潰瘍性大腸炎について

潰瘍性大腸炎とはどのような病気?

現在の医学では主な原因がはっきりわかっておらず、完全に治すのが難しいとされています。そのため、潰瘍性大腸炎では主に薬を使った内科的治療を行ないながら、「寛解」という病気がおさまっている状態を目指していきます。
よくある病気ではありませんが、潰瘍性大腸炎は若い人が発症しやすい傾向があり、近年徐々に患者数が増えています。
厚生労働省の発表によると、2014年に潰瘍性大腸炎と診断された人は約17万人となっています。

潰瘍性大腸炎とクローン病の違い
潰瘍性大腸炎とよく似た病気にクローン病があります。潰瘍性大腸炎は大腸のみに症状が出るのに対し、クローン病は大腸以外の消化管粘膜にも症状が出ます。
潰瘍性大腸炎の原因
潰瘍性大腸炎の原因は、自己免疫反応に異常が生じて発症する説、腸内細菌が関わっているという説、ほかには遺伝性や食生活の欧米化が関係しているなど、さまざまな説があります。まだはっきりとした原因は解明されていません。
潰瘍性大腸炎の症状とは
下痢や粘血便・血便
潰瘍性大腸炎の症状として、下痢や粘血便(粘液の混じった血便)・血便が多くみられます。
腹痛
じわじわと長時間痛んだり、急に強い痛みが生じたりします。
体重減少
大腸の粘膜が荒れて正常にはたらかない状態にあるため、次第に体重が減ってきます。
貧血
食欲が低下し栄養状態も悪くなるため貧血になりやすい傾向があります。
発熱
潰瘍性大腸炎は炎症性の病気であるため、発熱することもあります。

また、潰瘍性大腸炎は合併症を起こすこともあります。合併症の例としては、関節炎や脊椎炎、皮膚では結節性紅斑や壊疽性膿皮症がみられます。潰瘍性大腸炎にかかってから長く経つと、大腸がんのリスクが高くなるともいわれています。
潰瘍性大腸炎を診断するための検査

症状
いつからどのような症状があるのか、身近な人の既往歴なども確認します。
注腸X線検査(行われないこともある)
大腸に造影剤を注入し、X線(レントゲン)撮影をして大腸の状態を確認します。
肛門鏡検査
肛門鏡という器具を使って、肛門周囲の状態を観察します。
内視鏡検査
内視鏡カメラを使って、肛門から大腸のはじまりまで、粘膜の状態を観察します。
細菌検査
細菌感染による腸炎など、潰瘍性大腸炎と似た病気もあるため、便や血液を使って細菌の有無を確認します。
組織検査
粘膜組織をわずかに取って、顕微鏡で組織の状態を観察します。

潰瘍性大腸炎の治療方法
潰瘍性大腸炎の治療方法は、薬を使って症状を抑えていく内科的治療がメインとなります。完治は難しく、症状は落ち着いたりひどくなったりする状態を繰り返します。そこで、潰瘍性大腸炎では寛解といって病気の状態が落ち着いている状態ができるだけ維持できるようにしていくのが目標となります。
寛解状態にあるときは食事の制約がなく、学業・仕事についても負担が大きくない程度であれば可能です。

内科的治療(薬による治療)
治療では、内服や点滴で炎症を抑える薬を使用します。特にステロイド薬は炎症を抑えることに効果があります。ほかに使われる5-アミノサリチル製剤では炎症を抑えるほか、再燃(落ち着いていた病状が、再び悪化すること)の予防にも効果があるといわれています。
ステロイド薬を減らすと症状が悪化するケースやステロイドで効果が見られない場合には免疫調整薬や免疫抑制薬を使用することもあります。また、炎症を引き起こすTNF-αという物質のはたらきを抑えるために抗TNF-α製剤も使われます。
白血球除去療法
白血球除去療法は炎症を長引かせている原因となる異常な白血球を取り除く治療です。この治療によって炎症が抑えられ、症状の改善が期待できます。
外科的治療
重症化してしまった潰瘍性大腸炎や薬による副作用で治療の継続が難しい場合、また大腸に穴が空いてしまったときや大量出血などの合併症がみられたときには、手術による治療が選択されます。
近年、医学の進歩により潰瘍性大腸炎の治療法は増えてきています。日本は世界の中でも、潰瘍性大腸炎の治療法が多い国の1つとなっています。
まとめ
潰瘍性大腸炎とは、下痢や血便から全身に症状が出る病気です。完治できる治療法は確立されていませんので、病状が寛解し、それを維持できるような治療を行なっていきます。
寛解状態のときには、注意点はあるものの日常生活を送るうえで大きな制限はありません。
潰瘍性大腸炎は専門機関での診断と保健所での手続きによって医療費の助成が受けられる病気です。気になる症状がある場合には、医療機関に早めに相談しましょう。
潰瘍性大腸炎は主にお腹の症状が中心となる炎症性の病気です。潰瘍性大腸炎の症状に焦点を当てながら潰瘍性大腸炎のセルフチェックに役立つ情報をご紹介していきます。
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普通車と軽自動車、どちらが安全?
