• 「生活習慣の是正」がうつ病予防につながる可能性 約1万人の日本人を対象としたウェブ調査

    うつ病になったことがある人は、そうでない人と比べて肥満や脂質異常症である割合が高く、運動習慣がなく、間食や夜食の頻度が高くて朝食はあまり取らないなど生活習慣が乱れている可能性が高いことが、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部長の功刀浩氏、秀瀬真輔氏らと株式会社ジーンクエストの共同研究で分かった。

    うつ病の予防や治療には生活習慣の是正も重要になるという。詳細は「Journal of Psychiatric Research」2月10日オンライン版に掲載された。

    世界保健機関(WHO)の推計によると、世界のうつ病患者は3億人を上回り、およそ20人に1人がうつ病を患っていると推定されている。
    近年では、うつ病の発症に生活習慣や生活習慣病が影響する可能性が報告されているが、日本人を対象としたエビデンスは限られていた。
    研究グループは今回、うつ病患者とうつ病を持たない対照者の計1万人以上の成人男女を対象とした大規模なウェブ調査で得たデータを解析し、うつ病の既往の有無で肥満度やメタボリック症候群の有無、食生活や運動習慣を比較検討した。

    うつ病に関する治験・臨床試験(新しい治療薬)情報はこちら
    郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。

    ウェブ調査には成人男女1万1,876人が参加し、このうちうつ病の既往がある人は1,000人(平均年齢41.4±12.3歳、男性501人)で、残りのうつ病の既往がない人(1万876人、同45.1±13.6歳、5,691人)を対照群とした。
    心理的ストレスレベルの判定は、精神的苦痛に関するケスラーの6項目スケール(six-item Kessler scale;K6)を用いて行い、肥満度の基準はBMIが18.5未満を「低体重(痩せ)」、18.5~25未満を「適正体重」、25~30未満を「過体重」、30以上を「肥満」とした。
    また、参加者には、生活習慣として朝食や間食、夜食の頻度、運動や飲酒の頻度を尋ねた。

    その結果、うつ病の既往がある群では、対照群と比べて肥満者と低体重の人の割合が高く、適正体重の人の割合は低かった。
    また、うつ病の既往がある群では、脂質異常症や糖尿病の患者の割合が有意に高いことも分かった。
    一方で、うつ病と高血圧との間には有意な関連は認められなかった。

    生活習慣を比較すると、うつ病の既往がある群では、対照群と比べて間食や夜食を取る頻度が有意に高かった一方で、朝食を取る頻度は有意に低かった。
    さらに、うつ病の既往がある群では中等度~高強度の運動をする頻度が有意に低かった。

    以上の結果を踏まえて、研究グループは「うつ病を予防するためには、適正な体重を維持し、糖尿病や脂質異常症といったメタボリック症候群関連の生活習慣病を防ぐほか、きちんと朝食を取り、間食や夜食を控えること、定期的な運動をするなど生活習慣を改善することが望ましい」と述べている。

    治験に関する詳しい解説はこちら

    治験・臨床試験は新しいお薬の開発に欠かせません。治験や疾患啓発の活動を通じてより多くの方に治験の理解を深めて頂く事を目指しています。治験について知る事で治験がより身近なものになるはずです。

    治験・臨床試験についての詳しい説明

    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2018年4月9日
    Copyright c 2017 HealthDay. All rights reserved.
    SMTによる記事情報は、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。
    病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。
    記載記事の無断転用は禁じます。
  • 週1時間だけの運動でうつ病リスクが低下

    強度にかかわらず週1時間だけでも何らかの運動をすると、将来うつ病を発症するリスクが低下する可能性があることが、ノルウェーの成人約3万4,000人を対象とした研究で明らかになった。

    詳細は「American Journal of Psychiatry」10月3日オンライン版に掲載された。

    この研究を実施したのはニューサウスウェールズ大学(オーストラリア)精神医学部准教授のSamuel Harvey氏をはじめとするオーストラリア、ノルウェー、英国の共同研究グループ。1984~1997年にノルウェーの精神障害や身体疾患のない健康な成人3万3,908人を対象に実施された「HUNTコホート研究」のデータを分析した。

    その結果、約11年間の追跡期間中に7%がうつ病を発症し、9%が不安障害を発症していたが、研究開始時に強度にかかわらず余暇に運動を定期的にしている人ではうつ病を発症するリスクが低いことが分かった。
    交絡因子を調整して解析した結果、対象者の全員が週1時間以上運動していれば、その後発症したうつ病の12%を予防できたと推定された。
    また、研究開始時に全く運動をしていなかった人では、週に1~2時間運動していた人と比べてうつ病を発症するリスクが44%高いことも示された。
    一方、運動と不安障害リスクとの関連は認められなかった

    うつ病の治験・臨床試験(新しい治療薬)情報をsmtで検索
    郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。

