• 1型糖尿病でも“座り過ぎ”は血糖管理不良に関連――日本人対象の横断研究

     1型糖尿病であっても“座り過ぎ”は血糖管理不良につながる可能性が、日本人患者を対象とする研究で示された。藍野大学医療保健学部理学療法学科の本田寛人氏らが、「Healthcare」4月22日オンライン版に報告した。

     生活習慣が発症や進行に大きく影響する2型糖尿病では、血糖管理に運動療法が重要であり、そのエビデンスも豊富に存在する。しかし、発症機序に生活習慣が関与していない1型糖尿病の血糖管理における運動療法のエビデンスは限られている。これを背景に本田氏らは1型糖尿病患者を対象とする、自記式質問紙により把握した座位時間、運動の行動変容モデル(TTM)ステージと、HbA1cおよびBMIとの関連を検討した。

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     研究の対象は、神戸大学医学部附属病院と公立豊岡病院日高医療センターの外来受療中の成人1型糖尿病患者42人。全員が空腹時血清Cペプチド0.2nmol/L未満で、その他の主な患者背景は、男性33.3%、年齢44.0歳、罹病期間11.0年、BMI22.1、HbA1c7.2%、座位時間6.0時間/日で、TTMステージは前熟考期42.9%、熟考期7.1%、準備期14.3%、実行期2.4%、維持期33.3%だった。血管合併症や運動機能障害のある患者は除外した。

     まず、HbA1cと有意な関連のある因子を検討。その結果、HbA1cは座位時間が長いほど高く(r=0.60、P<0.01)、高齢であるほど高い(r=0.35、P=0.02)という正の相関が認められた。またBMIは、罹病期間が長いほど高く(r=0.39、P=0.01)、一方、TTMステージとは逆相関した(r=-0.40、P<0.01)。

     次に、HbA1cが7%以下の群(16人)と7%を超える群(26人)の2群に分け、群間差を検討。すると、座位時間(4.0対7.3時間/日、P<0.01)とTTM(P=0.04)の2項目に有意差が認められ、年齢や罹病期間、BMIなどの群間差は有意でなかった。HbA1cレベル(7%以下または7%超)を目的変数、BMI、座位時間、TTMを説明変数とするロジスティック回帰分析(年齢および性別で調整)の結果、座位時間のみが有意な因子として抽出された(オッズ比3.53、P<0.01)。

     続いて座位時間を基に四分位に分けHbA1cを比較したところ、第1四分位群(座位時間4.6時間/日未満)は第4四分位群(同8.0時間/日以上)に比べHbA1cが15%、有意に低値だった(P<0.01)。

     著者らは本研究を「日本人成人1型糖尿病患者を対象とした、座位時間、TTMと血糖管理状態の関連を調査した初めての研究」とし、対象患者数が少ないという限界点を挙げた上で、「1日の座位時間が4.6時間未満であることは、1型糖尿病患者の良好な血糖管理に関連している可能性がある」と結論をまとめている。なお、先行研究から、日本人の平均座位時間は7.0時間/日であり、世界で最も座位時間が長い国の一つと言われている。

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    HealthDay News 2020年5月25日
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  • 緑茶を飲むなら夕方に?――朝飲むより食後血糖改善効果が大きい可能性

    お茶を飲むなら、夕方に飲んだ方が良いかもしれない。その方が朝に飲むよりも食後血糖上昇抑制作用が強く現れる可能性を示唆するデータが、「Nutrients」2月21日オンライン版に掲載された。早稲田大学重点領域研究機構の高橋将記氏らが発表した。

     緑茶に含まれるポリフェノールの一種であるカテキンには食後の血糖上昇を抑える作用があり、緑茶の摂取量が多いほど糖尿病発症リスクが低いとの報告もある。一方、近年、食品摂取後の血糖変動は、単に摂取量や栄養バランスだけでなく、食品を摂取するタイミングによっても異なることが注目されている。特に夕方において、インスリン分泌が低下する可能性があり血糖変動への影響が考えられる。高橋氏らはこの点に着目し、カテキン飲料を摂取するタイミングの違いが食後血糖上昇抑制作用に及ぼす影響を、ランダム化プラセボ対照二重盲検試験で検討した。

