• 「軽い運動+アスタキサンチン摂取」で記憶力がさらに高まる? 筑波大の研究グループ

    強い抗酸化作用のある天然色素「アスタキサンチン」を摂取すると、低強度運動による記憶力の向上効果がさらに高まる可能性があることを、筑波大学体育系教授の征矢英昭氏らがマウスを用いた実験で突き止めた。軽い運動と抗酸化成分の摂取を組み合わせた新しい認知症の予防法の開発が期待されるという。研究の詳細は「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America(PNAS)」5月13日オンライン版に掲載された。

     征矢氏らの研究グループは、動物を用いた研究で、低強度運動が成体海馬歯状回での神経新生を促進し、記憶力を高めることを明らかにしている(PNAS 2012、PLOS ONE 2015)。また、ヒトを用いた研究でも、海馬歯状回の活性化と記憶力の向上が低強度運動で生じることを確認している(PNAS 2018)。

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     さらに、近年では、抗酸化作用を持つ天然サプリメントの併用が注目されている。征矢氏らは、既に、サケやエビに含まれる赤橙色の天然色素である「アスタキサンチン」を摂取すると動物の海馬歯状回の神経新生が促進し、記憶力が向上することを報告しているが、その効果が運動の併用でどうなるのかは不明だった。そこで研究グループは今回、マウスを用いた実験で、低強度運動とアスタキサンチン摂取の併用が海馬機能をより向上させるのか否かを検討した。

     研究では、まず、正常な成体マウスに、4週間にわたり低強度運動に加えてアスタキサンチンを加えた食餌を摂取させ、それぞれを単独に行ったマウスと比較して成体海馬の神経新生と空間学習記憶能への影響を調べた。その結果、低強度運動とアスタキサンチン摂取を併用した群では、それぞれを単独に行った群に比べて空間記憶能がより向上し、海馬歯状回の細胞増殖と新生成熟細胞の数がさらに増えたことが分かった。

     次に、網羅的な遺伝子発現解析の手法を用いて、低強度運動とアスタキサンチン摂取の併用による相乗的な海馬機能の向上に関わる分子メカニズムを検討した。その結果、海馬内のレプチンの遺伝子が関与している可能性が示され、これらの併用時には海馬内のレプチンタンパク質の発現量が相乗的に増加した。一方、これらを併用しても血漿内のレプチン量に有意な変化はみられなかった。

     さらに、低強度運動+アスタキサンチン併用による相乗効果のメカニズムを確かめるため、レプチンを欠損した遺伝性肥満マウス(ob/obマウス)を用いて低強度運動とアスタキサンチンの併用効果を検討した。その結果、ob/obマウスでは、通常のマウスでみられたこれらの併用による記憶力の向上は認められなかった。一方、低強度運動を行っている期間中にob/obマウスの脳内にレプチンを投与したところ、消失していた併用効果が再び現れた。このことから、脂肪細胞由来ではなく脳由来のレプチンが、この相乗効果の発現に必要であることが示唆された。

     これらの結果を踏まえ、征矢氏らは「抗酸化能を持つアスタキサンチンを摂取すると、低強度運動による海馬の神経新生の促進と空間記憶能の向上効果がさらに高まることがマウス実験で確認された。また、このような相乗効果には、脳由来のレプチンが関与することも示唆された」と結論。近年、アルツハイマー病の治療標的として外因的なレプチンが注目を集めており、「アルツハイマー病患者の認知機能低下に対して、低強度運動とアスタキサンチン摂取を併用することで海馬のレプチンを高めることができれば、認知機能の改善につながる可能性が考えられる」と述べている。

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    軽度認知障害を予防し認知症への移行を防ぐためには早期発見、早期予防が重要なポイントとなります。そこで、今回は認知症や軽度認知障害(MCI)を早期発見できる認知度簡易セルフチェックをご紹介します。

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    HealthDay News 2019年5月27日
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  • 2型糖尿病のインスリン抵抗性とアルツハイマー病の関係は? これらをつなぐ機序の一端を解明、東大研究グループ

