軽度認知障害(MCI)の医療助成制度情報について
軽度認知障害(MCI)の症状を改善、また認知症への進行を予防するためには、継続的な通院や治療の必要があります。
しかし、未解明な部分が多い軽度認知障害(MCI)の治療法は患者の症状や体質によって異なるため、治療にかかる費用も相応のコストが必要となってきます。
軽度認知障害(MCI)の治療・診察に必要な費用
検査にかかる費用
まず、軽度認知障害(MCI)の疑いがある場合、加齢による物忘れなのか、または軽度認知障害(MCI)なのかを分別するため、検査を行います。
- MCIスクリーニング検査 ¥10,000~20,000程度
- APOE遺伝子検査 ¥15,000~20,000程度
- 画像による検査 検査により異なる
採取した血液からMCIの可能性を判定する検査
認知機能低下に関係する遺伝子から、アルツハイマー型認知症のリスクを調べる検査
CT検査 ¥15,000~20,000程度
MRI検査 ¥15,000~30,000程度
SPECT検査 ¥100,000程度
軽度認知障害(MCI)の治療費は、国民健康保険や高額療養費制度などの利用で負担額が異なり、後期高齢者(75歳以上)は1割の治療費負担、高齢者(70~74歳)は2割負担、それ以外(70歳未満)の方は3割負担となりますが、患者本人の状態や世帯所得、そのほかの制度を利用することで負担する額に差が生じるので、検査前に国民健康保険が適用されるのかどうか確認しておきましょう。
治療にかかる費用
軽度認知障害(MCI)の定義は、「健常者と比べると認知機能の低下が見られるも、日常生活に支障がない」ということ。
そのため、認知症患者のように介護が必要という段階ではないので、定期的な身体検査や認知機能検査、必要に応じて抗認知症薬の投与が主な治療となります。
定期的な問診や検査等は個人差があるため一概には言い切れませんが、
アルツハイマー型認知症の傾向があり、アリセプトやメマリー等で投薬治療を行う場合、これらの飲み薬の価格は100~600円程度となります。(同じ薬であっても用量により価格が異なります)
そのため、300円の薬を1日1錠服用した場合、30(日)×300(円)=9,000円
となりますが、3割負担であれば2,700円、1割負担であれば900円がお薬代の負担額に値します。
医療助成制度を知っておこう!
かかった医療費や、患者の世帯所得等に応じて医療費の負担額上限は決められています。
そのため、上限を越えた場合、支払った費用が返還される制度があるので、条件にあてはまる場合は必要に応じて申請や問い合わせを行いましょう。
また、独自の医療助成制度を設けている地域もあるので、コンスタントに治療や診察を受ける場合は、役場などに設置された健康窓口等で相談しておくと良いでしょう。
高額医療費制度
同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の中で、自己負担額が高額となったときに申請すれば、自己負担限度額を超えた分があとで払い戻される制度。
※70歳未満の方の場合、前もって医療費が高額になることがわかっているのならば、「限度額適用認定証」を提示する方法もあります。
医療費控除
患者本人、また、生計をひとつにする配偶者や親族が、毎年1月1日~12月31日までの1年間に支払った医療費を、その年の所得税から控除する制度。
医療費控除も、高額医療費制度と同様に、自らで申請を行わなければ受けることができません。
まとめ
軽度認知障害(MCI)の段階では、介護が必要ないとされていますが、症状の進行や状況に応じては、介護サービスを受ける必要が出てきます。
軽度認知障害(MCI)と上手に付き合っていくためにも、
どんな医療助成制度があるのか?
どんな介護サービスがあるのか?
ご家族や地域の相談員と共に、情報を集めていきましょう。
軽度認知障害(MCI)の治療においても、条件を満たせば様々な助成制度を利用できますが、すべての治療費が対象となる訳ではありません。
もしも、高額となる治療が必要となる場合は事前に担当医や役場などで相談しておくことをおすすめします。
軽度認知障害(MCI)の方と接するとき、家族や周りはどのような点に注意して病気と付き合っていけば良いのでしょうか?軽度認知障害(MCI)の方との接し方や、病気との付き合い方を詳しく解説しています。