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     検討の対象は、健康な若年成人38名(平均年齢23.7歳、男性18人)で、糖尿病や脂質異常症患者および習慣的飲酒者、体重変化の顕著な人は除外した。カテキン飲料を朝(5~10時の間)に飲む群と夕方(17~22時の間)に飲む群、およびプラセボ飲料を朝または夕方に飲む群の計4群に分類。カテキン飲料は350mL当たり615mgという豊富なカテキンのほか、カフェイン85mg、炭水化物4gを含み、エネルギー量は18kcal、プラセボ飲料は80mgのカフェインを含み、カテキンや炭水化物は含まずエネルギー量は0kcalに調整されたものを使用した。なお、研究開始前の4群間に年齢やBMI、空腹時血糖値、空腹時インスリン値に有意差はなかった。

     血糖変動を評価する食事負荷検査は、カテキン飲料またはプラセボを単回摂取後と、連続7日間摂取後に行った。検査の前日からは飲酒と激しい身体活動を禁止した。また検査用の食事は炭水化物70%、タンパク質と脂質がそれぞれ15%という栄養バランスで統一し、エネルギー量は被験者ごとの推定エネルギー必要量の40%に調整した。このほか、被験者には介入前後の食事所要時間を統一する(20分以内)という条件設定により、カテキン飲料以外の要因による血糖変動への影響をできるだけ取り除いた。

     朝にカテキン飲料(またはプラセボ)を摂取した群は、前日22時以降の絶食後の翌朝に食事負荷検査を実施。その結果、食後180分までの血糖上昇曲線下面積(AUC)の比較から、カテキン飲料群での有意な血糖上昇抑制作用は認められなかった。またインスリン値のAUCも有意差がなかった。

     一方、夕方にカテキン飲料(またはプラセボ)を摂取した群は、4時間の絶食後の夕方に食事負荷検査を実施。その結果、カテキン飲料を摂取した群で血糖値のAUCがプラセボ群に比較し有意に抑制されていた(P=0.001)。またインスリン値のAUCは、有意に増加していた(P=0.013)。

     ヒトを対象とする上記の検討のほか、マウスを使い同様の実験を行ったところ、ほぼ同様の結果が得られた。なお、カテキン飲料を単回摂取した後の結果と連続で摂取した後の結果について比較したところ、マウスでは連続投与の影響が観察されたものの、ヒトでは連続摂取による影響は認められなかった。

     これらの検討を基に、著者らは「夕方にカテキンが豊富な緑茶を飲むことは、食後インスリン分泌を増加させ食後血糖の上昇を抑制する。ヒトの1週間の連続摂取で、血糖値変動とインスリン値に影響は見られなかったが、より中長期的な検証も必要になるだろう」と結論をまとめている。

     なお、カテキンを豊富に含む緑茶が食後血糖上昇を抑制する機序について研究グループでは、カテキンによるインスリン分泌の刺激とともに、インスリン感受性の日内変動との関連について文献的に考察。健常者では夕方にインスリン感受性が低下し、カテキンがそれを抑制する可能性があるとしている。

     このような機能性食品・飲料の摂取タイミングに関するエビデンスの蓄積による「時間栄養学」の今後の進歩と、肥満や糖尿病などの生活習慣病予防への応用が期待される。

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    HealthDay News 2020年3月23日
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  • ラジオ体操で筋肉量が維持される――糖尿病患者で実証

     高強度の筋力トレーニングではなく、ラジオ体操でも糖尿病患者の筋肉量維持に有効とする報告が「BMJ Open Diabetes Research & Care」2月24日オンライン版に掲載された。2週間の入院中にラジオ体操をしなかった人は除脂肪体重(筋肉や骨の量を表す指標)が低下したのに対し、1日2回ラジオ体操をした人は除脂肪体重が減らず、上肢や体幹の筋肉量の増加傾向も認められたという。

     京都府立医科大学大学院医学研究科内分泌・代謝内科学の岡村拓郎氏、橋本善隆氏らの研究グループは、同大学附属病院の糖尿病教育入院患者42人のうち15人に対し、朝食前と夕食後の1日2回、ベッドサイドでのラジオ体操を指示。入院中(14日間)の体重と体組成の変化を後ろ向きに検討した。

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     ラジオ体操をした群(15人)としなかった群(27人)で、入院時点の年齢(62.9±14.5対65.8±12.6歳)やBMI(26.4±7.9対24.6±4.8 kg/m2)、除脂肪体重(25.2±6.8対23.3±5.3kg)に有意差はなく、その他、男女比やHbA1c、eGFR、糖尿病罹病期間、骨格筋量指数(SMI)、飲酒・喫煙・運動習慣、インスリン治療患者の割合なども含め主な患者背景に差はなかった。

