• 対策が徹底された病院内のCOVID-19感染リスクは高くない―国立国際医療C

     新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種が進められているが、集団免疫が得られるまでは、感染防御対策の継続が求められる。一方でパンデミック以来、医療機関での感染リスク回避のために患者の受診抑制が起きていることが懸念されている。では、医療機関内は本当にCOVID-19感染リスクが高いのだろうか。

     国内でのCOVID-19発生初期から多数の患者を受け入れてきた国立国際医療研究センター(NCGM)の田中暁人副臨床検査技師長らが「Journal of Infection」に1月28日報告したデータによると、必ずしも医療機関での感染リスクが高いとは言えないようだ。昨年7月時点で、同センター職員の新型コロナウイルス抗体陽性率は、一般住民よりもむしろ低いレベルだったという。調査を統括した大曲貴夫国際感染症センター長は、「適切な院内感染対策により医療従事者の感染リスクを大幅に低減できることを支持するデータが得られた」と述べるとともに、同センターが策定し公開している院内感染対策マニュアルの利活用を医療機関に呼び掛けている。

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     この調査は、同センター職員のうち、主としてCOVID-19関連業務従事者を対象に参加を募り、同意が得られた1,228人(参加率78%)を対象に行われた。平均年齢36±11歳で71%が女性であり、看護師が49%、医師19%、その他の医療専門職14%、事務・管理職10%。850人(69%)はCOVID-19に関する業務を行ったことがあり、その4割(343人)は感染リスクの高い業務に従事していた。

     調査では、アボット社とロシュ社の定性試薬を用いて血中IgG抗体を測定した。いずれかの試薬で陽性と判定されたのは2人のみで、抗体陽性率は0.16%であった。この値は、ほぼ同じ時期(同年6月)に東京で行われた住民調査のデータを基に、同じ定義で算出した0.41%よりも低かった。陽性者はいずれも業務上、COVID-19患者とのかかわりはなかった。

     国内の感染症治療の基幹病院として、同センターは患者の受け入れだけでなく、チャーター機で中国・武漢から帰国した人の検診、ダイヤモンド・プリンセス号の医療支援、PCR検査センターなど、COVID-19に関連した多くの施策にかかわってきた。同時に、個人用保護具の適切な使用、頻回の手洗い、全員が常時マスクをする(ユニバーサルマスキング)、訪問者の制限や来院時の体温チェック、出勤前の検温といった院内感染を防ぐ包括的な対策を流行初期から導入してきた。

     他方、国内で患者数が最多である東京、その中で大規模な繁華街・歓楽街を擁する新宿にある同センター病院の職員は、普段の生活においても感染リスクに直面している。院内感染管理室の杦木優子副看護師長は、流行状況に応じて日常生活上の予防行動の要点をまとめ、ことわざ(例えば「千丈の堤も螻蟻の穴を以て潰いゆ」「浅い川も深く渡れ」など)を添えて毎週、職員に周知している。著者らは、こうした取り組みが職員の予防意識を高め、行動変容を促し、感染を抑えているとみている。

     これらの経験を基に同センターでは、「NCGMにおけるCOVID-19院内感染対策マニュアル」を策定して外部に発信している。内容は随時改訂されており、最新版は3月10日改訂のバージョン4.2。同院のサイトから自由にアクセス可能だ。

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    参考情報:リンク先NCGMにおける新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(疑い含む)院内感染対策マニュアル V.4.2
    HealthDay News 2021年4月12日
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  • 日本人はCOVID-19に対する意識が低い?――英国やスペインとの比較

     新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する国民の意識を、国際比較した研究結果が報告された。日本人はCOVID-19に対する不安が少なく、感染回避行動をとる人の割合が低いことなどが明らかになった。千葉大学社会精神保健教育研究センターの椎名明大氏らの研究によるもので、詳細は「Annals of General Psychiatry」に2月18日掲載された。

     COVID-19パンデミックに対する国民の反応は国ごとに異なる可能性があり、実効性のある対策を取るには、その違いを把握することが欠かせない。椎名氏らは、日本と英国、スペインの一般住民を対象に同じ内容のアンケート調査を実施し、回答を比較検討した。英国は日本同様に島国という地理的条件が共通しているが、感染者数は英国の方が圧倒的に多い。またスペインは他国と地続きであり、かつ感染者数は英国よりもさらに多いという、国ごとの特徴がある。

