• 糖尿病患者の摂取エネルギー量は心理状態で左右される――東京大グループ

    食事療法は糖尿病治療の基本だが、その順守は容易でない。原因の1つとしてストレスなど心理的要因の影響が考えられるが、その定量的な評価は困難。これまでにアンケートを用いた調査などが行われているものの、正確性や調査期間が限られている。

     こうした中、生態学的経時的評価法(ecological momentary assessment;EMA)という手法で、日常生活下で食事前の心理状態を評価し、摂取エネルギー量との関係を6カ月間にわたって調査した結果が報告された。東京大学大学院医学系研究科内科学専攻ストレス防御・心身医学の吉内一浩氏らによる研究で、「BioPsychoSocial Medicine」9月4日オンライン版に掲載された。被験者の心理状態を従来よりも定量性に優れた方法で把握しており、長期間の調査である点で注目される。

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     研究の対象は外来2型糖尿病患者9人(平均年齢49歳、男性6人、BMI25.5、HbA1c7.4%)で、被験者には専用の携帯型情報端末(PDA)を貸与。被験者はEMAの手法に則して、毎日4回(起床時、10時頃、15時頃、就寝時)、その時の「心理的ストレス」、「不安」、「抑うつ」の程度をVAS(視覚的アナログスケール)で評価しPDAに記録。またPDAの食事記録アプリへ毎食後に食事内容を記録し、摂取エネルギー量を算出した。

     EMAは、被験者が後から思い出して記録するのではなく、その事象が起こった時に記録するという行動医学の調査手法。思い出し法による調査で問題となる想起バイアスや虚偽報告が少ないということと、リアルワールドの状態を評価できるという特徴がある。EMAで評価された心理状態とその後の食事との関係の検討から、以下の有意な関連が認められた。

     まず、心理的ストレスとの関連については、食事に先行する時間帯に心理的ストレスが強いほど、昼食や夕食の摂取エネルギー量が少ないという負の関連が存在した。一方、間食による摂取エネルギー量は先行する時間帯の心理的ストレスが強いほど多いという正の関連があった。不安との関連は朝食との間でのみ認められ、不安が強いほど朝食の摂取エネルギー量が少ないという負の関連が存在した。また、抑うつとの関連は昼食との間でのみ認められ、抑うつが強いほど昼食の摂取エネルギー量が少ないという負の関連が存在した。

     心理的ストレスや不安、抑うつが強いと摂取エネルギー量が減る理由について、著者らは「ネガティブな気分は食事摂取量に感情面から影響を及ぼすだけではなく、自律神経反応を介して食欲を低下させる可能性があり、その影響も考えられる」と考察している。また、心理的ストレスによって間食の摂取量が増えることに関しては、「間食を摂取することにより、心理的ストレスを軽減するというメカニズムによるのかもしれない」と述べている。

     本研究では上記のほか、1人で食べる時よりも誰かとともに食べる時、また、自宅で食べる時よりも外食する時に、摂取エネルギー量が多くなることなどもわかった。研究の結論を著者らは「食事前の心理的状態は2型糖尿病患者の摂取エネルギー量に影響を及ぼす。この関連をより深く理解することで、過食を防ぐ手法の開発に役立つだろう」とまとめている。

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    HealthDay News 2019年10月15日
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  • 全レセプトデータから、日本の糖尿病診療の質が明らかに 地域や施設によるばらつきも

    国内で行われたほぼ全ての保険診療データの解析から、糖尿病合併症の検査実施割合に改善の余地があることが明らかになった。国立国際医療研究センター研究所糖尿病情報センターの杉山雄大氏らの研究によるもので「Diabetes Research and Clinical Practice」7月20日オンライン版に掲載された。

