潰瘍性大腸炎について

潰瘍性大腸炎とはどのような病気?

現在の医学では主な原因がはっきりわかっておらず、完全に治すのが難しいとされています。そのため、潰瘍性大腸炎では主に薬を使った内科的治療を行ないながら、「寛解」という病気がおさまっている状態を目指していきます。
よくある病気ではありませんが、潰瘍性大腸炎は若い人が発症しやすい傾向があり、近年徐々に患者数が増えています。
厚生労働省の発表によると、2014年に潰瘍性大腸炎と診断された人は約17万人となっています。

潰瘍性大腸炎とクローン病の違い
潰瘍性大腸炎とよく似た病気にクローン病があります。潰瘍性大腸炎は大腸のみに症状が出るのに対し、クローン病は大腸以外の消化管粘膜にも症状が出ます。
潰瘍性大腸炎の原因
潰瘍性大腸炎の原因は、自己免疫反応に異常が生じて発症する説、腸内細菌が関わっているという説、ほかには遺伝性や食生活の欧米化が関係しているなど、さまざまな説があります。まだはっきりとした原因は解明されていません。
潰瘍性大腸炎の症状とは
下痢や粘血便・血便
潰瘍性大腸炎の症状として、下痢や粘血便(粘液の混じった血便)・血便が多くみられます。
腹痛
じわじわと長時間痛んだり、急に強い痛みが生じたりします。
体重減少
大腸の粘膜が荒れて正常にはたらかない状態にあるため、次第に体重が減ってきます。
貧血
食欲が低下し栄養状態も悪くなるため貧血になりやすい傾向があります。
発熱
潰瘍性大腸炎は炎症性の病気であるため、発熱することもあります。

また、潰瘍性大腸炎は合併症を起こすこともあります。合併症の例としては、関節炎や脊椎炎、皮膚では結節性紅斑や壊疽性膿皮症がみられます。潰瘍性大腸炎にかかってから長く経つと、大腸がんのリスクが高くなるともいわれています。
潰瘍性大腸炎を診断するための検査

症状
いつからどのような症状があるのか、身近な人の既往歴なども確認します。
注腸X線検査(行われないこともある)
大腸に造影剤を注入し、X線(レントゲン)撮影をして大腸の状態を確認します。
肛門鏡検査
肛門鏡という器具を使って、肛門周囲の状態を観察します。
内視鏡検査
内視鏡カメラを使って、肛門から大腸のはじまりまで、粘膜の状態を観察します。
細菌検査
細菌感染による腸炎など、潰瘍性大腸炎と似た病気もあるため、便や血液を使って細菌の有無を確認します。
組織検査
粘膜組織をわずかに取って、顕微鏡で組織の状態を観察します。

潰瘍性大腸炎の治療方法
潰瘍性大腸炎の治療方法は、薬を使って症状を抑えていく内科的治療がメインとなります。完治は難しく、症状は落ち着いたりひどくなったりする状態を繰り返します。そこで、潰瘍性大腸炎では寛解といって病気の状態が落ち着いている状態ができるだけ維持できるようにしていくのが目標となります。
寛解状態にあるときは食事の制約がなく、学業・仕事についても負担が大きくない程度であれば可能です。

内科的治療(薬による治療)
治療では、内服や点滴で炎症を抑える薬を使用します。特にステロイド薬は炎症を抑えることに効果があります。ほかに使われる5-アミノサリチル製剤では炎症を抑えるほか、再燃(落ち着いていた病状が、再び悪化すること)の予防にも効果があるといわれています。
ステロイド薬を減らすと症状が悪化するケースやステロイドで効果が見られない場合には免疫調整薬や免疫抑制薬を使用することもあります。また、炎症を引き起こすTNF-αという物質のはたらきを抑えるために抗TNF-α製剤も使われます。
白血球除去療法
白血球除去療法は炎症を長引かせている原因となる異常な白血球を取り除く治療です。この治療によって炎症が抑えられ、症状の改善が期待できます。
外科的治療
重症化してしまった潰瘍性大腸炎や薬による副作用で治療の継続が難しい場合、また大腸に穴が空いてしまったときや大量出血などの合併症がみられたときには、手術による治療が選択されます。
近年、医学の進歩により潰瘍性大腸炎の治療法は増えてきています。日本は世界の中でも、潰瘍性大腸炎の治療法が多い国の1つとなっています。
まとめ
潰瘍性大腸炎とは、下痢や血便から全身に症状が出る病気です。完治できる治療法は確立されていませんので、病状が寛解し、それを維持できるような治療を行なっていきます。
寛解状態のときには、注意点はあるものの日常生活を送るうえで大きな制限はありません。
潰瘍性大腸炎は専門機関での診断と保健所での手続きによって医療費の助成が受けられる病気です。気になる症状がある場合には、医療機関に早めに相談しましょう。
潰瘍性大腸炎は主にお腹の症状が中心となる炎症性の病気です。潰瘍性大腸炎の症状に焦点を当てながら潰瘍性大腸炎のセルフチェックに役立つ情報をご紹介していきます。
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スポーツの「観戦」にも有意な健康効果――日本人対象の縦断的研究
スポーツを「する」のではなく、「見る(観戦する)」ことも、健康増進につながることを示した、国内での縦断的研究の結果が報告された。観戦頻度の高い人は1年後のメンタルヘルスや生活習慣の指標が良好だったという。ただし、テレビなどのメディアでの観戦では、一部の身体疾患のリスクが上昇する可能性も示唆されたとのことだ。公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所の川上諒子氏らの研究によるもので、詳細は「Preventive Medicine」12月号に掲載された。
スポーツを含む身体活動を実践することの健康効果については、膨大なエビデンスの裏付けがある。しかし、スポーツを観戦することが健康に与える影響については、因果関係の証明にはならない横断研究の報告があるものの、因果関係を検討可能な長期間の縦断研究は過去に行われていない。これを背景として川上氏らは、健診受診者対象の前向きコホート研究「明治安田ライフスタイル研究(MYLSスタディ)」のデータを用いた縦断的解析を行った。
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この研究の解析対象は、2017~2019年度にMYLSスタディに参加した6,327人。主な特徴は、平均年齢50.7歳、女性48.9%、既婚者71.8%、大学卒以上81.7%であり、27.8%が週に1日以上、メディアでスポーツの試合を観戦し、21.7%は年に2日以上、現地で直接観戦していた。
ベースライン時点から1年後、身体的な健康や生活習慣、幸福感などに関する20項目のアウトカムを評価。結果に影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、教育歴、就労状況、婚姻状況、独居/同居、暮らし向き、高血圧・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症・睡眠障害に対する処方薬数)を調整後、以下のような関連が明らかになった。
まず、現地でのスポーツ観戦が過去1年間に1日もなかった群(65.5%)に比較して、2日以上観戦していた群(21.7%)は、中等度の心理的ストレスを抱えるリスクが17%低く(リスク比〔RR〕0.83〔95%信頼区間0.72~0.95〕)、重度の心理的ストレスの該当者も有意に少なかった(オッズ比0.43〔同0.23~0.79〕)。
