冠動脈プラークの脆弱性と強く関連する血糖変動指標とは? 神戸大の研究グループ

血糖値の変動性は冠動脈疾患(CAD)の発症や進展に影響を及ぼし、血糖変動指標の中でも血糖値の標準偏差(SD)と平均血糖変動幅(MAGE)の増大は冠動脈プラークの脆弱性の予測因子として優れる可能性のあることが、神戸大学大学院糖尿病・内分泌内科学准教授の坂口一彦氏らの検討で分かった。

詳細は「Journal of Diabetes Investigation」9月16日オンライン版に掲載された。

耐糖能異常(IGT)や糖尿病はCADの重要なリスク因子とされ、このCADの発症には血糖値の上昇だけでなく血糖変動も影響を及ぼすと考えられている。
坂口氏らの研究グループはCADと血糖変動指標との関連を調べるため、CAD患者で測定した4つの血糖変動指標とvirtual histology-IVUS(血管内超音波検査)で評価した冠動脈プラークの脆弱性(plaque vulnerability)との関連を調べる後ろ向き観察研究を行った。

対象は、2012年6月~2014年5月に同大学病院に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行のため入院したCAD患者53人(年齢は20~80歳)。
うち8人は正常耐糖能(NGT)で、16人はIGT、29人は糖尿病であった。

対象患者には持続血糖モニタリング(CGM)を3日間以上行い、CGMデータから(1)血糖値のSD、(2)MAGE、(3)1時間ごとのcontinuous overlapping net glycemic action(CONGA-1)、(4)mean of daily differences(MODD;連続した2日間の同時刻の血糖値の変動)の4つの血糖変動係数を求めた。

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また、冠動脈プラークの脆弱性の指標として、virtual histology-IVUSにより冠動脈病変の合計したプラーク体積における壊死した組織塊の割合(percentage necrotic core of total plaque volume;%NC)を算出し、血糖変動係数との関連を調べた。

解析の結果、血糖変動の指標はいずれも冠動脈プラークの脆弱性の指標(%NC)と有意に関連し、相関係数はそれぞれlog血糖値SDが0.593、logMAGEが0.626、logCONGA-1が0.318、logMODDが0.388であった。
線形回帰分析の結果、%NCの決定係数(冠動脈プラークの脆弱性との関連性を表す指標)はMAGEが最も大きく、血糖値SDが続き、これらの値はCONGA-1、MODDよりも大きいことも明らかにされた。

以上の結果から、坂口氏らは「冠動脈プラークの脆弱性を予測する血糖変動指標には、CONGA-1、MODDよりもMAGEと血糖値SDの方が優れる可能性がある。より大規模な前向き研究でNGT、IGTまたは糖尿病患者における血糖変動指標のCADへの影響を検討する必要がある」と述べている。

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HealthDay News 2017年10月23日
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