病気との付き合い方

喘息の病気との付き合い方についての基本情報

喘息は、一度発症すると完治が難しい病気であるとされています。しかし、厚生労働省の調査によると、喘息患者数じたいは、過去と変わりはありませんが、近年では喘息で入院する方や亡くなる方の数は確実に減少傾向にあります。

これは、現在の喘息治療における治療法が確立されたことと、現代の医学が進歩しているからであると考えられます。

喘息は、正しい治療法を継続しながら上手に付き合うことで怖い病気とはなり得なくなっているのです。
ここでは、喘息との付き合い方について解説したいと思います。
  1. 喘息と仕事
  2. 「喘息とは何か?」を理解することが重要
  3. まとめ

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喘息と仕事

喘息は、風邪症状に似た症状が現れることから、自身が喘息ではないなどと取り違えてしまうことも少なくありません。

喘息の主な症状
喘息では、主に以下の症状を呈します。

  • 喘鳴「ゼーゼー」「ヒューヒュー」がする
  • 呼吸困難(息苦しさ)を感じる
  • 話をすることや歩くことが難しくなる
  • 爪や唇の色が青紫になる
  • 咳止めが効かないほど激しい咳発作が出る
  • 強い胸痛があり、気道が晴れぼったく痛みを伴う
  • 白色透明な粘りのある痰が出る
  • 過労が続き息切れする
  • 喉がむずむずしたりイガイガして息苦しい感じがする

など、様々な症状が出ます。
重症で不安定になると、チアノーゼや意識障害を起こし、喘息死に至ることがある為、自身の喘息の症状には十分注意が必要です。

また、喘息は、普通の風邪症状と似ていることもあり、単なる風邪であると自己判断してしまいがちです。
その為、喘息の症状であると思われる症状が出た場合は、早急に医療機関を受診するようにしてください。

喘息であると気が付かいない人が多い
大人も子供も、気管支に炎症があり、息苦しさを感じながらもその状態に慣れてしまうことで本人は喘息であると気付かない場合もあります。

このような状態で医療機関を受診すると、気管支の炎症が確認され、初めて喘息であると診断されるケースもあります。

しかし、仕事、家事や育児などといった日々の忙しさから、このような症状に気付かずに過ごすことで、運良く喘息発作が出ずにいるという方も少なくありません。

その場合、いつ、どこでいきなり発作に見舞われるかが分かりません。気管支の炎症が長期間続く方は、特に注意が必要です。気管支の炎症は、中発作や大発作に繋がる可能性が高く、発作が発生すると激しい咳喘息で呼吸困難となる為、早急に適切な処置が必要となります。発作がおさまり安静にしていても、発作後に体力消耗・体力低下が起こり、体がだるいと感じるなど辛い状態が続く傾向にあります。

喘息は徐々に症状が重くなる
喘息や気管支喘息の症状が軽度~であれば、まずは安静を保ってください。数分~30分安静にしていても症状が快方に向かわず悪化する場合は、医師から処方されている発作治療薬を服用しましょう。

内服薬や吸入薬を服用して症状が治まれば、そのまま安静を保ってください。
安静度に関わらず、それでも症状がおさまらない場合は、再度、発作治療薬を服用し、それでも症状が快方に向かわない場合は医療機関を受診しましょう。

ただし、1回目または2回目で喘息症状が治まり、安静期間を経ても、数日間は通常の管理薬に加え、発作治療薬の服用を行いましょう。症状が重度であると判断される場合は、すぐに発作治療薬を服用し、場合によっては救急車で医療機関へ搬送依頼してください。なぜなら、その理由は、喘息は軽視すると死亡に繋がる大変危険な病気である為、適切な判断が必要だからです。

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「喘息とは何か?」を理解することが重要

喘息を患いながらも仕事を両立させる為には、喘息がどのような病気であるかを自分と周囲が理解することが重要です。

喘息は症状緩和で寛解を維持する病気
喘息は、罹患してしまうと完治する病気ではありません。子供の場合は大人になるにつれ、症状が出ず、寛解状態を維持したまま過ごせるという形で移行する確率が高いです。しかし、大人の場合は、成人喘息に罹患すると、その後は適切な喘息治療を行い、発作が出ないよう症状緩和の為に喘息をコントロールし、寛解を維持しなければなりません。

喘息は、「完治」ではなく「寛解」という呼び方をします。
喘息の症状のある方は、まず、呼吸器内科(アレルギー科)を受診してください。

喘息と診断されたら会社に報告を
喘息と診断された場合、業務遂行にあたり、喘息であることが支障を来す場合は、自身の病気について報告する必要があります。もしも、業務遂行に支障がない場合は報告は必要ないでしょう。

病気により業務遂行に支障がある場合は、報告しなければなりません。まったく支障がない場合は、必要ないと思います。
上司としては、どの程度の支障がでるのか、どのような配慮が必要なのか、回復の見込みについて、などを把握しなければ上司としての仕事ができません。

理解のある上司に相談を
喘息という病気が、どの程度業務に支障が生じるか、また、万一の場合にどのような配慮を行う必要があるのかなど、詳細を知っておかなければならないことも多々あります。その為、自身の病気については、まずは理解のある上司に相談してみるようにしましょう。

まとめ

喘息は、軽症であれば内服薬や吸入薬によって喘息症状を緩和させることができますが、重症の場合は命を脅かす可能性が高い為、仕事等を行う中でも十分に注意しなければなりません。

周囲に喘息という病気に理解を持ってもらえるよう、あなた自身も、日常生活において喘息発作が発症しないようコントロールを行い、少しでも体調変化を感じた場合は早めに呼吸器内科(アレルギー科)を受診するようにしましょう。

喘息の疫学データに関する詳しい解説はこちら

喘息の小児~成人・病気に関する疫学データ基本情報を掲載。気管支喘息の患者数の推移。増加に関すること。厚生労働省が発表している情報、ガイドラインなどわかりやすくまとめています。

喘息の小児~成人・病気に関する疫学データ基本情報

参考サイト:リンク1リンク2
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