網膜症予防に適した空腹時血糖カットオフ値を検討 日本人成人2型糖尿病患者を27年間追跡した結果

日本人の成人2型糖尿病患者では、網膜症を予防するためには空腹時血糖(FPG)値を平均で133mg/dL、標準偏差(SD)で25mg/dL以下に、HbA1c値は7.2%以下に保つことが重要となる可能性があると、朝日生命成人病研究所(東京都)糖尿病代謝科の高尾淑子氏らの研究グループが「Diabetes Research and Clinical Practice」4月3日オンライン版に発表した。

同研究所の外来患者を27年間の長期にわたり追跡した結果で、特に若い患者や女性の患者は網膜症リスクが高いことも明らかになった。

これまで多くの横断研究からFPG値の上昇は網膜症をはじめ細小血管合併症のリスク因子であることが報告されているが、どの程度上昇すると合併症リスクが上昇するのかは明らかになっていない。
研究クループは今回、2型糖尿病患者を長期にわたり追跡し、網膜症および進行した網膜症〔重症の非増殖糖尿病網膜症(NPDR)または増殖糖尿病網膜症(PDR)〕の検出に有用な血糖値のカットオフ値とともに、網膜症の発症を予測する血糖値の閾値について検討した。

対象は、1966~1979年に同病院を初診した際に網膜症が認められず、その後も27年間継続して外来受診した2型糖尿病患者170人(平均年齢44.2±8.3歳、男性が113人)。
少なくとも年1回、眼科医の検診を受けて網膜症の有無を判定した。

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27年間の追跡期間中、対象患者のうち67.1%(114人)が網膜症を発症し、このうち27.1%(46人)が進行した網膜症であった。
解析の結果、網膜症の検出に有用な血糖測定値の至適カットオフ値は、FPG値の平均値が133.2 mg/dL、SDが25.2mg/dLで、HbA1c平均値は7.2%であることが分かった。
進行した網膜症の検出に有用な至適カットオフ値はそれぞれ138.6mg/dL、34.2mg/dL、7.5%であった。

また、多変量Cox比例ハザードモデルを用いて、軽度~中等症のNPDR発症リスクと十分位に分けた初診から2年間の平均FPG値との関連を調べた結果、FPG値が上がるほど軽度~中等症のNPDR発症リスクは上昇し、発症リスクはFPG値が第8十分位(124.2 mg/dL以上133.2mg/dL未満)から有意に上昇し、第9十分位(133.2mg/dL以上156.6mg/dL未満)で急激に上昇することが分かった。
さらに、若年と女性は網膜症発症の有意なリスク因子であることも明らかになった。

これらの結果を踏まえて、高尾氏らは「今回の結果で示された成人の2型糖尿病患者における網膜症の検出に有用なFPG値とHbA1c値のカットオフ値は、現行のガイドラインが推奨する値よりもわずかに高値であった。
また、初診後の25年間にわたる網膜症の発症を予測するFPG値の閾値として124mg/dLが適している可能性も示唆された」と結論づけている。

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HealthDay News 2018年4月16日
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