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     アンケートはインターネット上で20歳以上の成人対象に行われ、日本から4,000人、英国とスペインからは各2,000人が回答した。年齢(10歳ごと)と性別で層別化され、各群の回答者数が等しくなるように調整された。アンケート実施時期は、日本では2020年3月下旬(パンデミック第一波中)、他の2カ国は4月中旬だった。

     結果について、最初に各国の感染状況を比較すると、家族や親戚に感染した人がいるとの回答は、日本が0.4%、英国25.1%、スペイン39.0%であり、職場に感染した人がいるとの回答は同順に、1.1%、17.2%、18.9%だった。

     次に、COVID-19に関する知識レベルの主観的評価を見ると、日本は他の2カ国に比較して有意に低いことが分かった(英国とスペインは有意差なし)。COVID-19に対する不安は、英国が最も高くて次がスペインで、日本は最も低く、それぞれの差が有意だった。また、他者へ感染させることの不安も、日本は他の2カ国より有意に低かった(英国とスペインは有意差なし)。

     COVID-19関連の情報へのアクセス頻度を比較すると、公式発表、マスコミ、ソーシャルネットワークサービス(SNS)などの全てについて、日本は他の2カ国よりも有意に低かった。例えば、「公式発表を一度も聞いたことがない」との回答が、日本は他の2カ国の約2倍だった。また、日本ではほぼ全ての情報源について、信頼していない人の割合が高かった。なお、SNSについては3カ国とも信頼性が低いと判断されていた。

     感染予防対策のうちマスク着用率は英国で低く、57.7%が「マスクを着用したことがない」と回答した。その割合はスペインでは16.1%、日本では9.5%だった。手洗いに関しては、英国で頻繁に手を洗うとの回答と、手を洗ったことがないとの回答が拮抗するなど、一貫した傾向が見られなかった。

     外出自粛に関しても、日本は消極的だった。具体的には、混雑している場所を避ける、公共交通機関を利用しない、通学や通勤を控えるとの回答が、他の2カ国より有意に少なかった。

     これらの結果に基づき、著者らは以下の考察を述べている。まず、日本の一般住民のCOVID-19に対する意識が他の2カ国より全般的に低いことは、パンデミックの規模が大きく異なることで説明可能としている。また、調査時期が日本の方がやや早かったことも、結果に影響を与えた可能性があるという。

     一方、マスク着用率が英国で極めて低いことについては、「パンデミックの規模では説明できない。政府の推奨が影響を及ぼしたのかもしれない」と述べている。この調査が実施された時点では、世界保健機関(WHO)がマスク着用を積極的に推奨しておらず、英国政府も同様の方針をとっていた。それに対して日本はパンデミック以前からマスク着用率が高く、かつ花粉症対策でマスクを着用していた人も少なくなかった。

     結論として著者らは、「COVID-19パンデミック中の一般住民の認識と行動に関する、国際的な違いが明らかになった。これらの違いは、パンデミック対策を国ごとに個別化する必要があることを示唆している」と記している。

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    HealthDay News 2021年4月5日
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  • マスク着用と外出自粛で熱中症は増えた?減った?

     新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックで、今や常識とも言える不要不急の外出自粛とマスク着用。外出自粛は夏季の屋外での熱中症発生件数を抑制し、反対にマスク着用は熱中症リスクを高める可能性がある。では、昨年の夏、これらの影響はどのように現れたのだろうか。消防庁の熱中症による救急搬送件数のデータを用いて、この点を詳細に検討した結果が報告された。慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室の野村周平氏らの研究によるもので、「Science of The Total Environment」に1月7日、短報として掲載された。

     野村氏らはこの研究に、消防庁公表の2008~2020年の熱中症による救急搬送件数と、気象庁公表の気温、湿度、風速、気圧、日照時間、降水量などのデータを用いた。それらの数値を基に、準ポアソン回帰モデルという統計的手法により、理論的に予測される7~9月の各週の熱中症救急搬送件数を、都道府県別、年齢層別、重症度別に計算。その予測値の95%信頼区間を逸脱した場合を異常値と定義した。

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     解析の結果、全国レベルでは、2020年の夏季に異常値は見られなかった。しかし、都道府県別や年齢層別、重症度別の解析では、いくつかの異常値が認められた。

     例えば、都道府県別では、95%信頼区間の上限を超える週はなかったが、下限を下回った週が14県で観測された。その大半は8月10~16日の週であった。なお、8月10~16日は、全国の熱中症による救急搬送件数が2020年で最も多い週だった。