     ラジオ体操には第1と第2があるが、本検討では筋力強化に向いている第2を用いた。ラジオ体操の所要時間は1回3分で、それ以外に入院患者全員に1日60分の有酸素運動(主に速歩)を指導した。食事に関しては、病院から提供する食事のみとし、間食やサプリメントの摂取を禁止した。

     結果について、まず入院中の体重の変化を見ると、ラジオ体操をした群としなかった群の両群とも、有意に減少していた。しかし除脂肪体重とSMIは、ラジオ体操をした群では有意な変化がなかったのに対し、ラジオ体操をしなかった群では有意に減少し、SMIに関してはその変化量に群間の有意差が認められた(-0.01±0.09対-0.27±0.06 kg/m2、P=0.016)。またラジオ体操をした群でSMIが低下したのは46.7%だったが、ラジオ体操をしなかった群では85.2%に上った。

     さらに上肢や体幹の筋肉量はラジオ体操をしなかった群では有意に減少したのに対し、ラジオ体操をした群では有意でないながら増加傾向が見られ、入院前後の変化量で比較すると有意な群間差が認められた。下肢の筋肉量は、ラジオ体操をしなかった群では有意に減少し、ラジオ体操をした群でも減少傾向が見られたが変化量は有意でなかった。

     ラジオ体操に起因する低血糖、転倒、筋肉痛などの有害事象は見られなかった。早朝空腹時血糖値の改善幅は37.0±69.6対31.3±52.2mg/dLで、有意差がなかった(P=0.784)。血糖改善効果に差が生じなかった理由について著者らは、教育入院中の血糖値は薬物介入に大きく左右されること、およびラジオ体操第2は主としてレジスタンス運動であることによる可能性を考察している。

     これらの結果を踏まえ研究グループの木村智紀氏、福井道明氏らは「2週間の教育入院中に糖尿病患者の筋肉量が減少することが改めて示された。これに対し、年齢に関係なく容易に行える運動介入が必要であり、ラジオ体操がその有効な手段となり得る」と述べた上で、「因果関係解明のためランダム化比較試験など、より客観性の高い研究が必要」とまとめている。

     なお、数名の著者が製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。

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    HealthDay News 2020年3月23日
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  • HbA1c6.5%未満でPCI後の心血管死リスクが増大――順天堂大

    糖尿病患者に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行後の生命予後とHbA1cの関連を検討した結果が「Cardiovascular Diabetology」2月18日オンライン版に掲載された。初回PCI後の心血管死リスクが最も低いのはHbA1c7.0~7.5%であり、HbA1c6.5%未満では有意なリスク増加が認められたという。順天堂大学大学院医学研究科循環器内科の船水岳大氏、岩田洋氏らが、同大学で行われているPCIレジストリ「J-PACT」のデータを解析し明らかになった。

     厳格な血糖管理による細小血管症抑止のエビデンスは豊富だが、大血管症に対してはエビデンスが確立されておらず、むしろリスクを高める可能性が報告されている。ただし日本人を対象とする心血管イベント二次予防における血糖管理に関する報告は少ない。

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     今回報告された研究の対象は、2000~2016年に順天堂医院で初回PCIを受けた糖尿病患者1,328人。PCI施行前のHbA1c値で5群に分け、6.2年間(中央値)追跡した。エンドポイントは心血管死(心臓突然死および、心筋梗塞、心不全、心原性ショック、脳血管イベント、大動脈疾患による死亡で定義)。

     ベースライン時の主な患者背景は、年齢66.7±9.7歳、男性81.3%、BMI24.5±3.6、HbA1c7.5±1.3%。HbA1cで層別化した各群の患者数は、6.5%未満が267人、6.5~7.0%未満が268人、7.0~7.5%未満が262人、7.5~8.5%未満が287人、8.5%以上が244人。HbA1c低値群で高齢患者が多く、BMI、 LDL-C、TG、高感度CRP、および急性冠症候群の割合が低く、高血圧やCKDを有する割合は高かった。病変枝数、複雑病変、栄養状態(GNRI)は群間差がなかった。血糖降下薬については、HbA1c高値群でSU薬やインスリンの処方頻度が高く、HbA1c低値群ではDPP-4阻害薬の処方頻度が高かった。

