疾患のセルフチェック法

全身性エリテマトーデス(SLE)とは?こんな症状に注意!セルフチェックについて

全身性エリテマトーデス(SLE)という病名を耳にしたことがあるでしょか?全身性エリテマトーデスは自己免疫疾患であり、膠原病の一種。難病指定されている病気です。

人それぞれ、さまざまな症状があり、まだまだ解明されていない部分が多いのですが、どういう症状があれば全身性エリテマトーデスが疑われるのでしょうか?
今回は全身性エリテマトーデスの基本的な概要と、セルフチェックについてご紹介します。

  1. 若い女性が発症しやすい!?全身性エリテマトーデス(SLE)とは?
  2. 全身性エリテマトーデス(SLE)のセルフチェックについて
  3. まとめ

若い女性が発症しやすい!?全身性エリテマトーデス(SLE)とは?

全身性エリテマトーデスは膠原病(こうげんびょう)の一種で、1万人に1人が発症すると言われています。

発症しやすい年代、性別は20~30代の女性で、その男女比は1:10。

全身性エリテマトーデスの症状は人それぞれであるため、病気の診断もさまざまな角度から慎重に行う必要があるのです。

全身性エリテマトーデス(SLE)のセルフチェックについて

全身性エリテマトーデスは、まだまだ解明されていない部分が多く、その診断も知見がある専門医でなければ難しいと言われています。
現在、全身性エリテマトーデスを診断する際、

  • アメリカリウマチ学会の1982年基準(1997改訂)
  • 2012年SLICC分類基準

この2つの診断、分類基準に基いて診断が行われています。
そんな全身性エリテマトーデスはさまざまな症状、程度がありますが、代表的な症状として知られているのが

  • かゆみのない、蝶のようなかたち(蝶形紅斑)の発疹
  • 指先が白くなるレイノー現象
  • 多関節炎
  • 38~39℃程度の発熱が続く

上記のような症状です。

また、全身性エリテマトーデスの代表的な症状である『蝶形紅斑』は患者の7割に見られると言われています。

このような症状以外にも、臓器障害を発症しやすく、腎炎や腎不全、胸膜炎。
感染症のリスクがアップしたり、出血しやすかったりといった症状も珍しくありません。

全身性エリテマトーデス(SLE)の初期症状からその疑いをセルフチェック
診断が難しいと言われている難病・全身性エリテマトーデス(SLE)ですが、現段階で自宅で行えるようなセルフチェックは存在しません。

症状や病気の程度も異なるため、一概に言い切れない点が多いので、ここでは全身性エリテマトーデス(SLE)の発症に気がつくキッカケとなった『初期症状』の一例を紹介します。

微熱~39℃程度の発熱が長期間続く
微熱や38~39℃程度の発熱が長期間続く症状も、全身性エリテマトーデス(SLE)の初期症状として多くみられます。中には37℃台の微熱が数ヶ月続くケースもあるようです。

全身の疲労感、倦怠感
全身性エリテマトーデスの初期症状と知られている全身の疲労感、倦怠感。
発熱が長期間続くことによって、だるさを感じる人もいれば、
発熱は見られないものの、だるさを感じやすかったり、疲れが抜けにくかったりする人もいらっしゃいます。

皮膚の異常や発疹
皮膚の異常、発疹も、全身性エリテマトーデスの初期段階によく見られる症状です。
紫外線を浴びると、皮膚に水ぶくれができたり、蝶のような形状の蝶形紅斑ができたりなど、皮膚の異常もさまざまです。

紫外線による影響を受けやすい全身性エリテマトーデスは、春先に症状が現れ、病気の発見に至るケースも珍しくはありません。

手や指に痛みや腫れがある(関節炎)
手や指、関節の痛み、腫れなどの関節炎も全身性エリテマトーデスに見られる症状です。
全身性エリテマトーデスはその名の通り、全身に症状が現れると言われています。

ただし、全身性エリテマトーデス(SLE)の症状は初期の段階ですべての症状が発生するわけではありません。また、どういう症状がどのように現れるかは患者さんによって異なります。

しかし、上記であげた初期症状は、多くの患者さんに見られる傾向があり、診断の際の参考にもなっています。

これら以外にも臓器への障害が懸念されているので、皮膚の発疹や全身の倦怠感、関節炎が続くようであれば、医療機関への早期受診をおすすめします。

まとめ

あまり聞き慣れない病気ではあるものの、全身性エリテマトーデス(SLE)は、早期発見・早期治療がカギとなります。

とくに、全身性エリテマトーデスが引き金となって発症する腎臓病の初期症状は非常にわかりにくく、自覚症状がないといわれており、病気を発見したときには、症状が重篤化しているケースも珍しくはありません。

初期段階では生活に支障がない程度で、医療機関への受診を先送りにする方もいらっしゃると思います。

半世紀ほど前には、全身エリテマトーデスを発症すると、5年で5割の患者さんが死亡すると言われていた難病ですが、現在では医学の発展、新薬の登場により、生存率は9割異常と言われています。

症状がわかりにくい臓器への悪影響を食い止めるためにも、気になる部分があればなるべく早めに医療機関へ相談しましょう。

全身性エリテマトーデス(SLE)の診断プロセスに関する詳しい解説はこちら

全身性エリテマトーデスは、代表的な症状に皮膚の発疹や全身倦怠感、長期間の発熱などがあるものの、人によって症状も程度も異なるため、慎重な診断が行われます。
では、全身性エリテマトーデスを診断する基準や検査方法にはどのようなものがあるのでしょうか?この記事では全身性エリテマトーデスの診断プロセスや検査方法について紹介します。

全身性エリテマトーデスの診断基準・検査方法・プロセスについて

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