    2型糖尿病はアルツハイマー病のリスク因子として知られているが、これらを関連づける機序の一端が、東京大学大学院医学系研究科神経病理学分野教授の岩坪威氏と同大学認知症先進予防治療学の若林朋子氏らの研究グループにより明らかになった。アルツハイマー病の発症には、糖尿病に伴うインスリン抵抗性が重要な鍵となるが、高脂肪食などの食事でインスリン抵抗性が生じると、脳内アミロイドβ(Aβ)の除去速度が低下して、その蓄積が増える可能性があることを突き止めたという。研究の詳細は「Molecular Neurodegeneration」4月12日オンライン版に掲載された。

     これまでの疫学研究から、2型糖尿病患者はアルツハイマー病になりやすく、そのリスクは約2倍に上ることが示されている。また、2型糖尿病の中心的な病態であるインスリン抵抗性が、脳内のAβ沈着と関連することも報告されている。これまで、アルツハイマー病モデルマウスのインスリンシグナルを遺伝的に阻害するとAβの蓄積が抑えられるとの報告もあるが、インスリンシグナルの変化とアルツハイマー病のAβ蓄積との因果関係は明らかになっていない。

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     そこで、岩坪氏らは、2型糖尿病とアルツハイマー病を関連づける機序として「インスリンシグナルの障害」に注目。加齢に伴い、脳内にAβがアミロイド斑として蓄積するアルツハイマー病モデルマウスを用いて、高脂肪食を与え続けて引き起こしたインスリン抵抗性と、インスリンシグナル伝達に重要な分子「IRS-2(インスリン受容体基質2)」を欠損させて引き起こしたインスリン抵抗性によるAβ蓄積への影響を調べる実験を行った。

     その結果、モデルマウスに高脂肪食を与え続けたところ、臓器での炎症性シグナルやストレスシグナルが増加し、末梢や脳でインスリン抵抗性が引き起こされ、同時に脳内のAβ蓄積も増えていた。一方、高脂肪食の摂取後にAβの蓄積が増えても、その後、普通食やカロリー制限食など食事制限を行うことでインスリン抵抗性は改善し、Aβの蓄積量も減少することが分かった。

     また、IRS-2を欠損したモデルマウスでは、インスリン抵抗性があることだけではAβの蓄積は増えなかったが、高脂肪食を与え続けると糖尿病の病態が悪化し、Aβの蓄積が増加することが明らかになった。

     岩坪氏らは「このことは、インスリンの働きが低下したことそのものではなく、高脂肪食などの食事によってインスリン抵抗性が引き起こされた場合にのみ、Aβの蓄積が促されることを示唆している」と説明している。その上で、「アルツハイマー病の発症には、インスリンシグナルの低下そのものではなく、インスリン抵抗性を発症する要因となる代謝ストレスが重要である可能性が示された」と結論づけている。

     さらに、岩坪氏らは、微小透析法という手法を用いて脳細胞の間隙にあるタンパク質を分析したところ、高脂肪食の摂取で糖尿病になると、血液中から脳へのインスリンの移行が低下し、脳でもインスリン抵抗性が生じている可能性が示されたという。また、糖尿病モデルマウスの脳内では、Aβの除去速度が低下することで、その蓄積が増えることも示唆された。

     これらを踏まえ、同氏らは「脳や末梢臓器における小胞体ストレスや慢性炎症をターゲットとすることにより、Aβの蓄積を抑えられる可能性が示唆された。今後は、より詳細な代謝ストレスの経路を特定し、介入法を見出すことでアルツハイマー病の予防法や治療法の開発につなげたい」と期待を示している。

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    HealthDay News 2019年4月22日
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  • 中年期のHDL-C高値で認知症リスク減 JPHC研究

    中年期にHDL-コレステロール(HDL-C)値が高いと、後年に軽度認知障害(MCI)や認知症を発症するリスクは低い可能性があることが、国立がん研究センターなどの多目的コホート(JPHC)研究で示された。詳細は「Translational Psychiatry」1月18日オンライン版に掲載された。

     これまでの研究で、認知症の3分の1はリスク因子を修正することで発症を予防できると考えられている。また、中年期のHDL-C値はMCIや認知症を早期発見する予測因子として注目されているが、これらの関連は明らかになっていなかった。研究グループは今回、JPHC研究に参加した40~59歳の男女約1,100人を長期にわたり前向きに追跡したデータを用いて、これらの関連を検討した。

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     研究では、ベースラインとした1990年に長野県佐久地域に在住していた40~59歳の男女約1万2,000人のうち、1995~1996年の健診でHDL-Cを測定し、かつ2014~2015年に実施した「こころの検診」に参加した1,114人を対象とした。