     追跡期間中に81件の心血管死が発生した。その発生率をHbA1c別に比較すると、HbA1c7.0~7.5%群が最も低く1,000人年当たり7.0で、これに対しHbA1c6.5%未満群は同14.6で最も高かった。ただしχ二乗検定による有意差は認められなかった。

     一方、カプランマイヤー法により累積心血管死亡率を検討すると、HbA1c7.0~7.5%群の累積死亡率は7.6%、HbA1c6.5%未満群は13.0%であり、ログランク検定により有意差が認められた(P=0.042)。

     続いて、HbA1c7.0~7.5%群の心血管死リスクを基準とし、多変量解析(年齢、性別、病変枝数、収縮期血圧、LDL-C、HDL-C、血糖値、糖尿病罹病期間で調整)により検討。すると、HbA1c6.5%未満ではハザード比(HR)2.97、6.5~7.0%でHR1.77、7.5~8.5%で同1.62、8.5%以上では同1.93となり、HbA1cが低くても高くてもリスクが上昇するというU字型の関係が見られた。特にHbA1c6.5%未満群のリスク上昇は有意だった(P=0.007)。この結果は調整因子に左室駆出率、eGFR、ヘモグロビン、β遮断薬の使用などを加えても変わらず、HbA1c6.5%未満でのリスク上昇は引き続き有意だった(P=0.015)。

     著者らは本研究の限界点として、単一施設での検討であること、PCI施行後の血糖管理状態が不明なこと、心血管死リスク低下が近年報告されたSGLT2阻害薬など新薬の処方率が低いことなどを挙げつつ、「糖尿病患者の心血管イベント二次予防ではコントロール不良症例だけでなく、あまりに厳格な血糖管理によって心血管死リスクが上昇する可能性が示唆される」と結論をまとめている。

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    HealthDay News 2020年3月16日
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  • 糖尿病でも運動していれば介護リスクは糖尿病でない人と同レベル――新潟大

    糖尿病患者は介護が必要になるリスクが高いものの、運動を続けていれば糖尿病でない人と変わらない程度にリスクが低下する可能性が報告された。新潟大学医学部血液・内分泌・代謝内科の曽根博仁氏、藤原和哉氏らが、新潟県三条市の医療ビッグデータを解析した結果、明らかになった。詳細は「BMJ Open Diabetes Research & Care」1月25日オンライン版に掲載された。

    研究グループでは、三条市の特定健診と診療報酬請求および介護保険データを統合し、生活習慣病(糖尿病、高血圧、脂質異常症)および生活習慣(運動習慣の有無、現喫煙)と、介護保険の利用状況との関連を検討する後方視的コホート研究を行った。運動習慣の有無は「中等度の運動を週に2回30分以上、1年間継続していること」で判定した。

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    2012~2015年に健診を受け、少なくとも2年間追跡可能だった39~98歳の1万1,469人のうち、心血管疾患の既往がなく要介護認定を受けていない9,673人(うち男性4,420人)を3.7年(中央値)追跡。すると追跡期間中に165人が要介護認定を受けた(うち要支援49人)。

    要介護状態の発生に関連する可能性のある既知の因子を統計的に調整した上でリスク因子を検討すると、加齢(5歳ごとのハザード比2.48、P<0.001)やBMI18.5未満(ハザード比1.63、P=0.043)とともに、糖尿病(同1.74、P=0.013)と運動習慣がないこと(同1.83、P=0.001)が有意な因子として抽出された。

    続いて、前記3種類の生活習慣病と運動習慣の有無を加えた、計4つのリスク因子の保有数と要介護リスクを検討。リスク因子を1つも保有していない人に比較し、1つ保有している人はハザード比1.34(P=0.365)、2つの人は同1.95(P=0.036)、3つの人は同2.11(P=0.031)で、4つ全てを保有している人は同3.93(P=0.003)であり、2つ以上保有している場合のリスク上昇は統計的に有意だった。

    次に、対象全体を糖尿病の有無と運動習慣の有無で4群に分け、糖尿病がなく運動習慣がある人の要介護リスクを基準に、他の3群のリスクを比較した。すると、運動習慣がない人では糖尿病がある場合に有意に高リスク(ハザード比3.20、P<0.001)であるのはもちろん、糖尿病がなくても有意なリスク上昇(同1.82、P=0.003)が認められた。ところが、運動習慣がある人では糖尿病であっても有意なリスク上昇は認められなかった(同1.68、P=0.244)。