     同氏らは「レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)」を用いガイドラインが推奨している糖尿病合併症検査の実施状況を調査した。対象は2015年度に糖尿病薬を定期処方されていた外来患者約415万人。1型糖尿病患者が1.9%を占めた。年齢は40歳未満1.6%、40代5.8%、50代13.3%、60代29.6%、70代29.9%、80代17.6%、90歳以上2.7%、糖尿病薬としてインスリンが14.8%に処方されていた。糖尿病薬を処方していた医療機関の内訳は、診療所が63.5%、200床未満の病院が17.4%、200床以上の病院19.1%で、全体の11.0%が日本糖尿病学会(JDS)の認定教育施設であった。

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     血糖コントロール指標となる検査(HbA1cまたはグリコアルブミン)は、96.7%の患者に年1回以上実施されていた。都道府県別に見ても95.1~98.5%の範囲に収まり地域差は少なかった。それに対して網膜症の検査が行われていた患者は46.5%で半数にとどかず、都道府県別では最小の37.5%から最大の51.0%まで地域差が見られた。またJDS教育施設の認定ありでは59.8%、認定なしでは44.8%だった。

     腎症を調べる尿検査については、診療報酬算定条件の関係から200床以上の病院を除いて調査。その結果67.3%に年1回以上の尿定性検査がなされていた。都道府県別では54.1%~81.9%の範囲に広がり、北海道・東北地方で高く近畿地方で低いなど地域差がみられた。JDS認定ありでは92.8%、なしでは66.8%だった。

     腎症を早期・正確に把握できる尿アルブミンまたは尿蛋白の定量検査の実施割合はより低く、全体の19.4%にとどまった。都道府県別では10.8%~31.6%で、尿定性検査と同様に地域差を認めた。JDS認定ありで54.8%、なしでは18.7%であり、尿定量検査はJDS認定を受けている医療機関でも実施割合が低いことがわかった。

     本研究は診療報酬ベースの解析であり、各地域間における患者の重症度などが考慮されておらず、地域間の比較を行う際には注意が必要である。また尿アルブミン定量検査に関しては、頻回測定に対する診療報酬上の抑制が、年1度の測定の低下につながっている可能性があるかもしれない。しかし、これまで日本全体の糖尿病合併症検査の実施状況を明らかにした調査はなく本研究が初めてであり、本研究の結果を基に糖尿病診療のさらなる質の向上が期待される。研究グループでは、今後も定期的に糖尿病診療の質指標を測定し、診療の質向上や、適切な医療政策の立案に役立つ情報を提供していく予定であるという。

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    HealthDay News 2019年8月19日
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  • 血清ビタミンD値は2型糖尿病リスクと逆相関する 日本人でのコホート内症例対照研究:日立健康研究

    日本人において血清ビタミンD値が2型糖尿病のリスクに関連することが、国立国際医療研究センター疫学・予防研究部のアクターシャミマ氏らと日立健康管理センタの中川徹氏らの共同研究で明らかになった。研究の詳細は「Clinical Nutrition」5月21日オンライン版に掲載された。

     糖尿病に対するビタミンDの予防的作用を示唆する報告が増えているが、アジア人を対象とした疫学研究は少ない。アクター氏らは、健康診断受診者を5年間追跡したコホート内症例対照研究により、日本人の血清25-ヒドロキシビタミンD3(25 [OH] D3)と2型糖尿病罹患との関連を検討した。

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     研究対象は日立健康管理センタにおいて2008年度に健康診断を受け、血液保管に同意した従業員4,754人(ベースライン時の年齢34~69歳)。糖尿病の罹患は、追跡期間中に受けた健康診断の血糖値、HbA1c、および糖尿病治療の自己申告に基づいて把握した。

     各糖尿病症例について、糖尿病に罹患しなかった人から性、年齢、健診受診日(日照時間の差異によるビタミンD値への影響を除外するため)をマッチさせて2名の対照を選んだ。血中ビタミンDを測定できた症例336名と対照668名について、2型糖尿病リスクとの関連を条件付きロジスティック回帰で分析した。

