治療法
潰瘍性大腸炎の治療法について

潰瘍性大腸炎は慢性的な病気のため、治療を行うことで症状を落ち着かせ、その状態を継続させていくようにします。
潰瘍性大腸炎はまだ完全に解明されていない病気ですが、医学の進歩により効果的な治療ができるようになってきています。

潰瘍性大腸炎にかかったら、実際にどのような治療を受けることになるのでしょうか。ここでは潰瘍性大腸炎の治療方法について詳しくお話します。
  1. 潰瘍性大腸炎の治療方法は大きく分けて2つ
  2. 潰瘍性大腸炎の治療方法
  3. 薬を使わない治療 血球成分除去療法
  4. 手術による治療
  5. まとめ

潰瘍性大腸炎の治療方法は大きく分けて2つ

潰瘍性大腸炎の治療は内科的治療と外科的治療の2つになります。内科的治療というのは、手術ではなく薬を使うなどして病状が落ち着くようにしていく治療法です。潰瘍性大腸炎の治療方法は基本的に内科的治療になります。患者さんの症状や炎症の程度見ながら、どの薬をどのくらい、どれだけの期間使うのか決めていきます。

実は、潰瘍性大腸炎の内科的治療には薬を使って治療する方法ともう1つ、薬を使わない治療があります。この治療法についてはのちほどご紹介します。

潰瘍性大腸炎は症状の重症度や合併症などの理由で外科的治療が選ばれることがあります。外科的治療とは手術によって悪くなっている部分を切除し病状の回復をはかることです。

潰瘍性大腸炎は完全に治せる治療方法がまだ見つかっていません。できるだけ早く寛解導入(症状を落ち着かせるようにすること)し、それが維持できるようにしていきます。
潰瘍性大腸炎の治療方法は、早期の寛解導入と寛解維持、この2つがポイントとなります。また、病状によっては脱水や栄養障害などがみられるので全身管理も重要です。

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潰瘍性大腸炎の治療方法

薬による治療
潰瘍性大腸炎は炎症が起きている範囲や重症度によって薬の種類や投与方法が変わります。重症度は症状や全身の状態などによって軽症、中等症、重症の3つに分かれています。

実際に潰瘍性大腸炎の治療で使われる薬についてみていきましょう。

・5-アミノサリチル酸製剤
5-アミノサリチル酸製剤は略して5-ASAと表記されます。この薬は腸の炎症を抑えるとともに、再び悪化しないようにする効果があります。主に軽症から中等症の方に使う薬で内服、もしくは注腸で使用します。薬はサラゾスルファピリジンとメサラジンがあります。

注腸とは肛門から薬を注入することです。病変のあるところに直接はたらきかけることができますが、使用は病変がある程度限られている場合なります。

・副腎皮質ステロイド薬
副腎皮質ステロイド薬(以下ステロイド)は5-ASAを使って治療しても効果があまりない中等から重症の患者さんに使われます。プレドニゾロンとベタメタゾンの内服、注射、注腸、坐剤があります。

ステロイド薬は炎症を強く抑えることができますが、寛解状態を維持させる効果はありません。長く使用すると副作用が出てくるリスクもあるため、効果がみられたら1週間ごとに薬の量を減らしていきます。
もし減量している間に再び病状が悪化した場合には免疫調整薬や生物学的製剤を使って対応します。ステロイド薬は最終的に中止するようにします。

・免疫調整薬と免疫抑制薬
免疫調整薬はステロイド薬を減らしていく過程で症状が再び出てくるようになってしまった場合に使われます。免疫調整薬にはアザチオプリンとメルカプトプリンがあり、どちらも内服薬です。また、メルカプトプリンは保険適応外となっています。これらの薬は症状を抑えるだけでなく寛解状態を維持する効果もあります。

免疫抑制薬は十分な量のステロイド薬を使っても効果がみられない場合に使います。免疫抑制薬にはシクロスポリンとタクロリムスの2つがあり、どちらも内服薬です。シクロスポリンは保険適応外となっています。

・生物学的製剤
難しい名前なのでイメージしにくいですが、これはTNF-αという物質のはたらきを抑える薬です。TNF-αとは体内物質の1つで、この物質によって炎症が引き起こされます。潰瘍性大腸炎の患者さんはTNF-αが増えているという特徴があります。

薬にはインフリキシマブとアダリムマブの2つがあります。インフリキシマブは点滴で、アダリムマブは皮下注射となります。

薬を使わない治療 血球成分除去療法

病状が薬ではうまくコントロールできないとき、重症のときには血球成分除去療法も併用して行われることがあります。

血球成分除去療法とは、両腕の静脈に針を刺し、一方の腕からチューブを通して体外に血液を出し、その先にある特別なフィルターで異常な白血球を取り除いたあと、反対の腕の静脈へ血液を戻すという方法です。

この治療法は日本で開発されたものです。薬を使わないので、薬の治療による副作用のリスクを少しでも減らすことができます。

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手術による治療

潰瘍性大腸炎の治療方法は薬や血球成分除去がメインとなりますが、ときには手術によって治療する必要が生じることもあります。手術が選択されるのは主に次のような場合です。

  • 内科的治療を行っても効果がほとんどみられないとき
  • 大腸に穴が開いたとき(穿孔)
  • 大腸から大量に出血がみられるとき
  • 大腸がんが合併したとき
    など
手術による治療方法は、大腸を全て取り小腸の一部で便を溜める部分をつくったのちに、小腸と肛門をつなげるという方法が基本です。

まとめ

潰瘍性大腸炎の治療方法は薬や血球成分除去療法が主なものとなります。できるだけ早く寛解状態にし、それを維持しながら日常生活が送れるようにするのを目標とします。

全身状態を病状や合併症、治療の効果によっては手術によって治療を行うこともあります。

潰瘍性大腸炎の医療費助成制度に関する詳しい解説はこちら

長期的な治療が必要となる潰瘍性大腸炎。治療にかかる費用について医療費の助成が受けられるかどうかで経済的負担は大きく変わってきます。そこで、潰瘍性大腸炎の医療費助成について、その認定基準や申請方法などの基本情報をまとめました。

潰瘍性大腸炎の医療費助成制度に関する基本情報

参考元:
医学書院 medeicina 2015年9月 p.1714〜p.1716
診断と治療社 消化器研修ノート p.375〜p.380
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