発見されやすいことが影響している可能性がある。
著者らは、職業によるがんリスクの差について、実際の発症リスクだけでなく、生活習慣や健康診断の受診機会の違いも反映している可能性があると考察した。今回の知見について、特定の職業が一律に高リスクであることを示すものではなく、職業環境や健康管理機会の違いががんリスクの見え方に影響している可能性を示唆するものと位置づけている。
なお、本研究の限界点として著者らは、病院ベースの症例対照研究であることによる選択バイアスの可能性に加え、転職歴が加味されていないことや、身体活動など一部情報が含まれていない点を挙げている。
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肺がんは初期の自覚症状が少ないからこそ、セルフチェックで早めにリスクを確かめておくことが大切です。セルフチェックリストを使って、肺がんにかかりやすい環境や生活習慣のチェック、症状のチェックをしていきましょう。
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3月 30 2026 がんサバイバーの運動習慣、死亡だけでなく要介護化リスクとも関連
がん医療の進歩により、がんサバイバーは増加しているが、その後の生活機能や自立の維持は重要な課題となっている。今回、日本の大規模データを用いた研究で、がんサバイバーにおける日常的な身体活動が、死亡だけでなく新規の要介護認定リスクとも関連する可能性が示された。研究は、国立循環器病研究センター予防医学・疫学情報部の中塚清将氏、国立長寿医療研究センター老年社会科学研究部の小野玲氏、九州大学大学院医学研究院の福田治久氏らによるもので、詳細は2月16日付で「BMJ Open」に掲載された。
がんサバイバーに対する身体活動は、死亡や再発リスクの低下、QOL改善と関連することが報告され、ガイドラインでも推奨されている。しかし、複数のがん種を対象に、1年以上の習慣的身体活動と長期的な機能的アウトカムとの関連を大規模データで検討した研究は限られている。特に、要介護化のような社会的・制度的指標を用いた検討は十分ではない。そこで本研究は、日本の介護保険(LTCI)データを活用し、がんサバイバーにおける1年間の習慣的身体活動が死亡および要介護認定に与える影響を検証することを目的とした。
【がんの治験について相談したい方へ】
治験情報の探し方から参加検討まで、専門スタッフが一緒にサポートします本研究は、日本の13自治体が参加する大規模データベース「Longevity Improvement & Fair Evidence study(LIFE Study)」に登録された2014年4月から2022年3月までのレセプトおよび健診データを用いた後ろ向きコホート研究である。健康診断を受けた47万1,511人のうち、健診受診までの1年間にがんの診断があるなどの条件を満たした3万9,435人のがんサバイバーを解析対象とした。各参加者は最大約5年間追跡された。主要評価項目は、新規の要介護認定または全死亡の複合アウトカムとした。要介護認定は、自治体の担当職員が心身の状態を調査し、コンピュータ判定と専門職チームの審査を経て決定される制度上の指標で、日常生活動作(ADL)の低下を示す。全死亡はレセプトデータに基づいて把握した。身体活動は健診の項目より、「1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施」と「日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施」の、「はい・いいえ」の回答から運動とウォーキングの有無を把握した。解析では、年齢や生活習慣などの要因を調整した生存時間解析を行い、身体活動と死亡および要介護認定との関連を検討した。さらに、年齢層別や主要ながん種別の解析も実施した。
身体活動は「運動とウォーキングの両方を行っている群」1万3,536人(34.3%)、「運動またはウォーキングのいずれかを行っている群」1万1,609人(29.4%)、「身体活動なし群」1万4,290人(36.2%)の3群に分類された。
65~74歳のがんサバイバーでは、「身体活動なし群」は「運動とウォーキングの両方を行っている群」と比べ、全死亡または新規の要介護認定リスクが有意に高かった(調整後ハザード比〔HR〕1.72、95%信頼区間〔CI〕1.52~1.94)。
75歳以上でも同様の傾向がみられ、「運動またはウォーキングのみ」の群(HR 1.51、95%CI 1.29~1.85)および「身体活動なし群」(HR 1.66、95%CI 1.43~1.92)は、いずれも「運動とウォーキングの両方を行っている群」と比べ、全死亡または要介護認定リスクが高かった。