     BMIを除く既知の危険因子で調整したモデルで、血清25(OH)D3値が高いほど2型糖尿病リスクが低下する傾向が認められた(最高四分位に対する最低四分位のオッズ比0.58,95%信頼区間=0.36-0.92,傾向性P=0.03)。この関連は、BMIを調整に加えることでやや弱まった(OR=0.65,95%CI=0.40-1.08,傾向性P=0.08)。

     こうした血中ビタミンDと2型糖尿病リスクとの逆相関は、日照量が比較的少ない季節(11月から4月)に健康診断を受けた人において、より顕著にみられた(OR=0.45,傾向性P=0.01)。また前糖尿病状態から糖尿病に進展するリスクを調べたところ、25(OH)D3が最も高い群は最も低い群に比べて約37%低下していた。

     研究を統括した国際医療研究センターの溝上哲也氏は「日常生活で日光を浴びる機会が減っている現代、ビタミンD不足は蔓延している。体内のビタミンDを充足させる生活習慣が大切ではないか」と述べている。

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    HealthDay News 2019年7月29日
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  • 緑茶摂取が2型糖尿病リスクの低減に有用か 九州大、久山町研究から

    緑茶成分のL-テアニンの代謝産物であるエチルアミンの血清濃度が高い人は、2型糖尿病になりにくい可能性があることが、福岡県久山町の住民を対象とした大規模疫学調査、久山町研究から明らかになった。九州大学大学院衛生・公衆衛生学教授の二宮利治氏らが「Diabetes Care」7月号に発表した。

     二宮氏らの研究チームは、緑茶に含まれる成分の一つであるテアニンの代謝産物、エチルアミンが摂取から24時間以上、血清中に残存することから、血清エチルアミン濃度が緑茶摂取量を反映する客観的指標となり得る点に着目。2007年の健診を受けた糖尿病のない40~79歳の久山町住民2,253人を対象に7年間追跡した。研究では、対象者を血清エチルアミン濃度で4つの群(0.86ng/mL以下、0.87~2.10ng/mL、2.11~5.28ng/mL、5.29ng/mL以上)に分けて2型糖尿病の発症を比較検討した。

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     追跡期間中に282人が2型糖尿病を発症した。年齢や性で調整した2型糖尿病の累積発症率は、血清エチルアミン濃度が上昇するに伴い有意に低下することが分かった(傾向P値=0.04)。その他の交絡因子で調整後の解析でも同様の結果が得られた。

     また、複数の因子で調整した多変量解析の結果、血清エチルアミン濃度が最も高い群では、最も低い群に比べて2型糖尿病の発症リスクが31%有意に低いことが示された(ハザード比0.69、95%信頼区間0.49~0.98)。特にこれらの関連は、中年層や糖尿病予備群、肥満者、インスリン抵抗性を有する人でより顕著であった。

     さらに、久山町研究とは別の健康なボランティア12人を対象に、血清エチルアミン濃度の推移を検討した結果、高濃度L-テアニンを含有する緑茶飲料を12時間間隔で1日2回、継続的に摂取すると、5.90ng/mL超の一定量でエチルアミンが体内に残存すると推定された。この血清エチルアミン濃度は、久山町研究で2型糖尿病の発症リスクの低減が認められた群よりも高かったという。

     これらの結果を踏まえ、二宮氏らは「日本人は緑茶の摂取量が多いほど2型糖尿病リスクが低減する可能性が示された。また、血清エチルアミン濃度の測定は、緑茶摂取量の客観的な指標になり得ると考えられる」と述べている。なお、この研究はサントリー食品インターナショナルと共同で実施された。

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  • フレイルを伴う糖尿病患者で死亡や入院リスク上昇か メタ解析

    糖尿病患者は、フレイルを伴うと死亡や入院するリスクが高まる可能性があることが、伊勢赤十字病院(三重県)糖尿病・代謝内科副部長の井田諭氏らが実施したメタ解析で示された。研究の詳細は「Cardiovascular Diabetology」6月18日オンライン版に掲載された。