     年齢層別では、8月23~30日に青森県で、小児・若年層(18歳未満)での救急搬送が95%信頼区間の上限を超えていた。一方、95%信頼区間の下限を下回った週が、小児・若年層では15県、労働年齢層(18~65歳未満)では16県、高齢者層(65歳以上)では3県で認められた。それらの大半は、8月10~16日の週に集中していた。

     重症度別では、8月23~30日の富山県における軽症(入院を要さない)患者、7月20~26日の和歌山県と愛媛県における中等症(軽症または重症に該当しない)患者、および、7月13~19日の京都府と7月20~26日の鳥取県での重症(3週間以上の入院を要する)患者が、95%信頼区間の上限を超えていた。一方、95%信頼区間の下限を下回った週の存在が、軽症患者については15都道府県、中等症患者については3都道府県、重症患者については5都道府県で認められた。

     これらの結果を著者らは、「気温などを調整した上で、全国レベルでは、2020年の熱中症救急搬送件数に大幅な増減はなかった。しかし都道府県別では救急搬送件数が理論値の上限を超過している所もあった。年齢層別では、小児・若年層と労働年齢層の救急搬送件数が例年より少なく、重症度別では軽症患者が例年より少ない傾向が見られた」と総括している。

     加えて、例年にないこのような傾向は、「COVID-19パンデミック以降の、野外活動制限や公共行事の中止が大きく働いた可能性があることを意味している」と著者らは述べている。実際に、学校や公的イベント会場での熱中症救急搬送の発生率は、ここ4年間で一番少なかったとしている。

     一方、「本研究で明らかになった熱中症救急搬送件数の一部の減少傾向は、マスク着用が熱中症リスクに繋がらないことを意味するわけではない」と、解釈に限界があることに言及。その上で、「日本の夏の暑さは年々厳しくなってきている。COVID-19パンデミックの終息が見通せず、マスク着用が常識の『ニューノーマル』な社会において、外出自粛による熱中症リスクの低下をマスク着用が相殺する可能性があることに、引き続き注意が必要だ」と結論付けている。

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    HealthDay News 2021年3月1日
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  • COVID-19による隔離中に遠隔リハビリが有用――藤田医大

     新型コロナウイルスに感染して隔離状態にある人のために開発された、遠隔リハビリテーションの有用性に関する論文が、12月10日発行の「JMIR Rehabilitation and Assistive Technologies」に掲載された。市販のデバイスを用いたシステムであり、低コストかつ操作が簡便で臨床導入へのハードルが低いことが特徴。藤田医科大学医学部リハビリテーション医学I講座の向野雅彦氏、大高洋平氏らが報告した。

     隔離状態が長引くと身体機能低下の懸念が生じる。それに対し予防的なリハビリテーション(以下、リハビリ)が有効と考えられるが、ウイルス伝播のリスクを伴うため、従来のようにスタッフが患者に接して行うリハビリ介入は困難である。また既に存在する遠隔リハビリシステムは、操作に慣れるまで繰り返し直接的な指導が必要であり、現在の隔離状態には適していない。さらに既存システムは一般に高価であり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックにより医療資源が逼迫している現状にそぐわない。

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     大高氏らは、昨年3月に同大学病院がダイアモンドプリンセス号のウイルス検査陽性者を受け入れた際にこれらの問題に気付き、新たな遠隔リハビリシステムを開発した。そのシステムは、患者が使用するタブレットとパルスオキシメーター、および医療者が使用するパソコンで構成されている。タブレットには、会議ソフトウェア(Zoom、Skype)とリモート制御ソフト、およびパルスオキシメーター制御アプリケーションがインストールされており、テレビ電話の要領での会話や経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)などの監視が可能。

     今回の報告は、このシステムを実際にCOVID-19患者に適用し、有用性を評価した研究である。対象はCOVID-19と診断され、同院の個室に入院し隔離状態とされた10人。平均年齢は60±18歳で、4人が男性。中等度の肺炎を呈した患者が3人、軽度の肺炎が5人で、他は無症候であり、平均在院期間は9.9±8.0日だった。SpO2は、研究開始時が94.4±2.6%、研究終了時は95.1±2.0%。機能的自立度評価法(FIM)のスコアは122.4±4.5点。

     これら10人の患者のうち、4人はタブレットやスマートフォンの使用経験がなかったが、開始に際して病室での直接的なサポートを要したのは1人のみで、他の9人はサポート不要だった。また、最初のSkype通話からリハビリ指導までに要した準備時間は、平均3.0±1.1分と短かった。