全死亡および要介護認定を個別に解析した補足解析でも、「身体活動なし群」は「運動とウォーキングの両方を行っている群」と比べてリスク上昇が認められた。全死亡のHRは1.87(95%CI 1.65~2.12)、要介護認定のHRは1.33(95%CI 1.14~1.54)であった。
さらに、身体活動の影響はがん種によって異なる可能性が示された。
著者らは、がんサバイバーにおける日常的な身体活動が死亡および要介護認定の予防につながる可能性を示したと結論づけた。とくに高齢者で効果が大きい可能性があり、日常生活での継続的な身体活動の重要性を強調している。
本研究の限界として、治療状況が一様でない可能性や、身体活動を自己申告で評価している点、認知・心理状態など未測定因子の影響などを挙げている。
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10月 20 2025 医療用麻薬の量が睡眠の質に関連か、非がん性慢性疼痛患者の新知見
オピオイド鎮痛薬(以下、オピオイド)はその多くが医療用麻薬に指定され、強い鎮痛作用を持つ。今回、がん以外の慢性的な痛みを抱える患者(非がん性慢性疼痛)において、オピオイドの使用量が睡眠の質と関連する可能性が示された。オピオイド未使用と比較して、高用量のオピオイド使用では総睡眠時間が短く、夜中に目が覚める時間が長い傾向がみられた一方、低用量のオピオイド使用では、睡眠の質が良好な傾向がみられたという。順天堂大学医学部麻酔科・ペインクリニック講座の池宮博子氏らによる研究で、詳細は9月8日付けで「Neuropsychopharmacology Reports」に掲載された。
非がん性慢性疼痛の治療においても医療用麻薬が用いられることがあるが、その使用には慎重な判断が求められる。特に、高用量を長期間使用することの有益性は限定的とされ、睡眠への影響についても様々な報告があり、専門家の間でも一定の見解は得られていない。睡眠は生活の質に大きく影響するため、臨床的意義は大きい。このような背景を踏まえ、著者らは非がん性慢性疼痛で強オピオイドを6か月以上の長期にわたり使用している患者の睡眠状態を明らかにするため、比較研究を行った。
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郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。本研究では、順天堂大学医学部附属順天堂医院の麻酔科・ペインクリニックを定期受診している慢性の非がん性疼痛患者29人を対象とした。患者はオピオイドの使用状況に基づき、オピオイド未使用群(11人)、弱オピオイド使用群(8人)、強オピオイドを1日モルヒネ換算量60mg未満で使用する群(5人)、および60mg以上で使用する群(5人)の4群に振り分けられた。痛みの強度や不安・抑うつ(HADS)、痛みを悲観的に考える傾向(PCS)、ストレス(JPSS)などの心理状態を質問票で評価した。また、主観的な睡眠状態も質問票であるAISで評価した。そして、総睡眠時間、中途覚醒時間、睡眠効率などの客観的睡眠指標は、ウェアラブル機器を用いて7晩にわたり測定した。睡眠データは、オピオイド未使用群を基準群として線形混合効果モデルで解析した。モデル1は年齢、性別、痛みの強度、測定日で補正し、モデル2ではさらにPCS、HADS、JPSSを加えて補正した。
弱オピオイド使用群の患者は全員トラマドール塩酸塩を使用していた。強オピオイド群で1日60mg未満の患者はフェンタニル貼付剤またはモルヒネ塩酸塩を使用し、1日60mg以上の患者はフェンタニル貼付剤、オキシコドン塩酸塩、またはモルヒネ塩酸塩を使用していた。
解析の結果、モデル1では高用量群で総睡眠時間が短く(平均411 vs. 290分、P<0.001)、中途覚醒時間が長く(平均106 vs. 189分、P<0.01)、睡眠効率が低い(平均79.8 vs. 64.0%、P<0.001)ことが示された。モデル2でも同様の傾向は維持されたが、一部で統計的有意性がみられなかった。一方で、低用量群では、モデル2で中途覚醒時間が短く(平均121.4 vs. 47.6分、P<0.001)、睡眠効率が高い(平均77.1 vs. 88.8%、P<0.001)傾向がみられた。
主観的な不眠症状は、強オピオイド使用群の両群で認められ、とくに高用量群で顕著だった。