     糖尿病患者では、高血圧や脂質異常症、喫煙習慣といった従来のリスク因子があると死亡や心血管疾患(CVD)の発症につながるとされるが、フレイルに起因するケースも多いことが報告されている。井田氏らは、糖尿病患者のフレイルと死亡や入院、CVD発症との関連を検討することは医療経済学の観点からも重要とし、これらの関連を包括的に分析するため、システマティックレビューとメタ解析を実施した。

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     研究では、MEDLINEやコクランデータベースなどを用い、2018年12月までに公表された、糖尿病患者のフレイルと死亡や入院、CVD発症との関連を調べた論文のシステマティックレビューを実施。基準を満たした8件の研究を対象にメタ解析を行った。8件のうち1件は横断研究で、残り7件は縦断研究であった。解析対象は計56万5,039人で、平均年齢は68歳であり、53%が女性だった。

     解析の結果、糖尿病患者がフレイル予備軍(プレフレイル)およびフレイルであると、死亡リスクはそれぞれ1.09倍、1.35倍であることが分かった(いずれもP=0.02)。また、フレイル予備軍およびフレイルであると入院リスクも高まることが示された(オッズ比はそれぞれ2.15、5.18、P値はそれぞれ0.003、<0.001)。一方、フレイルとCVD発症との間には有意な関連はみられたものの、1件の研究に限られていたため、結論には至らなかった。

     これらの結果を踏まえ、井田氏らは「糖尿病患者は、フレイル予備軍やフレイルであると死亡や入院のリスクが有意に高まる可能性が示された」と結論。一方で、CVD発症との関連を検討した研究が1件に限られていることなど研究には限界点もあることから、「今後さらなる検証が必要だ」としている。

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  • 2型糖尿病とがんの関係、遺伝的には証明されず JPHC研究

    日本人集団の遺伝子多型情報を用いて、2型糖尿病とがんとの関係を調べた結果、これらが関連するという強い遺伝的なエビデンスは得られなかったことが、国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究グループの調べで分かった。研究の詳細は「International Journal of Cancer」3月30日オンライン版に掲載された。

     これまでの研究で、糖尿病がある人は、糖尿病がない人に比べて膵臓がんや肝臓がん、大腸がんなどのがん罹患リスクが高まることが報告されている。しかし、がんの発生に関与する因子を含めて補正できないリスク因子が存在する可能性があり、糖尿病自体ががんの発症に寄与しているか否かは明らかになっていない。

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     研究では、ベースライン時(1990年および1993年)に全国9地域に在住し、ベースライン調査に回答し、健診などで血液サンプルを提供した40~69歳の男女3万2,949人を対象に、2009年末まで追跡調査を実施。対象集団中、追跡期間中に新たに2型糖尿病を発症した3,541人とランダムに抽出した1万536人(糖尿病のある人が613人、糖尿病のない人が9,923人)を対照群として症例コホート研究を行った。

     既に知られている29の2型糖尿病感受性遺伝子多型を用いて、糖尿病とがん全体および部位別のがんリスクとの関連についてメンデルのランダム化解析を行った。その結果、ある集団における糖尿病有病率が倍増することによるがんの罹患リスクは、がん全体では1.03倍(95%信頼区間0.73~1.59)、膵臓がんでは1.08倍(同0.73~1.59)だったのに対し、肝臓がんでは0.80倍(同0.57~1.14)、大腸がんでは0.90倍(同0.74~1.10)であった。

     これらの結果を踏まえ、研究グループは「糖尿病とがん全体および部位別のがんとの関連を支持する強力なエビデンスは得られなかった」と結論。糖尿病の既往者では膵臓がん、肝臓がん、大腸がんなどの罹患リスクが高いことを報告したJPHCの先行研究とは異なる結果が得られた点については、「糖尿病自体ではなく高インスリン血症やインスリン抵抗性を介してがんリスクの上昇がみられた可能性がある」と説明しており、また、今回の研究では、がん部位別にみた罹患数が少なかったことも結果に影響した可能性を指摘している。

