• 立ち仕事・歩き仕事の人はCKDリスクが低い――J-ECOHスタディ

     日本人労働者において、仕事中の姿勢が「立位や歩行中心」の人は「座位中心」の人と比べて慢性腎臓病(CKD)発症リスクが低いことが分かった。その一方で、余暇時間の運動や通勤のための歩行時間はCKDリスクと関連がなかった。国立国際医療研究センター臨床研究センター疫学・予防研究部の山本尚平氏らの研究結果であり、詳細は「Scientific Reports」に6月10日掲載された。

     身体活動量とCKD発症リスクには有意な負の関連があることが、メタ解析の結果として報告されている。しかし、総死亡や心血管疾患をアウトカムにした先行研究から、職業上の身体活動と余暇時間の身体活動とでは健康に与える影響が異なることが示唆され、「身体活動のパラドックス」と呼ばれている。ただし、CKDに関してはこの点について十分に検討されていない。以上を踏まえて著者らは、身体活動量を、余暇時間、仕事中、通勤という3つの区分で評価し、これらとCKDの発症リスクとの関連を検討した。

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     この研究では、国立国際医療研究センターが国内十数社の企業と共同で行っている「職域多施設研究(J-ECOHスタディ)」のデータのうち、詳細に身体活動量を評価している1社のデータを使用した。2006年度に同社で健康診断を受診した20~65歳の労働者のうち、ベースライン時点でCKDに該当する人や解析に必要なデータが欠落している人を除いた1万7,331人(平均年齢42.8±10.0歳、男性90%)について分析した。

     身体活動量は、同社で健診用に開発された質問票を用いて評価した。余暇の運動は週当たりの身体活動量(METs-時/週)により4段階に分類し、仕事中の身体活動は「座位中心」「立位や歩行が中心」「より活発」に分類した。通勤については往復の歩行時間が「20分未満」「20分以上40分未満」「40分以上」に分類した。CKDは、血清クレアチニン値をもとに推算した糸球体濾過量(eGFR)が60mL/分/1.73m2未満、あるいは尿タンパクが(1+)以上の場合と定義した。2019年3月の追跡終了までに健康診断でCKDが初めて確認された時を発症日とした。

     追跡期間中(中央値10.6年、14万7,752人・年)、4,013人(23%)がCKDを発症した。Cox比例ハザード分析により、年齢、性別、ベースライン時のeGFR、喫煙・飲酒習慣、職種・職位、残業時間、交代勤務への従事、通勤手段、睡眠時間で調整後、ぞれぞれの身体活動量におけるCKDの発症リスクを推定した。その結果、仕事中の身体活動が「座位中心」の人と比較すると、「立位や歩行中心」の人のCKD発症ハザード比(HR)は0.88(95%信頼区間0.81~0.96)、「より活発」な人はHR0.89(同0.78~1.02)であった(傾向性P=0.020)。一方、余暇時間の身体活動量(傾向性P=0.255)と通勤時の身体活動量(傾向性P=0.139)についてはCKD発症との関連を認めなかった。

     著者らは、「本研究の結果から、座り仕事よりも、立ち仕事や歩き仕事に従事している人の方が腎臓病のリスクが低い可能性があることが分かった。スタンディングデスクの導入などによる仕事中の座位時間の短縮が腎機能低下の予防につながることが期待される」と述べている。

     なお、これまでの「身体活動のパラドックス」に関する研究では、余暇時間の身体活動は心血管疾患や総死亡のリスクが低いことと関連し、職業上の身体活動はその逆という結果が報告されている。CKDをアウトカムとした本研究ではそれとは一致しない結果が示されたことについて、「身体活動のパラドックスの存在は、調査対象者や研究対象となるアウトカムの違いに依存するのではないか」との考察を加えている。

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    HealthDay News 2021年7月26日
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  • CKDの原疾患によって高尿酸血症の転帰への影響が異なる――艮陵CKD研究

     原発性腎疾患や高血圧性腎症による慢性腎臓病(CKD)では、高尿酸血症の併存が心血管疾患(CVD)イベントや全死亡のリスクとなることが明らかになった。一方、その他の原因によるCKDの場合、高尿酸血症の併存はCVDイベントや全死亡リスクおよび腎転帰との関連が認められないという。聖路加国際病院腎センターの渡邉公雄氏らの研究によるもので、詳細は「PLOS ONE」に3月25日掲載された。

     CKD患者の高尿酸血症が、腎機能低下やCVDイベントのリスク因子である可能性が古くから指摘されている。しかし研究の結果には一貫性が見られない。渡邉氏らは、研究結果が一致しない理由は、研究対象のCKDの原疾患が異なるためではないかと考え、尿酸値と腎関連エンドポイント〔末期腎不全(ESRD)への進行〕および非腎関連エンドポイント(CVDイベントと全死亡)との関連を、原疾患別に検討した。

