• 緑茶摂取が2型糖尿病リスクの低減に有用か 九州大、久山町研究から

    緑茶成分のL-テアニンの代謝産物であるエチルアミンの血清濃度が高い人は、2型糖尿病になりにくい可能性があることが、福岡県久山町の住民を対象とした大規模疫学調査、久山町研究から明らかになった。九州大学大学院衛生・公衆衛生学教授の二宮利治氏らが「Diabetes Care」7月号に発表した。

     二宮氏らの研究チームは、緑茶に含まれる成分の一つであるテアニンの代謝産物、エチルアミンが摂取から24時間以上、血清中に残存することから、血清エチルアミン濃度が緑茶摂取量を反映する客観的指標となり得る点に着目。2007年の健診を受けた糖尿病のない40~79歳の久山町住民2,253人を対象に7年間追跡した。研究では、対象者を血清エチルアミン濃度で4つの群(0.86ng/mL以下、0.87~2.10ng/mL、2.11~5.28ng/mL、5.29ng/mL以上)に分けて2型糖尿病の発症を比較検討した。

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     追跡期間中に282人が2型糖尿病を発症した。年齢や性で調整した2型糖尿病の累積発症率は、血清エチルアミン濃度が上昇するに伴い有意に低下することが分かった(傾向P値=0.04)。その他の交絡因子で調整後の解析でも同様の結果が得られた。

     また、複数の因子で調整した多変量解析の結果、血清エチルアミン濃度が最も高い群では、最も低い群に比べて2型糖尿病の発症リスクが31%有意に低いことが示された(ハザード比0.69、95%信頼区間0.49~0.98)。特にこれらの関連は、中年層や糖尿病予備群、肥満者、インスリン抵抗性を有する人でより顕著であった。

     さらに、久山町研究とは別の健康なボランティア12人を対象に、血清エチルアミン濃度の推移を検討した結果、高濃度L-テアニンを含有する緑茶飲料を12時間間隔で1日2回、継続的に摂取すると、5.90ng/mL超の一定量でエチルアミンが体内に残存すると推定された。この血清エチルアミン濃度は、久山町研究で2型糖尿病の発症リスクの低減が認められた群よりも高かったという。

     これらの結果を踏まえ、二宮氏らは「日本人は緑茶の摂取量が多いほど2型糖尿病リスクが低減する可能性が示された。また、血清エチルアミン濃度の測定は、緑茶摂取量の客観的な指標になり得ると考えられる」と述べている。なお、この研究はサントリー食品インターナショナルと共同で実施された。

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  • フレイルを伴う糖尿病患者で死亡や入院リスク上昇か メタ解析

    糖尿病患者は、フレイルを伴うと死亡や入院するリスクが高まる可能性があることが、伊勢赤十字病院(三重県)糖尿病・代謝内科副部長の井田諭氏らが実施したメタ解析で示された。研究の詳細は「Cardiovascular Diabetology」6月18日オンライン版に掲載された。

     糖尿病患者では、高血圧や脂質異常症、喫煙習慣といった従来のリスク因子があると死亡や心血管疾患(CVD)の発症につながるとされるが、フレイルに起因するケースも多いことが報告されている。井田氏らは、糖尿病患者のフレイルと死亡や入院、CVD発症との関連を検討することは医療経済学の観点からも重要とし、これらの関連を包括的に分析するため、システマティックレビューとメタ解析を実施した。

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     研究では、MEDLINEやコクランデータベースなどを用い、2018年12月までに公表された、糖尿病患者のフレイルと死亡や入院、CVD発症との関連を調べた論文のシステマティックレビューを実施。基準を満たした8件の研究を対象にメタ解析を行った。8件のうち1件は横断研究で、残り7件は縦断研究であった。解析対象は計56万5,039人で、平均年齢は68歳であり、53%が女性だった。

     解析の結果、糖尿病患者がフレイル予備軍(プレフレイル)およびフレイルであると、死亡リスクはそれぞれ1.09倍、1.35倍であることが分かった(いずれもP=0.02)。また、フレイル予備軍およびフレイルであると入院リスクも高まることが示された(オッズ比はそれぞれ2.15、5.18、P値はそれぞれ0.003、<0.001)。一方、フレイルとCVD発症との間には有意な関連はみられたものの、1件の研究に限られていたため、結論には至らなかった。

     これらの結果を踏まえ、井田氏らは「糖尿病患者は、フレイル予備軍やフレイルであると死亡や入院のリスクが有意に高まる可能性が示された」と結論。一方で、CVD発症との関連を検討した研究が1件に限られていることなど研究には限界点もあることから、「今後さらなる検証が必要だ」としている。