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    HealthDay News 2019年7月8日
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  • 2型糖尿病患者ではレプチン濃度が遠骨皮質骨厚の菲薄化に関連 大阪市立大グループ

    日本人の2型糖尿病患者では、肥満度と独立して、血漿レプチン濃度は橈骨遠位端の皮質骨厚と負の関連性を示すが、海綿骨骨密度とは関連性を示さないことが、大阪市立大学大学院代謝内分泌病態内科学講師の藏城雅文氏らが実施した横断研究で示された。詳細は「Journal of Diabetes Investigation」5月9日オンライン版に掲載された。

     2型糖尿病患者では、骨密度に低下がみられなくても骨折リスクが高まるとされる。一方、骨粗鬆症は交感神経活性と関連することが知られている。さらに、2型糖尿病患者でよくみられる自律神経障害には、血漿レプチンが強く関与する可能性が示唆されている。

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     藏城氏らは今回、2型糖尿病患者182人(男性93人、女性89人)を対象に、超音波骨密度測定装置を用いて測定した橈骨遠位端の皮質骨厚および海綿骨骨密度と血漿レプチン濃度との関連を調べるため、横断研究を実施した。

     その結果、血漿レプチン濃度はBMIと有意な正の関連を示したが、橈骨遠位端の皮質骨厚とは負の関連を示した(いずれもP<0.001)。一方、血漿レプチン濃度と海綿骨骨密度は関連しなかったが、BMIとは有意な正の関連を示すことが分かった(いずれもP<0.001)

     また、年齢や性、糖尿病の罹病期間、HbA1c値などの因子で調整した多変量解析の結果、血漿レプチン濃度と橈骨遠位端の皮質骨厚との間には有意な負の関連がみられた一方で(P<0.001)、海綿骨骨密度との関連は認められなかった。BMIとウエスト/ヒップ比でさらに調整して解析しても、血漿レプチン濃度と橈骨遠位端の皮質骨厚は有意に関連することが明らかになった。

     これらの結果を踏まえ、藏城氏らは「血漿レプチン濃度は、BMIやウエスト/ヒップ比とは独立して橈骨遠位端の皮質骨厚と負の関連を示すが、海綿骨骨密度とは関連しないことが分かった。このことは、2型糖尿病患者において、肥満により引き起こされる高レプチン血症は皮質骨の脆弱性と関連する可能性を示している」と述べている。

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    HealthDay News 2019年6月24日
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  • 起床前後の交感神経活性の変動が24時間血糖変動と関連か 日本人2型糖尿病患者を解析、愛媛大グループ

    日本人の2型糖尿病患者では、起床前後の交感神経活性の変動が24時間の血糖変動と関連している可能性があることが、愛媛大学大学院糖尿病内科学講座の松下由美氏らの研究グループの検討で分かった。これらの変動の増大は、糖尿病患者における心血管イベント発症の一因である可能性が考えられるという。研究の詳細は「Diabetes Research and Clinical Practice」6月号に掲載された。

     糖尿病患者では、明け方からの血糖上昇(暁現象)に、カテコラミンなどのインスリン拮抗ホルモンが関連している。一方、膵臓では交感神経刺激によりインスリン分泌抑制とグルカゴン分泌促進が起こり、血糖値が上昇すると報告されている。自律神経活性には日内変動があり、特に起床前後の変化は糖代謝や血糖変動に関連する可能性がある。そこで、今回、松下氏らは、2型糖尿病患者にホルター心電図と持続グルコースモニタリング(CGM)を同時に施行し、これらの関連について解析した。