また、現地での観戦頻度が高いほど心理的ストレスを抱えるリスクが低下するという関連が認められた(傾向性P値が中等度ストレスについては0.011、重度ストレスは0.016)。同様に、現地で観戦した人は脂質異常症のリスクが低く(1年間に2日以上観戦でRR0.89〔0.79~1.00〕、傾向性P=0.049)、さらに生活習慣の改善に前向きであった(行動変容ステージが前熟考期であることのRRが0.77〔0.64~0.93〕、傾向性P=0.005)。
次に、メディアでの観戦が過去1カ月間に1日もなかった群(41.6%)に比較して、週に1日以上観戦していた群(27.8%)は、身体活動不足であることが少なく(RR0.94〔0.88~1.00〕、傾向性P=0.038)、朝食欠食が少なく(RR0.85〔0.75~0.96〕、傾向性P=0.008)、幸福感が高かった(RR1.08〔1.00~1.17〕、傾向性P=0.048)。
ただし、メディアでの観戦は、BMIの上昇(β=0.03〔0.00~0.05〕、傾向性P=0.025)のほか、高血圧(RR1.09〔1.01~1.19〕、傾向性P=0.026)や糖尿病(RR1.16〔1.02~1.31〕、傾向性P=0.018)のリスク上昇と関連していた。
著者らは本研究を「スポーツ観戦の頻度と健康状態などとの関連を、大規模かつ縦断的に解析した初めての研究」と位置づけ、「現地観戦でもメディアでの観戦でも、スポーツを見ることでメンタルヘルスや生活習慣が良好になる可能性が示された。一方で、メディアでの観戦には肥満や生活習慣病のリスクが潜んでいることも示唆された」と総括している。なお、メディア観戦がいくつかのアウトカムに負の影響を及ぼし得る点については、「座ったままで飲食をしながら観戦するという、いわゆる“カウチポテト”になりやすいことの影響も考えられる」と考察している。
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HealthDay News 2024年12月16日
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野菜を先に食べている糖尿病患者は高次生活機能が高い
野菜を先に食べる習慣のある高齢糖尿病患者は、高次生活機能が高いとする研究結果が報告された。一方で最初にタンパク質や炭水化物の食品を食べることは、高次生活機能との関連が有意でないという。伊勢赤十字病院糖尿病・代謝内科の井田諭氏らの研究によるもので、詳細は「BMC Nutrition」に9月27日掲載された。
高齢の糖尿病患者が増加していることを背景に、糖尿病臨床においては血糖管理のみならず、患者の高次生活機能の低下を防ぐことが重要な課題となってきている。高次生活機能とは、買い物や金銭の管理などの手段的日常生活動作(IADL)のほか、知的な活動や社会的な活動を積極的に行うための機能であり、食後の高血糖がこの機能を低下させるリスク因子の一つである可能性が指摘されている。一方、食事の際に野菜を最初に食べることは、食後高血糖の抑制に役立つ。これらを背景として井田氏らは、野菜から食べ始めることが、糖尿病患者の高次生活機能の維持に対して保護的に働いているのではないかとの仮説の下、以下の横断的研究を行った。
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研究参加者は、2022年7~12月の同院糖尿病外来受診者のうち、60歳以上の346人(平均年齢72歳、男性59%、HbA1c7.6%)。このうち、野菜を最初に食べると回答した患者は39.7%で、炭水化物が最初は28.6%、タンパク質が最初は14.4%であり、19.3%の患者は食べる順序を意識していなかった。
高次生活機能の評価には、東京都長寿医療センターで開発された「老研式活動能力指標(TMIG-IC)」を用いた。TMIG-ICは13項目の質問で評価され、スコアが高いほど高次生活機能が高いと判定する。前記の4群のTMIG-ICスコアは、野菜優先群は11.1±2.3、炭水化物優先群は10.2±2.9、タンパク質優先群は10.0±2.3、決まった順番なし群が9.7±2.8だった。
次に、結果に影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、BMI、HbA1c、運動習慣、併存症、社会的フレイル〔外出頻度が少ないことなどで判定〕)を調整変数に含めた重回帰分析を行い、食べる順番とTMIG-ICとの関連の偏回帰係数を求めた。すると、男性、運動習慣なし、社会的フレイルは、TMIG-ICと負の有意な関連が認められた一方、野菜を最初に食べる習慣は有意な正の関連が認められた(係数1.00〔95%信頼区間0.33~1.66〕)。炭水化物またはタンパク質を最初に食べる習慣は、TMIG-ICと有意な関連がなかった。
続いて、調整変数として栄養不良(MNA-SFスコア)と認知機能(自記式質問票のスコア)を追加した解析を行ったところ、野菜を最初に食べる習慣は、係数0.77(95%信頼区間0.23~1.31)とやや関連性が弱まったが、引き続き正の有意な関連因子だった。なお、性別に解析した場合、男性では全体解析と同様に有意な関連が認められた一方、女性では関連が非有意となった。
これらの結果から、野菜を最初に食べるという習慣は高次生活機能を保護するように働くと考えられ、その関連の一部は栄養状態や認知機能によって媒介されることが示唆された。著者らは、本研究が専門外来受診者を対象とした横断研究であり、教育歴や摂取エネルギー量などが考慮されていないことなどの限界点を挙げた上で、「野菜を最初に食べるという簡単な食習慣が、糖尿病患者の高次生活機能の維持につながる可能性がある」と総括している。
なお、性別の解析で女性では関連が示されなかったことについて、「女性は男性に比べて食習慣が良好であるためではないか」との考察が加えられている。実際、本研究における野菜優先の割合は、男性が31.9%に対して女性は48.8%と、ほぼ半数に及んでいた。
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糖尿病でいちばん恐ろしいのが、全身に現れる様々な合併症。深刻化を食い止め、合併症を発症しないためには、早期発見・早期治療がカギとなります。今回は糖尿病が疑われる症状から、その危険性を簡単にセルフチェックする方法をご紹介します。
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国内高齢者の4人に1人、75歳以上では3人に1人がCKD
日本人高齢者の4人に1人は慢性腎臓病(CKD)であり、75歳以上では3人に1人に上ることが明らかになった。広島大学医系科学研究科疫学・疾病制御学分野の福間真悟氏、東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科学の小林亜理沙氏らが、全国約60万人の健診データを用いて推計した結果であり、詳細は「Clinical and Experimental Nephrology」に10月5日掲載された。