人はそれぞれ、価格、燃費、デザイン、安全性などを基準に車を選ぶが、軽自動車は普通車と比べ、交通事故後の院内死亡率が上昇するという研究結果が報告された。また軽自動車では、頭頸部、胸部、腹部、骨盤および四肢に重度の外傷、重傷を負うリスクが高かったという。神戸大学大学院医学研究科外科系講座災害・救急医学分野の大野雄康氏らによるこの研究結果は、「PLOS One」に2月5日掲載された。
軽自動車は「ミニカー」とも呼ばれ、日本だけでなく海外での人気も高まっている。人気の理由の1つとして、車体のコンパクトさが挙げられるが、それは車内空間が狭まることも意味する。車内空間が狭くなると、衝突時の衝撃による変形に対して乗員がダイレクトに危険に晒されることになる。しかしながら、車内空間の狭さが生存率の低下や、重度の外傷にあたえる影響については十分に検証されてこなかった。こうした背景から、大野氏らは過去に自動車事故で負傷・入院した患者を対象とした単施設の後ろ向きコホート研究を行った。主要評価項目は事故後の院内死亡率とした。
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本研究の対象患者は、2002年1月1日~2023年12月31日の間に、太田西ノ内病院(福島県郡山市)にて受け入れた交通事故で負傷したすべての車両乗員とした。普通車と軽自動車以外の車両(自転車、オートバイ、大型トラックなど)に乗っていた外傷患者は除外し、5,331名(普通車群2,947名、軽自動車群2,384名)を対象に含めた。最終的に1対1の傾向スコア(PS)マッチングを行い、1,947組を解析対象とした。
PSマッチングを行い、事故後の院内死亡率を比較した結果、軽自動車群で院内死亡率の上昇が認められた(2.6 vs 4.0%、p=0.019)。院内死亡のリスクについても軽自動車群で上昇していた(オッズ比1.53〔95%信頼区間1.07~2.19〕)。また、軽自動車群の院内死亡率の上昇は、シートベルトをしていた患者、運転席にいた患者、エアバッグが展開した事故に巻き込まれた患者のサブグループで特に顕著だった。
次に車両の種類と、特異的な外傷の部位の関連について解析を行った。PSマッチング後、軽自動車群で、外傷重症度スコア(ISS)>15で定義される重症外傷を負うリスクが高くなり、部位別では頭頸部、胸部、腹部および骨盤内臓器、四肢および骨盤に重症外傷を負うリスクが高まっていた。この傾向は、シートベルトをしていた患者、エアバッグの展開した患者のサブグループで特に顕著だった。
生理学的重症度については、軽自動車群で昏睡、ショック(収縮期血圧90mmHg未満に低下)のリスク増加が認められた。また、救急のための気管内挿管、緊急手術を必要とした患者の割合も軽自動車群で有意に増加することが示された(各p=0.046、p=0.001)。
研究グループは、本研究について、「軽自動車の乗員は、有害な転帰のリスクが高く、緊急の外科的介入や追加の医療資源が必要になる可能性がある。シートベルトを着用していた患者、エアバッグの展開した患者で、院内死亡率と部位特異的な外傷が増加していたが、この結果は、軽自動車の乗員に対してより安全な拘束システムの必要性を示唆している。今回の研究データは、購入する側とメーカーの両者に、車両の安全性に関する客観的事実を考えてもらうために利用されるべきだ」と総括した。
また、本研究の限界点については、単一施設での観察研究であり結果の一般化には限界があること、搬送患者は重症患者に偏っていた可能性があることなどを挙げている。
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HealthDay News 2025年3月17日
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食物繊維の摂取で肥満リスクが低下か、性別・年齢で有意差
2型糖尿病患者で、食物繊維の摂取量が多いほど肥満リスクが低下することが明らかになった。新潟大学大学院医歯学総合研究科血液・内分泌・代謝内科学分野のEfrem d’Avila Ferreira氏、曽根博仁氏らの研究によるもので、詳細は「Public Health Nutrition」に2月4日掲載された。
肥満の予防と管理においては、食物繊維が重要な役割を果たすことは示されているが、性別で層別化した場合に相反する結果が報告されるなど、一貫したエビデンスは得られていない。このような背景からFerreira氏らは、日本人の2型糖尿病患者集団を性別・年齢別に層別化し、食物繊維摂取量と肥満との関連を検討した。さらに、この関連に寄与する可能性のある生活および食習慣についても検討を行った。
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この横断研究では、一般社団法人糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)のデータが用いられた。対象は、2014年12月~2019年12月の期間に、JDDMに参加する日本の糖尿病専門医クリニックで治療を受けた30~89歳までの外来患者とした。解析対象は1,565名(平均年齢62.3±11.6歳、男性63.1%)だった。
参加クリニックでは、希望する外来患者に対して、JDDMの開発した生活習慣に関するアンケートを実施。患者は身長・体重を自己申告し、食習慣については、それぞれ食物摂取頻度調査票(FFQ)に記入してもらった。栄養素および食品の摂取量は標準化された栄養計算ソフトウェアで計算し、1日当たりの摂取量が600kcal以下または4,000kcal以上の場合は外れ値として解析から除外した。身体活動は国際標準化身体活動質問表(IPAQ)の短縮版を用いて計算した。肥満の定義は日本肥満学会に従い、BMIが25kg/m2以上とした。
性別・年齢およびライフスタイル要因、主要栄養素の摂取量を調整した多変量解析を行った結果、全患者において食物繊維の摂取量が多いほど肥満リスクが低下することが明らかになった(オッズ比OR 0.591〔95%信頼区間0.439~0.795〕、P trend=0.002)。層別解析では、男性(P trend=0.002)および59~68歳群(P trend=0.038)で有意な逆相関の傾向が認められ、69~89歳群(P trend=0.057)でも有意傾向がみられた。一方で女性(P trend=0.338)および30~58歳群(P trend=0.366)では逆相関の傾向は認められなかった。また、男性では食物繊維の摂取量が多いほど、ライフスタイルが健康的であることも分かった。その特徴として、身体活動レベルが高いこと(p<0.001)や、喫煙率の低さ(p<0.001)が挙げられる。
食物繊維摂取量と食品群との相関関係をみると、全患者において、野菜、果物、大豆/大豆製品が強い相関を示したが、穀物は弱い相関を示した。ビタミンおよびミネラルの場合は、葉酸、カリウム、ビタミンCなどが食物繊維の摂取量と強い相関を示していた。
研究グループは本研究について、横断研究であり、日本人の2型糖尿病患者集団のみを対象としたことからも一般化できないといった限界点を挙げた上で、「肥満を効果的に管理するには、食物繊維の豊富な様々な食品を推進するような的を絞った取り組みが必要。また、多様な集団における食物繊維と肥満の関係を理解するには、さらなる研究が必要と考える」と総括している。
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糖尿病でいちばん恐ろしいのが、全身に現れる様々な合併症。深刻化を食い止め、合併症を発症しないためには、早期発見・早期治療がカギとなります。今回は糖尿病が疑われる症状から、その危険性を簡単にセルフチェックする方法をご紹介します。
