子宮内膜症の予防方法に関連する基本情報
子宮内膜症の原因は?
予防方法を知るためには、子宮内膜症がどのような原因で発症するかについて知る必要があります。
子宮内膜症の原因は不明
子宮内膜症の研究は進められていますが、現時点では明確な理由は不明です。一応、以下の内容が子宮内膜症の原因ではないかと言われています。
血液が逆流する
これは「移植説」と呼ばれている仮説です。子宮内で剥がれ落ちた子宮内膜が、経血として排出されずに卵管のほうに逆流して留まってしまうという仮説です。実際に卵巣に子宮内膜症が発症してチョコレート嚢胞を形成するため、説得力はあります。しかしなぜ逆流するのか、そもそも誰もが子宮内膜症を患うわけではないので逆流するメカニズムについて明確ではないといった反論もあります。
別の組織が子宮内膜に変化する
他の仮説としては「化成説」が挙げられます。これは、腹膜や卵巣の一部が何らかの原因で子宮内膜のような組織に変化してしまうというメカニズムです。子宮内膜の逆流では説明できない子宮内膜症もこれなら説明できますが、やはりそもそも何を理由として子宮内膜に変化するのか、発症しない人との違いについても説明できないなど、明確な発症原因としては説得力に欠けます。
明確な原因は未解明
これ以外にも、いくつかの仮説が発表されていますが、やはり発症する人としない人の違いなどが説明できないため、明確は発症原因とはなっていません。ただし、子宮内膜症は「生理がある女性」のみ発症しており、初潮前および閉経後は子宮内膜症を発症しない、および閉経後は自然治癒していくといったことは判っています。他にも生理周期に伴って症状が悪化していくというメカニズムについても判明していますが、明確な予防法が確立するにはまだまだ時間が必要なようです。
子宮内膜症の悪化を予防する方法
子宮内膜症とは、明確な予防法が確立していない病気です。しかし、発症後にその症状の進行を予防する方法がいくつか提唱されています。
食事で改善を
私達の体を作っているのは何よりも「食事」です。子宮内膜症についても、食事によってその症状を改善できる可能性がある内容が提唱されています。例えば抗酸化作用のある食べ物や飲み物は、子宮内膜症にとってデメリットになる活性酸素を除去できます。また、動物性脂肪やグルテンの摂取は子宮内膜症を悪化する可能性がありますので、ヨーグルトや麦製品は避けることをお勧めします。
民間療法では完治しない
他にも、子宮内膜症に効果のあるツボや運動が勧められていますが、こうした非医学的な方法では子宮内膜症を完治させることはできません。特に閉経までまだ時間があるという女性の場合、こうした方法で閉経までの時間稼ぎをすることは難しいです。
子宮内膜症の治療法は、薬物療法と手術療法に大別されます。再発を予防する根治治療は子宮と卵巣を取り除く手術のみとなります。ですが治療後も妊娠を希望する場合、病巣部のみを除去する手術や、薬物で一時的に症状を緩和するといった方法が選択されます。
子宮内膜症の症状チェック
生理痛と混同されやすい子宮内膜症は、きちんと検査しないと発見が難しいです。しかし、子宮内膜症の症状として知られているものがありますので、これを利用して子宮内膜症を早期に発見する手立てになる可能性があります。
子宮内膜症かも?症状チェックシート
子宮内膜症で見られるのは、主に以下の症状です。該当項目が多い場合は、早めに婦人科を受診してください。
- 生理痛が重くなった
- 生理痛ではなく下腹部が痛む
- 経血量が増えた
- 不正出血
- 経血がレバー状の塊を生じる
- 排便痛
- 性交時に痛みがある
- 不妊
- 生理前後1週間ずつ程度の腹部の張り
厄介なのは、これが子宮内膜症に固有の症状ではないということです。ストレスなどでホルモンバランスが乱れ、生理痛が重くなってしまった場合でもこれらの症状は発症します。ですが、「生理痛が重くなったかも?」と思ったら、婦人科を受診する目安にはなります。
まとめ
このように、正確な原因が未解明な子宮筋腫は、完全に予防することが困難となっています。症状の再発を予防したい場合、根治手術を受けるしか無く、病巣部を取り除いただけでは症状の再発を防ぐことはできません。もちろん何らかの理由で自然治癒することも無くはありませんが、やはり不明瞭であるためお勧めできません。
いくつか症状の発生を予防できるような民間的な方法もありますが、これでも確実に症状を緩和できるとは限りません。症状の重さや相性の問題もあると思いますので、予防法を実践することで精神的な余裕を生み出すストレス緩和の方法の一種程度に考えてください。子宮内膜症が疑われる、あるいは症状が重い場合は、早めに婦人科を受診してください。
子宮内膜症に良いと考えられる食事に関連する基本情報。病気のときに避けた方が良いと考えられるもの(症状などの緩和)。逆に悪化する可能性が考えられる(冷えなど)食事を解説しています。