全身性エリテマトーデスについて

免疫の異常によって発症するため、だれが発症してもおかしくありません。難病として指定されている全身性エリテマトーデスについて、基本的なことから知っていきましょう。

全身性エリテマトーデスとは
本来身体を守るはずの免疫細胞が異常となってしまい、自分自身を攻撃してしまう自己免疫性疾患です。
「SLE」と略して呼ばれ、オオカミに噛まれた痕のような紅斑が出ることから「ループス」(ラテン語でオオカミを意味します。)とも名付けられています。20~40代の女性に多く発症する病気です。
原因は不明とされており紫外線を多く浴びたり、風邪などのウイルス感染、ホルモンバランスの崩れなどが誘因となっているとされています。
数年前までは、全身性エリテマトーデスを発症してからの寿命は5年と言われていましたが、ステロイドなどの使用によって生存率が上昇しています。
現在では、全身性エリテマトーデス発症後5年での生存率は95%を超え、普通に生活される方が増えています。

全身性エリテマトーデスの検査と診断
全身性エリテマトーデスかもと疑いが出た場合は、下記の検査が行われます。様々な症状を表す疾患であることから、診断は慎重に行われており、現在日本では二種類の診断基準が使われています。
・血液検査
血液(抗核抗体、血算、赤沈)検査で、かかっている場合抗核抗体、抗ds-DNA抗体が要請になることが多いです。
・尿検査
蛋白尿や尿潜血が出ていないかを調べます。
その他に症状によって、生体検査・CT検査・MRI検査・髄液検査・脳波検査が行われます。
初期症状は、発熱・だるさ・関節痛など風邪に似ています。なかなか改善しないことから発症が分かることが多いです。
・全身症状
38度を超える発熱が1週間以上続く・37.5度前後の微熱が2週間以上続くなどの発熱症状、全身の倦怠感や疲労感があります。また、食欲不振や体重減少なども出てきます。
・皮膚症状
蝶が羽を広げたような蝶型紅斑が出ることが有名です。また、顔や耳・首に丸い円盤のようなディスコイド疹が見られた理り、指が白く冷たくなるレイノー現象も起こります。
・関節症状
手・指・ヒザ・ヒジが腫れて痛む関節炎が起こります。また、日によって痛む場所が変化する移動型関節炎が見られることもあります。
・日光過敏症
紫外線に当たった後に赤い発疹・水ぶくれが出たり、発熱する場合があります。日光過敏症が全身性エリテマトーデスの始まりであることもあります。
・口内炎
痛みのない口内炎を発症します。鼻咽腔にもまれに発症することがあります。
・脱毛
円形脱毛のように部分的に毛が抜ける・全体の髪の量が減るなどの脱毛症状が出ます。また、髪が傷みやすく、途中から切れやすくなる人もいます。
・臓器障害
心臓・肺・消化器官・血液など全身のあらゆる臓器に障害を起こしますが、人によって症状や部位が異なります。また、臓器障害の出ない人もいます。
腎臓の場合、半数近くがかかってしまうループス腎炎と言われるネフローゼ症候群や急性進行性糸球体腎炎によるむくみや血尿などの症状があります。
心臓や肺では、漿膜炎が起こり、深呼吸すると胸が痛んだり、すぐに息切れしてしまうなどの症状が出ます。
他に、腹痛や吐き気が出た場合、腸間膜の血管炎や、ループス腹膜炎・ループス膀胱炎などの可能性もあります。
・中枢神経症状
中枢神経症状のCNSループスは重篤な症状とされています。うつ・失見当識・妄想という精神症状と、けいれん・脳血管障害などが見られます。

原因のわからない全身性エリテマトーデスですが、炎症を抑えて過剰な免疫を抑制することが夕刻な治療法になります。ステロイドの点滴薬・飲み薬が基本となり、炎症の状態が改善してきたら徐々に薬の量を減らしていきます。自己判断は絶対に禁物です。
ステロイドによって食欲が増進してしまうため糖尿病になりがちなため注意が必要です。さらに骨粗しょう症にもなりやすいので、合わせて薬が処方されることもあります。

全身性エリテマトーデスの予後は、症状が出なくなっている寛解期と再び症状が現れてしまう再燃を繰り返して慢性の経過をたどってしまいます。
しかし、閉経した女性の場合は再発する確率が少なくなっています。慢性化させず、再発させないためにもステロイド剤の服用と、医療機関への定期受診が大切です。
全身性エリテマトーデスは何が原因で発症するかわからない難病のため、とても不安に思うかもしれません。