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    HealthDay News 2019年7月16日
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  • 2型糖尿病とがんの関係、遺伝的には証明されず JPHC研究

    日本人集団の遺伝子多型情報を用いて、2型糖尿病とがんとの関係を調べた結果、これらが関連するという強い遺伝的なエビデンスは得られなかったことが、国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究グループの調べで分かった。研究の詳細は「International Journal of Cancer」3月30日オンライン版に掲載された。

     これまでの研究で、糖尿病がある人は、糖尿病がない人に比べて膵臓がんや肝臓がん、大腸がんなどのがん罹患リスクが高まることが報告されている。しかし、がんの発生に関与する因子を含めて補正できないリスク因子が存在する可能性があり、糖尿病自体ががんの発症に寄与しているか否かは明らかになっていない。

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     研究では、ベースライン時(1990年および1993年)に全国9地域に在住し、ベースライン調査に回答し、健診などで血液サンプルを提供した40~69歳の男女3万2,949人を対象に、2009年末まで追跡調査を実施。対象集団中、追跡期間中に新たに2型糖尿病を発症した3,541人とランダムに抽出した1万536人(糖尿病のある人が613人、糖尿病のない人が9,923人)を対照群として症例コホート研究を行った。

     既に知られている29の2型糖尿病感受性遺伝子多型を用いて、糖尿病とがん全体および部位別のがんリスクとの関連についてメンデルのランダム化解析を行った。その結果、ある集団における糖尿病有病率が倍増することによるがんの罹患リスクは、がん全体では1.03倍(95%信頼区間0.73~1.59)、膵臓がんでは1.08倍(同0.73~1.59)だったのに対し、肝臓がんでは0.80倍(同0.57~1.14)、大腸がんでは0.90倍(同0.74~1.10)であった。

     これらの結果を踏まえ、研究グループは「糖尿病とがん全体および部位別のがんとの関連を支持する強力なエビデンスは得られなかった」と結論。糖尿病の既往者では膵臓がん、肝臓がん、大腸がんなどの罹患リスクが高いことを報告したJPHCの先行研究とは異なる結果が得られた点については、「糖尿病自体ではなく高インスリン血症やインスリン抵抗性を介してがんリスクの上昇がみられた可能性がある」と説明しており、また、今回の研究では、がん部位別にみた罹患数が少なかったことも結果に影響した可能性を指摘している。

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    HealthDay News 2019年7月8日
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  • 2型糖尿病患者ではレプチン濃度が遠骨皮質骨厚の菲薄化に関連 大阪市立大グループ

    日本人の2型糖尿病患者では、肥満度と独立して、血漿レプチン濃度は橈骨遠位端の皮質骨厚と負の関連性を示すが、海綿骨骨密度とは関連性を示さないことが、大阪市立大学大学院代謝内分泌病態内科学講師の藏城雅文氏らが実施した横断研究で示された。詳細は「Journal of Diabetes Investigation」5月9日オンライン版に掲載された。

     2型糖尿病患者では、骨密度に低下がみられなくても骨折リスクが高まるとされる。一方、骨粗鬆症は交感神経活性と関連することが知られている。さらに、2型糖尿病患者でよくみられる自律神経障害には、血漿レプチンが強く関与する可能性が示唆されている。

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     藏城氏らは今回、2型糖尿病患者182人(男性93人、女性89人)を対象に、超音波骨密度測定装置を用いて測定した橈骨遠位端の皮質骨厚および海綿骨骨密度と血漿レプチン濃度との関連を調べるため、横断研究を実施した。

     その結果、血漿レプチン濃度はBMIと有意な正の関連を示したが、橈骨遠位端の皮質骨厚とは負の関連を示した(いずれもP<0.001)。一方、血漿レプチン濃度と海綿骨骨密度は関連しなかったが、BMIとは有意な正の関連を示すことが分かった(いずれもP<0.001)

     また、年齢や性、糖尿病の罹病期間、HbA1c値などの因子で調整した多変量解析の結果、血漿レプチン濃度と橈骨遠位端の皮質骨厚との間には有意な負の関連がみられた一方で(P<0.001)、海綿骨骨密度との関連は認められなかった。BMIとウエスト/ヒップ比でさらに調整して解析しても、血漿レプチン濃度と橈骨遠位端の皮質骨厚は有意に関連することが明らかになった。

