疾患のセルフチェック法

軽度認知症のセルフチェック方法

認知症予備軍と言われている軽度認知障害(MCI)は、健常者と認知症の中間であり、認知症へと移行するリスクが極めて高いものの、認知症のように日常生活が送れなくなる訳ではないので、生理的な物忘れと分別しにくいのが特徴でもあります。しかし、軽度認知障害を予防し認知症への移行を防ぐためには早期発見、早期予防が重要なポイントとなります。そこで、今回は認知症や軽度認知障害(MCI)を早期発見できる認知度簡易セルフチェックをご紹介します。
  1. 長谷川式簡易知能評価スケール(HIDS-R)とは
  2. 長谷川式簡易知能評価スケール(HIDS-R)
  3. 長谷川式簡易知能評価スケール(HIDS-R)で見る認知度
  4. 軽度認知障害(MCI)は早期発見、早期治療がポイント!

長谷川式簡易知能評価スケール(HIDS-R)とは

長谷川式簡易知能評価スケール(HIDS-R)は、精神科医であり、認知症介護研究・研修東京センターの名誉センター長でもある医学者、長谷川和夫氏が開発した簡易知能検査です。
医療機関や病院でも用いられている簡易知能検査で、9つの質問に口頭で回答していきます。長谷川式簡易知能評価スケールでは認知症を引き起こす直接的な原因「中核症状(器質的な障害)」を検査することが可能です。

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長谷川式簡易知能評価スケール(HIDS-R)

※長谷川式簡易知能評価スケールを実施するときは、なるべくリラックスしたいつも通りの状態で行います。
また、家族の方が行う場合は「軽度認知障害の簡易テストをしてみない?」と直接的に導入するのではなく、「最近、物忘れが気になることはない?」のように世間話から自然に簡易テストへ導入することをおすすめします。

相手が嫌な気分になったり、精神的苦痛とならないよう、テスト開始時だけでなくテスト終了後のアフターケアも心がけましょう。

問1:年齢の見当識
【Q.あなたは何歳ですか?】
±2歳までの誤差は正解とし、正解で1点

問2:日時の見当識
【Q.今日は何年/何月/何日/何曜日ですか?】
年月日、曜日が正解すれば各1点ずつ

問3:場所の見当識
【Q.私たちが今いる場所はどこですか?】
自発的な答えの場合2点。5秒おいて「家ですか?病院ですか?施設ですか?」の中から正しい選択をすれば1点

問4:言葉の記憶力
【Q.これから言う3つの言葉を言ってみてください。あとでまた聞きますのでよく覚えておいてください。】
※以下の系列のいずれか1つを質問する。各1点、全問正解で3点
1: a)桜 b)猫 c)電車
2: a)梅 b)犬 c)自動車

問5:計算力
【Q.100から7を順番に引いてください】
「100-7は?その答えからまた7を引くと?」と質問。最初の答えが不正解の場合、打ち切る。
【A.93と86。各1点、全問正解で2点】

問6:数字の逆唱
【Q.これから言う数字を逆から言ってください】
6-8-2、3-5-2-9を逆唱してもらう。3桁逆唱に失敗した時点で打ち切る。

【A.2-8-6と、9-2-5-3。各1点、全問正解で2点】

問7:言葉の遅延再生
【Q.問4で、先ほど覚えてもらった言葉をもう一度言ってみてください】
※自発的な答えの場合、各2点。回答がない場合以下のヒントを与え正解であれば1点

ヒント「a)植物 b)動物 c)乗り物」

問8:物品の記憶力
【Q.今から5つの物を見せます。それを隠しますので何があったか言ってください】
※時計、鍵、タバコ、ペン、硬貨など必ず相互に無関係なものを使い、各1点、全問正解で5点。

問9:言葉の流暢性
【Q.知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください】
※答えた野菜の名前を記入。途中で詰まり、約10秒間待っても出ない場合は、そこで打ち切る
0~5個=0点/6個=1点/7個=2点/8個=3点/9個=4点/10個=5点

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長谷川式簡易知能評価スケール(HIDS-R)で見る認知度

・30~20点の場合
今のところ異常はなく、認知症や軽度認知障害の可能性は低いです。
日頃から認知症予防を行い、認知症を予防することをおすすめします。

・19~16点の場合
認知症や軽度認知障害の疑いがあるため、医療機関への受診や、軽度認知障害を発見できる血液検査「MCIスクリーニング検査」の実施をおすすめします。

・15~11点の場合
中程度の認知症と判断できます。医療機関へ受診し、精密検査を行うことをおすすめします。

・10~5点の場合
やや高度の認知症と診断できます。医療機関へ受診し、精密検査を行うことをおすすめします。

・0~4点の場合
高度の認知症と判断できます。医療機関へ受診し、精密検査を行うことをおすすめします。

20点以下の場合は認知症や軽度認知障害の疑いがあり、15点以下の場合は認知症と判断されます。

軽度認知障害(MCI)は早期発見、早期治療がポイント!

軽度認知障害(MCI)は早期発見、早期治療が重要なポイントとなり、早い段階で治療を行えば、認知症への移行リスクを下げることができます。
今回ご紹介した「長谷川式簡易知能評価スケール(HIDS-R)」はあくまで簡易テストとなりますので、結果が良かった場合でも疑わしい行動がある場合は医療機関への受診をおすすめします。
逆に結果が思わしくなかった場合でも、この簡易テストだけですぐに認知症と診断される訳ではありません。

簡易テストはあくまでもご家族やご本人が兆候に気がつくためのキッカケです。
テスト結果だけで自己判断せず、日頃の行動や言動を観察したり、専門医への相談、問診。また軽度認知障害(MCI)リスクが判定できる血液検査、「MCIスクリーニング検査」などを受けてみましょう。
軽度認知症(MCI)の診断プロセスに関する詳しい解説はこちら

軽度認知障害の検査・診断を受けるにあたって、軽度認知障害(MCI)の診断基準・検査内容についてご紹介しています。

軽度認知障害(MCI)の診断・検査内容とは

参考資料:リンク
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