病気の予防法

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの予防方法

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの発症年齢は2~3歳の幼児期で、初期症状は転びやすい等の運動障害から発見されます。進行が早く、全身に機能障害や合併症を引き起こし、重症化しやすいという特徴があります。

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの予防方法はあるのでしょうか。詳しく解説いたします。

  1. デュシェンヌ型筋ジストロフィーの原因は?
  2. デュシェンヌ型筋ジストロフィーの予防について
  3. デュシェンヌ型筋ジストロフィーを疑う3つの状況
  4. まとめ

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの原因は?

デュシェンヌ型筋ジストロフィー予防方法について知るためには、疾患の原因を知る必要があります。

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの原因
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、筋肉の組織が徐々に壊死と再生を繰り返して壊れていき、筋力が低下してしていく病気です。筋力が低下することで、全身に様々な症状を引
き起こします。
筋力が低下する原因は、遺伝子の変異です。ジストロフィンと呼ばれる筋肉の細胞を作るタンパク質の遺伝子が変異することで起こるのです。

ほとんど男性にしか発症しない原因
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、ほとんど男性にしか発症しません。デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、変異した遺伝子を親から受け継ぐことで発症します。
変異した遺伝子は、X染色体上に保有されますが、男性のX染色体が1本しかないのです。
女性はX染色体が2本あるため、片方のX染色体に変異した遺伝子が保有されても、もう片方が正常であれば異常な部分が補われるのです。
そのため、変異した遺伝子を持っていても、発症しないのです。保因者と呼ばれています。
しかし、保因者の一部には、成人以降に進行性の筋力低下や心筋症を呈する場合があります。

突然変異もある
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの遺伝子変異は、親から受け継ぐ場合と、突然変異することがあります。
男性には遺伝子の変異が偶然起こることがあり、自然変異と考えられています。

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの予防について

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの予防方法は、残念ながら現在のところありません。デュシェンヌ型筋ジストロフィーの原因が、変異した遺伝子を受け継ぐことや、遺伝子が突然変異することにあるからです。
ですので、デュシェンヌ型筋ジストロフィーが疑われる場合は、すみやかに病院へ行くことが大切です。

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療は、進行を遅らすことや対症療法が主になってきます。
病状は、時間の経過とともに変化していきます。病状が進行していく病期(ステージ)があるのです。
ある特定の時期に推奨されている治療法や処置法があるので、医師などの医療関係者と連携して治療を進めていく必要があります。

そのためには、早期発見が重要になってくるのです。適切な治療が、寿命を延ばすことにつながるからです。

デュシェンヌ型筋ジストロフィーを疑う3つの状況

デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、症状が無い時期があります。
歩行開始や言語が多少遅れても、成長には個人差があることから、見過ごされる傾向にあります。では、どんなことからデュシェンヌ型筋ジストロフィーを疑うきっかけとなるのでしょうか。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーを疑うきっかけとなる3つの状況があります。

筋肉機能に問題がある
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの子どもは、同じ年齢の子どもより歩き始めるのが遅いです。ふくらはぎがシシャモのように太くなり、仮性肥大と呼ばれています。走る、跳ねる、階段を昇る動作も困難です。転びやすく、つま先で歩く特徴があります。ガワーズ徴候といって、膝に手をつかないと立ち上がれないのです。これは、腰や太ももの筋力が弱いことが原因になっているのです。

クレアチンキナーゼ(CK)の値が高い
クレアチンキナーゼの値は血液検査で分かります。クレアチンキナーゼはタンパク質です。クレアチンキナーゼの値が高い場合は、筋疾患が疑われます。クレアチンキナーゼの値が高い事が分かれば、すぐに神経筋疾患の専門医を紹介してもらう必要があります。

ASTとALTの値が高い
ASTとALTは肝酵素です。血液検査で分かります。肝酵素の値が高いと肝障害の可能性もありますが、ASTとALTは筋繊維にも含まれるので、筋ジストロフィーでも上昇することがあるのです。他の原因が見当たらないのに、ASTとALTの値が高い場合は、筋ジストロフィーの可能性があるといえます。

上記3つはデュシェンヌ型筋ジストロフィーを疑うきっかけになるものですが、デュシェンヌ型筋ジストロフィーと診断するには遺伝子検査や筋生検などの様々な検査が必要になります。

まとめ

筋ジストロフィーには、ベッカー型筋ジストロフィーのように比較的症状が軽いものから、デュシェンヌ型筋ジストロフィーのように重症化するものまで、様々な種類があります。
どの筋ジストロフィーでも、早期発見することが大切です。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの原因が遺伝子の変異や突然変異も含まれているので、予防することは困難ですが、疾患の早期発見によって、進行を遅らせる、これから起こる症状を予測して、前もってケアすることができるようになるのです。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーが疑われる場合は、早めに専門医療機関を受診することが大切です。

デュシェンヌ型筋ジストロフィーに良い食事に関する詳しい解説はこちら

デュシェンヌ型筋ジストロフィーの栄養管理は治療の基礎となる重要な部分の一つとも言われています。主に遺伝によって発症しますが、どういったものが体に良いと考えられているのか?解説しています。

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参考サイト:リンク1リンク2
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