本研究について著者らは、「今回の結果は、非がん性慢性疼痛の患者さんで高用量の強オピオイドを使用する場合、睡眠への影響を評価する重要性を示している。一方、強オピオイド低用量群で見られた、睡眠効率が比較的高く、中途覚醒時間が短いという結果は、オピオイドの鎮痛効果と良好な睡眠を両立させるためには、慎重な用量調整が重要である可能性を示唆している」と述べている。
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10月 20 2025 がんサバイバーに潜む脳卒中リスク、年齢・高血圧・血液検査値がカギ
がんと診断された人(がんサバイバー)は、そうでない人と比較して脳卒中を発症するリスクが高いことが報告されている。今回、大阪大学の大規模研究で、がんサバイバーにおける脳梗塞の発症率とそのリスク因子が明らかになった。年齢以外に血圧や血液の数値といった身近な健康指標が関わっているという。研究は大阪大学医学部4回生の寺田博昭氏、中村賢志氏、同大学大学院医学系研究科神経内科学講座の権泰史氏らによるもので、詳細は9月7日付けで「THROMBOSIS RESEARCH」に掲載された。
がんサバイバーは脳卒中のリスクが高く、治療中断や予後不良につながることが報告されている。一般人口と比べ脳卒中関連死亡は約2倍で、臨床上の大きな課題となっている。既存研究では、がんサバイバーにおけるがん診断後1年以内の脳梗塞累積発症率は0.9~4%程度と報告され、著者らが行った日本の大規模研究でも同様の傾向が示された。脳梗塞発症リスクは男性や進行がん、心房細動、高血圧などで高く、脳転移も一因となる可能性がある。がんサバイバーの予後改善に伴い動脈血栓塞栓症への関心が高まっており、さらなる疫学的データの蓄積が求められている。こうした背景を踏まえ、著者らはがんサバイバーにおける脳梗塞の発症率を調査し、この集団におけるリスク因子を特定することを目的とした、後ろ向きの単施設観察研究を実施した。
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郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。解析対象は、2007年1月1日~2020年12月31日までの間に大阪大学医学部附属病院の院内がん登録に登録されたすべてのがん患者とした。主要評価項目はがん診断後の脳梗塞発症とした。患者は、がん診断時点から1年間追跡され、死亡を競合リスクとして脳梗塞の累積発生率を評価した。リスク因子はFine and Grayの競合リスクモデルを用いて解析し、サブディストリビューションハザード比(SHR)とその95%信頼区間(CI)を算出した。年齢、性別、既往歴、がんの病期に加え、がん患者の血栓症リスク評価に用いられるKhoranaスコアの構成要素(がん種、白血球数、血小板数)も潜在的な交絡因子として考慮した。
最終的な解析対象は3万5,862人(年齢中央値 65歳、男性 50.3%)となった。最も多かったがん種は乳がん(10.3%)であり、ついで子宮がん(9.6%)、大腸がん(8.2%)などであった。追跡期間中、188人の患者が脳卒中を発症した。そのうち最も多かったのは脳梗塞で143人(76.1%)が発症し、次いで脳内出血が38例(20.2%)、くも膜下出血が7例(3.7%)であった。がん診断後1年間の脳梗塞累積発生率は0.42%であった。
次にFine and Grayの競合リスクモデルを用いて脳梗塞発症のリスク因子を分析した。多変量解析では、脳梗塞発症の独立したリスク因子として、高齢(調整後SHR 1.01、95%CI 1.00~1.03)、高血圧(1.59、95%CI 1.10~2.30)、脂質異常症(1.60、95%CI 1.09~2.36)、心房細動(2.42、95%CI 1.54~3.81)、進行がん(1.74、95%CI 1.12~2.70)が同定された。さらに、がん診断時の白血球数(≥11,000/μL:2.36、95%CI 1.35~4.14)および血小板数(≥350,000/μL:2.24、95%CI 1.05~4.79)の上昇も独立した予測因子であった。
本研究について著者らは、「今回の結果は、高齢、⾼血圧、脂質異常症、心房細動、進行がん、ならびに白血球数および血小板数の上昇が、がんサバイバーにおける脳梗塞の潜在的なリスク因子である可能性を示唆している。今後の研究では、増加するこの集団において高リスク者を特定し、脳梗塞発症を予測するツールの開発を目指すべきである」と述べている。