     遠隔リハビリの内容は、バイタルサインと基本的な運動能力の確認に続き、身体の動かし方を動画で伝えて患者に行ってもらい、改善点を理学療法士がSkypeなどで指導するというもの。1回のプログラムは準備時間も含めて20分だった。

     介入の有用性の検討には、TSQ(Telemedicine Satisfaction Questionnaire)という遠隔医療の満足度の評価のために開発された標準的指標を用い、患者と指導に当たった理学療法士から回答を得た。TSQは70点満点で、点数が高いほど満足度が高いと判定される。なお、患者に対してはTSQ以外に、独自に設けた5つの質問を追加し、5点満点のリッカートスコア(強い非同意が1点、強い同意が5点)で回答してもらった。

     患者のTSQスコアは65.2±6.9点(満点に対し93.1±9.8%)で、理学療法士のスコアは61点(同87.1%)だった。また患者に対する追加の質問とその回答のスコアは以下のとおり。「身体の動かし方がわかりやすい」4.3±1.1点、「安全に運動できる」4.5±0.7点、「室内環境が運動に適している」4.1±1.3点、「使用しているデバイスが運動プログラムの実行に適している」4.0±1.1点、「運動中の医療専門家との通信が役に立つ」4.7±0.7点であった。

     著者らは、検討対象者数が少ないこと、特に理学療法士が1人のみだったことなどの限界点を挙げた上で、「この遠隔リハビリシステムは、COVID-19パンデミックにより隔離状態にある感染者・患者に適用できる可能性がある」と結論付けている。

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    HealthDay News 2021年2月1日
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  • COVID-19によるストレスは学歴で異なる――日本人従業員での検討

     新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックによるメンタルヘルスへの影響は、学歴によって異なる可能性が報告された。東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野の佐々木那津氏、川上憲人氏らがオンライン調査により明らかにしたもので、研究の詳細は「Journal of Epidemiology」に11月7日掲載された。

     2020年2~4月に発生した国内でのCOVID-19パンデミック第1波の際に、所得の低い人たちで心理的ストレスがより増大したことが別の研究で報告されている。また、自殺者数の推移を見ると、2~6月は前年比で平均10%以上少なかったが、8月に急増した。佐々木氏らはこの変化を、パンデミック第2波(6~8月)によって、地域社会におけるメンタルヘルスの悪化が蓄積した表れではないかと推測。この仮説を確かめるために、国内企業の正規雇用社員を対象に行った縦断的調査の結果を解析し、パンデミック第1波から第2波までの人々の心理的ストレスを評価、学歴との関連を検討した。

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     解析の基礎データとした調査は、オンラインによりこれまで3回行われている。初回は3月19~22日に実施され、1,448人が回答。失業者を除外し、5月22~26日に2回目、8月7~12日に3回目の調査が行われた。3回の調査の全てに回答した正規雇用社員は1,275人だった。

     心理的ストレスは、各調査を行った時点から過去30日間の状態を、18項目からなる質問(Brief Job Stress Questionnaire;BJSQ)に回答してもらい評価した。なお、BJSQスコアの合計は18~72点の間で、点数が高いほどストレスが強いことを意味する。

     全対象者を学歴により、16年以上の群(668人)と未満の群(607人)とに二分した。学歴の長い群は短い群に比べて、男性が多く(60.0対40.4%)、年齢が若く(40.0±10.2対43.2±10.6歳)、既婚者が多く(54.5対47.0%)、大企業での就業者が多い(勤務先が従業員数1,000人以上の企業の割合が41.1対24.5%)などの点で、群間に有意差が見られた。

     年齢階級、性別、婚姻状況で調整後のBJSQスコアは、学歴が長い群の初回調査は41.3±0.4、2回目の調査は40.9±0.5、3回目は41.5±0.5だった。一方、学歴の短い群では同順に、41.2±0.5、41.7±0.5、42.6±0.5だった。統計解析の結果、学歴が短いことは、初回調査から3回目の調査までの間のBJSQスコアの増加と有意に関連していることが明らかになった〔固定効果1.26(95%信頼区間0.28~2.24)、P=0.012〕。

     この結果を著者らは、「COVID-19パンデミック第2波の収束までの間に、学歴の短い会社員の心理的ストレスが悪化したことを示唆するもの」と述べている。またその理由を以下のように考察している。まず、学歴が短い人はテレワークに変えられない職業に就いていたり、予防に関する信頼できる情報へのアクセスの機会が限られていたりする可能性が高い。また、感染防御策が不十分なことの多い中小企業に勤務している割合が高く、社会経済の悪化による負荷を被りやすいと考えられる。これらの要因によって、ストレスが増大しやすいことが想定されるという。