     これらの結果を踏まえ、藏城氏らは「血漿レプチン濃度は、BMIやウエスト/ヒップ比とは独立して橈骨遠位端の皮質骨厚と負の関連を示すが、海綿骨骨密度とは関連しないことが分かった。このことは、2型糖尿病患者において、肥満により引き起こされる高レプチン血症は皮質骨の脆弱性と関連する可能性を示している」と述べている。

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    HealthDay News 2019年6月24日
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  • 起床前後の交感神経活性の変動が24時間血糖変動と関連か 日本人2型糖尿病患者を解析、愛媛大グループ

    日本人の2型糖尿病患者では、起床前後の交感神経活性の変動が24時間の血糖変動と関連している可能性があることが、愛媛大学大学院糖尿病内科学講座の松下由美氏らの研究グループの検討で分かった。これらの変動の増大は、糖尿病患者における心血管イベント発症の一因である可能性が考えられるという。研究の詳細は「Diabetes Research and Clinical Practice」6月号に掲載された。

     糖尿病患者では、明け方からの血糖上昇(暁現象)に、カテコラミンなどのインスリン拮抗ホルモンが関連している。一方、膵臓では交感神経刺激によりインスリン分泌抑制とグルカゴン分泌促進が起こり、血糖値が上昇すると報告されている。自律神経活性には日内変動があり、特に起床前後の変化は糖代謝や血糖変動に関連する可能性がある。そこで、今回、松下氏らは、2型糖尿病患者にホルター心電図と持続グルコースモニタリング(CGM)を同時に施行し、これらの関連について解析した。

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     対象は、同大学病院の入院2型糖尿病患者41人。血糖変動の指標を(1)起床前後1時間のSD(標準偏差)およびdelta(Δ)グルコース(最大値と最小値の差)(2)24時間のSDおよびMAGE(平均血糖変動幅)とし、慢性高血糖の指標を(3)24時間の平均血糖値、HbA1c値とした。また、自律神経活性の評価は、ホルター心電図の心拍変動解析により行った。low frequency(LF)を交感・副交感神経両者、high frequency(HF)を副交感神経活性、LF/HFを交感神経活性の指標とし、これらの起床前後1時間の最大値と最小値の差を変動指標とした(ΔLF wake-up、ΔHF wake-upおよびΔLF/HF wake-up)。

     年齢や性、BMI、糖尿病の罹病期間、多発神経障害の有無で調整した重回帰分析の結果、ΔLF/HF wake-upは起床前後1時間および24時間の血糖変動指標と正に関連したが、慢性高血糖の指標とは関連しなかった。さらに、ΔLF/HF wake-upは暁現象に関与する空腹時血中コルチゾールやアドレナリンとも正に関連していた。

     これらの結果から、松下氏らは「今回の研究結果は、起床前後の交感神経活性の変動、インスリン拮抗ホルモンおよび血糖変動が密接に関連する可能性を示唆している」と結論。その上で、「ΔLF/HF wake-upは24時間のLF/HF変動と正に関連したことから、起床前後の交感神経活性の変動が24時間の変動を反映して、24時間の血糖変動と関連している可能性がある。血糖変動は慢性高血糖よりも酸化ストレス、内皮障害と関連し、心血管イベントに関与するという報告があり、起床前後の交感神経活性の変動と血糖変動の増大は心血管イベント発症機序の一部を説明し得るかもしれない」と説明している。

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    HealthDay News 2019年6月17日
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  • 2型糖尿病はNAFLD患者の肝線維化進展のリスク因子か 中年期の日本人患者約1,500人を分析

    中年期の非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者は、2型糖尿病が併存すると高度な肝線維化への進展リスクが高まる可能性があることが、大垣市民病院(岐阜県)消化器内科の多田俊史氏らの研究グループの検討で分かった。2型糖尿病は、年齢(50歳以上)と血清アルブミン低値とともに高度な肝線維化への進展の独立したリスク因子であることが示されたという。研究の詳細は「Journal of Gastroenterology and Hepatology」5月21日オンライン版に掲載された。

     肝線維化が進展したNAFLD患者の予後は悪いことが知られているが、その臨床上のリスク因子は明らかになっていない。研究グループは今回、肝線維化の重症度が低い中年期のNAFLD患者を対象に、肝線維化進展のリスク因子について検討するため観察研究を実施した。