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     研究の対象は、東北大学病院とその関連施設11施設の腎臓病専門医による多施設共同研究「艮陵CKD研究」の参加者のうち、尿酸値の記録がない患者などを除外した2,797人。平均年齢は60.5±16.2歳で、男性が54.4%を占め、eGFR53.3±29.7mL/分/1.73m2、尿酸値6.4±1.7mg/dLであり、24.7%に尿酸低下薬(アロプリノール)が処方されていた。

     CKDの原疾患は、原発性腎疾患が46.7%、高血圧性腎症が16.7%、糖尿病性腎症が9.8%、その他が26.8%。ベースライン時において、高血圧性腎症群は他群より高齢でeGFRが低く、糖尿病性腎症群は尿酸値が高かった。また、尿酸値は原疾患にかかわらず女性より男性の方が高値であり、かつCKDの病期が進行しているほど高値だった。

     平均4.8年の追跡期間中に12.8%がESRDに進行した。Cox比例ハザードモデルにて、腎機能低下に影響し得る因子〔年齢、性別、BMI、喫煙、尿蛋白、収縮期血圧、心疾患の既往、処方薬(RAS阻害薬、利尿薬、スタチン、抗血小板薬)など〕を調整後、原疾患にかかわらず尿酸値とESRD発症リスクとの間に有意な関連は見られなかった。サブグループ解析では男性でのみ、尿酸値とESRD発症リスクとの間に有意な関連が認められた〔尿酸値が1mg/dL高いごとのハザード比(HR)1.101(95%信頼区間1.009~1.202)〕。

     追跡期間中の非腎関連エンドポイントは9.3%に発生した。前記の因子で調整後、原疾患が原発性腎疾患または高血圧性腎症の場合、尿酸値とエンドポイント発生率との間に有意な関連が認められた〔尿酸値が1mg/dL高いごとに、原発性腎疾患ではHR1.248(同1.003~1.553)、高血圧性腎症ではHR1.250(同1.035~1.510)〕。

     なお、ROC解析の結果、原発性腎疾患患者の非腎関連エンドポイントを予測する尿酸値の最適なカットオフ値は6.0mg/dL、高血圧性腎症患者では6.8mg/dLと計算された。このほか、アロプリノールの使用は原疾患にかかわらず、いずれのエンドポイントの発生率とも有意な関連がないことも分かった。

     これらの結果から著者らは、「CKD患者の臨床転帰に対する高尿酸血症の影響はCKDの原疾患によって異なり、原発性腎疾患と高血圧性腎症では、非腎関連転帰の独立した危険因子である」と結論付けている。

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    HealthDay News 2021年4月26日
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  • 心血管死を減らすにはCKDを減らす必要あり――特定健診データの解析

     特定健診のデータを利用して、生活習慣と全死亡、がん死、心血管死のリスクの関係を、慢性腎臓病(CKD)の有無別に比較して解析した結果が報告された。健康的な習慣に該当する項目数が多くなるに従い、いずれの原因による死亡リスクも低下するという関係が認められた。しかし、CKDがある場合は健康的な生活習慣の該当数が多くても、心血管死リスクはあまり低下しない傾向があるという。

     一般住民では、禁煙や健康的な食生活、適正体重の維持、身体活動、節酒という5つの健康的な習慣の該当数が多いほど、死亡リスクが低下することが明らかになっている。しかし、CKD患者でも同様の関連が存在するかは明確でない。そこで、新潟大学大学院医歯学総合研究科臓器連関学寄附講座の若杉三奈子氏らは、2008年の特定健診のデータ(福島、大阪、沖縄など1府6県)を解析してその関係を検討した。結果の詳細は、「Internal Medicine」に2月15日掲載された。

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     解析対象者数は40~74歳の26万2,011人で、そのうち4万8,462人(18.5%)がCKDを有していた。追跡期間4.7年(中央値)で3,471人(CKD群948人、非CKD群2,523人)が死亡。10万人年あたりの粗死亡率は、CKD群476.5、非CKD群267.8だった。全死因の約半分はがんで、心血管疾患が2番目に多く、約5分の1を占めていた。

     年齢と性別で調整後、非CKD群に対するCKD群の死亡率(標準化死亡比)は、全死亡が1.32(95%信頼区間1.24~1.41)、がん死が1.15(同1.05~1.26)、心血管死が1.94(1.69~2.20)といずれも有意に高く、心血管死は2倍近いリスク差があった。