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デジタルゲームは高齢者に健康と幸せをもたらすのか
ネット・ゲーム依存は身体活動の低下といった健康問題につながるが、高齢者の場合では、デジタルゲームにより身体活動が低下する可能性は低いということが明らかになった。千葉大学予防医学センター社会予防医学研究部門の中込敦士氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of Medical Internet Research」に1月27日掲載された。
デジタルゲームは高齢者の間でも人気が高まっており、認知的、社会的、身体的なメリットをもたらす可能性がある。しかしながら、高齢者において、デジタルゲームが健康と幸福にどのような影響を及ぼすかは依然として不明だ。中込氏らは、全国で実施された日本老年学的評価研究(JAGES)のデータを使用して、デジタルゲームが高齢者の健康と幸福に与える多面的な影響を評価した。
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本研究ではJAGESのデータベースより、2020年、2021年、2022年のデータを抽出した。デジタルゲームに関しての質問票が含まれていたのは、千葉県松戸市のみであったため、分析は松戸市の参加者のデータに焦点を当てた。
2021年のデータの中で、過去5年間におけるデジタルゲーム(PC、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはコンソールによるビデオゲームと定義)の経験に関する質問に対して、「定期的にプレイしている」と答えた参加者を含む2,504人を対象とした。2022年に、これらの参加者に対してデジタルゲームに関する評価が行われた。また、2,504人の参加者のうちランダムに選択された1,243人(「定期的にプレイしている」192人を含む)に対しては、健康やウェルビーイングを含む人としての豊かさを評価する「Human Flourishing Index」評価も行われた。
評価項目は6つの領域にわたる18の質問で構成されていた。領域は、1;幸福と生活満足度、2;心身の健康、3;意味と目的、4;性格と美徳、5;親密な社会関係、6;健康に関する行動、とされ領域の1~5に「Human Flourishing Index」の各2問の質問が設定された。全般的な豊かさである「Overall flourishing」は領域1~5までの平均とした。さらに領域2、5、6に関連する項目が追加された。
Bonferroni法で補正し多重検定を行った結果、デジタルゲームは「Overall flourishing」、「Human Flourishing Index」のいずれとも有意な関連は認められなかった(P=0.12~P>0.99)。また、領域6の「座位時間の増加」(リスク比 1.055〔95%信頼区間0.788~1.105〕、P=0.72)、「屋外での活動減少」(平均差異0.026〔-0.081~0.133〕、P=0.64)とも関連していなかった。Bonferroni法で補正した結果、有意とはならなかったが、「趣味のグループへの参加」(平均差異0.124〔0.037~0.210〕、P=0.005)「友人との交流」(平均差異0.076〔0.010~0.142〕、P=0.02)でデジタルゲームとの強い関連が示された。
中込氏らは、この研究結果を、「リアルワールドデータにおいて、デジタルゲームが高齢者の健康と幸福に与える影響に関する貴重な洞察が得られた」とした上で、「(デジタルゲームが身体活動の低下と関連していなかった点について)デジタルゲームは、高齢者のバランスの取れたライフスタイルの一部となり、特に趣味のグループを通じて社会参加の機会を提供できるのでは」と述べている。なお、本研究の限界点として、データは1つの都市から得られたもので、調査結果の一般化はできないこと、本研究が観察研究であることなどを挙げている。
軽度認知障害(MCI)のセルフチェックに関する詳しい解説はこちら
軽度認知障害を予防し認知症への移行を防ぐためには早期発見、早期予防が重要なポイントとなります。そこで、今回は認知症や軽度認知障害(MCI)を早期発見できる認知度簡易セルフチェックをご紹介します。
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一人暮らしの認知症者は疎外されやすい?
認知症者に対する社会的距離は、認知症の行動および心理的症状(BPSD)を有する一人暮らしの患者でより大きくなることが示唆された。この研究は東京都健康長寿医療センター研究所の井藤佳恵氏らによるもので、研究結果の詳細は「PLOS One」に1月22日掲載された。
認知症者とその介護者は、疾患へのスティグマ(「先入観に基づいてレッテルをはり、偏見をもち、差別する」という、一連の心と行動)による社会的排除に直面している。スティグマは、病気そのものが引き起こす苦痛よりもさらに大きな苦痛をもたらすことがあり、深刻な人権侵害であると言われている。
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スティグマの研究では、スティグマを社会的距離(他の個人との望ましい親密さ、または距離の程度)で測定する方法がある。今回の井藤氏らの研究では、地域住民の認知症者に対する社会的距離がどのような要因によって変化するのかを検討した。
参加者は、オンライン調査会社に登録している国内、地域在住の40歳から90歳までの男女2,589人(平均年齢62.0±10.5歳、女性49.8%)である。この調査では、世帯形態、BPSDの有無の組み合わせが異なる4種類のビネットがあり、それぞれ80代の女性が正常老化から認知症を診断され、軽度、中等度、重度と進行していく様子が描かれていた(A〔家族と同居、BPSDなし〕、B〔家族と同居、BPSDあり〕、C〔独居、BPSDなし〕、D〔独居、BPSDあり〕)。参加者はいずれかひとつのビネットを受け取り、それぞれの病期で、社会的距離を測定するための質問に回答した。
その結果、全てのビネットで、認知症が進行するほど社会的距離が大きくなることが示された。また、すべての病期を通して、ビネットA「家族と同居、BPSDなし」の場合の社会的距離がもっとも小さく、ビネットD「独居、BPSDあり」の場合の社会的距離が最も大きかった。
社会的距離の差が最も大きかったビネットA「家族と同居、BPSDなし」とD「独居、BPSDあり」について、社会的距離に影響を与える要因を探索した。世帯収入、居住地域、認知症に関する知識、認知症患者との接触などを変数とする多変量分析を行った結果、軽度認知症段階では、「認知症に関する知識が多いこと」が社会的距離の縮小と関連していた(ビネットA〔95%信頼区間-0.28~-0.01、p=0.036〕、D〔同-0.26~-0.02、p=0.026〕)。「認知症患者との接触経験があること」は、認知症の全病期を通して、社会的距離の縮小と関連していた(ビネットA〔p=0.001~0.007〕、D〔p<0.001~p=0.006〕)。
井藤氏らは本研究について、「今回の結果は、スティグマに対する介入としての教育の有効性を示すと同時に、その限界をも示すものである。中等度以上の認知症者に対するスティグマに対しては、教育だけではなく適切な準備状況がある社会的接触が必要であり、特に、社会的排除のハイリスク群である、独居でBPSDを示す者に対する方策が重要」と述べている。また、著者らは本研究の限界について、「社会的望ましさのバイアスが働いた結果、参加者はスティグマを過小に報告した可能性がある」と付け加えている。
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帝王切開は子どもの成長に影響しない?