     一方、本研究の限界点として、世帯収入や自宅の所有権(持ち家か賃貸か)を調査しておらず、さらに調査対象が正規雇用社員のみであることを挙げ、「この結果を一般化できるとは限らない」としている。その上で、日本では低学歴が自殺リスク因子の一つであるとされていることから、「学歴の短い人のCOVID-19による精神的ストレスの軽減のため、信頼でき理解しやすい感染予防情報や、財政的支援を得るための情報などを提供していく必要がある」とまとめている。

     なお、1人の著者は、情報処理関連企業などとの利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。

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    HealthDay News 2021年1月4日
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  • COVID-19パンデミック時の自殺による超過死亡――警察庁データの解析

     2010年以降2020年9月までの国内の自殺による死亡者数を月別に解析した結果、2020年7~9月の女性の自殺死亡者数が統計的予測範囲を超過していたことが明らかになった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックによる影響が大きいと考えられ、自殺という最悪の結果を防ぐために、女性のメンタルヘルスに対する早急な対策が必要と言えそうだ。

     この研究は慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室の野村周平氏らが、警察庁の月別自殺死亡者数データを解析したもの。結果の詳細は「Psychiatry Research」1月号に掲載された。

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     国内の自殺件数は近年減少傾向にある。しかし、COVID-19パンデミックに伴う外出自粛や社会的距離の確保などが市民の社会的孤立につながり、不安やうつなどのメンタルヘルス上の問題を引き起こしている可能性が報告されている。さらに、経済へのダメージは2008年のリーマンショックを上回るとされている。具体的に国内でも10月16日時点で6万6,000人以上がCOVID-19により失業したと推計されており、失業率は3%を超えた。このような状況が自殺件数を押し上げている可能性がある。

     野村氏らは、2010年以降2020年9月までの自殺による死亡者数をもとに、準ポアソン回帰モデルという統計学的手法を用い、各月の自殺死亡者数の予測値を算出し、実際の自殺死亡者数と比較した。95%予測区間の上限を超えた場合を超過死亡(何らかの原因により通常の予測を超える死亡者数の上昇)が認められた月と判定した。一方で、95%予測区間の下限を下回った場合を過少死亡の月とした。また実際の死者数と予測値および95%予測区間との差分のレンジ、さらにそれらの予測値に占める割合を、超過・過少死亡数および割合として報告している。

     国内でCOVID-19の感染拡大が始まった2020年以降のデータを性別に見ると、女性は2月の過少死亡率が-0.6~-13.8%、4月も同-8.8~-18.0%と、このふた月は自殺による死亡者数が予測値の下限を有意に下回った。しかし7月には22.1~32.3%の超過死亡が観察され、8月にも19.3~33.0%、9月には19.8~33.6%の有意な超過死亡が発生していた。なお、2019年以前は自殺による超過死亡は確認されなかった。

     一方、男性はパンデミック以前の2018年3月(超過死亡率4.9~20.2%)と2020年1月(同1.5~14.2%)に自殺による死亡者数の有意な増加が観察されたが、パンデミック以降の異常値は2020年4月の同-3.6~-14.0%という低値のみが有意だった。

     この結果について著者らは、いくつかの考察を述べている。まず、女性・男性ともに国内のパンデミック初期にあたる2020年4月に、自殺による死亡者数が予測値よりも有意に少なかった点については、「危機の初期には自殺リスクが低下し、その後、上昇に転ずるという科学的エビデンスと一致している」という。

     また、調査対象期間の原死因を問わない全ての死亡の超過率は1%未満である一方で、女性の自殺による超過死亡率が20~30%に及んだことは、COVID-19パンデミックが女性の自殺リスクに与えた影響が極めて大きいことを示しているという。COVID-19パンデミックの自殺リスクへの影響が、9月時点では女性に対してのみ有意であることに関しては、経済の停滞により特に女性の就業環境が悪化していることや、パートナーからの暴力の増加などが背景にあるのではないかと述べている。

     就業環境については、COVID-19パンデミックにより世界的に女性は男性より解雇されやすいなどの不平等な状況が存在すること、また政策や政府による女性への経済援助が効果的なサポートであることに言及している。パートナーからの暴力についても、世界的にパンデミック発生後から増加しており、配偶者暴力相談支援センターなど相談窓口を充実させる必要性を述べている。加えて国内での著名人の自殺報道が、いわゆる後追い自殺を招くことを指摘し、多角的な自殺予防への取り組みが必要であるとまとめている。