国内のCKD患者数は、2009年に行われた調査を基に「成人の約13%、約1330万人が該当する」とされている。しかしこの調査から15年たち、平均寿命の延伸、CKDリスクに関連のある糖尿病などの生活習慣病の有病率の変化により、CKD患者数も変化していると考えられる。特に腎機能は加齢とともに低下することから、高齢者の最新のCKD有病率を把握することが重要と考えられる。これらを背景として福間氏らは、全国規模の医療費請求データおよび健診データの商用データベース(DeSCヘルスケア株式会社)を用いた新たな解析を行った。
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2014~2022年度の65~90歳のデータベース登録者数は298万1,750人だった。このうち健診で推定糸球体濾過量(eGFR)と蛋白尿が2回以上測定されていた58万8,089人(19.7%)を解析対象とした。CKDは、eGFR60mL/分/1.73m2未満または蛋白尿が+1以上の場合と定義した。なお、疫学研究では1時点の記録で有病率を推計することが少なくないが、本研究では上記のように記録が1回のみの場合は除外した。その理由は、臨床においてCKDは90日以上の間をおいた2時点ともに有所見の場合に診断されるためである。
解析対象者の年齢は中央値69.9歳(四分位範囲67.9~76.2)、女性57.4%で、56.8%が高血圧、48.4%が脂質異常症、14.7%が糖尿病を有していた。基本的に、医療機関を受診するような健康状態が悪い集団は健診を受けにくい。そのため、健診受診者のみを分析する従来の集計方法では、健康状態の良い偏った集団の結果となり、CKDの有病割合を過小評価する可能性があった。本研究では、逆確率重み付け法という統計学的手法により、健診を受けていない群との年齢や性別、保険加入状況、過去の健診受診回数の影響を調整した解析を行い、一般集団のCKD有病割合を適切に推定した。その結果、65歳以上でのCKD有病率は25.3%と、ほぼ4人に1人が該当すると考えられた。
75未満/以上で層別化すると、65~74歳での有病率は11.8%だったが、75歳以上では34.6%と、3人に1人以上が該当した。より細かく5歳刻みで見た場合、65~69歳は9.6%、70~74歳は13.43%、75~79歳は25.47%、80~84歳は36.21%、85~89歳は49.41%だった。
また、CKDステージについては、G2(eGFR60~89mL/分/1.73m2〔腎機能が正常または軽度低下〕)が77.09%と多くを占め、次いでG3a(同45~59〔軽度~中等度低下〕)が17.68%、G3b(30~44〔中等度~高度低下〕)が4.44%だった。蛋白尿区分ではA1(正常)が95.5%、A2(微量アルブミン尿)が4.22%、A3(顕性アルブミン尿)が0.28%だった。
このほか、併存疾患に着目すると、高血圧はCKD群の66.8%、非CKD群の54.8%に見られ、糖尿病は同順に18.2%、13.9%、肥満(BMI25以上)は31.8%、23.0%に認められ、群間差が有意だった(全てP<0.01)。
これらの結果に基づき著者らは、「日本の高齢者人口におけるCKDの有病率は約25%と推計された。この有病率は加齢とともに増加するが、多くの患者は軽度の腎機能低下にとどまっている」と総括。また、CKDは心血管イベントや末期腎不全への進行リスクが高いとは言え、大半の高齢CKD患者は比較的軽症だと明らかになったことから、「特に高齢者では、CKDの基準を満たす者の中で医療介入の必要性がより高い集団を抽出し得る因子の特定が必要」と述べ、このテーマに関する研究を進めることを現在計画しているという。
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糖尿病の3大合併症として知られる、『糖尿病性腎症』。この病気は現在、透析治療を受けている患者さんの原因疾患・第一位でもあり、治療せずに悪化すると腎不全などのリスクも。この記事では糖尿病性腎病を早期発見・早期治療するための手段として、簡易的なセルフチェックや体の症状について紹介していきます。
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ダイナペニック肥満は心血管疾患のリスク因子――久山町24年間の縦断解析
肥満でありながら筋力が低下した状態を指す「ダイナペニック肥満」が、心血管疾患(CVD)発症の独立したリスク因子であることが、久山町研究から明らかになった。九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学分野の瀬戸山優氏、本田貴紀氏、二宮利治氏らの研究によるもので、「Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle」に論文が10月8日掲載された。
筋肉量の多寡にかかわらず筋力が低下した状態を「ダイナペニア」といい、筋肉量と筋力がともに低下した状態である「サルコペニア」と並び、死亡リスク上昇を含む予後不良のハイリスク状態とされている。さらに、その状態に肥満が加わったサルコペニア肥満やダイナペニック肥満では、CVDのリスクも高まる可能性が示されている。しかしダイナペニック肥満に関してはCVDとの関連の知見がまだ少なく、海外からの報告がわずかにあるのみであり、かつ結果に一貫性がない。これを背景として本研究グループは、1961年に国内疫学研究の嚆矢として福岡県糟屋郡久山町でスタートし、現在も住民の約7割が参加している「久山町研究」のデータを用いた検討を行った。
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解析対象は、1988~2012年に毎年健康診断を受けていて、ベースライン時にCVD既往のなかった40~79歳の日本人2,490人(平均年齢57.7±10.6歳、男性42.5%)。握力が年齢・性別の第1三分位群(握力が弱い方から3分の1)に該当し、かつ肥満(BMI25以上)に該当する場合を「ダイナペニック肥満」と定義すると、全体の5.4%がこれに該当した。
中央値24年(四分位範囲15~24)の追跡で482人にCVDイベント(脳卒中324件、冠動脈性心疾患〔CHD〕209件)が発生した。交絡因子(年齢、性別、喫煙・飲酒・運動習慣、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心電図異常など)を調整後に、握力の最高三分位群かつ普通体重(BMI18.5~24.9)の群(全体の23.9%)を基準として、ほかの群のCVDリスクを比較した。
その結果、ダイナペニック肥満群でのみ、CVD(ハザード比〔HR〕1.49〔95%信頼区間1.03~2.17〕)および脳卒中(HR1.65〔同1.06~2.57〕)の有意なリスク上昇が認められた。肥満でも握力低下のない群(第2~3三分位群)のCVDリスクは基準群と有意差がなく、また、やせ(BMI18.5未満)や普通体重の場合は握力にかかわらずCVDリスクに有意差がなかった。なお、CHDについてはダイナペニック肥満群のリスクも、基準群と有意差がなかった(HR1.19〔0.65~2.20〕)。