     年齢、性別に加え、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心筋梗塞、脳卒中の既往などで調整後、健康的な習慣の該当数が多いほど死亡リスクが低下するという有意な傾向が、CKDの有無を問わず認められた。しかし、健康的な習慣の該当数が同じ場合、CKD群の死亡リスクは非CKD群より常に高かった。特に心血管死に関しては、健康的な5つの習慣の全てが該当するCKD患者でも、1~2個しか該当しない非CKD者と同程度のリスクがあることが分かった(交互作用P=0.07)。

     また、上記と同じ因子で調整後も身体活動が多いことは、CKDの有無を問わず、全死亡、がん死、心血管死のリスク低下と関連していた。健康的な食生活(朝食を欠食せず夕食後に軽食を取らないこと)は、全死亡のリスク低下と関連していた。

     一方、禁煙はCKDの有無を問わず、全死亡とがん死のリスク低下と関連していたが、心血管死についてはCKD群での有意なリスク低下が認められず〔ハザード比(HR)0.83、95%信頼区間0.58~1.20〕、非CKD群(HR0.43、同0.34~0.56)との相違が観察された(交互作用P=0.008)。ただしこの点は、かつて喫煙していて現在は禁煙している前喫煙者の存在が、結果に影響を及ぼしている可能性があるという。

     反対に、心血管死リスクに対する健康的な食生活の保護効果は、非CKD群では認められず(HR1.11、同0.85~1.45)、CKD群では認められ(HR0.68、同0.50~0.93)、CKD患者でのみ有意という相違が観察された(交互作用P=0.04)。

     以上から著者らは、「日本人の大規模コホート研究により、CKDの有無に関係なく、5つの健康的な習慣の数が増えるにつれて、全死亡とがん死のリスクが減少することが明らかになった。しかし心血管死のリスクはCKDによって変化する。これは、心血管死を減らすにはCKDの予防が重要であることを強く示唆している」と結論付けている。

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    HealthDay News 2021年3月29日
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  • 食事を抜く女性は蛋白尿に要注意――阪大職員対象の研究

     朝食や夕食を食べない習慣のある女性は、蛋白尿が現れるリスクが高いことを示唆するデータが報告された。大阪大学キャンパスライフ健康支援センターの山本陵平氏らが、1万人を超える同大学職員を4年以上追跡して明らかになった結果であり、詳細は「Nutrients」に11月19日掲載された。

     朝食を抜くことがメタボリックシンドローム、2型糖尿病、心血管疾患などのリスクと関連することは複数の研究から示されている。しかし、腎疾患との関連を検討した研究は少なく、さらに昼食や夕食の欠食による影響はほとんど検討されていない。そこで山本氏らは、阪大職員の健診データを用いた後ろ向きコホート研究を行い、それらの関連を検討した。

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     検討の対象は、2005年1月~2013年3月に健診を受けた19~60歳の職員1万5,226人から、eGFR60mL/分/1.73 m2未満や尿蛋白「±」以上、夜勤が月に15回以上の人などを除いた1万113人(女性5,439人、男性4,674人)。年齢の中央値は女性31歳(四分位範囲26~38歳)、男性34歳(同29~42歳)。

     ベースライン時に自記式質問票を用いて、朝食・昼食・夕食それぞれの摂食頻度を「ほぼ毎日食べる」「不規則」「ほぼ食べない」の三つから選んでもらった。なお、昼食と夕食に関しては摂食頻度が「ほぼ食べない」との回答がわずかだったため、「ほぼ食べない」を「不規則」に含めて解析した。蛋白尿については、尿試験紙検査で「+1」以上を陽性と判定した。

     ベースライン時のデータからは、欠食習慣のある群は、女性・男性ともに若年で、BMI、収縮期血圧、総コレステロール、HbA1c、および喫煙率が有意に高かった。また欠食習慣のある女性では飲酒頻度が有意に高かった。一方、eGFRは女性・男性ともに、欠食習慣の有無による有意差は認められなかった。

     観察期間中の蛋白尿出現者数を性別に見ると、まず女性については中央値4.3年(四分位範囲2.0~7.7年)の間に763人(14.0%)に蛋白尿を認めた。1,000人年あたりの蛋白尿出現率を摂食頻度別に比較すると、朝食を「ほぼ毎日食べる」群は24.3、「不規則」群は35.8、「ほとんど食べない」群は40.8だった。昼食に関しては「ほぼ毎日食べる」が26.3、「不規則/ほぼ食べない」が40.0、夕食では同順に25.8、46.3だった。