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     対象は、同大学病院の入院2型糖尿病患者41人。血糖変動の指標を(1)起床前後1時間のSD(標準偏差)およびdelta(Δ)グルコース(最大値と最小値の差)(2)24時間のSDおよびMAGE(平均血糖変動幅)とし、慢性高血糖の指標を(3)24時間の平均血糖値、HbA1c値とした。また、自律神経活性の評価は、ホルター心電図の心拍変動解析により行った。low frequency(LF)を交感・副交感神経両者、high frequency(HF)を副交感神経活性、LF/HFを交感神経活性の指標とし、これらの起床前後1時間の最大値と最小値の差を変動指標とした(ΔLF wake-up、ΔHF wake-upおよびΔLF/HF wake-up)。

     年齢や性、BMI、糖尿病の罹病期間、多発神経障害の有無で調整した重回帰分析の結果、ΔLF/HF wake-upは起床前後1時間および24時間の血糖変動指標と正に関連したが、慢性高血糖の指標とは関連しなかった。さらに、ΔLF/HF wake-upは暁現象に関与する空腹時血中コルチゾールやアドレナリンとも正に関連していた。

     これらの結果から、松下氏らは「今回の研究結果は、起床前後の交感神経活性の変動、インスリン拮抗ホルモンおよび血糖変動が密接に関連する可能性を示唆している」と結論。その上で、「ΔLF/HF wake-upは24時間のLF/HF変動と正に関連したことから、起床前後の交感神経活性の変動が24時間の変動を反映して、24時間の血糖変動と関連している可能性がある。血糖変動は慢性高血糖よりも酸化ストレス、内皮障害と関連し、心血管イベントに関与するという報告があり、起床前後の交感神経活性の変動と血糖変動の増大は心血管イベント発症機序の一部を説明し得るかもしれない」と説明している。

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    HealthDay News 2019年6月17日
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  • 2型糖尿病はNAFLD患者の肝線維化進展のリスク因子か 中年期の日本人患者約1,500人を分析

    中年期の非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者は、2型糖尿病が併存すると高度な肝線維化への進展リスクが高まる可能性があることが、大垣市民病院(岐阜県)消化器内科の多田俊史氏らの研究グループの検討で分かった。2型糖尿病は、年齢(50歳以上)と血清アルブミン低値とともに高度な肝線維化への進展の独立したリスク因子であることが示されたという。研究の詳細は「Journal of Gastroenterology and Hepatology」5月21日オンライン版に掲載された。

     肝線維化が進展したNAFLD患者の予後は悪いことが知られているが、その臨床上のリスク因子は明らかになっていない。研究グループは今回、肝線維化の重症度が低い中年期のNAFLD患者を対象に、肝線維化進展のリスク因子について検討するため観察研究を実施した。

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     対象は、2006~2016年に、超音波検査で脂肪肝と診断された連続症例1万3,942人のうちNAFLDの診断基準を満たし、肝線維化の重症度が低かった(肝線維化指標のFIB-4 Indexが1.3未満)36~64歳の患者1,562人。対象患者の年齢(中央値)は54.0歳で、56.7%が男性であった。なお、FIB-4 Indexが2.67を超えた場合を「高度な肝線維化」と定義した。

     中央値で7.5年の追跡期間中に、186人(11.9%)で高度な肝線維化が認められた。高度な肝線維化の3年、5年、7年および10年累積発症率はそれぞれ4.4%、6.7%、11.0%、16.7%であった。

     年齢や喫煙習慣、BMIなどで調整した多変量解析の結果、「50歳以上」「血清アルブミン低値(4.2g/dL未満)」「2型糖尿病の併存」の3つの因子はいずれも、高度な肝線維化への進展の独立したリスク因子であることが分かった(ハザード比は各2.121、1.802、1.879、P値はいずれも<0.001)。高度な肝線維化の3年、5年、7年および10年累積発症率は、2型糖尿病のない患者(1,077人)ではそれぞれ3.6%、5.0%、8.2%および12.9%だったのに対し、2型糖尿病を併存した患者(485人)ではそれぞれ6.1%、10.4%、16.7%および24.0%であった。一方、脂肪肝の進行の程度については、高度な肝線維化への進展との関連は認められなかった。

