良い食事
潰瘍性大腸炎、体に良い食事について

大腸に炎症が起き、粘膜がただれることでさまざまな障害を生じる潰瘍性大腸炎。寛解期と活動期を繰り返す慢性的な病気で、治療は長期にわたります。
近年は効果的な治療が増えてきたことで、寛解期を持続させながら日常生活を送ることができる方も多くなってきています。

潰瘍性大腸炎は、消化器の病気ですから、食事に気をつけることである程度体調管理ができるといわれています。潰瘍性大腸炎の患者さんにとって良い食事とはどのようなものなのか、詳しくみていきましょう。
  1. 潰瘍性大腸炎、食生活で気をつけたいポイント
  2. 潰瘍性大腸炎の食事
  3. 体に良い食事、自分に合うもの・合わないものを見つける
  4. まとめ
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潰瘍性大腸炎、食生活で気をつけたいポイント

潰瘍性大腸炎を発症すると、大腸の機能が低下して本来のはたらきができなくなっています。病気の重症度によって異なりますが、病気がひどくなってくると下痢や粘血便を繰り返すことで体の水分も多く失われ、体力も消耗します。また、貧血や亜鉛不足になることも。

病気と付き合っていくためには栄養状態を良くし、体力をつけておくことが必要です。そのため、できるだけ大腸に負担をかけず、かつ効率的にエネルギーと栄養をとることが重要となってきます。

潰瘍性大腸炎の患者さんにとって、体に良い食事とはどのようなものなのでしょうか。食事を選ぶときのポイントは次の4つです。
  • 高カロリー
  • 低脂肪
  • 低残渣(ていざんさ)
  • 低刺激

潰瘍性大腸炎の食事は、これらの4つのポイントをおさえることが大腸に負担の少ない良い食事となります。

では、ここからは具体的な食材も挙げながらご紹介していきます。

潰瘍性大腸炎の食事

炭水化物
炭水化物は重要なエネルギー源です。食物繊維が多いものには注意しましょう。特に、不溶性食物繊維は便のかさが増えます。大腸に負担がかかりますし、下痢が増える要因にもなってしまいます。不溶性食物繊維よりも水溶性食物繊維が含まれる食材を選ぶのがおすすめです。
玄米や雑穀米よりも白米にし、体調が悪いときにはおかゆにして食べるようにしましょう。麺類は、そばやラーメンよりも、うどんの方が安心です。

たんぱく質
植物性たんぱく質は、豆類のように食物繊維が多いものがあります。大豆やあずきなどは注意しましょう。豆腐は油揚げや厚揚げといった加工品になると脂肪が多くなりますのでしっかり油抜きをしましょう。

動物性たんぱく質の中では、貝は消化が悪いので注意です。魚類はどれも大丈夫ですが、体調の悪い日は比較的脂肪分の多い青魚を避けましょう。肉類の中では鶏肉が一番安心ですが、肉類は炎症を強くする飽和脂肪酸を多く含んでいますので控えめにしましょう。肉類を食べるときは皮や脂肪部分を除きます。

潰瘍性大腸炎の方は、しばしば乳糖の消化酵素が減ってしまいます。牛乳やアイスクリームなどの乳製品は下痢や消化不良を起こしやすいので避けましょう。無脂肪・低脂肪のものにします。

油脂
油にも、肉類と同じように炎症を強くしやすい脂肪酸が多く含まれているものがあります。飽和脂肪酸を多く含むバターやラード、n-6系の脂肪酸を多く含むべにばな油、大豆油、ごま油やマーガリンは控えめに。使うのであれば、しそ油、えごま油、亜麻仁(あまに)油を少量にしておきましょう。

くだもの
くだものは不溶性食物繊維が多く含まれているものがあります。柿、キウイフルーツ、パイナップルはあまりとらないようにしましょう。また、酸味の多いものにも注意です。

くだものの中にはペクチンという成分を多く含むものがあります。このペクチンは過剰な水分を吸収し、腸内環境を整えるはたらきがあるといわれていますので、くだものを食べるときにはペクチンを多く含むものが良いでしょう。

飲み物類
飲み物の中でも、アルコール、炭酸飲料、コーヒーのカフェイン、お茶に含まれるタンニンは大腸を刺激するといわれています。お茶は薄めの緑茶やほうじ茶にしておくと良いでしょう。

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体に良い食事、自分に合うもの・合わないものを見つける

症状が落ち着いていれば食事の制限がほとんどないともいわれる潰瘍性大腸炎。しかし、潰瘍性大腸炎は病変のある部位や重症度が人によって違いますから、患者さんの中でも合う食材や合わない食材が異なります。また、どれくらいの量なら食べても大丈夫なのか、ということも個人差があります。

潰瘍性大腸炎の食事では、自分は何をどのくらいだったら食べられるのかを把握しておくことがとても大切。体調の良いときにいろいろな食材を少しずつ試してみて、自分との相性を知っておくようにしましょう。

まとめ

潰瘍性大腸炎は大腸の病気ですから、体に良い食事をするためにはある程度食材を選ぶことになります。

しかし、食事に神経質になりすぎるとかえってストレスが溜まってしまいます。ストレスは体調を崩すきっかけになることも。体調の良いときには適度に好きなものを食べて、そのあと数日は大腸に負担のかからない食事にするなど、数日間の中で調整しても良いでしょう。

また、揚げ物はやめて焼き物にする、電子レンジで調理する、細かく切って消化しやすくするなど、調理方法を工夫することで体への負担を減らすこともできます。

潰瘍性大腸炎の方に向けた食事については、医療機関や保健所・保健センターで栄養相談を行なっているところもありますので、食事についてわからないことがあったら相談してみるのもおすすめです。

潰瘍性大腸炎の治療法に関する詳しい解説はこちら

潰瘍性大腸炎は慢性的な病気のため、治療を行うことで症状を落ち着かせ、その状態を継続させていくようにします。潰瘍性大腸炎はまだ完全に解明されていない病気ですが、医学の進歩により効果的な治療ができるようになってきています。

潰瘍性大腸炎の治療方法

参考文献:
女子栄養大学出版部:食事療法始めの一歩シリーズ
クローン病・潰瘍性大腸炎の安心ごはんp.8〜p.23
看護のための最新医学講座、第29巻、栄養療法・輸液p.272
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