白内障手術で高齢女性の寿命が延びる?


詳細は「JAMA Ophthalmology」10月26日オンライン版に掲載された。
今回の研究の対象は、米国で実施された女性健康イニシアチブ(Women’s Health Initiative;WHI)に参加した65歳以上の女性のうち白内障と診断された女性7万4,044人(平均年齢70.5歳)。
このうち4万1,735人は白内障手術を受けていた。
人口学的要因や合併症、喫煙、飲酒の有無のほか、BMI(体格指数)、身体活動量などで調整して解析した結果、手術を受けた女性では、手術を受けなかった女性と比べて全死亡リスクが60%低かった。
また、血管疾患や呼吸器疾患、がん、事故、神経疾患、感染症など原因別の死亡リスクも37~69%の低下が認められた。

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この結果を踏まえ、Coleman氏らは「白内障手術を受けるメリットは視力改善だけにとどまらない可能性がある」との見方を示している。
ただし、同氏らは「男性にもこの結果が当てはまるかどうかは不明だ」としている。
なお、この研究結果は因果関係を示すものではない。
また、この研究では死亡リスクに影響しうる肥満などの生活習慣に関連した要因が考慮されてはいるが、手術を受けることを選択した女性は自身の健康管理を積極的に行うタイプの女性である可能性もある。
この研究結果について、米ノースウェルヘルスの眼科医であるMatthew Gorski氏は「なぜ白内障手術が死亡リスクの低減に寄与するのかが明確に示されていない」と指摘。
その上で「眼科検診の重要性をあらためて示した研究結果ともいえる」と付け加えている。

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