     これらの結果を踏まえ、多田氏らは「2型糖尿病の併存は、50歳以上および血清アルブミン低値に加えて、中年期NAFLD患者における高度な肝線維化への進展の独立したリスク因子であることが分かった」と結論。一方で、脂肪肝の進行度や性、喫煙習慣、肥満、慢性腎臓病、高血圧、脂質異常症といった因子は高度な肝線維化への進展とは関連しないことも示されたとしている。

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    糖尿病でいちばん恐ろしいのが、全身に現れる様々な合併症。深刻化を食い止め、合併症を発症しないためには、早期発見・早期治療がカギとなります。今回は糖尿病が疑われる症状から、その危険性を簡単にセルフチェックする方法をご紹介します。

    糖尿病のセルフチェックに関連する基本情報

    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2019年6月10日
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  • 大腿骨近位部骨折で2型糖尿病患者の全死亡リスク増 日本人患者の大規模コホート研究を解析

    日本人の2型糖尿病患者は、大腿骨近位部骨折があると全死亡リスクが高まる可能性があることが、九州大学大学院病態機能内科学教授の北園孝成氏と白十字病院(福岡県)副院長・糖尿病センター長の岩瀬正典氏らの研究グループの検討で分かった。これらの関連は、肥満度を表す体格指数(BMI)や喫煙習慣などの因子のほか、心血管疾患(CVD)や末期腎不全(ESRD)の併存とは関係なく認められたという。研究の詳細は「Journal of Diabetes Investigation」5月12日オンライン版に掲載された。

     2型糖尿病患者は、大腿骨近位部骨折を来たしやすいとされる。また、大腿骨近位部骨折を含む脆弱性骨折は死亡率を高めることが報告されている。しかし、2型糖尿病患者における大腿骨近位部骨折と死亡リスクとの関連については、あまり検討されていない。そこで、研究グループは今回、大規模な前向き疫学調査である福岡県糖尿病患者データベース研究(Fukuoka Diabetes Registry;FDR)のデータを用いて、大腿骨近位部骨折、上肢骨折、心血管疾患(CVD)および末期腎不全(ESRD)と全死亡との関連を調べた。

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     研究では、4,923人の2型糖尿病患者(平均年齢65歳、うち男性2,790人)を対象に、中央値で5.3年間追跡した。追跡期間中に110人が大腿骨近位部骨折を、801人は上肢骨折を来し、1,344人はCVDを、104人はESRDを発症した。

     追跡期間中に309人が死亡した。解析の結果、大腿骨近位部骨折のある患者では、そうでない患者に比べて全死亡リスクが有意に高かった(多変量調整オッズ比2.67、95%信頼区間1.54~4.41)。一方、上肢骨折と全死亡リスクとの間に有意な関連は認められなかった。

     また、CVDやESRDを併存した患者では、これらの疾患がない患者に比べて全死亡リスクは有意に高いことも分かった〔多変量調整オッズ比(95%信頼区間)はそれぞれ1.78(1.39~2.70)、2.36(1.32~4.05)〕。さらに、CVDおよびESRDで調整した解析でも、大腿骨近位部骨折と全死亡との関連は有意であり続けた(同2.74、1.58~4.54)。なお、大腿骨近位部骨折患者の死因は感染症(40.9%)と悪性腫瘍(25.0%)、CVD(15.0%)であった。

     これらの結果を踏まえ、岩瀬氏らは「2型糖尿病患者では、CVDやESRDと独立して、大腿骨近位部骨折は全死亡リスクの上昇と関連する可能性がある。今回の結果から、高齢の糖尿病患者において、大腿骨近位部骨折は生命予後に関わる非常に重要なイベントだといえる」と述べている。一方、「大腿骨近位部骨折の予防が2型糖尿病患者の生存率向上につながるか否かについては、今後の研究結果が待たれる」と同氏らは付け加えている。

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    HealthDay News 2019年6月10日
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