帝王切開(CD)で生まれた子どもと、長期的な健康や発達における悪影響との間には有意な関連はないとする研究結果が報告された。0.5~9歳までの全原因入院、肥満、発達マイルストーン(発達がどこまで進んでいるかという指標)といったさまざまな評価項目で有意な関連は認められなかったという。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野の松本尚美氏らによるこの研究結果は、「Scientific Reports」に1月20日掲載された。
出産方法は長期的に見た場合、子どもの健康と発達に影響を及ぼすことが示唆されてきた。CDは、母子の安全確保のため、ある特定の臨床的状態のときに実施される。しかしながら、この外科的介入が子どもの身体的成長、認知発達、慢性疾患のリスクなどさまざまな側面に及ぼす潜在的な影響については現在も議論が続いている。松本氏らは、「日本産科婦人科学会周産期登録(PRN)データベース」にリンクされた「21世紀出生児縦断調査」を利用して、CDと子どもの健康および発達との関連を調査した。
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本研究では、出生日、性別、出生時体重、出生時の母親の年齢、在胎週数の情報を使用し、PRNデータベースと21世紀出生児縦断調査を組み合わせた独自のデータセットを作成した。最終的に、2010年5月10日から5月24日に出生した2,114人(正常分娩群;1,351人、CD群;763人)を研究に含め、0.5~9歳までに発生した複数の転帰を評価した。
入院(呼吸器感染症と胃腸疾患による入院、および呼吸器感染症と胃腸疾患を含む全原因入院)は1.5~5.5歳までの調査で報告された0.5~5.5歳までの入院経験と定義。過体重・肥満は、世界保健機関(WHO)の基準に基づいたBMIスコアを用いて5.5歳と9歳で評価された。発達のマイルストーン(運動、言語、認知、自己制御、社会情緒、注意、適応能力、素行など)は2.5歳、5.5歳、8歳で評価された。
潜在的な交絡因子を調整して解析した結果、CDは全原因入院(調整リスク比1.25〔95%信頼区間0.997~1.56〕)、5.5歳(同1.05〔0.68~1.62〕)および9歳(0.83〔0.52~1.32〕)での過体重・肥満、およびさまざまな発達マイルストーンを含むほとんどの転帰と有意な関連は認められなかった。また、多胎出産および早産の状態別に層別化したサブグループ解析を行った結果、多胎出産ではいくつかの発達マイルストーンと、早産では胃腸疾患による入院といくつかの発達マイルストーンに、それぞれCDとの関連が高い傾向が認められたが、いずれも有意ではなかった。
本研究の結果について、研究グループは、「今回の研究で得られた知見は、子どもの親や医療従事者に安心感を与えるものではあるが、統計的に有意でないからといって、必ずしも臨床的に関連する影響がないことを意味するわけではない。今後の研究では、より長期間の追跡調査、サブグループ解析のためのサンプルサイズの拡大、腸内細菌叢の活性化など潜在的な媒介因子のより詳細な評価を検討すべきである」と総括した。なお、本研究の限界については、比較的小規模のサンプルサイズで日本の子どものみを対象としていること、高リスク妊娠の症例が多いデータセットであることから一般化できない点などを挙げている。
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歯周病治療で糖尿病患者における人工透析リスクが低下か
歯周病を治療している糖尿病患者では、人工透析に移行するリスクが32~44%低いことが明らかになった。東北大学大学院歯学研究科歯学イノベーションリエゾンセンターの草間太郎氏、同センターの竹内研時氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of Clinical Periodontology」に1月5日掲載された。
慢性腎臓病は糖尿病の重大な合併症の一つであり、進行した場合、死亡リスクも高まり人工透析や腎移植といった高額な介入が必要となる。したがって、患者の疾病負荷と医療経済の両方の観点から、慢性腎臓病を進行させるリスク因子の同定が待たれている。
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歯周病は糖尿病の合併症であるだけでなく、糖尿病自体の発症やその他の合併症の要因でもあることが示唆されている。また、歯周病と腎機能低下との関連を示唆する報告もされていることから、研究グループは糖尿病患者における定期的な歯周病ケアが腎機能低下のリスクを軽減または進行を遅らせる可能性を想定し、大規模な糖尿病患者のデータを追跡した。具体的には、歯周病治療を伴う歯科受診を曝露変数として、人工透析に移行するリスクを後ろ向きに検討した。
本研究では、40~74歳までの2型糖尿病患者9万9,273人の医療受診データ、特定健診データが用いられた。2016年1月1日~2022年2月28日までの期間に、2型糖尿病を主傷病としていた患者を登録した。
9万9,273人の参加者(平均年齢は54.4±7.8歳、男性71.9%)における人工透析の発生率は1,000人あたり1年間で0.92人だった。交絡因子については、年齢、性別、被保険者の種類、チャールソン併存疾患指数、糖尿病の治療状況(外来の頻度、経口糖尿病治療薬の種類、インスリン製剤使用の有無、治療期間)、健診結果(高血圧、高脂血症、蛋白尿、HbA1c)、喫煙・飲酒といった生活習慣などが共変量として調整された。
交絡因子を調整後、人工透析開始のハザード比(HR)を分析した結果、歯科受診をしていなかった患者と比較して、1年に1回以上歯周病治療を受けている患者で32%(HR 0.68〔95%信頼区間0.51~0.91〕、P<0.05)、半年に1回以上治療を受けている患者で44%(同0.56〔0.41~0.77〕、P<0.001)、人工透析開始のリスクが低いことが示された。
研究グループは本研究の結果について、「これらの結果は、糖尿病性の腎疾患の進行を緩和し、患者の転帰を改善するためには、糖尿病治療に日常的な歯周病治療を組み込むことが重要であることを示唆している。また糖尿病患者の管理における専門医と歯科の連携欠如は以前より報告されており、本研究でも患者の半数以上が歯周病ケアを受けていなかった。今後、糖尿病患者の健康を維持するためには、専門医と歯科のさらなる連携が必要と考える」と総括した。なお、本研究の限界について、登録データは企業が提供する雇用保険に加入する個人のみが含まれていたことから、研究の参加者は日本人全体の特徴を表していない点などを挙げている。
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糖尿病の3大合併症として知られる、『糖尿病性腎症』。この病気は現在、透析治療を受けている患者さんの原因疾患・第一位でもあり、治療せずに悪化すると腎不全などのリスクも。この記事では糖尿病性腎病を早期発見・早期治療するための手段として、簡易的なセルフチェックや体の症状について紹介していきます。