     「こころの検診」時に、対象者のうち386人がMCI、53人が認知症と診断された。対象者をHDL-C値で4群に分け、喫煙や飲酒などのリスク因子で調整して解析した結果、MCIリスクは、HDL-C値が最も低い群を基準として最も高い群で53%低下したことが分かった(オッズ比0.47、95%信頼区間0.28~0.79)。また、症例数が少なかった認知症については、HDL-C値が最も低い群とそれ以外の3群をまとめた群で比較したところ、認知症リスクは、基準以外の群では63%低下したことが明らかになった(同0.37、0.16~0.88)。

     研究グループは、認知機能の改善に関与する遺伝子がHDL-C値の上昇と関連することや、HDL-C高値は認知機能の低下につながる脳梗塞の発症予防に有用とする報告があると指摘。その上で、「今回の研究から、中年期のHDL-C値は約20年後の認知機能と関連する可能性が示された。また、認知症リスクはHDL-C値が2番目に高い群でも低下していたことから、HDL-C値が低い人は、適度な運動や適量飲酒、禁煙などでHDL-C値を高めるような生活習慣に改善すると認知症予防につながる可能性が示された」と述べている。

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    HealthDay News 2019年2月25日
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  • 生活習慣病とADL低下は認知症リスク因子の可能性 日本人の大規模オンライン調査結果

    国立精神・神経医療研究センター(NCNP)などの研究グループが実施した大規模調査から、「風呂に入る」「洋服を着る」などの日常生活動作(ADL)に支障が出ることと、糖尿病やがんの既往、抑うつ、慢性的な痛み、聴力の損失は認知症のリスク因子である可能性のあることが分かった。

    研究を率いたNCNP脳病態統合イメージングセンターのセンター長を務める松田博史氏は「認知症の予防には、日常生活レベルを保つために社会活動に積極的に参加すること、そして生活習慣病の予防や治療を適切に行うことが不可欠だ」と話している。
    詳細は「PLOS ONE」5月17日オンライン版に掲載された。

    2015年の厚生労働省の発表によると、日本の認知症患者数は2025年までに700万人を突破すると推計され、早急な対策が求められている。
    一方で、認知症、中でもアルツハイマー病(AD)の根治薬の開発が困難を極める中、軽度認知障害(MCI)や早期ADの患者を対象とした臨床試験を行うためにも効率的な患者の登録方法の確立が求められている。

    こうした背景の中、2016年7月に、日本医療研究開発機構(AMED)の支援により、NCNPなどは認知症の発症予防を目指したインターネット健常者登録システム(IROOP)の運用を開始した。
    認知症予防を目的に、公的機関が主導して40歳以上の健康な男女を対象に数万人規模のインターネット登録システムを運用するのは日本で初めて。
    研究グループは今回、IROOPの登録者を対象に、認知機能の低下と関連する因子について調べた。

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    対象は、2017年8月までに初回の全ての質問票に回答し、10単語記憶検査を完了した1,038人(平均年齢59.0±10.4歳、男性400人)と追跡時に行った質問票に回答し、2回目の10単語記憶検査を完了した353人(同60.2±10.0歳、男性139人)。

    質問票では健康状態全般や気分、QOL(生活の質)、睡眠習慣、食習慣、病歴、現在抱えている疾患などについて尋ね、10単語記憶検査から得られた記憶機能の指数(memory performance index;MPI)と関連する質問項目を調べた。

    ステップワイズ重回帰分析の結果、「風呂に入る」「洋服を着る」「スケジュールを立てる」などのADLの支障度とそれに伴う気分の落ち込み、意欲の低下が認知機能の低下と関連する因子であることが分かった。
    さらに、糖尿病やがん、頭部外傷の既往、慢性的な痛み、聴力を失うことが認知症のリスク因子として浮かび上がった。

    これらの結果から、研究グループは「日常生活が難しくなると自宅に引きこもりがちになるため、社会活動への参加は認知症予防につながると考えられる。
    また、認知症にならないためには、糖尿病などの生活習慣病の予防が重要であることも示された」と結論づけている。
    IROOPでは今後も半年ごとにアンケートを実施したり認知機能検査を無料で提供し、データ分析も行う予定だという。

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    HealthDay News 2018年6月18日
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  • 短い教育歴や生活習慣病は認知症のリスク因子か 日本人対象の症例対照研究で検討、富山大