しかし、全身性エリテマトーデス発症したという国内外の芸能人の写真を見ると、実に多くの人がかかっていることが分かります。また、発症後も歌ったり踊ったりとされている方も多く、同じ全身性エリテマトーデスの人にとって希望が持てるでしょう。
以前とは違って生存率も高くなっており寛解期には、妊娠出産も可能ですので、きちんと投薬を受け、合併症を防ぐための定期診断を忘れず上手に付き合っていきましょう。
全身性エリテマトーデスは膠原病の一種で難病指定されている病気です。
どういう症状があれば全身性エリテマトーデスが疑われるのでしょうか?今回は全身性エリテマトーデスの基本的な概要と、セルフチェックについてご紹介します。
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アラート付き血糖モニタリングにより糖尿病患者の交通事故が軽減か
インスリン治療を受けている糖尿病患者では、治療に起因する低血糖症が起こることがある。低血糖症が車の運転時に起こった場合、意識障害などから交通事故につながりかねない。この度、インスリン治療を受けている糖尿病患者で、アラート付きの持続血糖モニタリングシステム(CGM)の装着により、運転中の低血糖の発生率が低下するという研究結果が報告された。名古屋大学大学院医学系研究科糖尿病・内分泌内科学の前田龍太郎氏らが行った研究によるもので、詳細は「Diabetes Research and Clinical Practice」に2月28日掲載された。
2014年の実態調査では、糖尿病治療中の患者の52%が日常生活で低血糖を経験し、そのうちの10%で運転中に低血糖エピソードを生じ、結果としてその2%が交通事故にあった、と報告されている。無自覚の低血糖を加味すれば、運転中の低血糖エピソードの頻度はさらに高い可能性があり、切迫した低血糖を予測してドライバーに警告できる信頼性の高いシステムが必要とされていた。このような背景から、研究グループは、インスリン治療を受けているドライバーを対象に、低血糖アラート機能付きのCGMの有用性を評価する単施設の非盲検ランダム化クロスオーバー試験を実施した。
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対象には、2021年7月6日から2023年2月27日の間に名古屋大学医学部附属病院でインスリン治療を受け、週3回以上車を運転する成人の糖尿病患者30名が含まれた。30名の参加者は、アラート機能付きCGM群(アラート群)、アラート機能なしCGM群(非アラート群)に1対1で割り付けられた。参加者は、4週の試験期間の後、8週間おいて、群を入れ替えて再度4週間の試験期間に組み入れられた。CGMは皮膚に貼り付けるパッチ式を採用し、期間中の低血糖警告の閾値は80mg/dL(4.4mmol/L)と設定された。主要評価項目は血糖値が基準値(70mg/dL〔3.9mmol/L〕)を下回っていた時間(TBR)の割合とした。
最終的にCGMの解析に含まれた参加者は27名(平均年齢;61.9±12.6歳、女性;8名)だった。27名には、1型糖尿病8名(30%)、2型糖尿病13名(50%)、その他6名(20%)が含まれた。
2つの試験期間を統合して解析した結果、試験全体でのTBRはアラート群(中央値2.0%〔四分位範囲1.0~7.0〕)と非アラート群(同2.0%〔1.0~6.5〕)で有意な差はみられなかった(P=0.169)。しかし、事前に規定された1型糖尿病のサブグループ解析では、非アラート群と比較したアラート群のTBRは有意に減少していた(群間差-4.4%〔95%信頼区間-8.7~-0.1〕、P=0.047)。また、車を運転するときの低血糖エピソードの発生率は、非アラート群(33%)と比較し、アラート群(19%)で有意な減少が認められた(P=0.041)。
本研究の結果について、研究グループは、「今回のCGMはアラートの閾値が80mg/dL(4.4mmol/L)に設定されており、参加者は血糖が基準値以下(<70mg/dL〔<3.9mmol/L〕)になる前にブドウ糖摂取などの予防的措置をとることができた。今回示された結果は、低血糖アラート機能を備えたCGMが、インスリン治療を受けているドライバーの安全性をさらに高め、糖尿病患者の運転制限の緩和に役立つ可能性があることを示唆している」と述べた。
なお、本研究の限界については、CGMで測定した皮下組織中のグルコース濃度は、近似しているが血糖値と同一のものでないこと、CGMの使用により意識が変わり、血糖管理がより慎重になった可能性があったことなどを挙げている。