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HealthDay News 2025年3月3日
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痛みを抑える目的でタバコを吸う人々の存在とその特徴
喫煙者の一部は、身体の痛みを抑えることを目的にタバコを吸っている。そのような人々は若年者に多く、痛みをより強く感じているといった特徴があるようだ。これは、順天堂大学大学院医学研究科疼痛制御学の山田恵子氏らの研究によるもので、「Neuropsychopharmacology Reports」に1月2日、短報として掲載された。
タバコに含まれるニコチンには「ごく一時的な」鎮痛作用があるらしいことが過去に報告されている。ただし喫煙と痛み(疼痛)との関連は複雑で、長期にわたる喫煙は痛みを生じるリスク因子であることや、ニコチン離脱時(タバコを吸えない時や禁煙開始時)には、痛みがむしろ強まることも報告されている。タバコを吸うという行動と潜在的に関係する心理的な要因や生活環境も、痛みに影響を及ぼし得ると推測される。しかし、痛みを緩和する目的での喫煙の実態は、これまでほとんど調査されていない。山田氏らは本研究を「痛みの緩和を目的としてタバコを吸う人々の存在にスポットを当てた、国内初の研究」と位置付けている。
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この調査は、2020年10~11月に、インターネット調査会社の登録者から、年齢が20~69歳で過去1カ月以内に体のどこかに痛みのあった人を、年齢、性別、居住地の分布を日本の人口構成に近くなるよう調整し、2,000人を抽出して実施した。回答者から、元喫煙者399人と喫煙歴のない人1,129人を除外し、現喫煙者472人(女性23.1%、慢性疼痛患者〔症状持続期間3カ月以上〕が57.6%)を解析対象とした。
主要な質問項目は二つで、「痛みを抑える目的でタバコを吸うか」と「タバコを吸うと痛みが和らぐか」を質問した。それぞれ「まったくそのとおりだ」、「そのとおりだ」、「どちらともいえない」、「そうではない」、「まったくそうではない」の五つから選択してもらい、いずれも前二者を同意(痛みを緩和する目的で喫煙している人、および、喫煙により痛みが緩和すると感じている人)と判定した。
痛みの緩和目的での喫煙者は、472人中31人(6.6%)だった(急性・亜急性疼痛患者〔症状持続期間3カ月未満〕の3.5%、慢性疼痛患者の8.8%)。また、痛みの緩和目的ではない喫煙者441人(93.4%)のうち、5.2%が喫煙による痛みの緩和を実感していると回答した。
このほかに、喫煙本数や鎮痛薬(市販薬/処方薬)の使用、痛みの強さ、不安・うつレベル、治療中の精神疾患、運動習慣、世帯収入なども調査し、前記二つの質問の回答との関連を解析した。なお、解析では、背景因子を検討するために合計26回の検定を行い、偽陽性のリスクを避ける目的で、有意水準を通常の0.05を26で割った値に近い0.002未満に設定した。
喫煙の目的が痛みの緩和の人とそうでない人を比較すると、前者の群は若年であり(平均38.1対46.5歳)、痛みに対する治療中(71.0対22.9%)、鎮痛薬使用中(市販薬は67.7対25.2%、処方薬は51.6対21.3%)、統合失調症治療中(9.7対0.7%)の割合が高いという有意差が認められた。また、痛みがより強く(NRSという10点満点のスコアが6.5対5.1点)、痛みの増強に関与する中枢感作が強く生じていると推測され(CSIという100点満点のスコアが41.0対27.5点)、運動習慣のある割合が高い(68.9対19.4%)という有意差も認められた。
貧困傾向やうつ病治療中の割合、3カ月以上続く慢性の痛み、痛みに対する悲観的な思考、不安レベルなどについては、喫煙の目的が痛みの緩和である群で高い傾向が認められた(P値が0.002~0.05の間)。P値は、結果が偶然である可能性を示す値であり、この範囲では一定の関連性が示唆される。一方、性別の分布、喫煙本数、教育歴、短時間睡眠者の割合などには有意差が見られなかった(P>0.05)。
山田氏らは、「痛みのある喫煙者の6.6%が痛みの緩和を期待してタバコを吸っており、その行動には心や生活環境など多面的な要因が関係していて、鎮痛薬などによる痛み治療が十分な効果を発揮していない可能性が示唆された」と結論付けている。そして、日本で慢性の痛みのある人が約2500万人という推計値と、慢性の痛みのある人の42~68%が喫煙者であるとする過去の調査報告、および本調査で得られたデータに基づき、痛みの緩和目的で喫煙している人が国内に90万~150万人いる可能性があると推算し、「今後の喫煙や慢性の痛み対策ではこのような人々の存在を考慮する必要があるのではないか」と付け加えている。
なお、山田氏らは現在、対象者の数を増やした上で、より詳細な質問内容を使ったデータ解析を進めていて、その解析でも本報と同様の傾向が観察されているという
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HealthDay News 2025年2月25日
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免疫チェックポイント阻害薬治療中の生存率にインスリン分泌能が独立して関連
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による治療を受けているがん患者において、インスリン分泌能が良好であることが、全生存期間(OS)や無増悪生存期間(PFS)の延長に独立して関連しているとする研究結果が報告された。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科の渡邉真由氏、江口潤氏らが行った前向きコホート研究によるもので、詳細は「Frontiers in Endocrinology」に12月11日掲載された。
ICIは種々のがんに対してしばしば著効を示すが、従来の抗がん剤とは異なる副作用があり、糖尿病を有する場合はインスリン分泌能低下リスクのあることが知られている。ただし、糖尿病でないがん患者に関しては、まれに劇症1型糖尿病を引き起こすリスクがあることを除き、糖代謝へどのような影響が生じるのかという点の知見は限られている。
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渡邉氏らはこの点について、同大学病院の患者を対象とする前向きコホート研究により検討した。解析対象は、2017年6月~2019年8月に進行がんと診断され、ICIによる初回治療が行われた87人。ベースライン以前および研究期間中に糖尿病と診断・治療された患者、および糖代謝に影響を及ぼし得るステロイドが処方された患者などは除外されている。
