肺がんの一次予防は「禁煙」
肺がんを引き起こす原因として知られているタバコですが、喫煙習慣のある人はタバコを吸わない人に比べると約4~5倍も肺がんにかかるリスクが高まります。その中でも、1日20本以上を吸うヘビースモーカーはタバコを吸わない人と比較するとなんと約10倍も肺がんによる死亡率が高くなっているのです。そのため、肺がんの一次予防ではまず「禁煙すること」が大切です。
さらにタバコを吸わなくても家族内にタバコを吸う人がいる場合は、非喫煙者であっても肺がんを発症するリスクは約2~3倍高くなるといわれています。タバコを吸っている人は自分の肺がん発症のリスクを減らすだけではなく、周囲の人の肺がん発症を予防するためにも禁煙が必要なのです。
禁煙で減る肺がん死亡率
喫煙を続けている場合、禁煙することによって肺がんによる死亡リスクを減らすことができます。
※非喫煙者と比べて約4.7倍肺がん死亡率が高かった場合で比較
- 禁煙して0~4年:約4倍まで下がる(-0.7)
- 禁煙して10~14年:約1.9倍まで下がる(-2.8)
- 禁煙して25年以上:約0.7倍まで下がる(-4)
現在タバコを吸っている場合、禁煙年数が長くなるほど肺がん発症のリスクを減らすことができるため、できるだけ早めに禁煙に取り組むようにしましょう。
肺がんの予防・早期発見につながる「肺がん検診」とは?
肺がんは、日本における「がん」の中で最も死亡率が高い病気です。しかし、進行していない初期の段階でがんを発見することができれば約8割は完治するともいわれています。そのため、肺がん好発時期の50歳よりも早い40歳のうちから肺がん検診を受けることが推奨されています。男女ともに40歳以上が肺がん検診の対象者です。
肺がん検診の内容
- 問診
- 胸部X線検査(胸部レントゲン検査)
- 喀痰検査(喀痰細胞診)
肺がん検診は主にこの3つの検査が行われますが、アスベストやヒ素、クロム酸などを取り扱う職業に就いている人は肺がん発症のハイリスクを抱えているため、胸部CT検査や気管支鏡検査なども同時に行われます。
基本的に、異常がなければ年1回の検診、ハイリスクを抱えている人の場合は年に2回の受診がすすめられています。
肺がんを予防する食べ物は?
不規則な食習慣や偏った食生活は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を招く原因になっていますが、肺がんにおいては食事との関係性はあきらかにされていません。
ただ、禁煙をしている人やがん検診を定期的に受けている人は、意識的に健康管理に気を配っていることが多いため、食生活についてもバランスのいい食事を心がけている可能性は高いといえそうです。
肺がんは運動することで予防できる?
適度な運動は、筋力をアップさせて代謝を高め、血液の流れをよくすることから健康に役立つとされています。その中でも、週に5日以上ウォーキングなどを実施している人は、運動をしていない人に比べて約20%もがん発症のリスクを抑えることができる、といわれています。
まとめ
肺がんを予防するために大切なのは、第一に「禁煙」をすることです。そして40歳を過ぎたら年に1回は必ず肺がん検診を受けるようにしましょう。近年は、「禁煙外来」を設けている病院も多くなってきました。禁煙は”我慢するもの”という意識から、なかなか禁煙できずにいる人も多いですが、そういう人こそ禁煙外来に頼ってみるといいかもしれません。
喫煙習慣がある場合は、タバコの煙で自分以外の周囲の人間の肺がん発症のリスクを高めてしまうため、早いうちに肺がん予防に取り組むことが大切です。
食事は体の資本です。バランスのいい食事を摂るということは健康な体つくりの第一歩です。肺がん予防に禁煙は欠かせませんが、ここでは肺がんに良いといわれている食事の内容について解説していきます。