病気との付き合い方

子宮筋腫の病気との付き合い方に関する基本情報

子宮筋腫になってしまったとき、よく知らない病気は正直不安になります。子宮筋腫とはどういった病気なのか?病気との付き合い方は?少しでも不安が解消されるように詳しく解説しています。

子宮筋腫という病気は、成人女性の4人~5人(年代により)に一人の割合で発症すると言われている病気です。より身近な「風邪」でさえ、年齢を重ねたご老人の世代は、時に肺炎などを患い、命にかかわる可能性もやはり華麗によって高まる場合もあります。子宮筋腫という病気とはどのように接していくべきなのでしょうか。子宮筋腫との付き合い方について解説します。

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子宮筋腫についての基本的なこと

まずは、子宮筋腫の付き合い方を知る上で基本的なことをいくつか解説しておきます。

子宮筋腫の発見

子宮筋腫という病気は、実は初期の段階では自覚症状が殆ど無いというケースが多いです。そのため、子宮筋腫を自覚して婦人科で検査を受け、子宮筋腫であると診断されるよりも、健康診断や別の病気だと判断して検査を受けた結果、子宮筋腫であると判明することのほうが多いと言えます。

子宮筋腫であると判明したらすぐに治療が必要?

もし何らかの理由で自分が子宮筋腫であると判明した場合、すぐに治療が必要になるのでしょうか。必ずしも手術の必要性があるわけではありません。

  • 子宮筋腫は経過観察することも多い

子宮筋腫であると診断された場合でも、たちどころに治療を必要としないケースも多いです。この場合、経過観察によって定期的に検査を受け、筋腫の状態やその他の症状等を総合的に判断し、必要に応じて治療を行います。

子宮筋腫の種類

子宮筋腫という病気は、良性腫瘍が子宮のどこに発生したかによって細かい名称が異なります。

  • 体部筋腫

体部筋腫は、子宮の内部に筋腫が発生するタイプです。さらに細かく「筋層内筋腫」「漿膜下筋腫」「粘膜下筋腫」に分けることができます。

  • 頸部筋腫

頸部筋腫は、子宮頸部(子宮の入り口に相当する部分)に筋腫ができるタイプです。発症割合は体部筋腫ほど多くないのですが、症状が深刻化するケースも多く見られます。

高齢女性と子宮筋腫

高齢な女性で子宮筋腫を疑うような場合、「子宮肉腫」である可能性が高くなります。

  • 子宮肉腫とは?

子宮肉腫は、子宮内に発生した悪性腫瘍の一種です。「壁内子宮平滑筋肉腫」など細かく名称が異なりますが、一般的には若い人よりも年齢を重ねた人のほうが発症しやすいとされています。

  • 子宮筋腫と閉経後

女性が閉経を迎えるのは、平均すると50代が多いです。子宮筋腫は閉経後、徐々に小さくなると言われています。これは、子宮筋腫の成長に女性ホルモンが関わっているとされていることに関係し、60代ともなれば既に子宮筋腫の成長はあまり考えられません。

そのため、閉経後に大きくなる場合は、子宮筋腫ではなく子宮肉腫である可能性が高いかもしれません。

子宮筋腫の経過観察

子宮筋腫であると診断されても、特定の治療を施すこと無く経過観察を選択することもあります。では、どういった場合であれば経過観察になるのでしょうか?

基本は「子宮筋腫の症状の有無」

検査して子宮筋腫であると診断された時点で、何らかの自覚症状があるかどうかが治療の必要性を左右する大きなポイントです。前述の通り子宮筋腫は初期の段階であれば無症状であることが多く、生活に悪影響を及ぼすようなケースでなければ積極的にこれを治療しない選択肢をとる事が多いようです。

  • 子宮筋腫の症状

子宮筋腫の症状は、子宮筋腫の発生部位やその大きさによって自覚症状が異なります。多く見られる症状としては、「過多月経」「月経困難症」「不妊」「貧血」などが挙げられます。

また、筋腫の位置や大きさによっては、他の臓器を圧迫する可能性があります。例えば、膀胱を圧迫している場合は「頻尿」や「尿閉」などの排尿関係の症状を呈する可能性があります。

高齢の場合も経過観察に留める事が多い

また、前述の通り「閉経後は子宮筋腫は萎縮する傾向にある」という理由から、閉経を迎える年齢になっている場合も経過観察に留めるケースが多く見られています。

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子宮筋腫の治療

子宮筋腫は、それが直接命にかかわるケースは少ないです。しかし、筋腫が大きくなるにつれて何らかの症状が発生するリスクは高まります。その場合、積極的に子宮筋腫を治療する必要があります。

民間的な方法で子宮筋腫は小さくできる?

手術や医薬品に頼ること無く、日常生活の見直しなど身近な方法で子宮筋腫を改善し、治療すること無く子宮筋腫と付き合っていくことはできるのかお悩みの人も少なくありません。しかし、子宮筋腫は自然に治ることはあまり考えられません。

閉経後は女性ホルモン減少の影響で徐々に萎縮する傾向にありますが、閉経を迎える年齢まで長い時間がある場合だと、閉経を迎える前に何らかの症状に悩まされる可能性が高くなります。

子宮筋腫を治すためには手術を必要とする

子宮筋腫を治療する方法は、基本的に「手術」を行う必要があります。ホルモン療法によって子宮筋腫を小さくすることも可能ですが、これは6ヶ月までしか継続できず、それまでに閉経を迎える場合でなければ手術前に併用するという利用法が多いです。根本的な治療法は、手術に限定されます。

  • 子宮を摘出しなければならない?

子宮筋腫の手術で多くの女性が気にしているポイントは「子宮全摘の必要性」です。子宮筋腫は大きく分けて「子宮全摘出術」と「子宮筋腫核出術」の2つに分けられます。前者は子宮ごと、後者は子宮筋腫のみ取り除きます。

全摘の場合、子宮筋腫の再発のリスクはなくなりますが、妊娠できなくなります。子宮筋腫のみ取り除く場合は以後も妊娠は可能ですが、再発のリスクを残したままになります。基本的に、手術後も妊娠を希望するか否かで、手術の内容を決めることになります。

まとめ

子宮筋腫は直接命にかかわることは少ないとは言え、一生付き合っていけるかどうかは定かではありません。4~5人に1人は子宮筋腫を患うとは言え、その全員が手術を受けたというわけでもなく、不妊に影響があるといわれていますが、絶対に妊娠できないわけでもありません。ですが日常生活に支障をきたすほど自覚症状があれば、治療が必要になります。

検査で子宮筋腫であると診断された場合は、担当医としっかり話し合いをすることをお勧めします。人によっては、あまり担当医と話し合わずに手術を受けたことを後悔していることもあります。女性の健康や妊娠にも関係することですから、その付き合い方は専門家である医師と相談した上で決める必要があります。

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