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9月 24 2025 化学療法の副作用にVRが有効か、婦人科がん患者のRCTで有効性を示唆
婦人科がんの治療に使われる化学療法は、吐き気や気分の落ち込みなどの副作用が大きな課題となっている。今回、無作為化比較試験で、患者が没入型VRを用いることで副作用の悪化を防ぎ、制吐剤の追加を減らせる可能性が示された。研究は大阪大学大学院薬学研究科医療薬学分野の仁木一順氏、大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学教室の上田豊氏、中川慧氏らによるもので、詳細は「Journal of Medical Internet Research(JMIR)」に8月14日掲載された。
卵巣がんの第一選択化学療法であるパクリタキセル/カルボプラチン(TC)療法または、TC+ベバシズマブ(TC+Bev)療法は、悪心や倦怠感、筋肉痛、関節痛などの副作用を伴い、患者の不安や治療中断につながることがある。薬剤追加による副作用増加や医療費の上昇も課題であり、安全で経済的な非薬物的手段が求められている。近年、デジタルセラピューティクス(DTx)が注目される中で、VRは疼痛や不安、抑うつの軽減に有効性が示されてきたが、従来の評価は単回使用による一時的な効果に限られていた。本研究では、婦人科がんの患者に対し、TCまたはTC+Bev療法中に7日間連続でVRを用い、その持続的効果を無作為化比較試験で検証した。
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郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。対象は、大阪大学医学部附属病院の産科婦人科に入院し、TCまたはTC+Bev療法を受けている患者とした。介入群の患者は、通常の支持療法に加え、治療初日から7日間連続で、1日あたり約10分間のVRを実施した。主要評価項目は、エドモントン症状評価システム改訂版(日本語版)(ESAS-r-J)を用いて測定した身体的および精神的症状の重症度の変化量であった。副次評価項目には、追加制吐剤の使用割合、悪心に対する完全奏効(CR)率、そして日本版状態-特性不安検査(STAI)Y-1を用いた不安の重症度が含まれた。非介入群の患者は、通常の支持療法および対症療法を受けた。VRヘッドマウントディスプレイとしてOculus Go(Meta Platforms, Inc)が使用された。VRに投影されるコンテンツはWander(Parkline Interactive, LLC)、Ocean Rift(Picselica Ltd)、YouTube VR(Google LLC)など8種類が用意された。効果量0.8を有意水準5%、検出力80%で検出するために、必要最小サンプル数を1群あたり26人と算出した。さらに約10%の脱落を考慮し、最終的なサンプルサイズは各群30人、合計60人と設定した。
7日間の試験期間を完了した介入群28人、非介入群30人を解析に含めた。ESAS-r-Jスコアの1日目から7日目までの変化量について、悪心においては、介入群では4日目のみ有意に悪化した(P<0.001)が、非介入群では3日目、4日目、5日目に有意な悪化がみられた(各P<0.001、P=0.001、P=0.035)。抑うつは、介入群では1日目以外に有意な悪化は認められなかったが、非介入群では4日目に有意な悪化を示した(P=0.036)。
2日目から7日目に追加の制吐剤を使用した患者の割合は、介入群で非介入群よりも有意に低かった(P=0.02)。また、TCまたはTC+Bev療法1日目におけるSTAI Y-1(状態不安の程度)の変化については、介入群ではVR体験前の平均43.8から体験後34.8へと有意に低下した(P<0.001)のに対し、非介入群では抗がん剤投与前後で有意差は認められなかった(44.9から43.9、P=0.54)。
試験終了時(7日目)にVR体験後のアンケートを行ったところ、操作の容易さについては回答者の89.3%(25/28人)がプログラムの簡便さを支持していた。また、「同じ状況を経験している友人に自信をもってこのVRプログラムを勧められるか?」という質問に対しては、回答者の92.9%(26/28人)が「ぜひ勧めたい」「機会があれば体験させたい」などと肯定的に回答した。
本研究について、著者らは「化学療法に伴う悪心・嘔吐の予防には不安の管理が有効であることが報告されている。さらなる検討は必要ではあるが、今回の研究では、VRを用いて不安を軽減し、遅発性悪心を防ぐとともに患者に前向きな感情をもたらす新たな治療法を提示したと考える」と述べている。