65歳未満/以上で層別化した解析では、65歳未満でダイナペニック肥満によるCVDリスクがより高いことが示された(HR1.66〔1.04~2.65〕)。一方、65歳以上では有意な関連を認めなかった(HR1.18〔0.61~2.27〕)。
続いて行った媒介分析からは、ダイナペニック肥満とCVDリスク上昇との関連の14.6%を炎症(高感度C反応性蛋白〔hs-CRP〕)、9.7%をインスリン抵抗性(HOMA-IR)で説明可能であり、特に65歳未満ではhs-CRPが13.8%、HOMA-IRが12.2%を説明していて、インスリン抵抗性の関与が強いことが示唆された。
著者らは、「握力とBMIで定義したダイナペニック肥満は、日本の地域住民におけるCVD発症のリスク因子であることが明らかになった。この関連性は、65歳未満でより顕著であり、炎症とインスリン抵抗性の上昇がこの関連性を部分的に媒介している」と総括。また、「われわれの研究結果は、CVD予防における中年期の筋力の低下抑止と、適切な体重管理の重要性を示唆するものと言える」と付け加えている。
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肥満という言葉を耳にして、あなたはどんなイメージを抱くでしょうか?
今回は肥満が原因となる疾患『肥満症』の危険度をセルフチェックする方法と一般的な肥満との違いについて解説していきます。肥満症の危険度をセルフチェック!一般的な肥満との違いは?
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HealthDay News 2024年12月2日
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味覚異常の2割は口腔疾患が主因で半数強に亜鉛以外の治療が必要――歯科外来調査
歯科における味覚障害患者の特徴を詳細に検討した結果が報告された。患者の約2割は口腔疾患が主因であり、半数強は亜鉛製剤処方以外の治療が必要だったという。北海道大学大学院歯学研究科口腔病態学講座の坂田健一郎氏、板垣竜樹氏らの研究によるもので、「Biomedicines」に論文が9月23日掲載された。
近年、味覚異常の患者数が増加傾向にあり、特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックで顕著に増加した。味覚異常の原因として古くから亜鉛欠乏が知られており、治療として通常まず亜鉛製剤の投与が行われる。しかし、亜鉛製剤が無効な症例も少なくない。また味覚障害の原因に関する研究は、耳鼻咽喉科で行われたものや既に何らかの基礎疾患を有する患者群での報告が多くを占めている。これらを背景として坂田氏らは、北海道大学病院口腔科の患者データを用いた後ろ向き研究を行った。
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2007~2018年に同科を受診し味覚障害と診断された患者は322人であり、平均年齢66.3±13.1歳、女性73.3%、平均罹病期間15.2±20.0カ月だった。味覚障害の診断および原因の探索は、口腔外科専門医による問診、舌・口腔・鼻腔の観察、味覚検査、血液検査(亜鉛、銅、鉄、ビタミンB12)、唾液分泌検査、口腔カンジダ培養検査、うつレベルの評価(自己評価に基づくスクリーニングツール〔self-rating depression scale;SDS〕を使用)などにより行われた。
味覚検査は、舌の4領域に4種類の味質を使用して味を感じる閾値を特定し、年齢を考慮して判定するろ紙ディスク法、または、口の中全体で味を感じ取れるか否かで診断する全口腔法という2種類の検査法を施行し、量的味覚障害または質的味覚障害と診断された。これら両者による診断で、年齢、性別の分布に有意差はなかった。また血清亜鉛濃度も、量的味覚障害の患者群が73.1±16.3μg/dL、質的味覚障害の患者群が73.4±15.8μg/dLであり、有意差がなかった(血清亜鉛濃度の基準範囲は一般的に80μg/dLが下限)。ただし、味覚障害の主因については、心因性と判定された患者の割合が、量的味覚障害群に比べて質的味覚障害群では約1.5倍多いという違いが見られた。
全体解析による味覚障害の主因は、心因性が35.1%、口腔疾患(口腔カンジダ症、口腔乾燥症など)が19.9%、亜鉛欠乏が10.2%、急性感染症が5.0%、全身性疾患が5.0%、医原性(薬剤性以外)が2.5%、薬剤性が1.9%、特発性(原因が不明または特定不能)が20.5%だった。
この結果から、歯科で味覚障害と診断された患者では、亜鉛欠乏が主因のケースはそれほど多くなく、むしろ心因性や口腔疾患による味覚障害が多いことが明らかになった。また、実際に行われていた治療を見ると、半数以上の患者が亜鉛製剤処方以外の処置を要していた。これらを基に著者らは、「味覚異常を訴え歯科を受診した患者の場合、血清亜鉛値から得られる情報は参考程度にとどまる。臨床においては、低亜鉛血症を認めた場合は亜鉛製剤を処方しながら味覚障害の原因探索を進めるという対応がベストプラクティスと言えるのではないか」と述べている。また、心因性の味覚障害が多数を占めることから、「診断のサポートとしてSDSなどによるうつレベルの評価が有用と考えられる」と付け加えている。
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HealthDay News 2024年11月25日
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CKDの早期からうつ病リスクが上昇する
腎機能低下とうつ病リスクとの関連を解析した結果が報告された。推定糸球体濾過量(eGFR)が60mL/分/1.73m2を下回る比較的軽度な慢性腎臓病(CKD)患者でも、うつ病リスクの有意な上昇が認められるという。東京大学医学部附属病院循環器内科の金子英弘氏、候聡志氏らの研究によるもので、詳細は「European Journal of Clinical Investigation」に9月27日掲載された。
末期のCKD患者はうつ病を併発しやすいことが知られており、近年ではサイコネフロロジー(精神腎臓学)と呼ばれる専門領域が確立されつつある。しかし、腎機能がどの程度まで低下するとうつ病リスクが高くなるのかは分かっていない。金子氏らは、医療費請求データおよび健診データの商用データベース(DeSCヘルスケア株式会社)を用いた後ろ向き観察研究により、この点の検討を行った。
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2014年4月~2022年11月にデータベースに登録された患者から、うつ病や腎代替療法の既往者、データ欠落者を除外した151万8,885人を解析対象とした。対象者の年齢は中央値65歳(四分位範囲53~70)、男性が46.3%で、eGFRは中央値72.2mL/分/1.73m2(同62.9~82.2)であり、5.4%が尿タンパク陽性だった。