     次に、それぞれの食事の「ほぼ毎日食べる」群を基準に、欠食習慣のある群の蛋白尿出現率をCox比例ハザードモデルで検討した。なお、解析に際して蛋白尿出現に影響を及ぼし得る因子(年齢、BMI、喫煙・飲酒・間食摂取習慣、収縮期血圧、総コレステロール、中性脂肪、HbA1c、eGFR、尿蛋白±、糖尿病・高血圧・脂質異常症・心血管疾患の既往)、および食事の摂取頻度は調整した。

     すると、朝食を「不規則」に食べる群はHR1.35(95%信頼区間1.09~1.66)、「ほぼ食べない」群はHR1.54(同1.22~1.94)、夕食を「不規則/ほぼ食べない」群はHR1.31(同1.00~1.72)となり、欠食習慣のある人は有意に高リスクであることが分かった。ただし昼食の欠食によるリスク上昇は有意でなかった。

     一方、男性に関しては中央値5.9年(四分位範囲2.5~9.5年)の間に617人(13.2%)に蛋白尿を認めた。1,000人年あたりの蛋白尿出現率を摂食頻度別に見ると、朝食を「ほぼ毎日食べる」群は20.6、「不規則」に食べる群は22.7、「ほぼ食べない」群は23.9だった。昼食に関しては「ほぼ毎日食べる」群が21.0、「不規則/ほぼ食べない」群が23.7、夕食では同順に21.2、22.3であり、Cox比例ハザードモデルでの検討の結果、すべての群間に有意差は認められなかった。

     欠食が蛋白尿出現リスクを高める理由について、著者らは「食事回数が少ないことで食後の糖負荷が過大となり血管内皮機能が障害されたり、酸化ストレスが亢進することの関与が考えられる」と述べている。また女性でのみ有意なリスク上昇が認められたことの背景としては、「欠食習慣のある女性は月経困難症の有病率が高い。月経困難症では炎症や酸化ストレスが亢進していることが多く、それらが関係している可能性がある」と考察している。また欠食習慣のある女性は野菜や魚の摂取量が少ないとのデータがあり、そのような関連は男性では報告されていないという。

     著者らは本研究の結果を、「朝食や夕食を抜くことは、女性の蛋白尿出現のリスク因子であることが示された。女性は欠食をしないことが、慢性腎臓病の予防につながる修正可能な生活習慣の一つであるかもしれない」とまとめている。

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    HealthDay News 2021年1月4日
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  • 朝食の欠食と遅い夕食が蛋白尿出現と関連――金沢市の健診データ

     朝食を食べないことと夜遅い時間に夕食を食べることが、蛋白尿の出現に関連していることが報告された。金沢市医師会との協力により、金沢大学附属病院栄養管理部の徳丸季聡氏、同大学大学院腎臓内科学の遠山直志氏、和田隆志氏らが、一般住民の健康診断データを用いて実施した追跡研究の結果で、「Nutrients」に8月19日掲載された。

     蛋白尿や推算糸球体濾過量(eGFR)の低下で定義される慢性腎臓病(CKD)は、心血管疾患や末期腎不全のリスクであり、その発症抑制は公衆衛生上の重要な課題である。過剰なエネルギー摂取や栄養バランスの偏りは各種生活習慣病を介してCKD発症につながるが、今回の研究では、朝食の欠食などの好ましくない食習慣に着目して、蛋白尿出現との関連を後方視的に検討した。

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     解析対象は、1998~2014年に健診を受けた40歳以上の金沢市の住民のうち、ベースライン時のeGFRが60mL/分/1.73m2以上で1年以上追跡可能であり、蛋白尿陽性、食習慣などのデータがない人を除外した2万6,764人。平均年齢は、68±9歳、男性が44%、BMI22.8±3.1、eGFR77±12mL/分/1.73m2。

     好ましくない食習慣は、健診の問診票に基づき以下の4項目を検討した。朝食の欠食(朝食を抜くことが週に3回以上ある。該当者は全体の9%)、遅い夕食(就寝前の2時間以内に夕食をとることが週に3回以上ある。同19%)、早食い(人と比較して食べる速度が速いかという問いに、「速い」「普通」「遅い」から「速い」と回答した人。同29%)、夕食後の間食(夕食後に3食以外の夜食をとることが週に3回以上ある。同16%)。

     結果について、まずベースライン時のBMIと好ましくない食習慣の関連を見ると、検討した四つの食習慣のうち、朝食の欠食を除き該当者の方が有意にBMIが高かった(遅い夕食の該当者のBMIが23.0、非該当者は22.7。早食いは同順に23.3、22.5。夕食後の間食は23.1、22.7。すべてP<0.001)。朝食の欠食はベースライン時のBMIとの有意な関連は認めなかった(該当者22.8、非該当者22.7。P=0.788)。