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9月 16 2025 性的マイノリティ女性は乳がん・子宮頸がん検診受診率が低い、性特有の疾患における医療機関の課題
性的マイノリティ(SGM)の女性は、乳がんや子宮頸がんの検診受診率が非SGM女性に比べて低いことが全国調査で明らかになった。大腸がん検診では差がみられず、婦人科系がん特有の課題が示唆されたという。研究は筑波大学人文社会系の松島みどり氏らによるもので、詳細は「Health Science Reports」に8月4日掲載された。
がん検診は、子宮頸がんや乳がんの早期発見と死亡率低下に重要な役割を果たしている。先進国と途上国を含む10カ国以上では、平均的なリスクを持つ全年齢層で20%の死亡率低下が報告されている。しかし、日本では2022年時点での子宮頸がん・乳がんの検診受診率はそれぞれ43.6%、47%にとどまっている。この受診率の低さの背景として、教育や所得の問題が議論されてきたが、日本ではSGMの問題という重要な視点が欠けていた。
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本研究では、オンライン縦断調査プロジェクトである「日本における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)問題および社会全般に関する健康格差評価研究(JACSIS Study)」のデータベースより、JACSIS 2022モジュールのデータを使用した。2022モジュールは、2022年9月12日~10月19日の間に行われた追跡調査であり、合計3万2,000のサンプルが含まれた。サンプルを20~69歳の女性に限定した結果、最終的な解析対象は1万2,305人(SGM女性1,371人、非SGM女性1万934人)となった。
調査の結果、子宮頸がん検診の受診率はSGM女性で36.2%、非SGM女性で47.4%、乳がん検診は41.8%対50.1%であり、いずれもSGM女性の方が有意に低かった(いずれもカイ二乗検定、P<0.001)。一方、大腸がん検診の受診率はSGM42.5%、非SGM45.2%であり、その差は小さく統計学的な有意差は認められなかった(カイ二乗検定、P=0.23)。
また、人口統計学的特性および社会経済的地位を考慮したロジスティック回帰分析の結果、SGM女性は非SGM女性に比べて子宮頸がん検診(オッズ比〔OR〕 0.78、95%信頼区間〔CI〕 0.69~0.88、P<0.001)および乳がん検診(OR 0.77、95%CI 0.64~0.93、P<0.01)を受ける可能性が低いことが明らかになった。一方、大腸がん検診についてはSGM女性と非SGM女性の間に有意な差は認められなかった(OR 0.96、95%CI 0.80~1.16)。
著者らは、「本研究は、SGMの女性が子宮頸がんや乳がんなど女性特有のがん検診を受けにくい現状を明らかにし、この分野の理解を深めるものとなっている。結果は、医療現場でSGMの問題に配慮するための政策の重要性を示しており、具体的にはガイドラインの整備や性的に配慮したコミュニケーションの研修、さらに自己採取型HPV検査の導入などが挙げられる。なお、本データでは約12.5%の女性が性的マイノリティであると回答しており、受診率の低さが課題の日本において、国の政策としても決して看過されるべき課題ではない」と述べている。
なお、本研究の限界として、サンプル数の少なさから対象をSGMと非SGMの2群に単純化している点が挙げられる。この単純化により、SGM内の特定のグループ(トランスジェンダーなど)が抱える経験やニーズが見落とされていた可能性がある。著者らは、こうしたグループの独自の医療ニーズや課題を明らかにするためには、より大規模で多様なサンプルを用いた研究が必要であると指摘している。
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7月 28 2025 重度irAE後のICI再治療、名大実臨床データが安全性と有効性を示唆
免疫チェックポイント阻害剤(ICI)はがん治療に革命をもたらしたが、重度の免疫関連有害事象(irAE)を引き起こす可能性がある。今回、irAE発現後にICIによる再治療を行った患者でも、良好な安全性プロファイルと有効性が示されたとする研究結果が報告された。研究は、名古屋大学医学部附属病院化学療法部の水野和幸氏、同大学医学部附属病院消化器内科の伊藤隆徳氏らによるもので、詳細は「The Oncologist」に6月14日掲載された。