主な特徴は、年齢中央値(以下、連続変数は全て中央値)が65歳(四分位範囲56~72)、男性67.8%、BMI19.2。がん種は頭頸部がん52人、胃がん19人、その他16人であり、全身状態を0~4で表すECOG PSは0~1(比較的良好なパフォーマンス)が80.5%を占めていた。糖代謝に関しては、HbA1c5.6%、空腹時血糖値97mg/dL、インスリン分泌能を表すHOMA-βが59.4(四分位範囲37.1~85.3)、Cペプチドが1.52ng/dL(同1.01~2.24)、インスリン抵抗性を表すHOMA-IRが1.11(0.72~2.34)であり、腎機能(eGFR)は70.9mL/分/1.73m2(63.5~87.2)と良好だった。投与されたICIは、ニボルマブが78人、ペムブロリズマブが10人、イピリムマブが1人だった(2人は2剤併用)。
ICI投与開始1カ月後、HbA1cの有意な低下(P=0.018)とCペプチドの有意な上昇(P=0.022)が観察され、ICIは非糖尿病患者の糖代謝にも影響を及ぼし得ることが示唆された。
観察期間中に82人(94.3%)が死亡し、OSは中央値7カ月、PFSは同3カ月だった。OSの中央値で2群に分けて比較すると、HOMA-βはベースラインおよび投与1カ月後の両時点で有意差があり、OSが7カ月以上の群のほうが高値だった。その他の糖代謝関連指標の群間差は非有意だった。ROC解析により、OSが7カ月以上であることを予測するHOMA-βの最適なカットオフ値は64.24と計算され、AUCは0.665だった。また、PFSが3カ月以上であることを予測するHOMA-βの最適なカットオフ値は66.43、AUCは0.582だった。
次に、年齢、性別、BMI(最適なカットオフ値である18.58以上)、eGFRおよびHOMA-β(64.24以上)を独立変数、OSの短縮(中央値である7カ月未満)を従属変数とする多変量ロジスティック回帰分析を施行。その結果、BMI(ハザード比〔HR〕0.481〔95%信頼区間0.299~0.772〕)とHOMA-β(HR0.623〔同0.393~0.989〕)の2項目が、OS延長に独立して関連していることが明らかになった。続いて行ったPFSの短縮(中央値である3カ月未満)を従属変数とする解析からは、HOMA-β(66.43以上の場合にHR0.557〔0.339~0.916〕)のみが、PFS延長に独立して関連していることが明らかになった。
著者らは本研究が単施設の患者データに基づく解析であり、サンプルサイズも十分でないことなどを限界点として挙げた上で、「得られた結果は、ICI治療を受ける非糖尿病患者において、インスリン分泌能の高さがOSやPFSの延長に独立して関連することを示している。HOMA-βは、ICI投与が予定されるがん患者の予後予測指標となり得るのではないか」と結論。また、「ICIが膵β細胞機能に影響を及ぼすメカニズムの解明が期待される」と付け加えている。
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肺がんは初期の自覚症状が少ないからこそ、セルフチェックで早めにリスクを確かめておくことが大切です。セルフチェックリストを使って、肺がんにかかりやすい環境や生活習慣のチェック、症状のチェックをしていきましょう。
肺がんのリスクを症状と生活習慣からセルフチェック!参考情報:リンク先
HealthDay News 2025年2月25日
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犬を強く愛している飼い主ほど健康になれる?
犬と暮らす人の中でも、犬への愛着が強い人ほど身体活動量が高くなっていることが明らかになった。国立環境研究所の谷口優氏と東京都健康長寿医療センター研究所の池内朋子氏による論文が、「PLOS One」に11月27日掲載された。同氏らは、「犬と暮らすことで得られる健康効果を説明する要因として、犬への愛着の強さが鍵を握っているのではないか」と述べている。
近年、犬の飼い主は健康状態が良好な人が多いとする研究結果が複数報告されてきている。谷口氏らも既に、犬と暮らす高齢者は身体機能が高いことや、フレイル(虚弱)や死亡に至るリスクが低いことを報告している。また、犬と暮らす高齢者の中でも、散歩などの運動習慣がある人において認知症の発症リスクが低くなることも報告している。しかし、なぜ犬と暮らす人の中で、運動習慣に差が生じるのかについては不明であった。
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今回の研究は、一般社団法人ペットフード協会が2023年に実施したインターネット調査のデータを用いて行われた。この調査には日本各地に居住している20~79歳の犬猫飼育者1,683人が回答。このうち犬を飼っている1,041人を解析対象とした。
対象者の主な特徴は、平均年齢が52.5歳、女性57.5%、既婚者71.1%、戸建ての持ち家居住者70.0%、独居者10.4%で、平均年収は500~600万円であった。また犬の散歩の頻度は、1日2回以上が25.1%、1日1回から2回が3.8%、週3回から7回が45.8%、週3回未満が25.3%だった。国際標準化身体活動質問票で評価した中高強度身体活動量の平均値は、41.4METs時/週であった。
飼い犬への愛情の強さの評価には、既存の質問票(the CENSHARE Pet Attachment Survey)を用いた。この質問票は、「ペットとの遊びや運動に時間を使うか?」、「ペットはあなたの気分の変化に気づくか?」、「ペットを家族だと思うか?」などの六つの質問から成り、最大スコア24点で回答を評価し、点数が高いほど愛着が強いと判定する。本研究の対象者の平均値は18.8点だった。
犬への愛着の強さと散歩の頻度および身体活動量との関連性について、重要な交絡因子(年齢、性別、婚姻状況、同居家族、収入、自宅の形態)の影響を統計学的に調整した結果、犬への愛着が強いほど散歩の頻度が高いことが明らかになった(B=0.04、P<0.01)。そして、犬への愛着が強いほど、中高強度身体活動量が高いことも認められた(B=1.43、P<0.01)。
著者らは本研究を、「犬に対する愛着の強さと身体活動量の関連を明らかにした初の研究」と位置づけている。研究の限界点として、横断研究であるため愛着と身体活動量の因果関係は不明であることなどを考察した上で、「犬への愛着の強さが、日々の世話を通じて飼い主の運動習慣につながり、その結果、飼い主に健康障害が発生するリスクが低下すると考える」と総括。他方、「単に犬と暮らすだけでは、健康上のメリットを得られない可能性があることも示された」と付け加えている。
軽度認知障害(MCI)のセルフチェックに関する詳しい解説はこちら
軽度認知障害を予防し認知症への移行を防ぐためには早期発見、早期予防が重要なポイントとなります。そこで、今回は認知症や軽度認知障害(MCI)を早期発見できる認知度簡易セルフチェックをご紹介します。
軽度認知障害(MCI)のリスクをセルフチェックしてみよう!参考情報:リンク先
HealthDay News 2025年2月3日
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10代の若者が自殺に向かう理由――未遂者対象解析
