
アトピー性皮膚炎は医療控除の対象になるの?アトピーの医療助成制度について
大人も子どもも発症する可能性があるアトピー性皮膚炎は症状が改善されたり悪化したりという特徴があります。
治療も長期化しやすいため、アトピー患者さん本人、または家族の方は治療にかかる費用に不安を抱えているのではないでしょうか?


アトピー性皮膚炎の治療にはどれくらいの費用がかかるの?
まず治療を受けるうえで心得ておきたいポイントが3点。
- アトピーの症状、原因は人によって異なるため、治療法もさまざまである
- 症状がよくなったり、悪くなったりを繰り返す特徴があるので通院期間、費用が一概に言えない
- 治療法によって医療助成の対象となったり、対象外となったりする
アトピー治療は薬物治療だけでなく食事や生活習慣からも行います。
医師の診察や処方箋については健康保険が適用となるので、3割負担であったり、お子さんの場合は地方自治体が行う子ども医療費助成制度によって、一回の受診でかかる自己負担額は一律●●円とされていたりします。※子ども医療費助成制度についてはお住いの窓口で確認しましょう。
しかし、いくらアトピーの治療を目的として購入しても、
- アトピー治療の一貫として、医薬品外の石鹸を購入した
- ダニを予防するために、カーペットや布団を新調した
- 食事療法のため、自然食などの食材を購入した
- スキンケアで治療するため、化粧品や市販のクリームを購入した
これらの品は日用品とみなされ、対象外となってしまいます。
ただし、病院で処方された薬以外であっても
- 医薬品に指定される軟膏
- 医薬品に指定される痒み緩和クリーム
- 入院時、医師に指示され購入したカーゼなど
これらは確定申告時に医療控除の対象となるので、購入したことがわかるようレシートなどを保管しておきましょう。
それでは、次にアトピー治療を行っている患者さんの治療費を参考までに紹介します
※アトピーの治療費・治療は症状によって異なり一概には言えません。ここでは寄せられた体験談をモデルケースとして掲載しています。
1歳児でアトピー性皮膚炎の治療を受けるAさんのケース
治療の現状について
- 月に2回の受診で処方箋(軟膏)をもらう。
- アトピーの範囲が狭いため、2週間に1本程度
- 子ども医療費助成制度があるため、1回の受診で一律500円
Aさんの体験談口コミ
私が住んでいる地域は、子どもが病院にかかった際、自己負担額の上限が500円です。
そのため、月に2回、1000円程度が治療費となります。
ただ、おむつをオーガニックのもの(一般的なおむつより500円ほど高い)にしているので、そういう点を含めれば月5000円くらいになっていると思います。
20歳男性・Bさんのケース
治療の現状について
- 月に1~2回の受診で処方箋(軟膏)をもらう。
- 炎症範囲は広範囲となる
- 健康保険に加入。自己負担額は3割
Bさんの体験談口コミ
会社の健康保険に加入しているので、窓口負担額は3割です。
月に1~2回の通院ですが、抗ヒスタミン系の内服薬とステロイド軟膏を処方してもらっており、炎症も広範囲となるので処方箋代は高いなと感じます。
診察費と薬代を3割負担で自己負担額は1回につき5,000円くらいになっています。
季節によってアトピー性皮膚炎の症状が異なる18歳女性・Cさん
治療の現状について
- 普段は月に1度程度。花粉の季節になると悪化するため、春は月に2度の通院
- 健康保険に加入。自己負担額は3割
- 自然食材などを購入している
Cさんの体験談口コミ
冬はまったく受診しなくても問題ないこともあります。ただ花粉にアレルギー反応があるため、春になると月2回は通院しています。
ステロイド軟膏を処方してもらうので、1回の自己負担額は3,800円くらい。
また、日頃から自然食材を購入したり、スキンケアにも気を使ったりしているので、化粧品やクリーム代はかかっています。

アトピー性皮膚炎の医療助成制度
残念ながら、アトピー性皮膚炎の医療助成制度は、現段階で特化した制度が存在しません。
ただし、アトピー性皮膚炎であっても対象となる医療助成制度があるのでご紹介しましょう。
高額医療費制度
同一月(1日から末まで)に支払った医療費で、自己負担額限度額を超えたときに申請する制度です。限度額を超えた分が払い戻されます。
この制度は患者自らで申請を行い、保険適用外となる医療費には適用されません。
また、所得などに応じて対象となるかもかわってくるので、事前に窓口で確認しておきましょう。
医療費控除
患者・または生計を共にする家族が、毎年1月1~12月31日までに支払った医療費を所得税から控除する制度。
対象となるのは指定の医薬品。医薬品外であっても入院時に医師の指導を受け、治療に必要とされた品(ガーゼや鼻吸い器)も対象となるケースがあります。
こちらも高額医療費制度と同じく、自ら申請を行うものです。
まとめ
2018年現在では、アトピー性皮膚炎に特化した医療助成はありません。
東京都が行う大気汚染医療費助成でも、アトピーは対象外となる疾患とされているのです。
しかし、高額医療費制度や医療費控除などを上手に活用したり、お子さんの場合は地方自治体が行う助成を把握したりすることで、自己負担額も抑えられます。
アトピーの治療において、どんな治療が対象となるのか?
どんな医療制度があるのか?
病院や地域の窓口で確認しながら、負担の少ない治療を心がけてみましょう。

アトピーと診断されたとき、どんな印象を受けたでしょうか?
これから治療していくうえで、またアトピーを改善するために重要となるのがアトピーとうまく付き合っていくこと。この記事ではアトピー患者さんの不安や疑問を元に、アトピーとうまく付き合っていく方法についてご紹介します。