    曽根氏は、「我々は以前、日本人糖尿病患者の大規模研究で、運動が糖尿病患者の死亡率を低下させる可能性を示したが、今回さらに、運動が介護リスクを非糖尿病者並みに改善し、健康寿命を延伸できる可能性も示せた。また、BMI18.5未満が要介護の独立したリスク因子であったことから、フレイルによる要介護発生を防ぐために、運動介入とともに栄養介入も重要と考えられる」と述べている。

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    HealthDay News 2020年2月17日
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  • 高齢の糖尿病患者では食べる量が少ないことも死亡リスクを高める

    高齢の糖尿病患者では「食べ過ぎ」だけでなく「食べなさ過ぎ」が死亡リスクの上昇と関連しているとの報告が「Geriatrics & Gerontology International」オンライン版に12月10日掲載された。東京都健康長寿医療センターの大村卓也氏、荒木厚氏らの研究グループが「J-EDIT研究」のデータを解析した結果、明らかになった。

    J -EDIT研究は65歳以上の高齢糖尿病患者への治療介入効果を検証した多施設共同研究。今回はこのJ -EDIT研究登録者のうち、食事摂取に関する記録がある患者756人を対象とした。アンケートの回答から推定した摂取エネルギー量を体重当たりに換算した値で全体を四分位に分け、6年間前向きに追跡し全死因による死亡率との関連を検討した。

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    対象者の摂取エネルギー量は1,397~2,086kcalの範囲に広がり、最も多い第4四分位群(2,086±361kcal)は最も少ない第1四分位群(1,397±223 kcal)の約1.5倍摂取していた。実測体重1kg当たりの摂取エネルギー量は、第1四分位群から順に、24.85kcal/kg以下、24.86~29.73kcal/kg、29.74~34.78kcal/kg、34.79kcal/kg以上だった。なお、4つの群の指示エネルギー量の平均は1,458~1,490kcalの限られた範囲にあった。

    追跡期間中に59人が死亡した。年齢、性別、BMI、HbA1c、収縮期血圧、LDL-C、eGFR、身体活動量、虚血性心疾患や脳卒中の既往、低血糖の頻度、および蛋白質摂取量で調整の上、死亡リスクを検討すると、摂取エネルギー量が最も少ない群と最も多い群ともに死亡リスクが上昇するU字型の関係が認められた。具体的には、第3四分位群を基準として、第1四分位群のハザード比は3.83、第2四分位群は0.92、第4四分位群は1.60であり、第1四分位群は有意にリスクが上昇していた(P=0.002)。

    最近まで指示エネルギー量算出の基準とされてきた標準体重〔身長(m)×身長(m)×22〕当たりの摂取エネルギー量で検討した場合も、同様にU字型の関係が認められた。ただしリスクが最小の第3四分位群の摂取エネルギー量は31.45~36.42kcal/kgであり、これは身体活動強度「中等度」の場合に用いる係数(30~35kcal/kg標準体重)に近いことから、身体活動強度「軽度」の係数(25~30kcal/kg標準体重)で摂取エネルギー量を設定すると、多くの高齢糖尿病患者に摂取量不足を招くと考えられた。

    さらに、このような摂取エネルギー量と死亡リスクの関係は、炭水化物、脂肪、食物繊維の摂取量で調整しても保たれていた(蛋白質については前記の検討時に調整済み)。よって高齢の糖尿病患者では、特定の栄養素の摂取量の多寡とは無関係に、十分なエネルギー摂取を確保することが重要であることがわかった。

    なお、今回の検討で最もリスクが高かった第1四分位群は、摂取エネルギー量と身体活動量が少ないにも関わらずBMIが最も高値で、サルコペニア肥満患者が多く含まれていた可能性があり、そのことによる死亡リスク上昇への影響が考えられた。また対象を65~75歳未満と75歳以上に分けて検討すると、75歳以上では第3四分位群が最も低リスクだったが、65~75歳未満では第2四分位群のリスクが最低であり(第3四分位群に対してハザード比0.63)、より高齢な患者ほど摂取エネルギー量不足の影響が大きいことが示唆された。

    これらの結果から研究グループは「高齢の糖尿病患者には、年齢を考慮し過不足なく摂取エネルギー量を設定することが望ましい」とまとめている。

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    HealthDay News 2020年1月6日
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  • 血糖変動の大きさは左室拡張不全の独立したリスク因子――神戸大学

