子宮筋腫に良い食事で貧血症状を解消
子宮筋腫の治療法に、手術するほどの症状がない場合や手術を希望しない場合には薬でやわらげる薬物療法を持ち入ります。
症状で1番多いとされる過多月経による慢性的な鉄欠乏性貧血には、鉄剤による吐き気や胃痛、静脈注射による肝機能の異常の心配があります。
そこで、薬だけに頼るのではなく、鉄分が豊富な食材を取り入れた食生活の改善にも心掛けてほしい点です。
今回は食生活の見直しにお役立ていただけるように解説していきます。
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動物性脂肪、大豆製品が筋腫の成長を促進させるなどの根拠のない話が出回っています。たんぱく質が不足すると、ヘモグロビンを運ぶ赤血球が運ばれにくくなります。たんぱく質には、肉や魚の動物性と大豆などの植物性があります。いずれも、バランス良く取ることを心掛けましょう。
また、貧血の治療で鉄剤を服用するときにお茶と一緒に飲むことはよくありません。水と一緒に服用することが大切です。
効くどころか、お茶に含まれるタンニン酸と鉄が反応して、鉄剤の吸収を妨げてしまいます。
病気に伴う不快感を少しでもやわらげてほしいものです。しかし、女性の生活にはさまざまな生活環境の変化があります。こうした変化で精神的なストレスを抱えると症状を悪化させる要因にもあります。
そこで、ストレスを発散させてくれる、嗜好品は欠かせません。
カフェイン、アルコールは筋腫に悪影響を与えるなどの説がありますが、コーヒーや紅茶、ハーブティー、ビールやワインなど好みの飲み物を飲めばリラックスと疲労回復に効果があります。適量をたしなむ分には、何も悪いというデータはありません。ただし、女性の天敵は「冷え」。お腹を冷やすと、骨盤内の血流がとどこおるので、身体を冷やさないことが大切です。
寒い冬だけでなく、夏でも冷房で身体を冷やさないように上着やひざかけなど用意してください。冷え対策は念入りに行いましょう。
フルーツの糖分が子宮筋腫に効く、悪いなどの情報がありますが、それよりも子宮筋腫の症状で1番心配なのが、過多月経による貧血です。鉄は赤血球のなかのヘモグロビンの成分で、呼吸で取り込まれた酸素と結びつき体のすみずみまで酸素を届ける役割を果たしています。
鉄が不足すると、体は酸欠を起こします。
貧血を予防するタメには、
- ヘム鉄の多い食品を取る
- 非ヘム鉄はビタミンCと組み合わせる
- たんぱく質を一緒に取る
の3つが重要です。
成人女性月経時の1日の推奨量10・5mg(月経がない場合は6・5mg)
■ヘム鉄を多く含む食品
【肉類/100g当たりの含有量】
豚レバー13mg、鶏レバー9mg、牛レバー4mg.
【魚類/100g当たりの含有量】
あさり水煮缶37・8mg、あさりつくだ煮18・8mg、干しエビ15・1mg.
■非ヘム鉄を多く含む食品
【野菜・その他/100g当たりの含有量】
大豆9・4mg、小麦胚芽9・4mg、パセリ7・5mg
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子宮筋腫を漢方で治す、自分で治す、自然に治す方法や筋腫を小さくするツボ、運動などいろいろな治療法が紹介されていますが、漢方薬を用いて、筋腫が小さくなったというデータがあります。
筋腫が小さくなった例は、誰にでも当てはまることではありませんが、漢方で月経過多、月経痛の症状を緩和する効果があります。
例えば、ホルモン剤治療で起こる副作用の症状を軽減する役目を期待できる場合などがあります。漢方薬のみの薬物療法ではなく、ふだんの治療と併用して用いることが望ましいといえるでしょう。
ただ、漢方は自己判断での服用は危険なタメ、絶対に避けてください。治療のひとつとして用いたい時は、必ず主治医に相談してください。
体力や症状、体質によって、処方してもらうことが肝要です。
漢方医学では、子宮筋腫を悪血、水毒と考えます。悪血とは、老廃物の血液が体の中にたまる状態のことで、水毒とは、体内の水分の代謝障害のことです。
漢方薬は、血液の循環を良くする、鎮静作用、冷え性、貧血治療の効果を期待して処方されます。筋腫を小さくするタメに服用するわけではないこと、西洋薬と違い即効性を求めるものではありません。
また、効果が出るのに3カ月から半年は必要とされています。根気よく服用してください。
漢方というと保険が効かず高価なイメージがありますが、多くの漢方エキス剤が出ており、保険適用のものが多くあります。それらは、比較的安価に求めることができます。
ただ、漢方専門の薬局では、保険の適用外の場合があります。
漢方というと、副作用のないイメージですが、生薬ですので胃に負担がかかり胃炎を起こすことがあります。
また、味や香りが独特なので吐き気がすることもあります。
まれに、肝障害の報告があります。
かえって不調になった場合は、すみやかに使用を中止して医師や薬剤師に相談してください。
子宮筋腫の治療方法~薬物療法や手術~に関する基本情報を詳しく解説します。一般的な経過観察や鎮痛剤の対症療法。ホルモン療法や手術の内容など、情報をまとめて掲載しています。