    日本人では、短い教育歴や糖尿病などの生活習慣病は認知症のリスク因子である可能性のあることが、富山大学大学院疫学・健康政策学教授の関根道和氏と中堀伸枝氏らの研究グループが実施した地域住民を対象とした症例対照研究により明らかとなった。

    詳細は「BMC Geriatrics」4月27日オンライン版に掲載された。

    欧米の研究では、教育歴や職歴などの社会経済的因子と認知症リスクの関連が明らかになっている。
    また、社会経済的地位が低いと認知症リスクが上昇するという関係には、生活習慣因子や糖尿病などの生活習慣病が介在すると考えられている。

    研究グループは、2014年に実施された富山県認知症高齢者実態調査のデータを用いて分析を行った。
    同調査は、同県在住の65歳以上の高齢者1,537人を無作為に抽出し、同意が得られた1,303人(回答率84.8%)を対象としたもの。
    今回の研究では、認知症患者137人と認知症のない1,039人(対照群)を対象に、病歴や生活習慣に関する因子(喫煙歴、飲酒習慣など)、社会経済的因子(教育歴および職歴)と認知症との関係を調べた。

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    年齢と性を調整して教育歴と認知症の発症リスクとの関係をロジスティック回帰分析で検討したところ、教育歴が短い(6年以下)人では、教育歴が長い(10年以上)人と比べて認知症リスクは3.27倍であった。
    さらに、生活習慣因子や病歴、職歴で調整して解析すると、認知症リスクは3.23~3.56倍に上昇したと、研究グループは報告している。

    また、認知症リスクの上昇と有意に関連する因子として男性、高齢(85歳以上)、習慣的な飲酒習慣、糖尿病やパーキンソン病、脳卒中、狭心症および心血管疾患の既往歴が挙げられた。
    認知症リスクは、糖尿病があると2.03倍、脳卒中の既往があると2.59倍、狭心症や心筋梗塞の既往があると1.81倍であった。

    さらに、今回の研究では、教育歴および職歴と、喫煙や飲酒などの生活習慣因子および生活習慣病との関係は認められず、社会経済的地位の低さと認知症リスクの関係に対する生活習慣病の媒介効果は最小限にとどまることが示された。

    これらの結果から、研究グループは「生活習慣病は教育歴とは独立した認知症のリスクであると考えられ、認知症予防には糖尿病や心筋梗塞などの生活習慣病の管理が重要になると思われる」と話している。

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    HealthDay News 2018年6月18日
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  • アルブミン尿は認知症の有意なリスク因子 久山町研究

    福岡県久山町の一般住民を対象とした疫学調査(久山町研究)から、日本人の高齢者においてアルブミン尿はアルツハイマー病(AD)および血管性認知症(VaD)の有意なリスク因子である可能性があると、九州大学大学院衛生・公衆衛生学分野教授の二宮利治氏らの研究グループが「Journal of the American Heart Association」1月20日オンライン版に発表した。

    一方で、アルブミン尿と推算糸球体濾過量(eGFR)低値を組み合わせるとVaDのみ発症リスクが上昇することも分かった。

    これまでの前向き疫学研究で、アルブミン尿と推算糸球体濾過量(eGFR)低値は認知機能の低下や認知症の発症と関連する可能性が示唆されているが、結論には至っていない。
    研究グループは、日本人の高齢者で慢性腎臓病(CKD)の有病率が上昇している背景も鑑み、久山町研究のデータを用いてアルブミン尿およびeGFR低値が認知症の発症リスクに与える影響について分析した。

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    今回の研究では、2002年および2003年に60歳以上で認知症のない一般住民1,562人(うち男性が672人)を対象に、前向きに2012年11月まで(中央値で10.2年)追跡した。
    対象者を尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)またはeGFR値で層別化し、Cox比例ハザードモデルを用いて全ての認知症と病型別(AD またはVaD)の発症率を比較検討した。

