慢性心不全の病気との付き合い方についての基本情報
私達の心臓は、毎日休むことなく動き続け、生きる為に必要な血液を全身に送り出すポンプの役割を果たしています。
しかし、心臓病の治療を行わずそのまま放置しておくと、脳や肝臓の他、腎臓といった他の臓器にも十分に血液や栄養を送ることができなくなり、心不全と呼ばれる状況に陥ってしまいます。
この状態で長期間に渡り起こり続けることで、慢性心不全となります。
また、心不全な治る確率のある病気とは決して言えません。
しかし、心不全の原因を究明し、その原因を予防すること、その他にも必要な手術を受けることで、余命を長くすることは可能であると言えます。
ここでは、慢性心不全との付き合い方について解説していきたいと思います。
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慢性心不全と仕事
慢性心不全は、ある程度自身で自覚症状を感じていても、自分自身が自ら誤診することにより、長期に渡って悪化の一途を辿ることも考えられます。その為、後に仕事にも悪影響を及ぼします。
最悪、慢性心不全を原因として仕事を辞めることになる可能性もあります。
慢性心不全の主な症状
心不全になると、平地を歩行していても疲れやすくなったり、今まで感じたことがなかった動悸や息切れを起こすようになります。
その他、咳やたんが長引き、身体全体に浮腫みが生じます。
慢性心不全では、主に以下の症状を呈します。
①動悸や息切れ
心臓の筋肉が弱く、血液を送り出す機能が低下してしまうと、1回の拍動で送り出す血液量が既定以下となってしまいます。
この時、拍動回数を多くし、通常よりも速いペースで血液循環を行い、足りない血液量を補おうとする為、脈が早まり、動悸を感じるようになります。
そして、血液循環がうまくなされなければ、肺に水がたまって酸欠を引き起こします。
そうならない為に、呼吸回数を増加させようと息切れが生じます。
②身体の浮腫み
身体の足や足首、すねに浮腫みが生じます。
心不全は悪化することで、身体の末端から中心にむかって浮腫み始めます。
浮腫みが強くなると急激に体重が増加します。
③咳やたんが長引く
肺に水がたまり、咳やたんが長引くことがあります。
風邪の症状に非常によく似ていることから、誤診の可能性もあります。
その為、長引くせきやたんといった症状が起こった場合は、早めに循環器内科を受診するようにしましょう。
他にもいくつか別の症状がでることもありますが、慢性心不全だと明確にわかる症状はありません。
特に、初期の段階においては検討がつきにくいので定期健診や別の目的で循環器系内科の診察を受けた場合に慢性心不全だとわかることも多いです。
さらに、慢性心不全は、治療をせず長期間放置すると症状が徐々に進行し続けます。
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慢性心不全であると気が付かいない人が多い
慢性心不全であると言える症状があるにも関わらず、仕事の忙しさなどを理由になかなか病院を受診することができずに過ごしている方は実際にはとても多いと思います。
その為、慢性心不全は決して珍しくない病気です。
しかし、自身が慢性心不全であるといったことを自覚し、治療を受けているという方はそこまで多いとは言えません。
実際に治療を受ける時にはすでに進行しているケースがほとんどです。
その理由は、慢性心不全の症状を理解していない方が多いということです。
慢性心不全の症状は、風邪に似た症状が長引くこともあれば、動悸や息切れが起こるといったように、とりあず休息をとる、痛み止めを服用する、風邪薬を飲むなどといった誤った自己診断により対処する方がいます。
身体が浮腫み始めて、初めて異変に気付くという方もいます。
これらによって、慢性心不全に進行していくと言われています。
慢性心不全は徐々に症状が重くなる
慢性心不全は、心臓の動きが正常に行われないことを長期に渡り放置したことで起こる病気です。
少し動悸や息切れをおこしても一時的なものと思い軽視していると気づかないうちに徐々に症状が重くなっていることもあります。
症状がおもくなれば仕事に差し支えが出て初めて気づくことも多いのです。
「慢性心不全とは何か?」を理解することが重要
慢性心不全を患いながら仕事を両立させるためには、慢性心不全がどのような病気であるかを自分と周囲が理解することが重要です。
慢性心不全は完治には至らない病気
慢性心不全の症状を感じた場合は、薬物治療にて通常の日常生活を送ることができることの方が多いです。
まずは循環器内科を受診してください。
慢性心不全と診断されたら会社に報告を
循環器内科で「慢性心不全である」と診断されたらすぐに会社に報告をしましょう。
慢性心不全は風邪のように数日で治せるものではありません。
症状を緩和させ、日常生活に支障を来さず、発症前と変わらぬ仕事を行うためには、適切な薬物治療が必要となります。
慢性心不全は、処方箋により症状を緩和させることはできますが、人によって場合によっては仕事に差し支えるほどの症状が残ることもあります。
また、症状が重い場合には、手術が必要になること、それには長期休暇が必要になる可能性があります。
それらのことをきちんと会社に伝えておく必要があります。
理解のある上司に相談を
慢性心不全の治療として入院生活をしなければならなくなった場合、当然その間は仕事を休むことになります。
理解してもらうためには、診断書も必要でしょう。
問題は、報告する上司に慢性心不全による体調不良であることを理解してもらうことです。
職場で理解されずに仕事を休むことが増えれば職場に居づらくなります。理解してくれる上司に相談しましょう。
直属の上司が理解してくれないのであれば、他の上司に相談するなど別の解決策をさがしてみることです。
まとめ
慢性心不全は、命にかかわるリスクがある病気です。最悪の場合には、仕事に差し支えが出て退職せざるを得なくなる可能性もあります。少しでも体調の変化を感じたら早めに循環器内科の診察を受け、慢性心不全と上手く付き合っていく方法を探しましょう。
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