    左室収縮機能の保たれた心不全(HFpEF)を併発している2型糖尿病患者では、血糖変動の大きさが左室拡張機能の低下と独立して関連していることが報告された。神戸大学大学院医学研究科循環器内科学分野の田中秀和氏らの研究によるもので、詳細は「Cardiovascular Diabetology」12月5日オンライン版に掲載された。

     2型糖尿病はHFpEFを併発する頻度が高いが、糖尿病患者の左室拡張機能の低下のリスク因子は明らかになっていない。一方、HbA1cでは把握できない血糖変動の大きさが、各種糖尿病合併症のリスクに関連していることが近年注目されている。田中氏らはこの点に着目し、連続血糖測定(CGM)から求めた血糖変動(GV)と拡張機能(E/e’)との関連を検討した。

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     対象は神戸大学病院の入院2型糖尿病患者のうち心エコー検査とCGMが施行された100人で、年齢60±14歳、左室駆出率65.6±4.9%、女性45%。左室駆出率50%未満の収縮不全、eGFR30mL/分/1.73m2未満の腎機能障害、および冠動脈疾患や心房細動、弁膜症、開心術の既往者などは除外した。

     CGMから得られた血糖値標準偏差の平均は35.9mg/dLだったことから、これを基準に2群に分類すると、E/e’は血糖変動が大きい高GV群11.3±3.9、血糖変動が少ない低GV群9.8±2.8で、高GV群が有意に高く(P=0.03)、血糖変動が拡張不全に関与していることが示唆された。なお、左室駆出率は高GV群66.8±5.4%、低GV群64.8±4.3%だった(P=0.04)。

     E/e’>14で拡張不全を定義し関連因子を検討すると、単変量解析で高GVの他に年齢と高血圧が有意な因子として抽出され、HbA1cや左室駆出率、性(女性)などは有意でなかった。多変量解析では高GV(オッズ比3.670)と年齢(同1.070)のみが有意な因子として残った。

     次に、HbA1cの中央値8.2%を基準に2分しGVの高低と併せてE/e’を検討。すると、HbA1cは比較的良好だが血糖変動が大きい低HbA1c高GV群のE/e’は11.9±4.3、HbA1cは高いが血糖変動は少ない高HbA1c低GV群は9.6±3.0で、前者が有意に高く(P=0.04)、HbA1cの高低よりも血糖変動の大きさの方が重要であることが示された。

     これらの結果から、研究グループは「血糖変動は、左室収縮機能が保たれている2型糖尿病患者の拡張不全に関与する重要な因子だと考えられる。血糖変動を抑えることが、HFpEFの発症を防ぐ新たな治療戦略となる可能性がある」と結論をまとめている。

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    HealthDay News 2019年12月23日
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  • 血糖上昇を抑える新しいオリゴ糖をメープルシロップから発見――近畿大学

    サトウカエデの樹液から作られるメープルシロップの中から新しいオリゴ糖が見つかった。ショ糖の分解酵素の働きを阻害し、血糖上昇を抑制する作用を持つという。近畿大学薬学部病態分子解析学研究室の多賀淳氏らの論文が「International Journal of Molecular Sciences」10月11日オンライン版に掲載された。

     新たに発見されたオリゴ糖は、天然甘味料のメープルシロップに含まれている「メープルビオース」。研究グループがサトウカエデの樹液の主な成分である糖質の分析を進めている過程で見つかった。このオリゴ糖は、スクロース(ショ糖。砂糖の主成分)をブドウ糖とフルクトースに分解するスクラーゼに強い親和性がありながら、核磁気共鳴法による検討の結果、それ自体は分解されにくい構造であることがわかった。

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     このような特徴は、糖の分解酵素の働きを阻害し、生体への糖吸収を抑制する作用を有することが多い。そこで研究グループでは、まず試験管内での実験を実施。その結果、メープルビオースはショ糖分解酵素であるインベルターゼの活性を40~65%、濃度依存的に阻害することがわかった。また、マルターゼやイソマルターゼなどのα-グルコシダーゼ類の活性も阻害することがわかった。

     次に、2型糖尿病のモデル動物であるOLETFラットを用いた生体内での実験を実施。14時間絶食させたOLETFラットにスクロース1.5g/kgを経口投与した場合と、スクロースにメープルビオースを1.62mg/kg添加し経口投与した場合とで、血糖値とインスリン値の反応を比較した。