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糖尿病でいちばん恐ろしいのが、全身に現れる様々な合併症。深刻化を食い止め、合併症を発症しないためには、早期発見・早期治療がカギとなります。今回は糖尿病が疑われる症状から、その危険性を簡単にセルフチェックする方法をご紹介します。
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HealthDay News 2025年4月7日
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低ホスファターゼ症の新たな歯科症状が明らかに―全国歯科調査
子どもの歯は6歳前後で永久歯へと生え変わる。もしそれより早く乳歯が抜け落ちたとしたら、そこに別の病気が隠れているかもしれない。
低ホスファターゼ症(HPP)は、無治療では死に至ることもある遺伝性の骨系統疾患であり、乳歯の早期脱落といった歯科的問題を伴うことが多い。この度、日本人におけるHPPの歯科的所見の調査を目的とした全国調査が行われ、この疾患に関する新たな歯科所見が認められたという。本調査は大阪大学大学院歯学研究科小児歯科学講座の大川玲奈氏、仲野和彦氏らによるもので、詳細は「Scientific Reports」に2月25日掲載された。
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HPPは大きく、成人型・歯限局型などの軽症型、周産期重症型・乳児型などの重症型に分けられる。2015年に全身治療法が国内で承認されて以来、重症型HPPでも生命予後が改善されたが、歯が生えそろうまでの生存が困難であったことから、歯科症状に関しては分かっていないことが多い。大川氏らは、2013年、2018年にHPPの全国調査を実施している。3回目となる今回は、歯の早期脱落に対する不正咬合治療の必要性という観点からHPP患者の歯列と咬合に焦点を当てた全国歯科調査を実施することとした。
全国調査は、歯科を有する総合病院609施設に対して実施された。過去5年間にわたるHPP症例の診療の有無に関するアンケートを送付し、「有」と答えた施設に対して、その症例の歯科症状に関するアンケートを送付、回答してもらった。最終的に、アンケートにより得られた62名に、大阪大学歯学部附属病院の41名を加えた、103名のHPP症例を解析対象とした。
解析に含めた103名のうち47名が歯限局型(軽症型)、55名が非歯限局型(重症型)、1名の分類が不明だった。4歳未満での乳歯の早期脱落は全体で75名(73.5%)が報告され、内訳は歯限局型43名(43/47名、91.5%)、非歯限局型32名(32/55名、58.2%)だった。乳歯の早期脱落は、歯限局型で有意に発生しており(P<0.001)、最も多く脱落した部位は「下顎乳中切歯」だった。歯の形成不全は非歯限局型の40%で認められ、歯限局型(8.5%)と比較し有意に高い割合で発生していた(P<0.001)。
不正咬合は非歯限局型が歯限局型よりも多く、最も多く見られた種類は叢生(そうせい)だった。また、非歯限局型で多かった歯科症状として、口腔習癖(指しゃぶり、舌の突き出し)、摂食嚥下障害(噛まずに飲み込む、飲み物で食べ物を流し込む)が認められた。
著者らは本研究について、「HPPの重症度は様々であり、特に重症型のHPPでは歯の形成不全、不正咬合、口腔習癖、摂食嚥下障害が多く認められた。口腔習癖や摂食嚥下障害に関しては、乳切歯の脱落が原因の可能性もあり、患者には義歯の使用だけでなく、口腔機能の評価や機能訓練が推奨されることを示唆している。HPP患者には、疾患の重症度に応じた集学的治療法の確立が必要なのではないか」と述べた。
本研究の限界については、アンケートに回答しなかった施設にHPP症例が含まれていた可能性があること、アンケートで得られた回答の信頼性などを挙げている。
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HealthDay News 2025年4月7日
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熱中症の重症度が尿でわかる?