     平均追跡期間3.4年で2,844人(10.6%)に蛋白尿が出現し、1,000人年当たりの罹患率は32.7だった。蛋白尿出現に影響する可能性のある、年齢、性別、BMI、収縮期血圧、eGFR、ヘモグロビン、中性脂肪、総コレステロール、HbA1c、尿酸、飲酒・喫煙習慣で調整の上、Cox比例ハザードモデルを用いて好ましくない食習慣と蛋白尿出現との関連を検討した。

     その結果、朝食の欠食〔ハザード比(HR)1.15(95%信頼区間1.01~1.31)〕および遅い夕食〔HR1.12(同1.02~1.22)〕と、蛋白尿出現との間に有意な関連が認められた。早食いと夕食後の間食は有意な関連を認めなかった。なお、朝食の欠食と遅い夕食との間に交互作用は認められなかった(P=0.222)。また、年齢(65歳未満/以上)、性別、BMI(25未満/以上)で層別化した解析では、それぞれの群間に交互作用は認められなかった。

     この結果から、研究グループでは「朝食の欠食と遅い夕食は、蛋白尿の出現に関連している可能性がある。一般住民からのCKD新規発症を抑制することが重要であり、摂取量や栄養バランスだけでなく、これらの是正可能な食習慣の改善を促すことが、それに寄与する可能性がある」と述べている。

     なお、著者らは今回の研究はあくまで観察研究であり、今後は因果関係などの検証が必要としているが、遅い時間帯の夕食は夜間のコルチゾールレベルの上昇、朝食の欠食は空腹ストレスを介して、ともに血圧を上昇させることなどの関与を考察している。

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    HealthDay News 2020年9月14日
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  • CKD患者の貧血有病率とESA製剤使用状況――J-CKDデータベースの解析

     国内の慢性腎臓病(CKD)患者のデータベース「J-CKD-DB」のデータ解析の結果から、CKD患者のヘモグロビンレベルやESA製剤の使用状況の詳細が明らかになった。香川大学医学部循環器・腎臓・脳卒中内科の祖父江理氏、川崎医科大学腎臓高血圧内科の柏原直樹氏らによる論文が、「PLOS ONE」に7月20日掲載された。

     J-CKD-DBは、厚生労働省の臨床効果データベース整備事業、臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究事業の一環として、日本腎臓学会と日本医療情報学会が共同で構築しているデータベース。国内の主に大学病院受診患者のデータが登録されている。現時点で15大学病院から総計14万8,000人の患者データが収集されており、本邦のCKDの実情、診療実態の可視化が期待されている。今回の研究ではこのデータを基に、日本人CKD患者の貧血有病率と赤血球造血刺激因子(ESA)製剤の使用状況が調査された。

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     7大学病院の外来CKD患者のうち、eGFRが5~60mL/分/1.73m2の成人3万1,082人のデータが解析に用いられた。急性腎障害(AKI)を除外するため対象を外来患者のみとし、また透析導入または腎移植後の患者を除外するためにeGFR5mL/分/1.73m2未満の記録がある患者は対象に含めなかった。

     主な患者背景は、年齢中央値72歳、男性54.5%、eGFR中央値50.0mL/分/1.73m2、平均ヘモグロビン13.02±1.88g/dLで、CKDステージはG3aが65.7%、G3bが23.5%、G4が7.6%、G5が3.1%だった。性別のヘモグロビン値は男性13.6±1.9g/dL、女性12.4±1.6g/dLで、男性の方が有意に高かった。

     全体をeGFR5mL/分/1.73m2ごとに11のグループに層別化した検討の結果、eGFRが低下するに従いヘモグロビンレベルが低下していることが明らかになった。また、全てのeGFRカテゴリーで女性は男性よりヘモグロビンレベルが低く、eGFR15mL/分/1.73m2未満の群を除いて有意差が認められた。

     貧血有病率については、日本透析医学会やKDOQIなどによる、4種類の貧血の定義に基づいて検討。いずれの定義で検討しても、CKDステージが進むほど貧血有病率が上昇した。そのうち日本透析医学会による腎性貧血の定義による有病率については、CKDステージG3aで7.8%、G3bで18.1%、G4で40.1%、G5では60.3%であった。年齢、CKDステージ、アルブミン、CRPで調整しG3aを基準に貧血のリスクを検討すると、G3bはオッズ比(OR)2.32(95%信頼区間2.09~2.58)、G4はOR5.50(4.80~6.31)、G5はOR9.75(8.13~11.7)となった。