10代の若者が自殺行動に至る理由やその手段などの特徴が明らかになった。日本医科大学付属病院精神神経科の成重竜一郎氏らの研究の結果であり、詳細は「BMC Psychiatry」に11月6日掲載された。学校や家庭の問題、および自閉スペクトラム症が、この世代の自殺リスクを押し上げている可能性があるという。
国内の自殺者数は近年減少傾向にあるが、10代の若者の自殺者数は変化が乏しく、依然としてこの世代の死因のトップを占めている。10代の自殺は他の世代とは異なる特徴を持つことが海外から報告されている。しかし日本人のデータは少なく詳細が不明。これを背景として成重氏らは、2010~2021年に同院救命救急センターに収容され、救命し得た症例を対象とする詳細な解析を行った。自殺企図の原因・動機や精神疾患の有無などは、2人以上の経験豊富な精神科医の討議により推定・診断した。
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上記期間の自殺未遂による患者数は860人だった。このうち、10代の自殺未遂の特徴を探るという意図から、最も近い世代である20代の自殺未遂者を比較対照群とした。各群の患者数は、10代が59人(全体の6.9%)、20代が216人(同25.1%)だった。
まず、10代と20代の合計275人の全体としての特徴を見ると、女性が68.7%と多く、精神科の受診歴ありが74.2%、自傷行為の既往ありが61.8%だった。自殺行動の手段としては過量服薬が67.3%、高所からの飛び降りが17.8%などであり、認められた精神疾患・発達特性は、気分障害23.6%、パーソナリティー障害21.5%、適応障害17.1%、統合失調症と他の精神病性障害12.0%、自閉スペクトラム症9.8%などだった。
これらを10代と20代で比較した場合、性別の分布や自傷行為の既往には有意差がなかったが、精神科の受診歴は20代に多く(10代62.7%対20代77.3%)、高所からの飛び降りによる自殺企図(同順に28.8%対14.8%)や自閉スペクトラム症(28.8%対4.6%)は10代に多いといった有意差が認められた。
自殺企図の原因・動機については、学校の問題(40.7%対4.6%)、家庭の問題(39.0%対16.7%)、家庭の問題のうちの親子関係(30.5%対8.8%)などは10代が有意に多く、一方、恋愛上の問題(5.1%対32.4%)、仕事上の問題(3.4%対20.8%)、経済的な問題(0.0%対12.0%)は20代が有意に多かった。
次に、先行研究において10代の自殺に関連が深いと報告されている事柄を説明変数とするロジスティック回帰分析にて、10代の自殺企図に関連のある因子を検討。その結果、学校の問題(オッズ比〔OR〕14.338〔95%信頼区間5.557~36.998〕)、自閉スペクトラム症(OR7.297〔同2.541~20.956〕)、家庭の問題(OR2.860〔1.355~6.038〕)という三つの因子がそれぞれ独立して自殺企図に関連していることが示された。
著者らは、本研究が都心部の単一施設のデータに基づく解析であるため、日本の他の地域とは傾向が異なる可能性があることなどを留意点として挙げた上で、「10代の若者は、ある程度自分で環境を変えることのできる成人と比べ、学校や家庭などの容易に変え難い環境で発生する困難から逃れることができず、その葛藤が自殺企図につながる可能性を示唆している。10代の自殺防止対策には、これらの要因を考慮することが重要である」と述べている。
なお、学校や家庭の問題以外に、自閉スペクトラム症が10代の自殺企図に関連しているという結果については、「自分を取り巻く状況を変えることが難しい場合に、代替策として自身の特性を抑え込み、周囲に適応しようとする『社会的カモフラージュ』を強いられることで、精神的な負担がさらに増大しやすくなるためではないか」との考察が加えられている。
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日本人の頭内爆発音症候群の有病率は1.25%で不安・不眠等と関連――忍者睡眠研究
目覚める直前に、頭の中で爆発音のような音が聞こえることのある頭内爆発音症候群(exploding head syndrome;EHS)の有病率が報告された。EHSが、不安や不眠、疲労感などに影響を及ぼす可能性も示された。滋賀医科大学精神医学講座の角谷寛氏らの研究によるもので、詳細は「Sleep」に1月10日掲載された。
EHSは、睡眠から覚醒に近づいている最中に、頭の中で大きな音が知覚されるという症状で、睡眠障害の一つとして位置付けられている。この症状は通常自然に消失するため良性疾患と考えられているが、EHSを経験した本人は不安を抱き、生活の質(QOL)にも影響が生じる可能性が指摘されている。しかし、EHSには不明点が多く残されており、有病率についても信頼性の高いデータは得られていない。角谷氏らは、日本人のEHS有病率の推定、およびEHSと不安や不眠等との関連について、「Night in Japan Home Sleep Monitoring Study;Ninja Sleep study(忍者睡眠研究)」のデータを用いて検討した。
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忍者睡眠研究は、滋賀県甲賀市の市職員2,081人を対象とする睡眠に関する疫学調査で、今回の研究ではデータ欠落者、および、てんかんの既往のある人を除いた1,843人(平均年齢45.9±12.9歳、女性61.7%)を解析対象とした。EHSの有無は、「睡眠障害国際分類 第3版(ICSD-3)」に準拠して作成したアンケートにより判定した。具体的には、(A)覚醒から睡眠への移行時または夜間の覚醒時の、突然の大きな音または頭の中での爆発感覚、(B)その事象の後に覚醒して多くの場合は恐怖感を伴う、(C)激しい痛みは伴わない――という3項目の全てが該当する場合を「EHS」群、(A)のみが該当する場合を「爆発音のみ」群とした。
調査の結果、(A)が該当するのは46人(2.49%)であり、その半数(各23人、1.25%)ずつが、EHS群および爆発音のみ群に分類された。EHS群とその他の群(非EHS群〔爆発音のみ群も含む〕)を比較した場合、年齢、性別の分布、BMI、現喫煙・飲酒習慣、睡眠時間、睡眠薬の服用、睡眠時無呼吸の既往などに有意差はなかった。
続いて、EHSとメンタルヘルス状態やQOLとの関連を検討。するとEHS群は、抑うつや不安、不眠、疲労といった症状が有意に多く認められた。詳しく見ると、抑うつについてはPHQ-9という評価指標が10点以上の割合がEHS群50.0%、非EHS群16.4%、不安についてはGAD-7が10点以上の割合が同様に47.4%、12.7%、不眠はAISが10点以上の割合が33.3%、12.1%、疲労はCFSが22点以上の割合が47.8%、22.0%だった。また、QOLの評価指標のうち、メンタル面のQOLが良好(SF-8MCSが50点以上)な割合は、21.7%、42.2%でEHS群が有意に少なかった。身体面のQOLは有意差がなかった。