昨年、5~9月に熱中症で搬送される人の数は過去最多を記録した。熱中症の重症度は、搬送先施設で血液検査により評価される。しかし、尿中の肝臓型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)も熱中症の重症度と相関するという研究結果が報告された。L-FABPは熱中症の生理学的重症度や予後を予測するツールになり得るという。日本医科大学救急医学教室の横堀將司氏、関西医科大学総合医療センター救急医学科の島崎淳也氏らの研究によるもので、詳細は「Scientific Reports」に2月12日掲載された。
熱中症は、高温多湿環境下で体内の水分・塩分量のバランスが崩れ、体温調節機能や循環機能が破綻して発症する。熱中症に対する適切な介入と転帰の改善には重症度の迅速な評価が不可欠だが、救急外来(ER)であっても、血液検査では結果の確認に長い時間がかかる。このような背景から、熱中症の重症度の判断には、よりアクセスしやすい簡易迅速検査の開発が待たれていた。
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L-FABPは、脱水による腎虚血性機能障害を反映する有望なバイオマーカーだ。近年、医療用検査キットにより、短時間でのL-FABP測定が可能になった。重度の熱中症では内臓の血流低下による虚血が伴うことから、研究グループは、その重症度を予測する指標としてこのL-FABPが適用できると考え、L-FABPの検査キットを用いた多施設の前向きコホート研究を行った。
研究には全国の三次救急医療センター10施設が参加し、2019~2021年の夏季に日本救急医学会の熱中症基準に従って「重症」と診断された、18歳以上の患者78名が組み入れられた。敗血症または感染症の疑われる患者は除外した。ERに搬送された78名の熱中症患者は、意識を取り戻す前に採血・採尿が行われた。血清サンプルは臨床検査値の測定に用いられ、多臓器不全評価(SOFA)スコア(0~24でスコアが高いほど重症度が高い)が決定された。尿サンプルは、検査キットを使用し半定性的なL-FABPの測定に用いられた。患者の転帰については、mRSスコア(0~6でスコアが高いほど予後が悪い)が用いられ、退院時、発症1カ月、発症3カ月で計測が実施された。
組み入れ時の患者の年齢は中央値で76歳、SOFAスコアは5.0(四分位範囲 IQR3.0~9.0)だった。患者はL-FABPの濃度に応じて、陰性群(N群;L-FABP<12.5ng/mL)、陽性群(P群;L-FABP≧12.5ng/mL)の2群に分けられた。
初期SOFAスコアはN群で4.0(2.0~7.0)、P群で6.0(4.0~9.3)であり、尿中L-FABP濃度が高かった群では初期SOFAスコアも高くなっていた(U検定、P=0.013)。退院時の転帰については、良好な転帰を示すmRS(0~2)の割合が、N群で62.1%、P群で38.8%であり、N群で有意に良好な転帰を示した(P=0.046)。発症後3カ月後には両群には有意な差は認められなかった(P=0.227)。なお、ROC解析により長期的な転帰を予測するためのカットオフ値は28.6ng/mL(AUC=0.732)と決定された。また、尿中L-FABP濃度と、脈拍数(r=0.300)および乳酸値(r=0.259)の間には弱い正の相関が認められた(各P<0.01)。
研究グループは、本研究について、「L-FABPの検査キットは、熱中症の重症度を予測するとともに、患者の転帰を反映するツールであることが示唆された。この検査キットは保険収載されており、侵襲性が低いことから、その有用性は高いのではないか」と述べた。また、想定される運用方法については、「搬送前に検査結果を特定することで、患者を三次救急医療センターに搬送するか否かの決定をタイムリーに行うことができるようになるだろう」と言及した。
本研究の限界点については、重症の症例に限定したこと、サンプルサイズ、高齢者が多かったことから一般化できない点などを挙げている。