抗CTLA-4抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体を含むこれらのICIは、単剤または併用療法として患者の予後を大きく改善してきた。ICIは抑制性シグナル伝達経路を阻害することで抗腫瘍免疫応答を高める一方、重度のirAEを引き起こす可能性がある。irAEは一般的に内分泌腺、肝臓、消化管、皮膚などに発生する。グレード3以上の重度の非内分泌irAEに対しては、現行のガイドラインに基づき、ICIの一時的または恒久的な中止が推奨される。このため、重度のirAE発症後のICI再治療は、効果と再発リスクのバランスが課題となる。過去の報告ではirAE再発率は約30%とされているが、患者背景や重症度の詳細が不十分だった。既存のメタ解析も、研究間の異質性やイベント報告の不備が課題とされている。こうした背景から、著者らは重度のirAE後のICI再治療の安全性と有効性を明らかにすることを目的に、ICI再治療後のirAE発生と患者の転帰に焦点を当てた後ろ向き解析を実施した。
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郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。解析対象には、2014年9月~2023年6月までに名古屋大学病院で悪性腫瘍に対してICIによる治療を受けた患者1,271名が含まれた。PD-1/PD-L1阻害剤および/またはCTLA-4阻害剤を、単独療法または他の薬剤との併用療法として少なくとも1サイクル投与された患者を適格とした。CTCAE(Ver 5.0)に従い、グレード3以上のirAEを「重度」と定義した。連続変数はt検定またはMann-WhitneyのU検定、カテゴリ変数はカイ二乗検定またはFisherの正確確率検定を用いて、それぞれ群間比較を行った。
解析対象1,271人のうち、重度のirAEは222人(17.5%)に発現した。これらのirAEには内分泌障害、肝毒性、皮膚炎などが含まれた。そこから単独の内分泌障害を有する患者60人が除外され、162人のうち46人(28.4%)がICIによる再治療を受けた。再治療後、14例(30.4%)でirAEの再発または新たなグレード2以上のirAEが発現した。初回ICI治療時に肝毒性(グレード3)を発現した1人でグレード4の再発が認められた。
抗腫瘍効果については、ICI再治療を受けた46人の客観的奏効率は28.3%(13人)であり、完全奏効が10.9%(5人)、部分奏効が17.4%(8人)だった。病勢安定は30.4%(14人)、病勢進行は34.8%(16人)に認められた。再治療後のICI投与期間の中央値は218日(95%信頼区間〔CI〕84~399)であり、全生存期間および無増悪生存期間の中央値はそれぞれ665日(95%CI 443~929)、178日(95%CI 70~301)だった。
競合リスクモデルによる再治療1年後の治療中止理由の内訳は、irAEが15.4%(95%CI 6.8〜27.4)、病勢進行が44.4%(95%CI 29.7〜58.1)、投与スケジュール完了が6.6%(95%CI 1.7〜16.3)だった。また、33.4%(95%CI 20.3~47.2)の患者でICI治療が継続された。
本研究について著者らは、「本研究は、名古屋大学病院内の診療科の垣根を越えて実施され、重度のirAE後のICI再治療に関する重要な指針を示した。再治療は、グレード2以上のirAEの再発・新規発現リスクが30.4%ある一方で、客観的奏効率は28.3%と一定の有効性も確認された。本研究の知見は、臨床医がICI再治療の可否をより十分な情報に基づいて判断する一助となり、重度のirAEを経験したがん患者に対する治療機会の拡大につながる可能性がある」と述べている。
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6月 23 2025 がんサバイバーの脳卒中・心血管死リスク、大規模コホート研究で明らかに
がんと診断された人(がんサバイバー)は、そうでない人と比較して心血管系疾患(CVD)を発症するリスクが高いことが報告されている。今回、がんサバイバーの虚血性心疾患・脳卒中による死亡リスクは、一般集団と比較して高いとする研究結果が報告された。大阪大学大学院医学系研究科神経内科学講座の権泰史氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of the American Heart Association;JAHA」に5月15日掲載された。