年齢、性別、BMI、および睡眠時間の影響を調整した解析でも、EHS群は非EHS群に比べて、抑うつ(オッズ比〔OR〕1.197〔95%信頼区間1.125~1.274〕)、不安(OR1.193〔同1.114~1.277〕)、不眠(OR1.241〔1.136~1.355〕)、疲労(OR1.112〔1.060~1.167〕)が多く認められた。なお、EHS群と爆発音のみ群を合わせて1群として、その他の群と比較した解析の結果も、ほぼ同様だった。
著者らは本研究を、「日本人のEHS有病率に関する初の研究」と位置付けている。一方、調査対象が1自治体の公務員のみであり一般化が制限されること、横断研究であるためEHSとメンタルヘルス状態との関連の因果関係は不明であることなどの限界があるとし、さらなる研究の必要性を指摘している。
なお、本研究で示されたEHSの有病率1.25%という数値は、海外での先行研究に比べてかなり低い値だという。この乖離の理由として、先行研究の多くは睡眠関連疾患の患者を対象としていたりオンライン調査であったりするため、EHS既往者が多く含まれている集団で調査されていた可能性が高いこと、および、本研究のようなICSD-3の定義に準拠した方法ではなく、EHSの有無を一つの質問のみにて判定していることによる精度差などが考えられるとのことだ。
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COVID-19陰謀論を信じる人の特徴
日本人の約4人に1人は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する何らかの陰謀論を信じているとする調査結果が報告された。旭川医科大学社会医学講座の佐藤遊洋氏、東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野の田淵貴大氏らの研究によるもので、詳細は「PLOS One」に12月30日掲載された。収入や保有資産が多い人、正規雇用されている人に陰謀論を信じている人が多いという、海外とは異なる傾向が観察されたとのことだ。
COVID-19パンデミック以降、製薬会社が利益を得るためにウイルスを作成した、世界人口を減らすためにウイルスがばらまかれたといった、さまざまな陰謀論が拡散された。そのような陰謀論、または不正確な情報の流布と支持の高まりのために、社会不安の拡大、あるいは公衆衛生対策への悪影響が生じ得ることが指摘されている。例えば国内では、陰謀論とは異なるが、偏った報道の影響でヒトパピローマウイルスワクチンの積極的勧奨一時中断に至り、子宮頸がん対策が遅延した。よってCOVID-19陰謀論についても、今後への備えとして、国内でそれを信じる人の割合や特徴の傾向を明らかにしておく必要がある。
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以上を背景に佐藤氏らは、COVID-19パンデミックの社会・医療への影響を把握するために実施された大規模調査「JACSIS(Japan COVID-19 and Society Internet Survey)」のデータを用いた解析を行った。JACSISは、インターネット調査会社のパネル登録者対象のweb調査として、パンデミック発生以降継続的に行われている。今回の研究では、2021年9~10月に行った調査で得られた2万8,175人(年齢範囲16~81歳)の有効回答を解析対象とした。
英オックスフォード大学での先行研究に基づき、1. 大手製薬会社が、ワクチンで利益を上げるために新型コロナウイルス感染症を作った、2. 新型コロナウイルス感染症は、全ての人々にワクチン接種を余儀なくさせるために作られた、3. このワクチンを使って、大規模な不妊化を実行しようとしている――という3項目を、COVID-19陰謀論として採用。これらについて、「強く賛成する」、「多少賛成する」、「どちらでもない」、「多少反対する」、「強く反対する」の五つから選択してもらい、前二者を選択した場合に「その説を信じている」と判定した。このほかに、COVID-19に関する情報源、行政発情報への信頼の強さなども調査した。
その結果、全体の10.2%は前記の陰謀論のうち一つを信じており、6.5%は二つ、7.3%は三つ全てを信じていた。年齢や性別、居住地、婚姻状況、世帯収入、教育歴などを日本の人口構成に一致させて調整すると、日本人の約4人に1人(24.4%)が何らかの陰謀論を信じていることが分かった。信じている陰謀論の数と背景因子との関連を線形回帰モデルで検討した結果、教育歴、世帯収入、資産額、雇用状況、行政発情報への信頼などと、以下のような有意な関連が認められた。
教育歴については高校卒を基準として、教育歴が長い場合(修士または博士課程修了でΒ=-0.066)と短い場合(中学卒でΒ=-0.089)の双方で、信じている陰謀論が少ないという負の関連が見られた。世帯収入については高収入者において、信じている陰謀論が多いという正の関連が見られた(400~500万円を基準として800万円以上でΒ=0.069)。資産については100万円未満を基準として900~2000万円(Β=0.060)で正の関連が見られた(2000万円以上では非有意)。雇用状況については正規雇用者を基準として、失業・退職者(B=-0.078)、専業主婦・主夫(B=-0.086)、パートタイム(B=-0.051)、自営業(B=-0.102)のいずれも、負の関連が見られた。
COVID-19の情報源に関しては、政府機関のウェブサイトの利用者は非利用者よりも、信じている陰謀論が少なかった(B=-0.109)。一方、X(旧Twitter)以外のSNS(Facebook、Instagram、YouTube、LINE)利用者は非利用者に比べて、信じている陰謀論が多かった(B値は0.053~0.093の範囲)。このほか、日本政府を信頼している人はそうでない人に比べて、信じている陰謀論が多いことも分かった(B=0.175)。
以上の結果に基づき著者らは、「日本においてCOVID-19陰謀論は24.4%の人に支持されている」と推定している。また本調査で明らかになった特筆すべき点として、海外での先行研究とは逆の傾向が示されたことを指摘している。即ち、高収入、高資産、正規雇用が陰謀論の支持と正の関連があり、一方、高学歴とともに教育歴が短いことも、陰謀論の支持と負の関連が認められたことから、「このような日本特有の傾向の根底にあるメカニズムの解明が求められる」と付言している。
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国の指定難病の1つとして登録されている潰瘍性大腸炎。潰瘍性大腸炎とは大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができ、さまざまな症状が出る慢性の病気です。現在の医学では主な原因がはっきりわかっておらず、完全に治すのが難しいとされています。

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