1,218±693日の追跡で4万5,878人(全体の3.0%、男性の2.6%、女性の3.3%)にうつ病の診断が記録されていた。ベースライン時のeGFR別に1,000人年当たりのうつ病罹患率を見ると、90mL/分/1.73m2以上の群は95.6、60~89の群は87.4、45~59の群は102.1、30~44の群は146.5、15~29の群は178.6、15未満の群は170.8だった。
交絡因子(年齢、性別、BMI、喫煙・飲酒・運動習慣、高血圧・糖尿病・脂質異常症)を調整後に、eGFR60~89の群を基準として比較すると、他の群は全てうつ病リスクが有意に高いことが示された。ハザード比(95%信頼区間)は以下のとおり。eGFR90以上の群は1.14(1.11~1.17)、45~59の群は1.11(1.08~1.14)、30~44の群は1.51(1.43~1.59)、15~29の群は1.77(1.57~1.99)、15未満の群は1.77(1.26~2.50)。また、尿タンパクの有無での比較では、陰性群を基準として陽性群は1.19(1.15~1.24)だった。
3次スプライン曲線での解析により、eGFRが65mL/分/1.73m2を下回るあたりからうつ病リスクが有意に上昇し始め、eGFRが低いほどうつ病リスクがより高くなるという関連が認められた。
これらの結果に基づき著者らは、「大規模なリアルワールドデータを用いた解析の結果、CKDの病期の進行とうつ病リスク上昇という関連性が明らかになった。また、早期のCKDであってもうつ病リスクが高いことが示された。これらは、CKDの臨床において患者の腎機能レベルにかかわりなく、メンタルヘルスの評価を日常的なケアに組み込む必要のあることを意味している」と総括。また、「今回の研究結果は、サイコネフロロジー(精神腎臓学)という新たな医学領域の前進に寄与すると考えられる」と付け加えている。
なお、eGFRが90以上の群でもうつ病リスクが高いという結果については、「本研究のみではこの理由を特定することは困難だが、CKD早期に見られる過剰濾過との関連が検出された可能性がある」と考察されている。
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糖尿病の3大合併症として知られる、『糖尿病性腎症』。この病気は現在、透析治療を受けている患者さんの原因疾患・第一位でもあり、治療せずに悪化すると腎不全などのリスクも。この記事では糖尿病性腎病を早期発見・早期治療するための手段として、簡易的なセルフチェックや体の症状について紹介していきます。
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HealthDay News 2024年11月25日
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コロナ禍を経て高知県民の飲酒行動が変わった?――急性アルコール中毒搬送件数の分析
お酒好きが多いことで知られる高知県から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが終息した後も、人々が羽目を外して飲酒する頻度は減ったままであることを示唆するデータが報告された。同県での急性アルコール中毒による搬送件数を経時的に解析した結果、いまだ2019年の水準より有意に少ない値で推移しているという。高知大学医学部附属病院次世代医療創造センターの南まりな氏らの研究によるもので、詳細は「Environmental Health and Preventive Medicine」に10月8日掲載された。
COVID-19パンデミック中は、外出自粛、飲食店の時短営業などの影響を受け、高知県において急性アルコール中毒による救急搬送件数が有意に低下したことを、南氏らは既に報告している。その後、2023年5月にWHOが緊急事態の終息を宣言し、国内でも感染症法上の位置付けが5類となって、社会生活はほぼパンデミック前の状態に戻った。それによって、高知県民の飲酒行動が元に復した可能性があることから、南氏らは最新のデータを用いた検証を行った。
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この研究は、高知県救急医療・広域災害情報システム「こうち医療ネット」のデータを用いて行われた。2019~2023年の救急搬送のデータから、解析に必要な情報がないもの、および急性アルコール中毒の記録が存在しない9歳以下と80歳以上を除外した10万7,013人を解析対象とした。このうち1,481人(1.4%)が、急性アルコール中毒による救急搬送だった。
救急搬送者数に占める急性アルコール中毒による搬送者の割合を経時的に見ると、パンデミック前の2019年は1.8%、パンデミック初期に当たる2020年は1.3%であり、その後、2021年と2022年は1.2%で、2023年は1.3%と推移していた。
2019年を基準として、年齢、性別、救急要請場所、消防管轄区域(高知市か高知市以外)、および重症度を調整し、救急搬送のオッズ比(OR)を算出すると、以下に示すように2020年以降はすべて有意に低値であり、2023年にわずかに上昇する傾向が認められた。2020年はOR0.79(95%信頼区間0.68~0.93)、2021年はOR0.74(同0.63~0.87)、2022年はOR0.72(0.61~0.84)、2023年はOR0.77(0.66~0.90)。
著者らは、「COVID-19パンデミックが終息し人々の生活パターンがある程度元に戻ったにもかかわらず、高知県での急性アルコール中毒による救急搬送は、若干増加しているとはいえ、いまだパンデミック以前のレベルに至っていない。この結果は、パンデミックを経て飲酒行動が変化したことを示唆している」と結論付けている。また、そのような変化が生じた背景として、特に急性アルコール中毒のハイリスク集団である若年世代の娯楽の多様化で、アルコール離れが生じた影響ではないかとの考察を加えている。
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HealthDay News 2024年11月18日
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前立腺肥大症治療薬のタダラフィルが2型糖尿病リスクを抑制
前立腺肥大症(BPH)の治療に用いられているタダラフィルが、2型糖尿病(T2DM)発症リスクを低下させる可能性が報告された。京都大学大学院医学研究科薬剤疫学分野の髙山厚氏らによる研究の結果であり、論文が「Journal of Internal Medicine」に9月17日掲載された。