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  • 窓から見える緑がCOVID-19ストレスを緩和し得る――都民調査

     新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが続き、人々はストレスの高い状態を強いられている。こうした中、木々の緑に接したり、自宅の窓から緑を眺めることが、メンタルヘルスに好ましい影響を及ぼし得ることが明らかになった。東京大学大学院農学生命科学研究科の曽我昌史氏らの研究チームが、東京の緊急事態宣言解除直後に行った都民対象調査の結果であり、詳細は米国生態学会刊行の「Ecological Applications」に11月17日掲載された。

     COVID-19パンデミックの対策として、世界各国で外出自粛措置がとられている。東京も4月7日~5月25日に緊急事態宣言が発出され、人々の外出機会が著減した。このような特殊な状況が人々にストレスになることは、既に多くの研究報告から明らかにされている。一方、自然環境に接することにストレス軽減効果があることが、以前から報告されている。そこで曽我氏らは都民を対象として、緊急事態宣言下での自然との触れ合いと、メンタルヘルス状態との関連を調査した。

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     対象はオンライン調査会社の登録者3,000人(男性と女性が各1,500人)で、期間は6月初旬の3日間。メンタルヘルス状態は、うつ・不安レベル、自尊心、生活満足度、主観的幸福感、孤独感を評価した。自然との触れ合いは、5月の1カ月間の緑地の使用頻度・時間、自宅の窓から緑が見えるか否か、および衛星観測による回答者の自宅周辺の植生指数(Normalized Difference Vegetation Index;NDVI)を評価指標とした。その他に生活習慣や社会人口学的変数として、年齢、性別、喫煙・飲酒習慣、世帯収入などを質問した。

     回答者全体のメンタルヘルス状態の解析の結果、全般的に孤独感のレベルが高い傾向が認められた。自然との触れ合いについては、5月の大半が緊急事態宣言下にあったことから、60%の人は緑地を一度も訪れておらず、訪れた人の滞在時間も1~2時間程度の短時間が多くを占めていた。自宅の窓から緑が見えるとの回答は81%だった。

     これら自然との触れ合いの状況と、メンタルヘルス状態の関連を解析した結果、緑地の利用、および自宅の窓から緑が見えることは、自尊心、生活満足度、主観的幸福感と正の関係性があり、うつ・不安レベル、孤独感とは負の関係性が認められた。また、COVID-19パンデミックによる世帯収入への影響の大きさは、うつ・不安レベルと有意に関連していた。一方、自宅周辺の植生指数は、メンタルヘルス状態と有意な関連が見られなかった。

     自宅の窓から緑が見えることは、評価した5項目の全てについて、緑地の利用よりもメンタルヘルス状態へ、より大きな影響を及ぼしていた。平均を0、標準偏差を1とした場合の効果量は以下のとおり。自尊心に対する自宅の窓から緑が見えることの効果量は0.13、緑地の利用は0.06、生活満足度に対しては同順に0.23、0.07、主観的幸福感に対しては0.16、0.09、孤独感に対しては-0.11、-0.08、うつ・不安に対しては-0.10、-0.05。なお、COVID-19パンデミックによる世帯収入への影響による、うつ・不安への効果量は0.08だった。

     これらの検討結果を著者らは、「メンタルヘルスへの負荷が高止まりしている状況において、自然との触れ合いがそのストレス改善に役立つことを示唆している」とまとめている。

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    HealthDay News 2020年12月7日
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  • COVID-19感染リスクは年齢によらない――北大

     新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死亡リスクが高齢者で高いのは、COVID-19への感染リスクが高いからではなく、感染後に重症化しやすいためとする研究結果が報告された。北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターの大森亮介氏らが、数理学的な手法を用いて明らかにした結果であり、詳細は「Scientific Reports」に10月6日掲載された。

     COVID-19のパンデミックが続いているが、流行の規模は国ごとに大きく異なっている。その差は、人口当たりの感染者数や、1人の感染者から新たな感染者が何人発生しているかを表す「基本再生産数(R0)」からも把握可能だ。例えば2020年春時点のR0は、日本が1.7だったのに対し、スペインでは2.9、イタリアでは2.4~3.3と高値であったことが報告されている。