     すると、経口投与から60、120、180分後の血糖値はメープルビオースを添加したときの方が有意に低く、血糖変動曲線下面積は約50%に抑制された。この結果は、スクロースの量に対し0.11%という微量のメープルビオースを追加するだけで、血糖値の上昇が約半分に抑えられることを意味する。一方、この実験においてインスリン値は有意差がなかった。

     インスリン値に影響を与えず血糖値の上昇が大きく抑制された理由について、著者らは、スクラーゼの阻害だけでなく、小腸での糖吸収阻害も関与している可能性を考察している。また、血糖降下薬のα-グルコシダーゼ薬や、糖の吸収を抑える特定保健用食品・機能性食品が、主にマルターゼやイソマルターゼを阻害するのに対し、メープルビオースはショ糖の分解酵素であるスクラーゼに対する阻害活性が強いことが特徴という。

     本研究は多賀氏らの近畿大学グループと、株式会社メープルファームズジャパンとの共同研究によって行われた。研究グループでは、「メープルシロップは昔から人が摂取してきた食品であり、副作用の心配が少ないと考えられる。ショ糖に微量を加えるだけで作用を発揮することから、砂糖の甘さを生かしながら糖吸収を抑えるスイーツなどの開発も期待できる。今後はメープルビオースの効率的な製造法の研究も進めたい」としている。

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    HealthDay News 2019年12月16日
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  • エリスロポエチン低値は貧血の2型糖尿病患者の腎機能低下に先行

    貧血を伴う2型糖尿病患者では、エリスロポエチン(EPO)レベルが低いことが、その後の腎機能の低下に関与していることがわかった。糖尿病性腎症を発症していない段階でもEPO低値が将来の腎機能低下に関連し、特に正常上限値(23.7IU/L)を下回る場合に腎機能低下が急速に進むという。大阪大学大学院医学系研究科腎疾患臓器連関制御学の濱野高行氏らの研究によるもので、「Scientific Reports」10月16日オンライン版に掲載された。

     EPOは赤血球の産生を促進する造血因子で主に腎臓で作られるホルモン。貧血状態では代償的にその分泌が増えて赤血球数を増やすように働く。糖尿病患者のEPOレベルは糖尿病がない人よりも低いことが報告されている。一方、貧血も糖尿病患者によく見られ、腎症や網膜症、心疾患などの糖尿病合併症に影響を及ぼすことが知られている。ただしEPO値と腎機能との関連は明らかでない。このような背景から濱野氏らは、貧血を伴う外来2型糖尿病患者290人を2年間前向きに追跡し、EPOレベルと腎機能(eGFR)低下との関連を検討した。

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     ベースライン時の主な患者背景は、年齢71歳(中央値)、男性61%、BMI23.5、HbA1c6.9%、eGFR53mL/分/1.73m2。ヘモグロビン(Hb)の中央値が11.8g/dLと大半が軽度の貧血を有する群であるにもかかわらず、EPOの中央値は14.4IU/Lと低値だった。EPO14.4IU/Lを基準に低EPO群と高EPO群に分け比較すると、低EPO群は年齢が若くてBMIが低く、群間に有意差が見られた。

     EPOレベルが基準値上限の23.7IU/Lを下回る場合を、貧血患者を対象とする本検討における「相対的なEPO欠乏」と定義すると、全体の73.1%が該当した。また体内の鉄貯蔵量のマーカーである血清フェリチンが50ng/dL以下の場合を「鉄欠乏」と定義すると44.1%が該当した。この結果をCKDの病期別に検討すると、病期進行に伴い相対的なEPO欠乏を呈する患者の割合が増加し(傾向性P=0.02)、鉄欠乏患者の割合は減少することがわかった(傾向性P<0.01)。またCKDでない患者でも58.7%が相対的なEPO欠乏だった。

     EPOレベルと腎機能低下との関連について、まず対象全体のeGFR低下速度を見ると、1年につき-1.3mL/分/1.73m2(中央値)であることがわかった。これを前述の低EPO群と高EPO群とで比較すると、前者は-1.7 mL/分/1.73m2、後者は-0.8 mL/分/1.73m2であり、低EPO群では腎機能の低下が有意に速いことが見いだされた(P=0.02)。またEPOが23.7IU/Lを下回る場合、eGFRが特に急速に低下することが示された。