タダラフィルはホスホジエステラーゼ5阻害薬(PDE5i)と呼ばれるタイプの薬で、血管内皮細胞からの一酸化窒素の放出を増やして血管を拡張する作用があり、BPHのほかに勃起障害(ED)や肺高血圧症の治療に用いられている。近年、T2DMの発症に血管内皮機能の低下が関与していることが明らかになり、理論的にはPDE5iがT2DMリスクを抑制する可能性が想定される。ただし、そのエビデンスはまだ少ない。これを背景として髙山氏らは、リアルワールドデータを用いて実際の臨床試験をエミュレート(模倣)し、観察研究でありながら介入効果を予測し得る、ターゲットトライアルエミュレーションによる検証を行った。
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研究には、日本の人口の約13%をカバーする医療費請求データベースの情報を用いた。2014年5月~2023年1月にBPHと診断され、タダラフィル(5mg/日)の処方、またはα遮断薬の処方の記録がある40歳以上の男性患者から、糖尿病の既往(診断、血糖降下薬の処方、HbA1c6.5%以上の検査値で把握)、タダラフィルとα遮断薬の併用、薬剤使用禁忌症例などを除外。タダラフィル群5,180人、α遮断薬群2万46人を特定し、T2DMの発症、処方中止・変更、死亡、保険脱退、または最長5年経過のいずれかに該当するまで追跡した。なお、α遮断薬はBPH治療薬として広く使われている薬で、T2DMリスクには影響を及ぼさないとされている。
ベースライン時点において、タダラフィル群の方がわずかに若年でHbA1cが低かったものの有意差はなく、その他の臨床指標もよく一致していた。追跡期間は、タダラフィル群が中央値27.7カ月、α遮断薬群は同31.3カ月だった。T2DMの発症率は、タダラフィル群では1,000人年当たり5.4(95%信頼区間4.0~7.2)、α遮断薬群は同8.8(7.8~9.8)と計算され、タダラフィルの処方はT2DM発症リスクの低下と関連していた(リスク比〔RR〕0.47〔0.39~0.62〕、5年間の累積発症率差-0.031〔-0.040~-0.019〕)。
前糖尿病(HbA1c5.7%以上)に該当するか否かで二分した上での解析(前糖尿病ではRR0.49〔0.40~0.69〕、HbA1c5.7%未満ではRR0.34〔0.20~0.63〕)や、肥満(BMI25以上)の有無で二分した解析(肥満ではRR0.61〔0.43~0.80〕、非肥満ではRR0.38〔0.24~0.62〕)でも、全てのサブグループで全体解析同様の結果が示された。また、感度分析として、T2DM発症の定義などを変更した15パターンでの解析を行ったが、結果は一貫していた。
著者らは、保険非適用のPDE5i処方(ED治療目的)が把握されていないことや残余交絡が存在する可能性などを研究の限界点として挙げた上で、「BPH男性の治療におけるタダラフィルの処方はα遮断薬の処方と比較して、T2DM発症リスクの低下と関連しているようだ。この関連のメカニズムを明らかにし、同薬のメリットを得られる集団の特徴をより詳細かつ明確にする必要がある」と述べている。
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糖尿病でいちばん恐ろしいのが、全身に現れる様々な合併症。深刻化を食い止め、合併症を発症しないためには、早期発見・早期治療がカギとなります。今回は糖尿病が疑われる症状から、その危険性を簡単にセルフチェックする方法をご紹介します。
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HealthDay News 2024年11月18日
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禁煙後に体重が3kg以上増えると高血圧リスクが上昇
禁煙後に体重が3kg以上増加すると、高血圧の発症リスクが有意に高くなることを示唆する研究結果が報告された。ただし、喫煙を継続していた場合は体重増加が3kg未満であっても、高血圧発症リスクが有意に高くなるという。日本医科大学衛生学公衆衛生学分野の大塚俊昭氏らの研究によるもので、詳細は「The American Journal of Medicine」に9月14日掲載された。
タバコは言うまでもなく体に悪く、高血圧発症リスク因子でもあり、全ての喫煙者に禁煙が推奨される。しかし、禁煙によってニコチンの持つ空腹感抑制作用がなくなることや、味覚・嗅覚および胃粘膜の血流改善によって、食欲が高まることがあり、体重増加を介して禁煙による健康へのプラス作用を弱めてしまう可能性がある。その悪影響の一つとして、血圧の上昇が挙げられる。ただ、禁煙後の体重変化と高血圧リスクとの関連については、不明点が少なくない。大塚氏らは、日本人労働者の健診データを用いた縦断的解析により、この点を検討した。
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解析対象は、国内精密機器開発メーカーの従業員のうち、健診データと高血圧発症を判定可能な情報がそろっている男性1万354人(平均年齢38.4±8.8歳)。ベースライン時点(2008~2009年)における高血圧既往者、過去喫煙者(喫煙歴があるが既に禁煙していた人)、追跡期間中の新規喫煙者、およびサンプル数不足のため女性は除外されている。
全体の68.0%は喫煙歴がない「非喫煙群」であり、2.2%は2008~2009年の間に禁煙に成功した「新規禁煙群」で、残りの29.8%は喫煙を続けていた「喫煙継続群」だった。
平均2.9±0.4年の追跡期間中に、1,032人(10.0%)が高血圧を発症した。発症率を喫煙状態別に見ると、非喫煙群は8.3%、新規禁煙群は12.4%、喫煙継続群は13.6%だった。交絡因子(年齢、BMI、飲酒・運動習慣、高血糖、脂質異常症、高尿酸血症、血圧カテゴリー、高血圧家族歴)を調整後、非喫煙群を基準とする高血圧発症オッズ比は、喫煙継続群は有意に高いものの(調整オッズ比〔aOR〕1.39〔95%信頼区間1.18~1.63〕)、新規禁煙群は非有意だった(aOR1.21〔同0.76~1.91〕)。
次に、禁煙後の体重変化の影響を検討するため、追跡期間中の体重変化幅が+3kg以上/未満で分け、全体を6群に群分けした上で、非喫煙かつ体重変化が3kg未満の群(5,642人〔全体の54.5%〕)を基準とする解析を行った。前記同様の交絡因子を調整後、非喫煙群では体重が3kg以上増加した場合に高血圧発症率の上昇傾向を示したがわずかに非有意であり、新規禁煙群では体重が3kg以上増加していた場合のみ有意に上昇、喫煙継続群では体重の変化にかかわらず有意に上昇という結果が示された。
各群の高血圧発症の調整オッズ比は以下の通り。非喫煙群で3kg以上体重が増えた人(1,405人〔全体の13.6%〕)はaOR1.27(0.99~1.62)、新規禁煙群で体重変化が3kg未満の人(169人〔同1.6%〕)はaOR0.90(0.52~1.58)、新規禁煙群で3kg以上体重が増えた人(56人〔0.5%〕)はaOR2.95(1.37~6.35)、喫煙継続群で体重変化が3kg未満の人(2,431人〔23.5%〕)はaOR1.35(1.13~1.61)、喫煙継続群で3kg以上体重が増えた人(651人〔6.3%〕)はaOR1.90(1.43~2.52)。