     ロジスティック回帰分析の結果、CKD進行以外の貧血リスク因子として、65歳以上、女性、アルブミン3.5g/dL以下、CRP0.3mg/dL以上、Na-Cl30mEq/L以下が浮かび上がった。これにより、栄養不良や炎症、代謝性アシドーシスなども、貧血のリスク因子であることが示唆された。

     ESA製剤を使用している割合は、CKDステージG3aは0.0%、G3bは0.7%、G4は7.9%、G5は22.4%だった。年齢階層別に見ると、75歳以上で特にESA使用率が低かった。

     ヘモグロビンがガイドラインの示す管理目標内(ESAを用いていない場合は11.0g/dL以上、ESAを用いている場合は11.0g/dL以上13.0g/dL未満)にある患者の割合は、CKDステージG3aで81.2%、G3bで71.6%、G4で54.6%、G5で44.8%だった。

     また、CKDステージG4の患者のうちESAが使われている患者のヘモグロビンは10.1g/dLで、ESAが使われていない患者(11.7g/dL)より有意に低かった。同様に、ステージG5の患者のうちESAが使われている患者のヘモグロビンは10.1g/dLであり、ESAが使われていない患者(11.1g/dL)より有意に低かった。これらより、国内のCKD患者に対するESA使用率は比較的低く、ヘモグロビンがガイドラインの管理目標を満たしていないケースも少なくないことが分かった。

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    糖尿病の3大合併症として知られる、『糖尿病性腎症』。この病気は現在、透析治療を受けている患者さんの原因疾患・第一位でもあり、治療せずに悪化すると腎不全などのリスクも。この記事では糖尿病性腎病を早期発見・早期治療するための手段として、簡易的なセルフチェックや体の症状について紹介していきます。

    糖尿病性腎症リスクを体の症状からセルフチェック!

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    HealthDay News 2020年8月17日
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  • CKD患者ではBMI低値が感染症や全死亡と関連

    慢性腎臓病(CKD)患者ではBMIが低いことが感染症による死亡や全死亡のリスクの高さと関連するとの報告が、「BMC Nephrology」6月30日オンライン版に掲載された。仙台市立病院内科の山本多恵氏(研究時点の所属は東北大学大学院医学研究科腎・高血圧・内分泌科)らが、CKD患者を対象とした前向き観察コホート研究「艮陵研究」のデータを解析した結果、明らかになった。

     BMIが高いことは、一般的には心血管疾患や腎疾患の発症率の高さと関連している。しかし、CKD患者ではむしろBMIが高いほうが死亡リスクは低いとする報告があり、BMI低値は予後不良のリスクと捉えられている。また、CKD患者の死因として心血管死以外では感染症関連死が多いことが知られている。ただし、感染症関連死とBMIの関連は明らかでなかった。

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     山本氏らが解析に用いた艮陵研究は、宮城県を中心とする腎臓専門医所属医療機関11施設で行われており、登録患者数は4,015人。その中から、データに欠落のある患者などを除き、2,648人を今回の研究の対象とした。BMIの四分位で4群に群分けして前向きに5年間(中央値3.9年)追跡。全死亡および末期腎不全への進行をエンドポイントとし、それらの発生率と、死因別に関連因子を解析した。死因のうち感染症関連死は、肺炎、インフルエンザ、敗血症などによるものを集計した。

     対象者の主な背景は、年齢中央値63歳、男性53.5%で、eGFRは中央値53.4mL/分/1.73m2、BMIは男性23.8±3.5、女性23.1±4.1。追跡期間中に、114人が死亡し、308人が末期腎不全に進行した。

     全死亡リスクはBMI低値群で高いという有意な関連が認められた(P=0.0014)。一方の末期腎不全への進行については、BMIカテゴリーとの関連は認められなかった。なお、最も多い死因は心血管疾患(41%)で、感染症(21%)、がん(19%)と続いた。心血管死とがん死は全世代で見られたが、感染症関連死は65歳以上のみで見られ、その25%が前期高齢者、75%が後期高齢者だった。

     年齢、性別、血清アルブミン、喫煙、糖尿病、心血管疾患の既往、血圧、CKDステージなどで調整後、BMI低値群の全死亡リスクはハザード比(HR)1.26(95%信頼区間1.04~1.52)で、有意なリスク因子であることが分かった。末期腎不全への進行はHR1.03(同0.92~1.15)であり、BMI低値は有意な因子ではなかった。多変量解析の結果、全死亡と関連する因子としてBMI低値以外に、高齢、喫煙、心血管疾患の既往、血圧低値が抽出された。