     ベースライン時の対数変換EPO(logEPO)とeGFR低下速度との関係を検討すると、両者に有意な関連が認められた(β=0.83、P=0.04)。この関連は、年齢や性別、eGFR、尿アルブミン/クレアチニン比、Hb、血圧、HbA1c、RAS阻害薬の使用、ビタミンD、FGF23、L-FABPなど、腎機能に関連する因子で調整してもなお有意だった(β=0.93、P=0.04)。またlogEPOは鉄欠乏との間でのみ交互作用があり(P=0.01)、他の因子との関連は見られなかった。

     これらの結果を踏まえ著者らは「低EPOレベルは貧血を有する2型糖尿病患者の腎機能低下を予測する。これはCKDのない場合においても同様であり、貧血のある2型糖尿病患者のEPOレベルを積極的に評価すべき」と結論をまとめている。なお、最近登場したEPOレベルの上昇作用をもつ低酸素誘導因子(HIF)安定化薬については、「投与により腎転帰が改善するか否か今後の検討が必要」と述べている。

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    HealthDay News 2019年11月18日
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  • 糖尿病患者の服薬順守影響因子が明らかに――HbA1c7%未満達成とも関連

    社会保険レセプトデータを3年間にわたり観察し、2型糖尿病患者の服薬順守状況と、順守に影響する因子を解析した結果が報告された。年齢が50代、3剤以上の併用薬があることなどが良好な順守率に影響し、それらが血糖管理状態とも関係していることが明らかになった。北里大学薬学部臨床薬学研究・教育センター・薬物治療学1の堀井剛史氏らの研究で、詳細は「PLOS ONE」に10月8日掲載された。

     解析対象は、2005年5月~2013年1月までを観察期間として、血糖降下薬が処方されており、3年以上記録を観察可能な18~74歳の2型糖尿病患者884人。観察開始時の主な患者背景は、年齢47.0±8.1歳、男性の割合が90.2%、BMI26.5±4.7kg/m2、HbA1c7.9±2.0%など。

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     レセプトデータを基に、対象患者が定期的に内服している薬を処方されている日数が観察期間の8割以上を占めた場合に「アドヒアランス良好」と定義したところ、440人(49.8%)が該当した。また、アドヒアランスが良好な群は不良の群に比べて、観察開始時の併用薬の数が多い、男性の割合が少ない、平均年齢が高いという因子で有意な差があったが、BMIやHbA1cに有意差はなかった。血糖降下薬の種類では、DPP-4阻害薬とビグアナイド薬の処方率がアドヒアランス良好群で有意に高かった。

     3年間での対象者の平均受診回数は24.1±16.0回だった。受診回数とアドヒアランスの関係をROC解析で検討した結果、3年間の受診回数17回が、アドヒアランス良好におけるカットオフ値として算出された(AUC:0.86)。

     この「受診回数が3年間で17回」という条件と前述の患者背景の中から、良好なアドヒアランスに影響する因子をロジスティック回帰分析で検討すると、併用薬が3剤以上(1~2剤を基準として3~4剤のオッズ比1.68、ポリファーマシーに該当する5剤以上で2.74)、年齢50~59歳(40歳未満を基準としてオッズ比2.15)、3年間で17回以上の受診(オッズ比29.9)が有意な因子として抽出された。一方、男性は女性に比べオッズ比0.45(P=0.022)で、アドヒアランス不良に関連していた。

     続いて研究グループは、3年間の観察終了時点の血糖コントロール状況を検討。HbA1cは平均7.2±1.4%に低下し、対象の52.3%が一般的なコントロール目標とされるHbA1c7%未満を達成していた。観察終了時点のHbA1c7%未満の達成に関連する因子として、服薬アドヒアランスが良好、年齢50~60歳、スルホニル尿素薬の使用などが抽出された。

     血糖降下薬の服薬状況に関するこれまでの研究の多くは観察期間が短期間な研究がほとんどだったが、本研究は3年間であり、長期にわたる糖尿病治療の実態を表すものとして注目される。著者らは、解析対象が被雇用者であるために高齢者や女性が少ないことを本研究の限界として挙げつつ、「ポリファーマシーや定期的な受診がより良好な服薬順守と関連していることがわかり、目標HbA1cの到達に対するアドヒアランスの影響も明らかになった」と結論している。また「女性やより若い患者など、さらに幅広い患者層を含めた大規模なコホート研究を予定している」という。

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    HealthDay News 2019年10月28日
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