著者らは、血圧に影響を及ぼし得る禁煙補助薬の処方状況が考慮されていないことなどを本研究の限界点として挙げた上で、「喫煙を継続した場合、および禁煙後に体重が3kg以上増加した場合に高血圧発症リスクが上昇すると考えられ、高血圧予防のため、現喫煙者に対する禁煙と禁煙後の体重管理が強く推奨される」と結論付けている。
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抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連
抗てんかん薬が早期に処方されていた患者は、そうでない患者に比べて認知症発症リスクが低下する可能性を示唆するデータが報告された。横浜市立大学大学院医学研究科脳神経外科学の池谷直樹氏らが国内のレセプトデータを用いて行った解析の結果であり、「Alzheimer’s & Dementia: Translational Research & Clinical Interventions」に9月10日、短報として掲載された。
アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患による認知症(変性性認知症)は、脳内でのアミロイドβやタウタンパク質の蓄積が主要な原因と考えられており、それらの変化は変性性認知症発症のかなり以前から生じていることが知られている。また、変性性認知症と関連しててんかん様の症状を来すことがあり、そのような病態に対しては抗てんかん薬が変性性認知症治療に対して現在使われている薬剤とは別の機序で、進行抑制に寄与する可能性が、基礎実験や小規模な症例報告で示されている。しかし、これまで大規模なデータを用いた研究で、その効果が示されたことがなかった。これを背景として池谷氏らはレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を用いたコホート研究を行った。
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2014年8月と5年後の2019年8月の外来患者データから、年齢が55~84歳で、2019年時点でてんかんと診断されているが、2014年時点ではてんかんと診断されていない(=新たにてんかんを発症した)患者を抽出した上で、2014年時点で認知症と診断されている患者を除外。その患者群から、傾向スコアマッチングにより背景因子(年齢や性別、併存疾患)を調節し、抗てんかん薬の処方の有無が異なるデータセットを作成した。
評価項目は2019年時点での変性性認知症の診断とし、血管性認知症は評価対象から除外した。なお、データセットは2件作成され、主要解析(コホート1)には、新たにてんかんを発症し、2014年時点で抗てんかん薬が処方されていた患者を含め、抗てんかん薬早期処方の影響の評価を可能とした。二つ目のデータセット(コホート2)は感度分析に用いられ、2014年と2019年のいずれか、あるいは両時点でてんかんの診断がある患者を含めた。
コホート1は各群4,489人(両群ともに女性48.0%)であり、2019年時点で変性性認知症と診断された患者は、抗てんかん薬処方あり群が340人(7.6%)、処方なし群が577人(12.9%)であって、オッズ比(OR)0.533(95%信頼区間0.459~0.617)と、抗てんかん薬処方あり群において変性性認知症の診断が有意に少なかった。コホート2は各群2万3,953人(両群ともに女性48.3%)であり、2019年時点で変性性認知症と診断された患者は、抗てんかん薬処方あり群1,128人(4.7%)、処方なし群1,906人(8.0%)であって、OR0.556(同0.514~0.601)と、コホート1同様に抗てんかん薬処方あり群において変性性認知症の診断が有意に少なかった。
なお、探索的分析として、処方されていた抗てんかん薬のタイプ(広域スペクトルと狭域スペクトル)別に変性性認知症の診断率を比較した結果、明確な違いは認められなかった。
著者らは、NDBを用いた観察的横断研究であることを解釈上の留意点として述べた上で、「てんかん診断前の抗てんかん薬の使用はその後の変性性認知症の発症率の低さと関連していた。これは、てんかんの早期症状(脳波異常などを含む)を基に、認知症の発症を抑える目的で、抗てんかん薬を早期処方することを正当化する根拠となり得る」と結論付け、「前向き研究が必要とされる」と付け加えている。
なお、本研究結果は匿名レセプト情報等を基に、著者らが独自に解析・作成した結果であり、厚生労働省が作成・公表している統計等とは異なる。
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軽度認知障害を予防し認知症への移行を防ぐためには早期発見、早期予防が重要なポイントとなります。そこで、今回は認知症や軽度認知障害(MCI)を早期発見できる認知度簡易セルフチェックをご紹介します。
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HealthDay News 2024年11月11日
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パンデミック中は国内在留外国人の自殺率も高まった
国内に暮らす外国人の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック中の自殺率に関するデータが報告された。外国人もパンデミックとともに自殺率が上昇したこと、男性においてはそのような変化が日本人よりも長く続いていたことなどが明らかにされている。筑波大学医学医療系ヘルスサービスリサーチ分野と国立国際医療研究センターグローバルヘルス政策研究センターの共同研究で、谷口雄大氏、田宮菜奈子氏、磯博康氏らによる論文が「International Journal for Equity in Health」に7月31日掲載された。
日本は世界的に見て自殺率が高いことが知られている。またCOVID-19パンデミック中に自殺率の上昇が認められた、数少ない国の一つでもある。一方、外国人の自殺率がパンデミックの影響を受けたのか否かは明らかにされていない。外国人は社会経済的な不平等にさらされやすく、医療アクセスの問題も抱えていることが多いため、パンデミック発生によって日本人よりも強い負荷が生じていた可能性がある。これらを背景として谷口氏らは、パンデミック中の国内在留外国人の自殺率がどのように変化したのかを、日本人と対比しながら詳細に検討した。
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2016~2021年の厚生労働省「人口動態調査」の個票データから、自殺による死亡に関するデータを取得。年齢、性別、国籍の情報が欠落している人を除外したところ、この間の自殺者数は、日本人が12万1,610人(うち女性31.2%)、外国人は1,431人(同37.5%)だった。年齢については日本人男性が中央値52歳(四分位範囲38~68)、日本人女性は同55歳(39~72)、外国人男性は48歳(31~63)、外国人女性は50歳(35~63)だった。本研究では四半期ごとの自殺率を、人口に占める自殺者数の割合で表し、パンデミック前の対照期間(2016~2018年)の自殺率の変動との差分(difference-in-differences;DD)を算出することで、パンデミックの影響を推定した。