近年、医療の進歩により、がん患者の生存率は大幅に向上している。しかし、その一方で、CVDが新たながんサバイバーの懸念事項として浮上している。CVDはがんサバイバーでがんに次ぐ死因であることが明らかになっており、疫学研究では、CVDによる死亡リスクが一般集団の約2倍であることも報告されている。従来の研究では、CVD全体による死亡リスクが調査されてきたが、特定のCVDに焦点を当てた研究は限られていた。そのような背景を踏まえ、筆者らは「全国がん登録(NCR)」データベースを用いて、国内のがん患者におけるCVDによる死亡リスクを調査するコホート研究を実施した。CVD全体のリスク評価に加え、虚血性心疾患、心不全、大動脈解離・大動脈瘤、虚血性脳卒中、出血性脳卒中といった特定のCVDについても解析を行った。
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郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。解析対象は、NCRデータベースに含まれる、2016年1月~2019年12月の間にがんと診断された患者とした。対象者の死因は、国際疾病分類第10版(ICD-10)に基づき、死亡診断書に記載された情報からNCRに登録されたコードを用いて特定された。がん患者と一般集団のCVD死亡リスクを比較するため、標準化死亡比(SMR)とその95%信頼区間(CI)を算出した。また、特定のCVDにおいてもがん種ごとのSMRを算出した。
本研究には397万2,603人(うち女性は45.8%)の患者が含まれ、621万2,672人年の追跡調査が行われた。CVDのSMRは2.39(95%CI 2.37~2.41)で、がん患者は一般人口集団と比較してCVD死亡リスクが2.39倍高かった。SMRは男性より女性で高くなっていた。CVD死亡リスクをがん種別にみると、全てのがん種でSMRが1.0を超えて上昇していた。SMRは非リンパ系造血器悪性腫瘍が最も高く(4.32〔95%CI 4.15~4.50〕)、前立腺がんが最も低かった(1.52〔95%CI 1.48~1.57〕)。
次にがん種ごとに特定のCVDのSMRを調べた。その結果、特定のCVDのSMRはがん種によって異なることが明らかになった。虚血性心疾患と心不全では非リンパ系造血器悪性腫瘍のSMRが最も高かった(それぞれ3.15〔95%CI 2.87~3.45〕、7.65〔95%CI 7.07~8.27〕)。虚血性脳卒中、大動脈解離・大動脈瘤、出血性脳卒中ではそれぞれ膵臓がん(5.39〔95%CI 4.79~6.05〕)、喉頭がん(3.31〔95%CI 2.29~4.79〕)、肝がん(3.75〔95%CI 3.36~4.18〕)のSMRが最も高くなっていた。
本研究の結果について著者らは、「がん患者はCVDによる死亡リスクが高く、非リンパ系造血器悪性腫瘍ではその傾向が顕著だった。また、死亡リスクは、がんの種類やCVDの種類によって大きく異なることが明らかになった。特定のがん種と心血管疾患関連の死亡率との関連性を理解することは、高リスク集団を特定し、がんサバイバーに対する長期的な管理戦略の策定に役立つだろう」と述べている。
本研究の限界点については、NCRに記載のICD-10コードはまれに不正確であること、本研究が観察研究であり、がんとCVDの因果関係を確立するできないこと、などを挙げている。
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肺がんは初期の自覚症状が少ないからこそ、セルフチェックで早めにリスクを確かめておくことが大切です。セルフチェックリストを使って、肺がんにかかりやすい環境や生活習慣のチェック、症状のチェックをしていきましょう。
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2月 27 2025 免疫チェックポイント阻害薬治療中の生存率にインスリン分泌能が独立して関連
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による治療を受けているがん患者において、インスリン分泌能が良好であることが、全生存期間(OS)や無増悪生存期間(PFS)の延長に独立して関連しているとする研究結果が報告された。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科の渡邉真由氏、江口潤氏らが行った前向きコホート研究によるもので、詳細は「Frontiers in Endocrinology」に12月11日掲載された。