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     しかしその一方で、COVID-19による死亡が高齢者に多いことは、世界共通の現象だ。高齢者のCOVID-19による死亡リスクが高い理由として、理論的には2つの仮説が立てられる。1つは若年者よりも高齢者の方がCOVID-19に感染しやすいため、もう1つは感染のしやすさは同等でも高齢者は感染後に重症化しやすいためという考え方だ。大森氏らは、年齢による他人との接触頻度の違いや家庭外での行動制限なども変数に組み入れた数理モデルを構築し、上記いずれの仮説が妥当かを検討した。

     まず、日本とスペイン、およびイタリアの3カ国で、COVID-19による死亡者の年齢分布を比較した。その結果、前述のように基本再生産数に大きな違いがあるにもかかわらず、死亡者の年齢分布はほぼ一致することが確認された。

     次に、「高齢者はCOVID-19に感染しやすい」という1つ目の仮説に基づくモデルを用いて、死亡者の年齢分布をシミュレーションした。すると、基本再生産数が異なると、死亡者に占める60~70代の高齢者の割合に大きな差が生じてしまうことが明らかになった。

     具体的には、基本再生産数が低い場合は死亡者に占める60代の割合が低い一方で70代は高くなり、基本再生産数が高い場合はその逆になると想定され、現実との乖離が認められた。仮に、実際に起きている死亡リスクの差を年齢による感染リスクの違いで説明しようとすると、高齢者の感染リスクを非現実的なレベルの大きさに設定しなければならなかった。

     他方、「高齢者は感染後に重症化しやすい」という2つ目の仮説に基づくモデルで行ったシミュレーションの結果は、基本再生産数が異なっても死亡者の年齢分布はほぼ同一であり、世界で観察されている実際のデータと一致した。

     以上の検討から大森氏らは、「COVID-19による死亡が高齢者に偏っているのは、COVID-19への感染しやすさではなく、感染後の病状の進みやすさが年齢によって異なるためと考えられる」と結論づけている。その上で、「COVID-19重症化の年齢依存性メカニズムの解明により、治療の進歩が期待される」と付け加えている。

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    HealthDay News 2020年11月2日
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  • 医師発の外出自粛メッセージが効果大――緊急事態宣言下での東大の研究

     新型コロナウイルス感染症(COVID-19)第一波、第二波の拡大局面では、行政府からの外出自粛要請に加え、各方面からステイホームの呼びかけが行われた。それらの呼びかけの中で、最も説得力があり市民の心に届いたのは、治療の最前線で働く医師が発したメッセージだったようだ。緊急事態宣言発出中に実施された調査の結果であり、詳細は「Patient Education and Counseling」8月21日オンライン版に掲載された。

     東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野の奥原剛氏らは、緊急事態宣言下の2020年5月9日~11日に、年齢、性別、居住地域を日本の人口構成に一致させた18~69歳の1,980人を対象とするインターネット調査を実施。外出自粛を呼びかける5種類のメッセージの中から1つを無作為に示して、そのメッセージを読む前と読んだ後に、外出を自粛しようという意思がどの程度変化したかを答えてもらった。

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     5種類のメッセージとは、都道府県の知事、感染症対策の専門家、治療現場で働く医師、COVID-19に罹患した人、COVID-19流行が急拡大している地域の住民というそれぞれの立場から発した内容で、報道されている情報を基に作成した。外出自粛の意思は、COVID-19を理由に今後、(1)「人と会う」「外食をする」「イベントに参加する」などの予定をキャンセルや延期しようと思うか、(2)店での買い物の時間を減らそうと思うか、(3)人混みを避けようと思うか、という三つの質問に対し、「絶対にしない」から「絶対にする」までの6段階で回答してもらい、その平均値で評価した。

     その結果、特別警戒地域に指定されていた都道府県の居住者(1,274人)の回答からは、医師のメッセージを読んだ時に、外出自粛の意思が0.34点上昇し、5種類の中で最も大きく変化することが分かった。2位は患者のメッセージで変化は0.21点、3位は専門家のメッセージで0.19点、知事と住民のメッセージは0.17点だった。医師のメッセージによる変化は、他のメッセージによる変化に比較して有意に大きかった(P=0.003)。

     解析対象を全国に拡大しても、上昇幅が最も大きかったのは医師のメッセージの0.27点で、以下、患者0.22点、専門家0.19点、住民0.18点、知事0.17点と続いた。なお、全国対象の解析では、医師のメッセージと他のメッセージの変化の差は統計的有意水準に至らなかった(P=0.098)。

