肥満症の治療費や医療助成制度について
では、肥満症を治療する費用はどれくらいかかるのでしょうか?
今回は肥満症の場合、医療助成制度を利用できるかについても触れていきます。
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肥満症の治療費はどれくらいかかるの?
肥満症に必要とされる治療費は、患者さんの症状によってさまざまです。
肥満症の定義としては、
- BMI25以上の肥満であること(BMI=体重kg/(身長m)2)
- 肥満に起因、または関連し、減量を要する(減量により改善する、または進展が防止される健康障害を有する者)
- 健康障害を伴いやすいハイリスク肥満(ウエストの周囲長スクリーニングにより内臓脂肪蓄積を疑われ、腹部CT検査によって確定診断された内臓脂肪型肥満など)
と、されています。
つまり、肥満と分類され、肥満が原因となる疾患や健康障害をすでに発症している人と、健康障害は生じていないが、疾患の発症リスクが極めて高い人が肥満症と診断されるのです。
つまり、すでに肥満が起因する疾患を発症している人は肥満症の治療と平行して、疾患の治療を行っていかなければならないので、医療費が高額となり、
ハイリスクではあるものの健康障害がないという人は、肥満を解消していく治療となるため、比較的医療費が少なくなると言えるでしょう。
肥満症が関連して発症する疾患とその治療費は?
要するに一口に肥満症といえど、その症状には個人差があるということ。
ちなみに肥満症が関連して発症する疾患はすべてで11つあります。
- 睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
たとえば、肥満が起因となり脳梗塞を発症し入院となった肥満症患者さんのケースを想定してみましょう。
※『脳梗塞リハビリステーション福岡』様の情報を参考にしました。
脳梗塞を発症し、1ヶ月の入院が必要となった場合、1日あたりの治療費(入院費)は2万5千円~3万円程度とされます。
1日あたり、2万5千円必要となれば1ヶ月で75万円ほどの治療費がかかります。
健康保険が3割適用されたとしても、50万円近くの医療費を自己負担しなければなりません。
また脳梗塞の治療に加えて肥満症に関する薬物療法や、その他疾患の予防・治療を行った場合、一般的な脳梗塞の医療費より高額となる可能性も考えられます。
退院後も定期的な通院によって経過観察や治療が必要になってしまうことも……。
また、医学的な治療だけでなく、治療の一貫として減量を行うため、ジムに通ったり、サプリメントを購入したりする人もいらっしゃいます。
肥満症の医療助成制度について
残念ながら、肥満症に特化した医療助成制度はありません。
ただし肥満症の治療や肥満が起因となって発症した疾患も対象となる医療助成制度があるので、そちらをまとめてみました。
高額医療費制度
1ヶ月間(1日~末まで)に支払った医療費のうち、事項負担額限度を超過した場合、限度額を超えて支払った医療費が払い戻される制度です。
注意点としては、
- 保険適用外となる医療費には適用されない
- 患者さん(または家族)が自ら申請を行う
この2点です。
所得や家族構成など世帯の状況に応じて対象の有無や上限額は変わってくるので、お住まい窓口で確認しましょう。
※医療費の領収書等は保管しておいてくださいね
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医療費控除
患者・または同一世帯の家族が1年間(1月1日から12月31日)に支払った医療費を所得税から控除する制度です。
対象となるのは
- 指定の医薬品
- 医師の指導を受けて治療に必要とされた品(ガーゼなど)
です。
医療控除も患者さん(または家族)自ら申請を行います。
その他の医療助成制度について
肥満症に特化した医療助成制度は存在しないものの、高額医療費制度や医療費控除を上手に活用して治療にかかる負担を軽減することができます。
また、肥満症の疾患として指定されている『11の疾患』の影響によって身体障害者手帳をもつことになったり、障害年金の受給対象となったりするケースも考えられます。
どんな医療助成制度であっても、ほとんど自分で申請しなければならないので、地方自治体の窓口や病院で相談してみましょう。
まとめ
肥満症に特化した医療助成制度はないものの、対象となる制度はいくつかあります。
また、医療費控除は肥満症を改善するために薬局で購入した医薬品も控除の対象となるので、1年間に使用した医療費が把握できるよう、領収書やレシートを保管しておきましょう。
治療を行っていくうえでは、医師との信頼関係や正しい情報収集だけでなく金銭的な負担を軽減することも重要なポイントです。
どんな医療助成制度があるのか把握したり、地方自治体の窓口で相談したりしましょう。
肥満症は命を危険に脅かす疾患リスクが潜んでいる病気です。しかし、肥満の原因を知り、うまく付き合っていけば改善できる病気でもあります。けれど、治療に励んで肥満症を改善できたとしても、再発してしまう人も珍しくないのです。この記事では、肥満症とうまく付き合っていく5つのコツと治療のポイントについて紹介しましょう。