     死因別に見ると、高齢であることは、心血管死、感染症関連死、がん死の全てにおいて有意な関連因子だった。BMI低値は感染症関連死と有意な関連が認められたが〔HR1.56(同1.05~2.33)〕、心血管死やがん死との関連は有意でなかった。このほか、カプランマイヤー法により、BMI低値による死亡リスクへの影響は、後期高齢者と血清アルブミン4g/dL未満の群でより大きくなることが明らかになった。

     これら一連の結果から研究グループでは、「CKD患者においてBMI低値は、全死亡と感染症関連死の独立した重大なリスク因子。感染症予防がCKD患者の転帰改善に寄与する可能性がある」とまとめている。

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    HealthDay News 2020年7月20日
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  • 男性は睡眠時間が短い方がCKDになりにくい?――京都府医大

    健康な男性では、睡眠時間が少ない人の方が慢性腎臓病(CKD)になりにくい可能性を示唆するデータが、京都府立医科大学内分泌・代謝内科学の中島華子氏、橋本善隆氏らによって「Kidney & Blood Pressure Research」3月4日オンライン版に報告された。

    CKDはほとんど自覚症状が現れないまま腎不全に進行したり、心臓血管系の病気のリスクを高めたりする。近年、睡眠時間が高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクに関連することが分かってきたが、CKDとの関連は明確になっていない。研究グループは、岐阜県で行っている朝日大学病院との共同による人間ドック受診者住民対象コホート研究「NAGALA研究」のデータを用い、睡眠時間とCKDリスクの関連を後方視的に検討した。

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    解析対象は、朝日大学病院で1994~2013年に健診を受けた人から、腎機能が低下している人(eGFR60mL/分/1.73m2以下)や、高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症に関する薬および睡眠薬を服用している人を除いた1万4,474人(うち男性53.6%)。睡眠時間を6時間未満、6~7時間、7~8時間、8時間以上の4群に分け、男性は7.0年(中央値)、女性は6.7年(同)にわたり追跡した。

    追跡期間中に、男性の19.5%、女性の10.2%がCKDを発症した。CKDを発症した人の割合を睡眠時間別に比較すると、男性では6時間未満群12.5%、6~7時間群17.5%、7~8時間群25.0%、8時間以上群24.2%であり、女性では同順に9.4%、10.7%、9.9%、11.2%だった。男性では、睡眠時間が短いほど血清クレアチニンの変化量が少なく、弱いながら有意な相関が認められた(r=0.0316、P=0.006)。女性では、睡眠時間と血清クレアチニンの値に相関は見られなかった。

    次に、腎機能低下に関連する因子である、年齢、性別、BMI、喫煙・飲酒・運動習慣、血清クレアチニン、尿酸、トリグリセライド、血圧などで調整の上、睡眠時間7~8時間群を基準として、他の群のCKD発症リスクを比較した。

    すると男性では、睡眠時間6時間未満群でハザード比(HR)が0.54、6~7時間群ではHR0.73であり、有意なリスク低下が認められた(いずれもP<0.001)。8時間以上群はHR0.93で有意でなかった(P=0.433)。一方、女性では、6時間未満群はHR0.89、6~7時間群1.16、8時間以上群1.08で、いずれも7~8時間群と有意差がなかった。

    研究グループの濵口真英氏、福井道明氏らは結論として、「健康な男性では、睡眠時間が6時間未満の群でCKDリスクが最も低かった。睡眠時間の変化がCKD発症の初期兆候として見られる可能性があり、臨床において睡眠時間を継続的に把握する必要があるかもしれない」とまとめている。

    なお、短時間睡眠がCKDリスクを低下させる機序については「詳細は不明」としながらも、文献的考察から短時間睡眠が、抗炎症作用のあるグレリンレベルの上昇、腎機能低下と関連するレプチンレベルの低下を介して、腎保護的に働く可能性があるとしている。

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    HealthDay News 2020年4月20日
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  • 日本人の慢性透析の生涯リスクは男性3.14%、女性1.42%――新潟大

    日本人男性の32人に1人、女性の71人に1人は、亡くなるまでの間に慢性透析が必要になるとする報告が「Clinical and Experimental Nephrology」2月10日オンライン版に掲載された。

     生まれてから亡くなるまでの間に何かの疾患・状態になる確率のことを「生涯リスク」といい、その疾患・状態の危険性を一般市民へ端的に伝える際によく使われる。例えば、がんの生涯リスクは男性49.01%、女性37.36%と報告されており(2001年時点)、「男性は約2人に1人、女性は約3人に1人が生涯で一度はがんにかかる」といった言い方がされる。しかし国内の末期腎不全の生涯リスクはまだ報告されていない。