    追跡期間中に358人が認知症を発症した。こ
    のうち238人がAD、93人がVaDであった。
    対象者をUACRで四分位(6.9mg/g以下、7.0~12.7mg/g、12.8~29.9mg/g、30.0mg/g以上)に分けて最も低い群を参照として認知症の発症リスクを比較した結果、性や年齢、BMI、喫煙習慣、eGFRなどの因子で調整した解析によりUACRが高値なほど認知症リスクは有意に高まることが分かった〔ハザード比は参照群(1.00)に対し、それぞれ1.12(95%信頼区間0.78~1.60)、1.65(1.18~2.30)、1.56(1.11~2.19)〕。
    認知症の病型別の解析でも同様の結果が得られた〔AD:ハザード比はそれぞれ1.20(0.77~1.86)、1.75(1.16~2.64)、1.58(1.03~2.41)、VaD:同1.03(0.46~2.29)、1.94(0.96~3.95)、2.19(1.09~4.38)〕。

     一方で、対象者をeGFR値で高値群(60mL/分/1.73m2以上)と低値群(60mL/分/1.73m2未満)に分けて認知症の発症リスクを比較したところ、eGFR低値はVaD発症のリスク因子であったが、ADに関してはこうした関連は認められなかった。
    また、UACRが12.8mg/g以上かつeGFR値が60mL/分/1.73m2未満の群では、UACRが12.8mg/g未満かつeGFR値が60mL/分/1.73m2以上の群と比べてVaDリスクは3.3倍に上ることも分かった。

     以上の結果を踏まえて、研究グループは「今回の結果から、アルブミン尿を呈する高齢者は認知症(ADおよびVaD)リスクが高い集団であるとともに、eGFRの低下が同時に認められる場合はVaDリスクがさらに高い可能性が示唆された。
    今後のさらなる研究の蓄積が待たれるが、こうした集団に対しては注意深く認知症の発症を観察する必要があるかもしれない」と述べている。

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    HealthDay News 2018年2月5日
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  • 科学的に証明された認知症の予防法は今のところない?

    「認知機能の低下やアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)の予防に役立つことが証明された薬剤やサプリメント、脳トレーニング法は今のところ存在しない」とする4件のシステマティックレビューの論文が「Annals of Internal Medicine」2017年12月19日オンライン版に掲載された。

    これらの論文では、過去の臨床試験のデータを分析した結果、強いエビデンスに裏付けられた予防法はなかったとしている。

    今回の論文を発表したのは、米ミネソタ大学公衆衛生学部のMary Butler氏ら。
    薬剤やサプリメント、脳トレーニングプログラム、身体活動による認知機能低下およびアルツハイマー病の予防効果について検討した臨床試験に関する文献を調べ、一定の質を満たした研究のデータを分析した。

    その結果、認知症治療薬や降圧薬、糖尿病治療薬、脂質異常症治療薬などの処方薬の臨床試験計51件のデータを分析したところ、いずれについても認知機能が正常あるいは軽度認知障害(MCI)の人の認知機能低下を抑制するとのエビデンスはなかった。

    また、各種ビタミンやオメガ3系脂肪酸、大豆、イチョウ葉エキスなどのサプリメントについても、認知症を予防することを裏付けるエビデンスは不十分だった(計38件の試験データを分析)。

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    さらに、脳トレーニング法については11件の試験データを分析したが、「記憶力」や「遂行力」など特定の機能を訓練によって向上させることはできるが、認知機能低下や認知症の予防に役立つとのエビデンスは不十分だった。

    一方、身体活動については、健康的な食事や脳トレーニングなど他の要素を組み合わせれば認知機能の低下を遅らせることができるという弱いエビデンスがあった(計11件の試験データを分析)。

    Butler氏は「結局のところ、認知症予防に特効薬はないということだ」とした上で、「今のところ最善のエビデンスで裏付けられているのは、健康的な食事や運動習慣に加え、高血圧などの現在抱えている健康問題に対処し、積極的に社会的なつながりを持ち続けることであることが分かった」と説明している。

    一方、「これらの論文を読んで失望する必要はない」と話すのは米アルツハイマー協会のDean Hartley氏だ。
    同氏は「認知症の治療や予防に有効な方法は存在しないことが確定したわけではない。
    今回は科学的に証明された方法がないことが報告されただけに過ぎない。
    必要なのは、さらなる研究だ」と強調。日常的な運動を心掛けるなど、生活習慣の是正に一定の効果があることが明らかになった点については前向きに捉えるべきだとの見解を示している。

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  • 難聴は脳の健康にも影響

    難聴を抱える人は64~74歳で約3人に1人、75歳以上では約半数を占めるといわれています。難聴は会話に不便なだけでなく、脳の健康にも影響を及ぼすことがあるといいます。2011年に実施された研究では、難聴の高齢者は認知症になるリスクが高いことが分かっています。

