数字からみる肥満症の基本情報
この記事では肥満症の疫学データ・調査などを元に、数字からみる基本情報をまとめてみました。
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肥満症診断に用いられるBMIから見るデータ
BMI(ボディマス指数)は体重と身長から肥満度を算出する体格指数。
まずは肥満症を診断するときにも使用されている『BMI』の調査やデータを見ていきましょう。
日本で『肥満(BMI25以上)』と分類される人はどれくらいいるの?
世界的にみても痩せ型といわれる日本人ですが、厚生労働省が行った平成28年の『国民健康・栄養調査』では、男性は31.3%・女性は20.6%の割合で肥満者(BMI25以上)とされています。
過去10年間、肥満者の割合に大きな変動はないものの肥満・痩せに関わらず「糖尿病が強く疑われる者」、「糖尿病の可能性を否定できない者」の数は1000万人といわれいます。
こちらの推移は平成9年まで増加傾向にあり、平成19年以降は減少していることから『糖尿病』に対する認識が底上げされたのでは?と考えられているのです。
BMIが5上昇すると死亡リスクもアップする!?
WHO(世界保健機関)が定める国際基準は、BMI25以上が過体重。
BMI30以上を肥満としています。
しかし、日本人は世界的にみても小柄な体格であり、BMI25を超えてくると疾患リスクがアップし、内臓脂肪も増加傾向になるので日本人はBMI25以上が『肥満』とされているのです。
とある研究によると、日本人の男女を対象に行ったとある研究によると、健康診断を行った際にもっとも異常が見られなかった人のBMI指数は22だったと言われています。
そのためBMI22が健康を保つうえで理想的な数値とされているのです。
一方、BMI25を越えてくると、BMI指数が5上昇するたび、死亡リスクが30%以上アップするという解析も発表されています。
データでみる『肥満症』によるリスクとは?
次に「健康な状態の人」と「肥満症と診断された人」を比べて、どういうリスクが潜んでいるのかをまとめてみました。
肥満症になると高血圧の頻度が2.9倍になる
日本生活習慣病予防協会が発表する調査・統計によると「肥満症患者は高血圧の頻度が2.9倍になる」とされています。
食べ過ぎによって過剰に塩分を摂取したり、インスリン分泌の働きでナトリウムが再吸収されてしまったりと、さまざまな要因が考えられているのです。
心筋梗塞や狭心症の発症率も36倍に!?
同じく日本生活習慣予防協会によると、
- 肥満
- 高血圧
- 高血糖
- 高中性死脂肪血症
これらのうち、3つ以上の症状に該当すると、いずれにも当てはまらない場合と比較して心筋梗塞と狭心症の発症率が36倍になると言われています。
肥満は寿命が10年短くなる
アメリカのハーバード公衆衛生大学・イギリスのケンブリッジ大学を筆頭に行った研究の発表では、「重度の肥満の人は健康な人に比べて約10年寿命が短くなる」との解析結果があります。
この研究は239件の疫学調査を元に32ヵ国の1,060万人のデータから解析されていて、寿命が短くなるとともに、2人に1人は70歳未満で死亡する恐れが高いとされています。
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年齢・性別別にみる『肥満』について
また、肥満症を発症する最大の原因『肥満』は、年齢別に割合が変わっています。
厚生労働省が発表する「平成28年国民健康・栄養調査」によると、日本において高い肥満(BMI25以上)割合をしめる層は
- 20歳以上の男性(3割強)
- 20歳以上の女性(2割強)
と、なっています。
さらに詳しくみてみると、
男性は成人以降、50代までに加齢と共に太っていく傾向があり、男性の肥満割合ボリュームゾーンは50代であり、約1/3が肥満と分類される。
女性の場合は60代がボリュームゾーン。しかし肥満と分類される人の割合は1/4にも届かない。
上記のような傾向がありました。
また、ピークを迎えたあとは体重が減少し、肥満割合も少なくなります。
まとめ.
肥満。そして肥満症がもたらす健康への悪影響をさまざまな調査・統計からまとめてみましたが、この疫学データを見る限りでも『肥満は万病のもと』ということがわかりますよね。
とくに日本人は体質的に肥満によるリスクを受けやすいとも言われているので、現段階で肥満症と分類されていなくても、適切な体重まで減量できるよう生活習慣を見直してみましょう。
そして減量後もその生活を維持できるよう、ムリのない目標を立ててみてくださいね。
肥満症と向き合い、治療・改善していくためには、肥満症の正しい知識をもって、励まし合える仲間を作ること。そこでこの記事では肥満症の治療に役立つ関連情報サイトや患者会についてまとめてみました。