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     対象は、2006~2016年に、超音波検査で脂肪肝と診断された連続症例1万3,942人のうちNAFLDの診断基準を満たし、肝線維化の重症度が低かった(肝線維化指標のFIB-4 Indexが1.3未満)36~64歳の患者1,562人。対象患者の年齢(中央値)は54.0歳で、56.7%が男性であった。なお、FIB-4 Indexが2.67を超えた場合を「高度な肝線維化」と定義した。

     中央値で7.5年の追跡期間中に、186人(11.9%)で高度な肝線維化が認められた。高度な肝線維化の3年、5年、7年および10年累積発症率はそれぞれ4.4%、6.7%、11.0%、16.7%であった。

     年齢や喫煙習慣、BMIなどで調整した多変量解析の結果、「50歳以上」「血清アルブミン低値(4.2g/dL未満)」「2型糖尿病の併存」の3つの因子はいずれも、高度な肝線維化への進展の独立したリスク因子であることが分かった(ハザード比は各2.121、1.802、1.879、P値はいずれも<0.001)。高度な肝線維化の3年、5年、7年および10年累積発症率は、2型糖尿病のない患者(1,077人)ではそれぞれ3.6%、5.0%、8.2%および12.9%だったのに対し、2型糖尿病を併存した患者(485人)ではそれぞれ6.1%、10.4%、16.7%および24.0%であった。一方、脂肪肝の進行の程度については、高度な肝線維化への進展との関連は認められなかった。

     これらの結果を踏まえ、多田氏らは「2型糖尿病の併存は、50歳以上および血清アルブミン低値に加えて、中年期NAFLD患者における高度な肝線維化への進展の独立したリスク因子であることが分かった」と結論。一方で、脂肪肝の進行度や性、喫煙習慣、肥満、慢性腎臓病、高血圧、脂質異常症といった因子は高度な肝線維化への進展とは関連しないことも示されたとしている。

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  • 大腿骨近位部骨折で2型糖尿病患者の全死亡リスク増 日本人患者の大規模コホート研究を解析

    日本人の2型糖尿病患者は、大腿骨近位部骨折があると全死亡リスクが高まる可能性があることが、九州大学大学院病態機能内科学教授の北園孝成氏と白十字病院(福岡県)副院長・糖尿病センター長の岩瀬正典氏らの研究グループの検討で分かった。これらの関連は、肥満度を表す体格指数(BMI)や喫煙習慣などの因子のほか、心血管疾患(CVD)や末期腎不全(ESRD)の併存とは関係なく認められたという。研究の詳細は「Journal of Diabetes Investigation」5月12日オンライン版に掲載された。

     2型糖尿病患者は、大腿骨近位部骨折を来たしやすいとされる。また、大腿骨近位部骨折を含む脆弱性骨折は死亡率を高めることが報告されている。しかし、2型糖尿病患者における大腿骨近位部骨折と死亡リスクとの関連については、あまり検討されていない。そこで、研究グループは今回、大規模な前向き疫学調査である福岡県糖尿病患者データベース研究(Fukuoka Diabetes Registry;FDR)のデータを用いて、大腿骨近位部骨折、上肢骨折、心血管疾患(CVD)および末期腎不全(ESRD)と全死亡との関連を調べた。

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     研究では、4,923人の2型糖尿病患者(平均年齢65歳、うち男性2,790人)を対象に、中央値で5.3年間追跡した。追跡期間中に110人が大腿骨近位部骨折を、801人は上肢骨折を来し、1,344人はCVDを、104人はESRDを発症した。

     追跡期間中に309人が死亡した。解析の結果、大腿骨近位部骨折のある患者では、そうでない患者に比べて全死亡リスクが有意に高かった(多変量調整オッズ比2.67、95%信頼区間1.54~4.41)。一方、上肢骨折と全死亡リスクとの間に有意な関連は認められなかった。

     また、CVDやESRDを併存した患者では、これらの疾患がない患者に比べて全死亡リスクは有意に高いことも分かった〔多変量調整オッズ比(95%信頼区間)はそれぞれ1.78(1.39~2.70)、2.36(1.32~4.05)〕。さらに、CVDおよびESRDで調整した解析でも、大腿骨近位部骨折と全死亡との関連は有意であり続けた(同2.74、1.58~4.54)。なお、大腿骨近位部骨折患者の死因は感染症(40.9%)と悪性腫瘍(25.0%)、CVD(15.0%)であった。

     これらの結果を踏まえ、岩瀬氏らは「2型糖尿病患者では、CVDやESRDと独立して、大腿骨近位部骨折は全死亡リスクの上昇と関連する可能性がある。今回の結果から、高齢の糖尿病患者において、大腿骨近位部骨折は生命予後に関わる非常に重要なイベントだといえる」と述べている。一方、「大腿骨近位部骨折の予防が2型糖尿病患者の生存率向上につながるか否かについては、今後の研究結果が待たれる」と同氏らは付け加えている。