     今回の調査で用いた医師のメッセージは以下の内容(一部省略)。「私の病院では、新型コロナウイルスの患者さんでベッドも集中治療室も埋まっていて、患者さんを新規に受け入れることができません。医師と看護師が総動員で治療にあたっていますが、マスクも防護服も不足しています。感染の危険と隣り合わせで、もう本当に限界です。同僚の一人でも感染したら、何人もの医師と看護師が自宅待機となり、治療を続けることができなくなります。もし皆さんの誰かが感染して重症化しても、治療できなくなるのです。私たちは踏みとどまって病院にいて治療を続けます。ですから、皆さんは家にいてください。皆さんが務めを果たすことで、私たちも務めを果たすことができます」。

     著者らは本研究の結論を、「医療崩壊によって治療を提供できなくなる危機と、医療従事者の使命感を伝えるコロナ病棟の現場の医師によるメッセージが、外出自粛の気持ちを最も高めることが分かった」とまとめている。また、考察として、「知事や専門家のメッセージは、人の理性に向けた知識の提供や指示であり、情報の受け手が意図どおりに動くとは限らない。一方、現場の医師のメッセージは知識も指示も与えないが、危機感と使命感で感情に訴える。今後、再び外出自粛が要請される事態になった場合に、現場の医師が積極的にメッセージを発信することが重要だろう」と述べている。

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    HealthDay News 2020年10月5日
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  • COVID-19レジストリ中間報告――国立国際医療研究センター

     国立国際医療研究センターはこのほど、国内の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院患者のレジストリデータを解析した、中間報告を公表した。死亡率は欧米の3分の1にとどまることなど、国内の治療状況の詳細が明らかになった。

     このレジストリには748施設のCOVID-19入院患者4,797人(8月3日時点)、国内の検査陽性者の12.3%に当たるデータが登録されている。今回公表された結果はそのうち、第二波の感染拡大が本格化する直前の7月7日時点までに登録された、227施設、2,638人のデータを解析したもの。

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     まず、重症度の内訳を見ると、61.8%は最重症時でも酸素投与を必要としない軽症であり、酸素投与を必要としたのは29.7%、気管挿管や体外式膜型人工肺(ECMO)を必要としたのは8.5%だった。患者背景としては、男性、高齢者、喫煙者で、酸素投与などが必要になる重症例の割合が多かった。

     具体的には、解析対象者全体では男性の割合が58.9%であるのに対し、酸素投与不要例では53.2%と少ない一方、酸素投与必要例では65.0%であり、気管挿管などを必要とした症例では78.9%を占めていた。また年齢は、対象者全体の中央値が56歳、酸素投与不要例は49歳であるのに対し、酸素投与必要例は68歳、気管挿管などを必要とした症例は66歳だった。喫煙歴のある人の割合は全体で36.3%、酸素投与不要例では32.0%、酸素投与必要例では43.1%、気管挿管などを必要とした症例では43.9%だった。

     次に、併存疾患に関する解析結果を見ると、肥満が5.5%、軽症糖尿病(合併症なし)が14.2%、重症糖尿病(合併症あり)が2.5%などであり、欧米に比べて低値だった。例えば、英国からは軽症糖尿病22%、重症糖尿病8.2%、肥満9%、米国からは糖尿病28~35%、肥満40%といった数値が報告されている。

     COVID-19に特徴的な症状として、味覚や嗅覚の障害が報告されているが、今回の解析では、味覚障害は17.1%、嗅覚障害は15.1%にとどまった。ただし、味覚・嗅覚障害の頻度は海外からの報告でもばらつきが大きく、また、それらがCOVID-19の関連症状であるとの認識が定着したことで、今後は報告が増える可能性があるという。

     退院時転帰は、自宅退院が66.9%、転院が16.6%、療養施設などへの入所が9.1%、死亡が7.5%だった。重症度別に解析すると、酸素投与不要例では77.0%と8割近くが自宅退院し、転院が11.4%、死亡は0.4%だった。酸素投与必要例では自宅退院56.1%、転院23.0%、死亡14.7%であり、気管挿管などを必要とした症例では自宅退院30.6%、転院32.4%、死亡33.8%だった。なお、海外での死亡の割合は、英国26%、米国21~24%、中国28%と報告されており、それらに比べて3分の1程度と少ないことが示された。

     本レジストリは今後、重症化因子の同定、薬剤の有効性の評価、生活習慣の関与の解明などにも活用されるという。

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