疾患の診断プロセス

【肥満症の診断プロセス】診断方法や基準について

世界的に見ても痩せ型だといわれてきた日本人。しかしさまざまな食文化の普及や食物の豊かさによって、肥満となる人も増えてきました。その中でも、肥満が原因となってさまざまな疾患を発症してしまう『肥満症』は、ただ太っているだけでなく治療が必要な病気のひとつです。

では肥満症と診断される基準や、検査方法にはどういったものがあるのでしょうか?
日本肥満症予防協会や、日本肥満学会が発表する肥満症診断基準をもとに解説していきます。

  1. 肥満症の診断基準が改訂!診断にいたる症状とは?
  2. 肥満症を検査する方法
  3. まとめ
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肥満症の診断基準が改訂!診断にいたる症状とは?

「肥満と肥満症って何が違うの?」と疑問を抱かれる方が多いと思いますが、肥満は太っている状態を指している言葉で、健康への悪影響を表す言葉ではありません。

一方、肥満症は肥満が原因となって、さまざまな病気を発症しかねない(または発病している)状態を指しています。

2011年・2016年に改訂された日本肥満学会が発表する「肥満症診断基準」を参考に、肥満症の診断基準をまとめてみました。

肥満(BMI25以上)であること

肥満症と診断されるさいしょの条件は、肥満であるかどうか。
日本ではBMI25以上が肥満と分類され、BMI35以上で高肥満となります。

算出に用いる計算式は

BMI=体重kg/(身長m)2

です。
しかしBMIでわかることは、肥満であるかどうかだけ。
25以上だからといって、必ずしも肥満症と診断されるわけではありません。

たとえば、お相撲さんも体重の数値やBMIでみれば「肥満」と分類される体型です。
しかし、お相撲さんは太ってはいるけれど健康状態は良好だというケースがほとんど。医学的な治療が必要とはいえませんよね。

逆をいえば、「肥満ではあるけれどお相撲さんほど太っていないぞ!」という人でも内臓脂肪の蓄積やコレステロール値の数値によっては早急に治療が必要となるケースもあるのです。
次にBMIの他に肥満症の診断を受けるまでの基準を紹介します。

肥満であり、いずれか2つの条件を満たしている

肥満でありながら、

  • 肥満に起因、または関連し、減量を要する(減量により改善する、または進展が防止される健康障害を有する者)
  • 健康障害を伴いやすいハイリスク肥満(ウエストの周囲長スクリーニングにより内臓脂肪蓄積を疑われ、腹部CT検査によって確定診断された内臓脂肪型肥満など)

上記2つのいずれかを満たしている場合、肥満症と診断されます。

わかりやすく解説すると、「肥満でありながら肥満が関連して発症する疾患や健康被害がある」か、「肥満であるものの、健康障害はないが肥満が関連して発症する疾患リスクが高い」という場合、肥満症ということです。

※内臓脂肪面積が100平方cm以上だと内臓脂肪型肥満となり、ハイリスク肥満と分類されます。
また、内臓脂肪が蓄積した状態は生活習慣病を発症しやすい『メタボリックシンドローム』と呼び、肥満症とメタボリックシンドロームは別の病名であるものの、密接な関係にあるといえるでしょう。

肥満に関連する11の疾患とは?

では、上記で紹介した「肥満が関連して発症する疾患」には具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

※2011年に改訂された「肥満症診断基準」では新たな疾患が追加され、肥満が関連する疾患はぜんぶで11つとなりました。疾患名は以下の通りです。

1.耐糖能障害(2型糖尿病や耐糖能異常など)
2.脂質異常症
3.高血圧
4.高尿酸血症・痛風
5.冠動脈疾患
6.脳梗塞
7.脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患)
8.月経異常・妊娠合併症
9.睡眠時無呼吸症候群・肥満低換気症候群
10.整形外科的疾患
11.肥満関連腎臓病
要するに、
「肥満に起因、または関連し、減量を要する(減量により改善する、または進展が防止される健康障害を有する者)」こちらのケースは上記11つの疾患のうち、いずれかの疾患がみられる場合。

また、「健康障害を伴いやすいハイリスク肥満(ウエストの周囲長スクリーニングにより内臓脂肪蓄積を疑われ、腹部CT検査によって確定診断された内臓脂肪型肥満)」このケースは、現在これらの疾患が見られないものの、上記11つの疾患を発症するリスクが高いということです。

肥満症を検査する方法

肥満症(肥満)を検査するためにはどのような検査を行うのでしょうか?

肥満症は、11の疾患を発症してから発見される場合がほとんどなので、早期発見が難しいと言われています。

ただし、食べ過ぎや運動不足以外の原因によって、肥満を招くケースも否めません。
よって、

  • 血液検査によってホルモンなど内分泌系に異常がないか検査する
  • 画像によって体や脳に異常がないか検査する
  • 先天性の病気や肥満の原因が潜んでいないか染色体検査を行う

上記のような検査を行うこともあります。

また、内臓脂肪の蓄積を調べるために、腹部CT検査を行うケースも珍しくはありません。

※肥満であり、肥満症の疑いがあっても、甲状腺機能低下症などによって、代謝が悪くなりエネルギーが蓄積しているのであればまずは肥満を招く原因となった甲状腺機能低下症の治療を行うこととなるでしょう。

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まとめ

肥満症を診断する基準は

  • BMIが25以上であること
  • 肥満に起因、または関連した健康障害を有している
  • 健康障害を伴いやすいハイリスク肥満である

などがあります。

また食生活、生活習慣以外にも、ホルモンや遺伝子・他の病気などが肥満に繋がる要因となるケースもあるので、場合によっては血液検査や遺伝子検査が必要となることも……。

いずれにせよ、食事・運動を行って適正範囲内の体重維持は、さまざまな病気の予防になります。

肥満症は早期発見が難しい疾患のひとつ。
気になる点があれば、なるべく早めに医療機関への受診がおすすめです。

肥満症の予防方法に関する詳しい解説はこちら

健康障害が起きたり、さまざまな病気の発症リスクが高くなる「肥満症」。
早期発見が難しい症状ですが、食事や生活習慣のポイントを抑えれば予防に繋がります。最大のポイントは減量して適正な体重を維持すること。そして肥満症による疾患の予防を行うこと。ここでは、日常生活の中で実践できる食事や生活習慣から行う予防法について紹介しましょう。

肥満症の予防方法とは?食事・生活習慣から見直すポイント

参考サイト:リンク1リンク2リンク3
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