ICIは種々のがんに対してしばしば著効を示すが、従来の抗がん剤とは異なる副作用があり、糖尿病を有する場合はインスリン分泌能低下リスクのあることが知られている。ただし、糖尿病でないがん患者に関しては、まれに劇症1型糖尿病を引き起こすリスクがあることを除き、糖代謝へどのような影響が生じるのかという点の知見は限られている。
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郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。渡邉氏らはこの点について、同大学病院の患者を対象とする前向きコホート研究により検討した。解析対象は、2017年6月~2019年8月に進行がんと診断され、ICIによる初回治療が行われた87人。ベースライン以前および研究期間中に糖尿病と診断・治療された患者、および糖代謝に影響を及ぼし得るステロイドが処方された患者などは除外されている。
主な特徴は、年齢中央値(以下、連続変数は全て中央値)が65歳(四分位範囲56~72)、男性67.8%、BMI19.2。がん種は頭頸部がん52人、胃がん19人、その他16人であり、全身状態を0~4で表すECOG PSは0~1(比較的良好なパフォーマンス)が80.5%を占めていた。糖代謝に関しては、HbA1c5.6%、空腹時血糖値97mg/dL、インスリン分泌能を表すHOMA-βが59.4(四分位範囲37.1~85.3)、Cペプチドが1.52ng/dL(同1.01~2.24)、インスリン抵抗性を表すHOMA-IRが1.11(0.72~2.34)であり、腎機能(eGFR)は70.9mL/分/1.73m2(63.5~87.2)と良好だった。投与されたICIは、ニボルマブが78人、ペムブロリズマブが10人、イピリムマブが1人だった(2人は2剤併用)。
ICI投与開始1カ月後、HbA1cの有意な低下(P=0.018)とCペプチドの有意な上昇(P=0.022)が観察され、ICIは非糖尿病患者の糖代謝にも影響を及ぼし得ることが示唆された。
観察期間中に82人(94.3%)が死亡し、OSは中央値7カ月、PFSは同3カ月だった。OSの中央値で2群に分けて比較すると、HOMA-βはベースラインおよび投与1カ月後の両時点で有意差があり、OSが7カ月以上の群のほうが高値だった。その他の糖代謝関連指標の群間差は非有意だった。ROC解析により、OSが7カ月以上であることを予測するHOMA-βの最適なカットオフ値は64.24と計算され、AUCは0.665だった。また、PFSが3カ月以上であることを予測するHOMA-βの最適なカットオフ値は66.43、AUCは0.582だった。
次に、年齢、性別、BMI(最適なカットオフ値である18.58以上)、eGFRおよびHOMA-β(64.24以上)を独立変数、OSの短縮(中央値である7カ月未満)を従属変数とする多変量ロジスティック回帰分析を施行。その結果、BMI(ハザード比〔HR〕0.481〔95%信頼区間0.299~0.772〕)とHOMA-β(HR0.623〔同0.393~0.989〕)の2項目が、OS延長に独立して関連していることが明らかになった。続いて行ったPFSの短縮(中央値である3カ月未満)を従属変数とする解析からは、HOMA-β(66.43以上の場合にHR0.557〔0.339~0.916〕)のみが、PFS延長に独立して関連していることが明らかになった。
著者らは本研究が単施設の患者データに基づく解析であり、サンプルサイズも十分でないことなどを限界点として挙げた上で、「得られた結果は、ICI治療を受ける非糖尿病患者において、インスリン分泌能の高さがOSやPFSの延長に独立して関連することを示している。HOMA-βは、ICI投与が予定されるがん患者の予後予測指標となり得るのではないか」と結論。また、「ICIが膵β細胞機能に影響を及ぼすメカニズムの解明が期待される」と付け加えている。
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肺がんは初期の自覚症状が少ないからこそ、セルフチェックで早めにリスクを確かめておくことが大切です。セルフチェックリストを使って、肺がんにかかりやすい環境や生活習慣のチェック、症状のチェックをしていきましょう。
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