疾患のセルフチェック法

糖尿病性腎症リスクを体の症状からセルフチェック!

糖尿病の3大合併症として知られる、『糖尿病性腎症(とうにょうびょうせいじんしょう)』。
糖尿病で血糖値が高い状態が続くことで、腎臓の細かな血管である『糸球体(毛細血管の塊』が壊れ、老廃物を濾過する機能が低下することが糖尿病性腎症の原因とされています。
この病気は現在、透析治療を受けている患者さんの原因疾患・第一位でもあり、治療せずに悪化すると腎不全などのリスクも……。
しかし、初期の段階では自覚症状がほとんどない場合が多いので早期発見が難しい病気なのです。

この記事では糖尿病性腎病を早期発見・早期治療するための手段として、簡易的なセルフチェックを紹介します。
  1. 糖尿病性腎症のセルフチェック
  2. 糖尿病性腎症を予防するために、日頃の健康状況を知ろう!
  3. まとめ

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糖尿病性腎症のセルフチェック

生活の中で日頃からセルフチェックを行い、自分の健康状態を把握しましょう!
この項目では、症状や尿などから腎臓の様子を把握する方法を解説します。糖尿病性腎症の早期発見に役立ててください。

血圧が高めになる
糖尿病では血糖値の把握も、病気と付き合うポイントとなりますが、糖尿病性腎症などの3大合併症を予防。そして早期発見するためには『血圧』のチェックも行いましょう。
と、いうのも糖尿病性腎症の初期症状は糖尿病にまるわる症状以外に自覚症状を感じにくく、医療機関で検査を行っても、腎症だと診断できないことが多いからです。
血糖値と合わせて、日々の血圧管理もはじめてみましょう。

体がむくみやすくなる・むくむ
腎臓は老廃物を濾過する役割を担っています。そのため、腎臓の機能が低下すると濾過機能が正常に働かず、毒素を溜め込みやすくなり、体がむくみやすくなるなどの症状が現れます。

尿の色が変化する
尿の色は腎臓からの最もわかりやすいサインです。
尿の色は健康な状態であれば、薄い黄色がかった色をしています。
疲れがたまったり、ビタミン剤を摂取した際に一時的に尿の色が濃くなることもありますが……腎臓の機能が低下すると尿の色が濁ったような濃い黄色になったり、尿の泡立ちが目立ったり、血尿やタンパク尿が見らるのです。

トイレが近くなる(頻尿)
加齢や気温の変化。また水分の摂取量によって、トイレの回数は異なるものの、普段よりトイレの回数が増えた。または尿意を頻繁に感じるなど頻尿の症状があれば腎臓の働きが弱くなっているかもしれません。
糖尿病の症状としても知られていますが、肝心なのは『普段のあなた』と比較すること。
トイレの回数は体質や年齢、食事内容によって変化するので「1日○回以上トイレに行く人は危険」と一概には言えないのです。

顔色が悪い・疲れやすくなった
腎臓は毒素を濾過するだけでなく、造血ホルモンと呼ばれる『エリスロポエチン』の生産も担っています。
腎臓が傷つき、機能が低下するとこのホルモンも少なくなり、貧血も生じるのです。
そのため、疲れやすくなったり、疲れが抜けなくなったり。また顔色が悪くなるなどの症状が現れます。

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糖尿病性腎症を予防するために、日頃の健康状況を知ろう!

腎症における病期は第1期から第5期までと位置づけられており、第1期から第2期(腎症前期と早期腎症期)までは自覚症状を感じにくく医療機関で尿検査を行わなければ、症状を断定できません。
肉体的症状を感じはじめるのは第3期以降。このことから、糖尿病腎症は早期発見が難しいと言われています。
病期による具体的な症状は以下の通り。

第3期【顕性腎症期】

  • むくみ
  • 息切れ
  • 食欲不振や満腹感
  • 息苦しさ

第4期と第5期【腎不全期・透析療法期】

  • 顔色が悪い
  • 吐き気や嘔吐
  • 筋肉や骨への痛み
  • 体のしびれ
  • 発熱
  • 腹痛
要するに糖尿病性腎症を早期発見、早期治療するには健康管理を行いながら『普段の状態』を把握することが肝心なのです。そのために糖尿病患者にできることは、
  • 日頃の血糖・血圧コントロールと管理
  • 塩分を控えるなど食事管理
  • 定期的な受診
  • 主治医による指摘を受け入れる
  • 上記のポイントを生活に取り入れてみましょう!

    まとめ

    『糖尿病性腎症』の他にも『糖尿病網膜症』や『糖尿病性抹消神経障害』などの合併症リスクが危惧されている糖尿病。
    合併症であることから、異変に気が付きにくく、とくに糖尿病性腎症においては初期段階での自覚症状がほとんどないと言われています。
    だからこそ、糖尿病患者さんに心がけて欲しいのが、日頃の健康管理・体の状態を知ること。医療機関へ定期的に通うことです。
    目に見えなくても、病院で尿や血液などを調べれば『目に見えない症状』を把握できます。
    糖尿病の症状が安定してくると……定期受診を怠ってしまう方もいらっしゃいますが、医師は糖尿病だけでなく合併症のリスクも踏まえながら患者さんの状態を確認しているのです。
    そして日々の中で血糖値と血圧の数値を知ること。食事と生活習慣に気を配ること。
    これらのポイントを実践していれば、合併症だけでなく生活習慣病などの発症リスクも低くできるでしょう。

    糖尿病性腎症の診断プロセスに関する詳しい解説はこちら

    糖尿病3大合併症のひとつとして知られているのが「糖尿病性腎症」です。この糖尿性腎症の疑いがあった場合どのような検査を行い、診断していくのでしょうか?検査内容や大まかな流れなどを含め、糖尿病性腎症の診断プロセスや診断基準について紹介していきます。

    糖尿病性腎症の診断プロセスについて

    参考サイト:リンク先
    SMTによる記事情報は、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。
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