    ただ、今回の研究では運動時間が2時間を超えるとうつ病リスクの抑制効果は頭打ちとなり、運動時間が長ければよりリスクが低下するわけではないことも示された。
    これについてHarvey氏は「身体的な健康には運動時間が長いほどより多くのメリットが期待できるが、精神的な健康には同様のことは言えないようだ」と説明。
    その上で、強度にかかわらず、運動によるうつ病リスクの低下が認められたことから、同氏は「ウォーキングといった軽い運動をはじめ、どのような種類の運動も、メンタルヘルスにメリットがあるということが今回の研究結果で最も重要なポイント」と強調している。

    この研究結果について、米モンテフィオーレ医療センターのSimon Rego氏は「運動によるうつ病リスクの低減効果は、おそらく複数の機序を介したものと考えられるが、現時点でははっきりしたことは言えない」とした上で、「激しい運動でなくても、たった1時間の運動で良いというのは全く運動していない人にとってはハードルが低い。
    これは心強い結果だ」と話している。

    治験に関する詳しい解説はこちら

    治験・臨床試験は新しいお薬の開発に欠かせません。治験や疾患啓発の活動を通じてより多くの方に治験の理解を深めて頂く事を目指しています。治験について知る事で治験がより身近なものになるはずです。

    治験・臨床試験についての詳しい説明

    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2017年10月3日
    Copyright c 2017 HealthDay. All rights reserved.
    SMTによる記事情報は、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。
    病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。
    記載記事の無断転用は禁じます。
  • インスタの写真がうつ病診断の手掛かりに    

    写真や動画を共有するソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のインスタグラムに投稿される写真の中に、投稿者がうつ病であるかどうかを予測する手掛かりがあることが新たな研究で示された。研究を率いた米ハーバード大学のAndrew Reece氏によると、投稿写真をスキャンしてうつ病の徴候を検知するコンピュータプログラムを用いることで、7割の確率でうつ病を正確に診断できたという。

     Reece氏は今回、米バーモント大学教授のChristopher Danforth氏と共同で、インスタグラムの投稿内容や精神疾患の病歴について研究グループと情報共有することに同意したユーザー166人の投稿写真4万3,950点を分析。機械学習のプログラムを用いることで投稿写真の特徴からうつ病を予測するモデルを開発した。

     その結果、166人のうち71人にうつ病の既往があったが、健康なユーザーの写真と比べてうつ病のユーザーの写真は青みが強く、明度や彩度は低い傾向が認められた。また、画像を加工する場合、うつ病のユーザーはモノトーンに変えるフィルタ(Inkwell)を好むのに対し、健康なユーザーは暖色系の明るい色味に変えるフィルタ(Valencia)を好む傾向があることも分かった。

    うつ病の臨床試験(新しい治療薬)情報をsmtで検索

    郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。

     Reece氏は「膨大なデータから微妙なパターンを見つけ出す作業は、人間よりもコンピュータの方が得意だ。今回の研究結果からは、うつ病の人は文字通り暗く色彩のないレンズを通して世界を見ていることが示唆された」と説明している。

     また、過去の研究でプライマリケア医がうつ病を正確に診断する割合は約42%と報告されているが、今回の研究ではインスタグラムの投稿写真を用いたコンピュータプログラムによるうつ病の検出率は70%に達し、プライマリケア医を上回ることが示された。ただし、Reece氏らは「(コンピュータプログラムを用いた)この方法は、医師による診断と競合するのではなく、あくまでも医師の診断を補助する方法として位置づけられるのではないか」と話している。

     米マウントサイナイ病院精神科のIgor Galynker氏によると、うつ病の人が暗く薄い色を好むことは、過去の研究で明らかにされているという。「沈んだ気分のことをブルーと表現し、赤い色は情熱と関連づけられるのには理由がある」と、同氏は説明している。

     なお、Reece氏らは今回の研究は予備的なものであり、使用したプログラムには追加の調整が必要だとしているが、Galynker氏は「この方法は自殺の抑止などにも効果が期待できるのではないか」と話している。ただ、この方法にはプライバシーに関する厄介な問題もつきまとう。今回の研究では当初500人以上の被験者が集められたが、多くはSNSのデータ共有に同意せず、研究への参加には至らなかったという。

     この研究結果は「EPJ Data Science」8月7日オンライン版に掲載された。

    治験に関する詳しい解説はこちら

    治験・臨床試験は新しいお薬の開発に欠かせません。治験や疾患啓発の活動を通じてより多くの方に治験の理解を深めて頂く事を目指しています。治験について知る事で治験がより身近なものになるはずです。

    治験・臨床試験についての詳しい説明

    abstract:リンク先
    HealthDay News 2017年8月8日
    Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.
    SMTによる記事情報は、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。
    病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。
    記載記事の無断転用は禁じます。