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7月 19 2024 塩分摂取のタイミングが悪いと熱中症のリスクが上昇
塩分の摂取は熱中症の予防に重要である。しかし、日本の消防士を対象とした新たな研究の結果、不適切なタイミングで塩分を摂取することにより、熱中症のリスクが高まる可能性のあることが明らかとなった。これは福島県立医科大学衛生学・予防医学講座の各務竹康氏らによる研究の結果であり、「PLOS ONE」に1月2日掲載された。
地球温暖化や気候変動により、熱中症のリスクは高まりつつある。特に労働災害の対策は重要であり、厚生労働省は職場における熱中症予防対策を徹底するために毎年キャンペーンを実施しているが、熱中症による死亡者数は過去10年間、減少していない。塩分摂取は熱中症のリスクを下げることが報告されているが、塩分摂取のタイミングが及ぼす影響についてはこれまで明らかになっていない。
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郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。そこで著者らの研究グループは、福島県の消防署で24時間勤務を行う20歳以上の男性消防士28人(平均年齢31.0±7.7歳、平均BMI 25.0±3.1kg/m2)を対象として、塩分摂取のタイミングと熱中症の関連を検討する研究を行った。熱中症のリスクを高める高血圧や糖尿病の既往歴のある人は対象者から除外した。
対象者は2021年7月~9月の間に屋外訓練を行った。訓練中、水および市販の塩分タブレット(塩分量0.108g)を自由に摂取し、摂取量とタイミングを記録した。訓練前後に体重測定を行った。その他、質問紙にて、熱中症の自覚症状(手足の筋肉痛、筋けいれん、強い口渇、尿量減少、頭痛など)、睡眠、飲酒量などを評価した。
延べ訓練日数250日間に、熱中症症状は28件発生した。多く見られた症状の発生数は、1.5%以上の体重減少が10件、強い口喝が9件、めまいが8件、不快感が7件、頭痛が5件、手足の筋肉痛が2件だった。塩分摂取量の中央値(四分位範囲)は12.6(10.2~14.7)g/日だったが、塩分摂取量は熱中症症状の発生とは関連していなかった。
次に、塩分摂取のタイミングとの関連を分析した結果、塩分摂取なしと比較して、訓練前の塩分摂取(オッズ比5.893、95%信頼区間1.407~24.675)および訓練前+訓練中の塩分摂取(同22.889、4.276~122.516)は、熱中症症状の発生と有意に関連していることが明らかとなった。一方、訓練中のみの塩分摂取や、睡眠、飲酒、水分摂取については、熱中症症状との有意な関連は認められなかった。
以上の研究結果について著者らは、特殊な勤務シフトで日常的に重労働を行う消防士を対象としていることから、一般化には注意を要するとした上で、「塩分摂取の不適切なタイミングが熱中症のリスクを上昇させる可能性がある」と結論。塩分摂取の適切なタイミングや摂取量について、さらなる研究が必要だとしている。
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