疾患のセルフチェック法

心不全のセルフチェックに関連する基本情報

心不全は、心臓病の中でも初期症状として自覚しやすい病気の一つです。しかし、その症状を心不全だと判断せぬまま過ごしてしまうことも少なくありません。
  1. 心不全はセルフチェックが重要
  2. 心不全の前兆
  3. 不整脈のチェックシート
  4. 心筋梗塞のチェックシート
  5. 狭心症のチェックシート
  6. まとめ

実際には、心臓病の中でも症状が進むごとに重い症状に悩まされる病気である為、早期発見と早期治療が重要であることには変わりません。
そこで、心不全の「セルフチェック」について解説します。

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心不全はセルフチェックが重要

心臓病の中には、心不全はもちろん、心筋梗塞や狭心症、不整脈といった、心不全となり得る前兆があるのもその特徴のひとつですが、心不全を放置していると危険な状態に陥ることも少なくありません。

しかし、発熱や咳、倦怠感といったわかりやすい症状がある風邪と比較しても、それと同等の症状が発生する為、それをなかなか心不全の症状だと自覚できないことも多いです。なぜなら単に少し体長を崩して風邪を引いただけなどと誤って誤診し、判断してしまう事が多いのです。

そのため、自身の症状について冷静に考えてみる必要があるのです。
心不全の他にも心筋梗塞や狭心症、不整脈などの病気を早く発見するために、定期的に各チェックシートにおいてセルフチェックをしてみることをお勧めします。

心不全は誰でも発症する可能性がある
心不全は、基本的に心臓を持つ人間である以上、誰もが発症する可能性がある病気です。
実際には80代の方を中心に発症率が高くなっていますが、若い方でも心不全を発症する可能性は十分にあります。
その為、若いからと油断することはできません。誰もが毎日の健康に気遣う必要があると言えます。

心不全の前兆

心不全では、主に以下のような前兆を起こすことにより、身体の不調を感じると言われています。まずは該当項目がどれだけ多いか自己診断してみてください。

心不全の代表的な自覚症状及び心不全の前兆をチェック

  • 動悸
  • 息切れ
  • 呼吸困難
  • むくみ

初期症状として起こりやすいことは、坂道や階段を上る時に、いつも以上に動悸がしたり、息切れが起こります。心不全の症状が進行していくにつれ、日常生活において平地を歩行するだけでも息苦しさを感じます。

更に症状が進行することにより、就寝時に咳が出る、また、息苦しい為に眠れないということも起こります。その他、足や全身にむくみが見られるようになります。

該当する項目が多い場合は、身体に何らかの病気や異常が発生している可能性が高いです。循環器内科を受診して、その理由を調べてもらってください。

不整脈のチェックシート

不整脈には、頻脈、除脈、期外収縮の3種類があります。

頻脈
頻脈は、正常な時よりも脈が速くなり、1分間に140回以上の頻脈はとても危険な状態であると言われています。

除脈
除脈は、正常な時よりも脈が遅くなり、1分間に40回ほどにまで低下するととても危険な状態であると言われています。

期外収縮
期外収縮は、脈が不規則な打ち方をする場合を指します。
健康体な成人の脈拍数は1分間60~100回です。

不整脈の症状
頻脈

  • 動悸
  • めまい
  • 冷や汗
  • 吐き気
  • 意識を失う

このような場合は心室細動や心房細動が起こっている可能性が高い為、早急に受診・検査が必要です。

除脈

  • 胸痛
  • 脈のリズムがバラバラ

このような場合は、狭心症や心筋梗塞の可能性が考えられます。
脈のリズムが正常に行われない場合は心房細動の可能性があります。

期外収縮

  • 胸に不快感がある
  • 胸痛
  • 息切れ
  • 意識障害

このような場合は、狭心症や心筋梗塞の可能性が考えられます。
不整脈に伴い、めまいや息切れ、胸痛が続く場合は心臓疾患などの重篤な病気の可能性が高いと言えます。

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心筋梗塞のチェックシート

心筋梗塞は、自身が発症したかどうかが把握しにくい病気であると言われています。
心筋梗塞の初期症状には下記のものがあります。

心筋梗塞の症状

  • 胸痛や圧迫感
  • 呼吸困難
  • 顎が痛む
  • 吐き気
  • 冷や汗
  • 息切れ

これらの症状に当てはまる場合は、必ず医師による診察を受けるようにしましょう。
また、胸痛については、胸の中心部分が押さえつけられるような痛みが生じ、15分未満であれば狭心症の疑いが、また、15分以上痛みが続く場合は心筋梗塞が疑われる為、早急に治療を開始する必要があります。

狭心症のチェックシート

狭心症は、一時的身体の血液の流れが悪くなると起こると言われています。
また、冠動脈の75%がふさがると、胸痛が起こるようになります。

狭心症の症状

  • 息切れ
  • 動悸
  • 胸痛

狭心症に起こる症状は胸が締め付けられるような痛みが起こる他、圧迫感や、それに伴い息苦しさが加わります。
痛みは少しずつ強くなるのが狭心症の特徴であると言われています。

まとめ

心不全は、その前兆が風邪の症状に似ていたり、自己判断においては非常に分かりにくく、「単に今だけ」といったように安易に自己判断してしまいがちであり、早期発見できないこともある病気です。

しかし、全くの無症状というわけでもありません。

セルフチェックによって早期発見できれば、症状が重くなることによる生活の質の低下を防ぐことができます。

治療方法が確立している病気である以上、放置せず適切な治療を受ける必要があります。
心不全の症状が顕著に重くなったなど、自身で感じる該当する症状を自覚した場合は早めに循環器内科を受診してください。

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