糖尿病性腎症に良い食事で発症リスクを軽減しよう!
透析治療を導入した理由の疾患として第一位とされる『糖尿病性腎症』。
これは、糖尿病における三大合併症のひとつでもあります。
そんな糖尿病性腎症を予防するために欠かせないのが食生活。
日々の食事の中で、糖尿病だけでなく腎臓機能に良いとされる食品を取り入れながら、バランスの良い食事を摂ることが重要なポイントとなるのです。
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糖尿病性腎症を予防!食事の基本とは?
糖尿病性腎症の治療食で基本となるのが、バランスが良く、カロリーが適正範囲内であることを前提とした、
- たんぱく制限
- 食塩制限
- カリウム制限
上記3つのポイントです。
糖尿病においては、バランスやカロリーの他に『糖質』を制限した食事を指導されますが、糖尿病性腎症は腎臓機能に負担をかけないためにも『老廃物を溜め込まない』食事が中心となります。
要するに、糖尿病食との大きな違いは『エネルギー・食塩制限に加え、たんぱく質を制限すること』です。
そもそも、たんぱく質は私たちが生きていく中で必要な栄養素です。
しかし、腎臓機能が弱っているとき、または疑いがあるときには注意が必要となります。
というのも、たんぱく質を余分に摂取してしまうと、余ったたんぱく質が老廃物となり、それを濾過し、排泄するために腎臓の負担が大きくなってしまうからです。
また食塩についても同じことが言えます。
弱っている腎臓が濾過するためにフル活動してしまうと…大きな負担となりますよね。
そのうえ、塩分過多は腎症を引き起こす原因となっている『高血圧』を招く危険性もあるのです。
さいごにカリウムです。
野菜や果物に含まれているカリウムですが、本来、体に溜まった塩分の排出をサポートする働きがあるので、腎臓が元気な状態であれば予防として効果的な成分と言われています。
しかし、腎症の症状が悪化し、病期が進むにつれてカリウムの摂取により血中にカリウムが多くなり『高カリウム症』につながる恐れがあるのです。
そのため、現段階で腎症の疑いがあったり医師から指摘を受けていたりする患者さんは、自己判断でなく医師の判断を元に、食事に気を配りましょう。
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糖尿病性腎症に良いとされる食事のポイント
次は食品や調理方法についてさらに詳しく解説していきます。
糖尿病性腎症に良いとされる食品
主食は玄米やそばなど、未精白穀物を中心にしよう!
未精白穀物にはビタミンB群や亜鉛など腎臓の働きに関わる栄養素が含まれており、また糖尿病の観点から見ても、精白されたものより良いとされています。
野菜や海藻から食物繊維を摂ろう!
腎臓に関係ないと思われがちですが、腸内環境が悪化するとアンモニアが発生し、腎臓へダメージを与えてしまうので、食物繊維を摂取し、善玉菌を増やしましょう。※カリウムを制限されている方は、カリウムの摂取範囲内で野菜を茹でるなどして、カリウムを減らしましょう。
DHAを摂取しよう!
魚に含まれているDHAは炎症を抑えたり、腎臓を保護したり、血流を良くすると言われています。また、魚には良質なたんぱく質が含まれています。(鯖やイワシなど)
カリウムを摂取しよう!
主治医からカリウムを制限されていないのであれば、利尿作用がある食品を摂取して、余分な水分を溜め込まないようにしましょう(トマトやスカイなど)
予防に効果的な調理方法
『塩分を控える』ことが糖尿病性腎症のリスクを低下させるために良いと言われていますが、減塩を意識した食事では物足りなさを感じてしまう人がほとんど。
そこで活用したいのが酸味の強いレモン。生姜やわさびなどの香味野菜です。
食塩や塩コショウ、味噌など、味付けで使われる調味料の塩分濃度はそれぞれ異なるので、塩の変わりとなる調味料を使ったり、上記であげた酸味の強い食品や香味野菜を使用したりすると、少ない塩分量でも、味わいのある仕上がりとなります。
また、低刺激性の香辛料も活用可能です。
ちなみに、一般的な調味料を塩分量は
五訂食品成分表に記載されている塩分量は以下の通りです。※大さじ1あた
- 濃口醤油(2.6g)
- ポン酢(1.5g)
- ウスターソース(1.5g)
- 中濃ソース(1.0g)
- ケチャップ(0.5g)
- マヨネーズ(0.3g)
お酢(0g)※すし酢などの調味酢を除く
使用する量や商品によって異差はあるものの、調味料の塩分濃度を把握しておきましょう。
たとえば、『冷奴に濃口醤油をかけるかわりにポン酢を使う』などのように、入れ替えるだけで普段の食事より減塩できますよ。
まとめ
糖尿病、そして糖尿病性腎症の症状は人それぞれ異なります。そのため、絶対的にこうするべき!という予防・治療食も確立されてないと言えるのです。
ひとりひとりの症状や体調に合わせて、専門的な知識を持ち、患者さんの状態を把握している主治医の指導の元、日頃の食生活に気を配ってみましょう。
糖尿病の三大合併症のひとつ『糖尿病性腎症』は5つの病期に分かれています。病期だけでなく糖尿病の状態や体の症状によって、その治療方法も異なってくるのです。この記事では糖尿病性腎症の治療方法について、病期別に解説していきます。