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  • 沖縄野菜の摂取と2型糖尿病発症との関連は? JPHC研究

    ビタミンやミネラル、葉酸など栄養価が高く、抗酸化物質が比較的多く含まれていることで知られる「沖縄野菜」を多く摂取しても、2型糖尿病の発症リスクの低減にはつながらないとする研究結果を、国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究グループが「Journal of Epidemiology」5月11日オンライン版に発表した。

     JPHC研究では、これまで抗酸化物質を多く含む葉物野菜やアブラナ科野菜の摂取量が多い人では、糖尿病リスクがわずかに低いことを報告している(Br J Nutr 2013; 109(4): 709-717)。研究グループは今回、抗酸化物質を比較的多く含む「沖縄野菜」に着目。同研究に参加した45歳以上の男女約1万人を長期にわたり前向きに追跡したデータを用いて、沖縄野菜の摂取量と糖尿病の発症との関連を調べる研究を行った。

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     研究では、ベースライン時とした1995年に沖縄県中部、1998年に沖縄県宮古の計2地域に在住し、糖尿病や循環器疾患、がんの既往がない45~74歳の男女1万732人(男性4,714人、女性6,018人)を対象に、前向きに5年間追跡した。ベースライン時の147項目の食物摂取頻度調査票への回答から、参加者の7種類の沖縄野菜(チンゲン菜、からし菜、ゴーヤ、フダンソウ、ヘチマ、ヨモギ、パパイヤ)の摂取量を評価。参加者を沖縄野菜の摂取量で3つの群に分けた上で、2型糖尿病の発症率を比較した。

     追跡期間中に、216人(男性123人、女性93人)が新たに2型糖尿病を発症したと報告していた。年齢や肥満度(BMI)、喫煙や飲酒の習慣などを調整した解析でも、沖縄野菜全体の摂取量と2型糖尿病リスクとの間には、男女ともに有意な関連はみられなかった〔全体の摂取量が最も少ない群と比べた最も多い群のオッズ比(95%信頼区間)は、男性では1.22(0.74~2.01)、P=0.53、女性では0.96(0.57~1.62)、P=0.89〕。また、沖縄野菜の種類別の解析でも、これらの間に有意な関連はみられなかった。

     これらの結果を踏まえ、研究グループは「沖縄野菜の摂取量は糖尿病の発症と関連しないことが示された」と結論づけている。一方、今回の対象者は沖縄県に在住する人に限定されていたほか、沖縄野菜の摂取量の群間差が小さかったことが影響した可能性があることから、今後さらなる研究が必要だとしている。

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  • 血糖管理不良は筋肉量の減少につながる可能性 肥満のない2型糖尿病患者で強い関連、阪大グループ

    2型糖尿病患者では、特に肥満がない場合において、血糖コントロール不良であるとサルコペニアである確率が高いことが、大阪大学大学院老年・総合内科学講師の杉本研氏と教授の楽木宏実氏らの研究グループの研究から示唆された。HbA1c高値は、筋力よりも筋肉量の減少と強く関連していることも分かったという。詳細は「Journal of Diabetes Investigation」5月9日オンライン版に掲載された。

     2型糖尿病は、加齢に伴って骨格筋量と骨格筋力が低下する「サルコペニア」のリスク因子であると考えられている。しかし、2型糖尿病患者の血糖コントロール状況とサルコペニアの有病率との関連は明らかになっていない。そこで、杉本氏らは今回、定期的に医療機関を受診している2型糖尿病患者と高齢者の一般集団を対象に、これらの関連を調べる横断研究を実施した。

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     対象は、2型糖尿病患者のサルコペニアについて検討している進行中の多施設共同研究(MUSCLES-DM研究)に参加した40歳以上の患者746人と、「ながはまコホート」に参加している60歳以上の一般集団2,067人(平均年齢はそれぞれ69.9歳、68.2歳)。なお、サルコペニアは、アジアサルコペニアグループ(Asian Working Group for Sarcopenia;AWGS)の診断基準を用いて、握力または歩行速度の低下、骨格筋量指数(Skeletal Muscle Mass Index;SMI)の低下により判定した。