四半期ごとの自殺率を日本人と外国人で比較すると、男性と女性の双方において、常に日本人の自殺率の方が高値で推移していた。この差は、自殺率が高かった高年齢層の割合が、日本人で高かったことが一因と考えられる。年齢で層別化(40歳未満、40~59歳、60歳以上)して解析した結果、59歳以下の層において日本人と外国人との自殺率の差が顕著だった。
国籍別に見ると、パンデミック前より自殺率が高いことが報告されていた韓国・朝鮮籍の人では、ほかの国籍の外国人や日本人よりも高い自殺率で推移し、特に60歳以上の男性で顕著に高値だった。なお、韓国・朝鮮籍の自殺者数は、外国人自殺者の過半数(男性50.4%、女性51.1%)を占めていた。
ところで、パンデミック発生とともに国内の自殺率はいったん低下し、その後、反転して高値となったことが知られている。日本人におけるパンデミック初期の自殺率低下は、危機的状況における社会的な連帯感の高まり、労働時間の減少、政府による給付金などが背景にあるのではないかと推測されているが、外国人は、それらの恩恵を受けにくかった可能性がある。実際に本研究でも、2020年第2四半期のDDは、日本人の方が外国人よりも有意に低かった。
例えば、対照期間と比較した場合の同四半期の男性の自殺率は、日本人ではDD-0.90(95%信頼区間-1.12~-0.68)と統計学的に有意に低下したのに対して、外国人は0.97(同0.096~1.85)と有意に上昇しており、日本人と在留外国人の自殺率の推移の差を示すDDの差(difference-in-difference-in-differences;DDD)が1.87(1.20~2.54)と有意だった。女性においても、同四半期の日本人では自殺率が有意に低下した一方、外国人では有意な変化が認められず、DDDは1.23(0.51~1.94)と有意だった。
また、日本人男性における自殺率は2021年第3四半期以降、対照期間と有意でないレベルに低下した一方、外国人男性の自殺率は有意な上昇が続き、同年第4四半期のDDDは1.48(0.81~2.15)と有意であり、パンデミックの影響が日本人よりも長期間続いていた可能性が考えられた。なお、女性のDDDについては2021年以降、日本人と在留外国人の間で有意な差を認めなかった。
著者らは、「COVID-19パンデミック中、全体として在留外国人と日本人の双方で自殺率の上昇が見られた。初期には日本人では自殺率の低下が観察されたが外国人では見られず、また外国人男性の自殺率は2021年末まで高止まりしていた。われわれの研究結果は、パンデミックのような状況においては、社会経済的に脆弱な集団に対して適切なメンタルヘルスサポートが必要なことを示唆している」と総括。また、パンデミック中に外国人男性、特に、失業率が高かったと報告されている韓国・朝鮮籍の男性において自殺率が特に上昇していたことを指摘し、「適切な雇用機会の確保も重要」と述べている。
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CAVI高値のCAD患者は発がんリスクが高い
冠動脈疾患(CAD)の治療を受けた患者の中で、心臓足首血管指数(CAVI)が高く動脈硬化がより進行していると考えられる患者は、その後の発がんリスクが高いことを示すデータが報告された。福島県立医科大学循環器内科の清水竹史氏らによる研究の結果であり、詳細が「Circulation Reports」9月号に掲載された。
近年、がん患者は心血管疾患(CVD)リスクが高く、CVD患者はがんリスクが高いという相関の存在が明らかになり、両者に関与するメカニズムとして慢性炎症などを想定した研究も進められている。しかし、動脈硬化のマーカーと発がんリスクとの関連についてはまだ知見が少ない。清水氏らは、同大学附属病院の患者データを用いた前向き研究により、この点を検討した。
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2010年1月~2022年3月に同院にてCADに対する経皮的冠動脈形成術を受け、CAVIが測定されていた入院患者から、未治療または病勢が制御されていないがん患者、維持透析患者などを除外した連続1,057人を解析対象とした。2023年2月まで追跡(平均2,223日)で、新たに141人ががんを診断されていた。ROC解析により、発がんの予測に最適なCAVIのカットオフ値は8.82と計算され(AUC0.633)、これを基準に2群に分けると、CAVI高値群(53.9%)は低値群(46.1%)に比べて高齢で、糖尿病、慢性腎臓病、貧血の有病率が高く、脳卒中既往者が多いという有意差が認められた。喫煙率やがん既往率には有意差がなかった。
カプランマイヤー法により、CAVI高値群は有意に発がんリスクが高いことが明らかになった(P=0.001)。多変量Cox比例ハザードモデルにて交絡因子(年齢、性別、BMI、喫煙歴、併存疾患、がんの既往など)の影響を調整後、CAVI高値は新規発がんの独立したリスク因子として特定された(ハザード比〔HR〕1.62〔95%信頼区間1.11~2.36〕)。CAVIを連続変数とする解析でも、CAVIが高いほど発がんリスクが高くなるという関連が示された(CAVIが1高いごとにHR1.16〔1.03~1.30〕)。
サブグループ解析の結果、年齢や性別、BMI、喫煙歴、併存疾患・既往症の有無では有意な交互作用は認められず、上記の関連は一貫していた。唯一、貧血の有無の交互作用が有意であり、貧血あり群ではCAVI高値による発がんリスクの上昇が見られなかった。
このほか、感度分析としてCAVIのカットオフ値を8または9とした解析も行ったが、結果は同様だった。なお、新たに診断されたがんの部位については、胃、前立腺、肺、大腸が多くを占め、日本の一般人口と同様であり、かつCAVIの高低で比較しても部位の分布に有意差はなかった。
著者らは、本研究が単一施設のデータに基づく解析結果であることなどを限界点として挙げた上で、「CAVIが高いことはその後の発がんリスクの高さと関連していた。CAD患者の中からCAVIによって、スクリーニングを強化すべき発がんハイリスク者を抽出可能なのではないか」と述べている。
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国の指定難病の1つとして登録されている潰瘍性大腸炎。潰瘍性大腸炎とは大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができ、さまざまな症状が出る慢性の病気です。現在の医学では主な原因がはっきりわかっておらず、完全に治すのが難しいとされています。

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