
糖尿病とは?血糖値や症状に関する基本情報
世の中にはさまざまな病気がありますが、「糖尿病」はその中でも知名度が高い方だと思います。しかし、いざ「糖尿病ってどんな病気?」と聞かれると、血糖が関係することはなんとなくわかっても詳しいことは知らないという人が多いでしょう。そこで、糖尿病に関する基礎知識を解説します。
糖尿病とは、体内の「インスリン」の作用が不十分で、血糖値が高い状態が続いている病気です。これを放置し、病気が進行することでさまざまな症状を呈することになります。原因により、いくつかのタイプの糖尿病があります。

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◯血糖値
糖尿病に深く関係する「血糖値」は、血液中の「ブドウ糖」の量を表す数値のことです(血液中のブドウ糖のことを、血糖と言う)。血糖値は、食事(炭水化物の摂取)によって高くなりますが、運動などエネルギーを消費することで血糖値を下げることができます。
通常、この血糖値の上げ下げについては、インスリンなどのホルモンの影響によって一定の範囲内に収められています。そのため、食事による血糖値の上昇と運動等による血糖値の減少は、言うほど激しく上下することはありません。
◯糖尿病のタイプ
糖尿病には、その原因ごとに大きく分けて「一型」「二型」「妊娠」「その他」の糖尿病があります。
- 一型糖尿病
このタイプの糖尿病は、インスリンを作る膵臓の細胞が何らかの原因で壊され、糖尿病となるパターンです。一般的に、若年層に多く見られるタイプの糖尿病です。
- 二型糖尿病
このタイプの糖尿病は、中高年に多く見られるタイプの糖尿病です。昨今はライフスタイルの変遷に伴い、若年層にも見られるようになりました。このタイプの糖尿病は生活習慣の中に糖尿病の原因があるタイプであり、一般的に運動不足や食べ過ぎ、ストレスの蓄積などがその原因として考えられています。
高血糖な生活習慣により、インスリンの作用が次第に弱くなっていきます。これにより、上がった血糖値を下げるための作用が不十分となるのです。なお、日本人の糖尿病患者の9割以上が二型糖尿病であると言われています。
◯妊娠糖尿病
妊娠糖尿病は、妊娠中の糖代謝異常のことを言います。厳密には上記のような糖尿病には至っていない状態のことですが、妊娠中の高血糖は胎児に影響を与えるため、妊娠糖尿病という名称で警戒しています。
◯その他の糖尿病
その他にも、「遺伝子の異常」「原因疾患が存在する」「医薬品の影響」によって発症する糖尿病があります。
では、糖尿病を患うとどのような症状を呈することになるのでしょうか?以下の症状をチェクして、当てはまる症状があれば医療機関で診てもらってください。
◯尿が多くなる
高血糖状態が続くことで、その排泄のために尿が多くなります。
◯のどが渇く
尿が多くなるということは、それだけ体の水分が抜け出る事になります。結果、脱水状態となり、のどが渇いてしまいます。
◯疲れやすくなる
糖尿病になると、血液中のブドウ糖をエネルギーに変えられなくなってしまいます。結果、エネルギー不足に陥り、少しの運動でも疲れやすくなってしまいます。
◯体重が減り、痩せる
また、糖尿病=太っているというイメージがありますが、糖尿病の症状としては真逆で痩せてしまいます。これは、血糖をエネルギーに変えられないため疲れやすくなるだけでなく、不足したエネルギーを補うために体に蓄えている「タンパク質」や「脂肪」をエネルギー源とします。これにより、体を構成するタンパク質や脂肪が減り、痩せるのです。

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◯その他の症状
視力障害(目が霞む、など)
立ちくらみが起きる
手足のしびれ
月経の異常
性欲減退
手足の冷え
尿の泡立ちがなかなか消えない
最後に、糖尿病を治すために必要なことについて解説します。
◯糖尿病治療の目的
まず、糖尿病を治すことの基本的な目的は「血糖値をコントロールすること」です。これにより、糖尿病の症状および糖尿病による合併症によって生活の質が低下することを防ぎます。
◯糖尿病の治療
糖尿病を治療するためには、以下の治療法が実施されます。
- 食事療法
食事は、糖を摂取する手段です。その食事において摂取する糖の量やエネルギーのバランスを整えるのが食事療法となります。
- 運動療法
運動は、摂取して蓄えているエネルギーを消費する方法です。運動を行うことで血糖を消費し、筋肉量を増やします。筋肉量が増えることで、糖を体に取り込みやすくし、脂肪を減らすことでインスリンの効果を十分に発揮しやすくなります。
- 薬物療法
生活習慣を見直すだけでは、糖尿病を改善できないことも多いです。そのため、インスリンの分泌を促したり、その効き目を良くするための飲み薬を使用することが多いです。また、注射薬によってインスリンそのものを体外から直接補うという方法もあります。
糖尿病を患えば、必ず健康を損ない、生活の質を脅かすことになります。その原因は日常生活の中に隠れており、誰にでも発症のリスクがあるということになります。糖尿病の危険性をよく理解し、日常生活の中でその予防に努めることが重要です。
もし、糖尿病である可能性があると自覚したら、早めに医療機関を受診することをお勧めします。糖尿病に限らず、早めに病気を発見し、対策を始めることができれば健康への被害は最小限に留められます。

糖尿病でいちばん恐ろしいのが、全身に現れる様々な合併症。深刻化を食い止め、合併症を発症しないためには、早期発見・早期治療がカギとなります。今回は糖尿病が疑われる症状から、その危険性を簡単にセルフチェックする方法をご紹介します。

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糖尿病とは、体内の「インスリン」の作用が不十分で、血糖値が高い状態が続いている病気です。これを放置し、病気が進行することでさまざまな症状を呈することになります

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