アトピーの診断基準は?受診・検査・診断までのプロセスを解説!

アトピー(アトピー性皮膚炎)は一般的な皮膚炎と何が違うのでしょうか?
誰もが一度は耳にしたことがある症状ですが、違いについて詳しく知っている方は少ないと思います。

今回はアトピーの疑いがあり病院へ受診、そして検査~診断までのプロセスと診断基準について詳しく解説しましょう。
  1. アトピー性皮膚炎の定義
  2. アトピー性皮膚炎と診断されるまでのプロセス!検査方法は?
  3. アトピーと診断されたらどうするの?
  4. まとめ
アトピーの治験・臨床試験(新しい治療薬)情報はこちら
お近くの治験情報を全国から検索できます。

アトピー性皮膚炎の定義

そもそも、アトピー性皮膚炎と診断基準にはどんな症状があるのでしょうか?
日本皮膚科学会のガイドラインでは、

『増悪・寛解を繰り返す、瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くは アトピー素因を持つ』

引用

と、掲載されています。

これをわかりやすい言葉に置き換えると、

「かゆみのある湿疹が良くなったり悪化したりを繰り返す症状がアトピー性皮膚炎であり、患者のほとんどは、アトピーになりやすい要素を持っている」

ということになります。

アトピー要素とは、血縁者(家族)や患者本人の既往歴に

  • 気管支喘息
  • アレルギー性鼻炎
  • 結膜炎
  • アトピー性皮膚炎
  • 複数の疾患

があること。
または、免疫と深く関わりのあるタンパク質『IgE抗体』を生産しやすい体質を指します。

アトピー性皮膚炎と診断されるまでのプロセス!検査方法は?

アトピー性皮膚炎かどうかを確かめたり、原因を追求したりするには医療機関で診察と検査を受けなければなりません。
症状や病院の方針によって、異なる部分はありますが、一般的な診断・検査内容について説明します。

アトピーの検査内容は?

問診
はじめに行われるのが問診です。

  • 「どういうときに痒みや湿疹が生じるか?」
  • 「花粉やアレルギーの症状があるか?」
  • 「血縁者にアレルギー体質の人がいるのか?」
  • 「痒みが発症しやすい季節があるか?」

医師はアトピーの症状や原因を特定するために、このような質問をします。
気になる症状などをメモして受診すると良いでしょう。

適切な治療法を発見するための判断材料にもなります。

医学的な検査方法
アトピーの疑いがあった場合、主に3つの検査方法を用いて診断していきます。

【血液検査】
血液を採取して、アトピーを発症する原因を探します。

好酸球の数
アトピー患者はこの数が多いと言われています。

IgE値
免疫と深く関わりのあるタンパク質『IgE抗体』が増加傾向にあります。

特異的IgE値
原因物質と疑われるものに対して、アレルギーがあるかないかを診断するための指数。

TARC
アトピーの症状があると、上昇する数値で体内にて作られるタンパク質の一種です。

【皮膚検査】
皮膚に直接、疑われるアレルギー物質をつけて反応を見る検査です。

パッチテスト
アレルギー物質を皮膚に貼り付けて反応を見る検査。

スクラッチテスト
針で皮膚を少しだけひっかけ、疑いのあるアレルギー物質をたらしていきます。
10~15分後に湿疹が出たり、赤くなったりするとそのアレルギー物質が原因だと考えてます。

【負荷試験】
原因と憶測されたアレルギー物質を摂取して反応が出るかどうか観察する検査

アトピー性皮膚炎は問診、血液検査、皮膚検査、負荷検査などを行いながら、診断。そしてこれからの治療方針を決めていきます。
皮膚検査や負荷検査では実際にアレルギーが疑われる物質を用いて行うので、必ず医療機関での検査を心がけましょう。
同じ症状であっても、原因となるアレルギー物質は人それぞれ異なるため、患者さんひとりひとりに合った治療を判断するためにも重要な役割といえますよね。

アトピーの治験・臨床試験(新しい治療薬)情報はこちら
お近くの治験情報を全国から検索できます。

アトピーと診断されたらどうするの?

この診断プロセスを経て、アトピー性皮膚炎と診断されたあと、どうすればいいのでしょうか?

診断を受けた後、「アレルギーとどうやって付き合っていけばいいのだろうか」と不安になる患者さん、または患者さんのご家族も多いと思いますが、アレルギーの反応は環境、年齢によって変化していきます。
また、アトピー症状も良くなったり、悪くなったりを繰り返しますが、赤ちゃんや子どものアトピーの多くが年齢とともに改善されていくと言われているのです。

アトピーの治療薬といえば、『ステロイド外用薬』のイメージが強かったものの、近年はステロイド以外の治療薬を用いって治療を行うことも珍しくはありません。
そして、薬物治療だけでなく生活習慣などの面から適切な治療を受けましょう。

そして、症状にもムラがあるアトピーと上手に付き合っていくためには、定期的な検査を受けることをオススメします。

定期的な検査は、反応しているアレルギー物質が環境や季節的なものという可能性もあるので、そのときどきに合った改善策を探る手段にもなるのです。

まとめ

アトピー性皮膚炎はさまざまな原因が考えられますが、適切な治療を受けるためには自己判断だけでなく、医療機関の受診が必要となります。
また、なかなか改善されない場合は、セカンドオピニオンを受診を検討しても良いでしょう。
さまざまな情報が飛び交っていますが、いちばん重要なのは適切は診断の元、適切な治療を受けること。
気がかりな症状があるのならば、早期発見、早期治療のために早めの受診を心がけてくださいね。

アトピーの予防方法に関する詳しい解説はこちら

症状が繰り返したり、発症原因も人それぞれなアトピー性皮膚炎。赤ちゃんや子どもだけでなく、大人もその症状に悩んでいる方がいます。そんなアトピー性皮膚炎を予防するにはどうすればいいのでしょうか?予防の基本的な情報と、大人・赤ちゃん別にその方法をご紹介したいと思います。

アトピー性皮膚炎の予防方法について【大人・赤ちゃん別に予防策を紹介】

参考サイト:リンク先
SMTによる記事情報は、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。
病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。