疫学データ

肺がんの疫学データについて

タバコと肺がんは深い関係にあるというのはよく知られていますが、実際にどのくらい肺がんを発症するリスクがあるのでしょうか?さらに、肺がんは全体のがんの中でも近年は罹患率が高くなってきている病気でもあります。肺がんの疫学データをもとに肺がんについて考え、発症リスクとなるタバコを吸っている人は禁煙するように心がけましょう。

  1. 平成28年のがん死亡率は「肺がん」がトップ
  2. 男女比率とタバコの関係
  3. 発症しやすい年代と予防
  4. 肺がんにおける生存率
  5. まとめ
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平成28年のがん死亡率は「肺がん」がトップ

平成28年(2016年)に厚生労働省が行った人口動態統計によると、悪性新生物で死亡した人の総数は372,986人。その中で、「気管、気管支及び肺の悪性新生物」が原因となる肺がんは73,838人となっており、がんの中で死亡率がトップだったというテータが発表されています。これは、平成27年(2015年)のデータと比べてもほとんど変わりません。

さらに、男女の内訳は男性が52,430人、女性が21,408人となっており、約2.5倍も男性の方が死亡数は高いことが分かります。部位別死亡数が多い順にみても、男性では肺がんが1位、女性では1位の大腸がんに続いて肺がんが2位になるなど、男女の統計でみると肺がんによる死亡率がトップという結果でした。

2013年の死亡率は、男性の1位が胃がん、女性の1位が乳房がんで男女計の1位が胃がんとなっています。このことから、ここ数年で肺がんで死亡する人の割合が増えていっているということが分かります。

男女比率とタバコの関係

男性の死亡数が高いのは、女性に比べて2倍以上罹患率が高いためです。特に、肺がんの原因となるタバコを吸っている人だと、吸わない人に比べて肺がんを発症する確率が非常に高くなり男性では4.4倍もリスクが高くなります。女性の場合は2.8倍となっており、男性の方が発症リスクが高いことが分かります。さらに肺がんで亡くなる人のうち、男性の40%と女性の5%はタバコが原因です。

一方で、タバコを吸わない人も受動喫煙による肺がん発症のリスクが、受動喫煙のない人に比べ約1.3倍高くなるという研究結果も発表されました。そのため、これまでは肺がん予防として「受動喫煙を”できるだけ”避ける」というガイドラインから、「受動喫煙を避ける」と修正され、受動喫煙防止にも徹底的に力を入れていくという方針に変わってきています。

タバコ意外の原因では、アスベストやクロロメチルエーテル、ヒ素、ラドン、クロム酸、ニッケルなどの有害化学物質を扱う人や大気汚染、慢性閉塞肺疾患(COPD)もあります。

発症しやすい年代と予防

男女ともに40代では、別のがんを発症する割合が高くなっていますが、高齢になるほど肺がん発症率は高くなり、70歳を超えたあたりからぐっと罹患率が高くなっていきます。そのため、肺がん検診を年に1回受けて予防に努めることが大切です。

国の方針では40歳以上からが肺がん検診の対象者となっており、早期発見のために早い段階から検診を受けることが推奨されています。特に、50歳以上で「1日の喫煙本数×喫煙年数」が600を超える人は、喀痰細胞診という精密検査の対象です。

しかし、検診を受けた後や検診を受ける前であっても症状や違和感のある場合は、早めに診察を受けることが大切です。

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肺がんにおける生存率

肺がんは、2016年のがん死亡率においてトップとなっていますが、必ずしも治らないという病気ではありません。早くに肺がんを発見し、がんが進行するまえに治療を受けることができれば完治させることも可能です。

肺がんを治療した場合の統計(2006年~2008年)では、最も軽い状態のステージ1で5年相対生存率は83.3%と高く、次いでステージ2の50.1%、ステージ3の22.4%、ステージ4の4.8%となっています。ただ、最近の調査では、ステージ3でも40%~49%、ステージ4で27%後半と5年生存率は高くなってきており、タバコにおける肺がんリスクの周知や検診の重要性、医学の進歩などにともなって、治療後の予後は長くなりつつあるといえるでしょう。

まとめ

原因不明の病気や発症経緯の分からない病気がある中で、肺がんの多くはタバコが原因です。そのため、禁煙や受動喫煙を避けるなどの対策がとりやすい病気でもあります。タバコを吸っていた人でも、禁煙することによって禁煙後0~4年でタバコを吸う人の3.99倍、禁煙10年~14年で1.87倍、禁煙25年で0.67倍と発症リスクを減らすことができます。肺がん予防のためには、1年でも早く禁煙することが大切です。

肺がんを発症した場合も、治療に向けた計画をしっかりと立てることがモチベーションにつながります。家族や医師などと協力したうえで、セカンドオピニオンを実践したり、家族以外に相談できる相手や話し相手を見つけておくことも重要になってきます。死亡率が高いからとって、完治しない病気というわけではないため前向きに治療に取り組める方法を見つけていきましょう。

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治療をするうえでは、肺がんと向き合っている患者や家族同士で情報を交換することが精神的な支えになってきます。また、肺がん予防の第一歩は「禁煙」です。新しい情報を入手したり、コミュニケーションの場となるようなサイトを紹介するので、ぜひ活用していきましょう。

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