月経困難症 診断基準・プロセスに関する基本情報
月経期間やその前の期間に、何か不調はありませんか?お腹の痛みをはじめとして、頭痛や腰痛、吐き気やめまいに悩まされている女性がたくさんいます。なかには気分が落ち込んだり、イライラしたり、精神的に不安定になる人も少なくありません。
とはいえ、その原因が月経にあるのか、医師はどのようなポイントから判断するのでしょうか?
記録しておこう!月経の周期と精神的なバランスの変化
月経に関する病気は、産婦人科や婦人科の医師が診察を行います。
診察を受ける前に、下記の内容をあらかじめ記録しておくことをおすすめします。数ヵ月分の記録があれば、それをもとに医師が治療の判断を行うことができるからです。
月経の周期
まずは、月経の周期を記録しておくことです。ホルモンバランスが乱れていると、月経の周期が不安定になります。何日に始まって何日に終わっているか、数か月分の記録があると医師が症状の判断をするための材料になります。
精神的なバランスの変化
月経困難症およびpms(月経前症候群)の患者には、精神的な症状に悩まされている人もいます。2つの病気うち、特にpmsの方が、イライラしたり、憂鬱になったり、気持ちが不安定になりやすいようです。
精神的な乱れは、数字などで量ることができません。とはいえ、どの時期にそうなったか、どの程度のものだったか、医師の診断には必要な情報です。
自分で精神的に不安定だと感じた時には、そのことを記録しておくことをおすすめします。その記録を続けていけば、不調になる時期をあらかじめ予測できるようになるかもしれません。
日本でも広まりつつある、ピルの服用
月1度の月経とはいえ、腹痛や頭痛が強いととても辛いですね。月経痛が強い人の多くは、鎮痛剤で症状を抑えて対応しています。月経痛が強い人のうち、月経過多である場合には医師の判断によりピルを処方されることがあります。近年では月経困難症の患者に対してピルを処方されることが増えてきました。
もともと避妊薬として知られていた薬ゆえに、抵抗を感じる人も少なくなかったようです。
しかし、実際のところ海外では10年以上にわたり月経困難症の治療に使っている国もあります。ピルを服用することでホルモンバランスが安定すると証明されるようになり、最近になってようやく日本でも月経困難症の治療において広まってきたのです。
数あるピルのなかで、「ルナベル配合錠ULD」という2013年9月から発売されている新薬があります。それまでのピルに比べてエストロゲンという成分が少なくなり、副作用が減ったといわれています。
ピルに限らず、薬の副作用の出方は人によって大きく異なります。医師の指示に従い、不調が起きた時には必ず相談をするようにしましょう。
過去と比べてみて!月経痛は毎月同じくらいか、強くなっているか?
腹痛がある人の場合、それが過去よりも増しているかどうかがチェックポイントのひとつです。
痛みが過去に比べて増している場合には、子宮周辺の検査を行う可能性があるかもしれません。何故ならその痛みの背景には、子宮内膜症などの病気が疑われるからです。子宮内膜が卵管を塞いでしまったりすると、不妊を招くリスクが起きます。
実は、不妊に悩んでいる人のなかには、本人が自覚しない間に子宮内膜症が悪化しているケースもあるのです。
子宮内膜症に限らず、子宮や卵巣に大きな病気がある場合は手術によって病巣を取り除く場合もあります。病気の程度が深刻でなければ、薬によりホルモンバランスを整えることから始めることになるでしょう。
どちらであっても、早期発見することが回復への近道です。
痛みがひどい場合には鎮痛剤で抑えることを続けるのではなく、病院で診察を受けるようにしましょう。
まとめ
今回ご紹介した通り、月経困難症およびpms(月経前症候群)の診断プロセスは自己診断から始まります。ほかの怪我や病気と異なり、診察での状況だけでは判断が難しいのです。それまで数か月間の月経期間がどのような様子であったかが重要な診断材料といえるでしょう。
月経前症候群(pms)や月経困難症を改善させるため、ここ数年でいろいろな新しい薬が販売されるようになりました。
そのことからも、婦人科系の病気や治療に関する研究や開発が進んでいることが分かります。
月経に関する不調は女性のみに起こるものですから、男性からの理解を得るのはなかなかむずかしいでしょう。
女性同士であってもデリケートな問題なので、なかなか気軽に情報交換ができないともいえます。
それでも日々を快適に送るためには、適切な診断と適切な治療が欠かせません。
今回ご紹介したチェックポイントを抑えて、しっかり自分の体と向き合っていきましょう。
月経困難症・月経前症候群(PMS)、病気・疾患の予防法に関する基本情報をまとめています。診断された後にどう症状を緩和し、さまざまな症状を予防していくか。辛い症状の予防法など掲載しています。