     その結果、2型糖尿病患者のうち7.0%(52人)がサルコペニアを有していた。サルコペニアの有病率は、HbA1c値の上昇に伴って増加がみられた。これらの線形関係は、特にBMIが22.3kg/m2未満の肥満のない2型糖尿病患者で著明であった(サルコペニアの有病率は、HbA1c値6.5%未満群7.0%、6.5%以上7.0%未満群18.5%、7.0%以上8.0%未満群20.3%、8.0%以上群26.7%)。

     また、HbA1c値とサルコペニアの有病率との関連は、体重や体脂肪といった身体計測値や糖尿病の罹病期間などの因子とは独立したものであった。さらに、HbA1c値の上昇は、握力(8.0%以上群のオッズ比は1.89、P=0.058)や歩行速度(同1.13、P=0.672)の低下よりも、SMI低値(同5.42、P<0.001)と強く関連していた。一方、血糖値が正常だった高齢者の一般集団では、血糖値とサルコペニアの有病率との間に関連は認められなかった。

     以上の結果から、杉本氏らは「2型糖尿病患者の血糖コントロール状況は、他の因子とは独立してサルコペニアの有病率と関連することが分かった。血糖コントロールが不良な肥満のない高齢患者では、サルコペニアの有無を慎重に調べ、予防に努める必要がある」と述べている。

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    糖尿病でいちばん恐ろしいのが、全身に現れる様々な合併症。深刻化を食い止め、合併症を発症しないためには、早期発見・早期治療がカギとなります。今回は糖尿病が疑われる症状から、その危険性を簡単にセルフチェックする方法をご紹介します。

    糖尿病のセルフチェックに関連する基本情報

    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2019年5月27日
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  • 多因子の管理目標達成により冠動脈疾患リスクが減少 糖尿病群と非糖尿病群で比較、新潟大研究グループ

    血糖、血圧、脂質、喫煙習慣の管理目標を達成することで、糖尿病の有無にかかわらず、冠動脈疾患(CAD)の発症リスクが低下する可能性があることが、新潟大学血液・内分泌・代謝内科学特任准教授の藤原和哉氏らの研究で明らかになった。4つのリスク因子のうち2つの管理目標を達成すると、糖尿病群と非糖尿病群のいずれにおいてもCADリスクは大幅に低減することが分かった。詳細は「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」4月17日オンライン版に掲載された。

     2型糖尿病患者の多くは血糖、血圧、脂質など複数のリスク因子を抱えている。しかし、実臨床において、修正可能なリスク因子の全ての管理目標を達成することは極めて難しい。そこで、藤原氏らは今回、血圧、LDL-コレステロール(LDL-C)、HbA1cおよび喫煙習慣の多因子の管理目標を達成するとCADリスクが低下するのか否かを、糖尿病の有無別に検討するため、コホート研究を実施した。

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     研究では、全国規模の診療報酬明細書データベースを用いて、2008~2013年のベースライン時にCADがなく、3年間以上追跡し得た計22万894人の会社員とその家族(18~72歳)を対象に、前向きに平均4.8年間追跡して分析した。対象者のうち糖尿病群は1万3,608人(平均年齢50.0±8.2歳)、非糖尿病群は20万7,286人(同44.0±8.5歳)であった。

     両群ともに、2つの管理目標を達成した者の割合が最も高かった(糖尿病群では39.6%、非糖尿病群では36.4%)。分析の結果、糖尿病の有無に関係なく、2つのリスク因子の管理目標を達成した群と比べて、管理目標を1つのみ達成した群および1つも達成していない群では、CADリスクがそれぞれ2倍および4倍に上昇することが分かった。

     また、修正可能な血圧、LDL-C、HbA1c、喫煙習慣の4つのリスク因子全ての管理目標を達成した糖尿病群では、血圧、LDL-C、喫煙習慣のうち2つの管理目標を達成した非糖尿病群と比べてCADリスクが上昇することはなかった。一方で、4つのリスク因子全ての管理目標を達成していない糖尿病群では、2つの管理目標を達成した非糖尿病群と比べてCADリスクが9.4倍に上昇していた。

     これらの結果を踏まえ、藤原氏らは「糖尿病群と非糖尿病群のいずれにおいても、リスク因子の管理目標を達成することでCADリスクが低下することが分かった。また、糖尿病患者においても血糖、血圧、LDL-C、喫煙習慣の4つのリスク因子の管理目標を達成することで、CADリスクは、血圧、LDL-C、喫煙習慣のうち2つの管理目標を達成した非糖尿病群と同程度まで減少する可能性が示された」と結論づけている。

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    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2019年5月7日
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