    難聴の程度と認知症リスクにも直接的な関係が認められており、軽度の難聴では認知症リスクが2倍、中等度の難聴では3倍、重度の難聴では5倍にもなります。

    また、影響があるのは記憶力だけではありません。
    別の研究では、難聴のある高齢者は、聴力の正常な人に比べて集中力の低下が早いことも明らかにされています。

    情報元:米国立老化研究所(NIA)

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    HealthDay News 2017年11月15日
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  • 血管性認知症について知ろう

    血管性認知症は、アルツハイマー病に次いでよくみられる認知症です。脳卒中の後に生じるものが典型的ですが、その他の原因でも起こることがあります。

    血管性認知症には主に以下の3種類があります。

    多発梗塞性認知症
    小さな脳卒中を繰り返し、脳細胞が損傷されることにより生じます。

    皮質下梗塞および白質病変を伴う遺伝性血管性認知症(CADASIL)
    遺伝性の疾患で、血管の壁が肥厚し、最終的に脳への血流が妨げられることにより生じます。

    皮質下血管性認知症(Binswanger病など)
    まれな型の疾患で、白質を構成する小血管および神経線維が広範囲に損傷されます。
    白質は脳の各部位のメッセージを中継する役割を担うと考えられています。

    情報元:米国立老化研究所(NIA)

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    軽度認知症に関する基本情報

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    HealthDay News 2017年10月12日
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  • 40代女性の高血圧は認知症リスクを上昇させる?

    40歳代で高血圧を発症した女性は後に認知症を発症するリスクが高いとする研究結果が「Neurology」10月4日オンライン版に掲載された。

    研究を率いた米カイザー・パーマネンテ北カリフォルニア研究部門のPaola Gilsanz氏は「これまで考えられていたよりも早い時期から高血圧は脳に影響を及ぼす可能性が示唆された」としている。

    これまでの研究で高血圧と認知症との関連は示されていたが、50歳前の高血圧がリスク因子となるかどうかは明らかにされていなかった。
    そこでGilsanz氏は今回、男女5,646人の医療記録データと健康調査データを用い、1964~1973年(平均年齢32.7歳)および1978~1985年(同44.3歳)の時点における高血圧の有無と、1996年(平均年齢59.8歳)から2015年までの認知症リスクとの関連について検討した。

    その結果、30歳代での高血圧はその後の認知症リスクに関連していなかったが、40歳代で高血圧だった女性では、正常血圧だった女性と比べて認知症リスクが65%高いことが分かった。
    また、30歳代では正常血圧だったが40歳代に高血圧を発症した女性では、いずれの時点でも正常血圧だった女性と比べて認知症リスクが73%高いことも示された。
    さらに、こうした関連は喫煙、糖尿病、過体重などの因子を考慮しても認められたという。

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    一方、男性では40歳代の高血圧と認知症リスクとの関連は認められなかった。
    これについてGilsanz氏は「男性は認知症を発症しやすくなる年齢に達する前に死亡する確率が高いことが一因として考えられる」と説明。
    また、今回の研究には関与していない米アルツハイマー病協会(AA)のKeith Fargo氏は「遺伝的因子や生活習慣、ホルモンの違いなども男女で異なる結果が得られた要因となっている可能性がある」との見方を示している。

    さらにGilsanz氏は「男性よりも女性の方が認知症の有病率が高いことを考慮すると、女性でのみ40歳代の高血圧が認知症リスクに関係していることについて関心を持つ人は少なくないだろう。
    今後の研究では性差をもたらす経路に着目し、男女それぞれのリスク因子を明らかにしていく必要がある」と話している。

    今回の研究は「高血圧が原因で認知症を発症する」という因果関係を示したものではないが、Fargo氏は「長期間にわたって高血圧だった人で認知症の発症率が高いのは理にかなっている」とした上で、「認知症の症状は高齢期に現れる場合が多いため、高齢になってから初めて認知症について考える人が多い。
    しかし、それよりももっと前の段階から、さまざまな因子が認知機能を低下させている」と説明。
    このうち高血圧は薬物治療や生活習慣の改善でコントロールできる因子であることから、「認知症と戦う上で、高血圧などの修正可能な因子に対処することは強力な武器になる」と強調している。

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    HealthDay News 2017年10月4日
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