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     今回、新潟大学大学院医歯学総合研究科地域医療長寿学講座の若杉三奈子氏らは、日本透析医学会の年次調査データおよび厚生労働省の人口動態統計を利用。末期腎不全のため慢性透析療法(急性疾患による一時的な透析を除く透析療法)が必要になる生涯リスク、および死亡リスクを割り出した。

     その結果、慢性透析療法のリスクは男女ともに40歳ごろから上昇し始め、90歳前後で頭打ちになることがわかった。そして生涯リスクは、男性3.14%(95%信頼区間3.10~3.18)、女性は1.42%(同1.39~1.44)と計算された。これは、男性約32人に1人、女性約71人に1人が生涯の一定期間、慢性透析が必要になることを意味する。

     5歳ごとに層別化すると、男性は75~79歳、女性は80~84歳の5年間に、リスクが大きく上昇することがわかった。また年齢別に将来のリスクを計算すると、40歳の男性が80歳までに慢性透析が必要になるリスクは2.21%、50歳の男性は2.04%、60歳の男性は1.69%となった。同様に女性では、40歳の0.88%、50歳の0.82%、60歳の0.68%が、80歳までに慢性透析が必要になると考えられた。

     今回の研究では、男性の慢性透析リスクが女性の2倍以上という大きな性差が見られたが、研究グループによるとこのような性差の存在は日本だけでなく他国も同様であり、例えば米国では男性3.96%、女性2.84%という生涯リスクが報告されているという。なお、日本は人口当たりの透析患者数が多いにも関わらず、慢性透析の生涯リスクが米国の報告より低いことに関し、その理由を「透析患者数は新規透析導入件数と透析期間の積であるのに対し、生涯リスクは透析期間の長さに影響されないため」と解説している。

     著者らは、「この研究は慢性透析を必要とする末期腎不全の生涯リスクに関する国内初の研究」とし、「このような容易に理解できる情報は、公衆衛生における疾患啓発に役立つだろう」と述べている。

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    治験・臨床試験は新しいお薬の開発に欠かせません。治験や疾患啓発の活動を通じてより多くの方に治験の理解を深めて頂く事を目指しています。治験について知る事で治験がより身近なものになるはずです。

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    HealthDay News 2020年3月9日
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  • 慢性腎臓病の早期発見に有用な「D-アミノ酸」を発見 血中および尿中のD-セリン同時測定が有効

    いまや国民病ともいわれる慢性腎臓病(CKD)の早期診断には、血中に微量に存在するD-アミノ酸の一つ、「D-セリン」の測定が有用な可能性があることを、医薬基盤・健康・栄養研究所(大阪府)難治性疾患研究開発・支援センター長の木村友則氏らの研究グループが突き止めた。血中および尿中のD-セリンを同時測定するとCKDの早期診断に最も有効であったという。研究の詳細は「Scientific Reports」3月25日オンライン版に掲載された。

    CKD患者は日本国内では1300万人、世界では8.5億人に上ると推計されている。自覚症状なく進行する腎臓病は、気づいたときには透析導入を余儀なくされる患者も多く、早期発見、早期治療が課題とされている。しかし、今のところ腎機能を予測するのに有用なバイオマーカーは確立されていない。

    木村氏らはこれまで、体内にはL-アミノ酸だけでなく微量のD-アミノ酸が存在し、これが腎臓病の予後と関連することを見出していた。今回、同氏らは、CKD患者と健康な成人を対象に、血中および尿中のアミノ酸を一斉に測定するメタボローム解析を用いて、D-アミノ酸がCKDの早期発見に有用なバイオマーカーになり得るか否かを検討した。

    研究では、D-アミノ酸を正確かつ高感度に測定できる2次元HPLC(high performance liquid chromatography;高速液体クロマトグラフィー)システムを搭載したメタボローム解析装置を用いて、CKD患者11人と健康な成人ボランティア15人の血中および尿中のD-アミノ酸を測定した。

    その結果、D-アミノ酸のうちD-セリン値が腎機能(糸球体濾過量)自体と強く相関し、これらの関連は従来の腎臓病マーカーと同程度かそれ以上であることが分かった。一方、尿中のD-セリンは糸球体濾過量以外の腎機能を反映しており、血中と尿中のD-セリンを組み合わせると腎臓病を診断できる確率が向上することも明らかになった。

    これらの結果から、木村氏らは「CKDの早期診断には、体中に微量にしか存在しないD-アミノ酸であるD-セリンが有効であることが分かった」と結論。「このような診断技術を活用してCKDの早期診断、早期治療が進むことで、透析導入患者の抑制や腎臓病の個別化医療の実現、病態解明などにつながることが期待される」としている。

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    治験・臨床試験についての詳しい説明

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    HealthDay News 2019年7月8日
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