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HealthDay News 2025年3月31日
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新型コロナ後遺症としての勃起不全が調査で明らかに
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患した患者では、回復後も長期にわたりその後遺症に悩まされるケースがある。その後遺症の中には男性における勃起不全(ED)も含まれるが、後遺症としてのEDの有病率とそれに関連する根本的要因が示唆されたという。横浜市立大学附属病院感染制御部の加藤英明氏らが行った研究によるもので、詳細は「Scientific Reports」に2月21日掲載された。
COVID-19感染後のEDは、急性期における炎症性サイトカインや低酸素症による血管内皮障害が原因で進行する。また、身体的・精神的なストレスもEDに影響する。ワクチン接種や早期治療は、この感染症の後遺症の発症率を低下させる可能性はあるが、EDの発症を防ぐための予防策については不明である。加藤氏らは、COVID-19感染後のEDの有病率とその根本的な要因を明らかにするために感染患者を対象とした症例対照研究を実施した。
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本研究は、2021年4月から9月の間に国内でCOVID-19と診断後入院した成人患者を対象とした包括的な長期観察研究(CORES Ⅱ)の二次解析として実施された。対象は、1年目および2年目の調査を完了した日本人男性609人(年齢中央値56歳)とした。EDの有無については、被験者の自覚に基づき「COVID-19感染後に現れた症状で、感染前にはなかった症状を選んでください」という質問により決定された。被験者のQOLと精神状態は、それぞれEQ-5D-5L質問票とHospital Anxiety Depression Scale(HADS)質問票に被験者自身で回答してもらい評価を行った。連続変数、カテゴリ変数の比較にはそれぞれ、両側U検定、フィッシャーの正確確率検定を用いた。
対象609人のうち、116人(19.0%)がEDであった。EDのあった被験者(ED群)ではEDのなかった被験者(非ED群)と比べて、1年目2年目ともに、「回復の主観的認識」が低く(P<0.001)、「息切れ」、「疲労」のスコアが有意に高かった(各P<0.001)。HADSスコアをみると、ED群では抑うつ症状を示すHADS-Dスコアが、1年目2年目ともに有意に高くなっていた(P<0.001)。
次にCOVID-19感染前と1年目、2年目のEQ-5D-5Lスコアの変化を調べた。その結果、ED群は非ED群と比較し、痛み/不快感が2年目(P=0.003)で、不安/抑うつが1年目(P=0.033)、2年目(P=0.002)で有意に高くなっていた。
また、後遺症を分類する探索的なクラスター分析を行った結果、1年目の調査ではEDは睡眠障害と同じサブグループに分類された。
研究グループは本研究について、「EDと睡眠障害の関連は報告されており、我々の研究でも、1年目の調査結果からEDと睡眠障害の関連が示唆された。また、EDを有する被験者では抑うつ症状を示すスコアが高かったことから、COVID-19の後遺症としてEDを示す男性には睡眠障害やうつ病に対する支援療法が必要なのではないか」と述べた。
本研究の限界については、患者の自己申告に基づく後ろ向き解析であるため、想起バイアスの影響を受けている可能性があること、EDの重症度スコアやEDの性質や性交渉への影響については評価していないことなどを挙げている。
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食道がんリスクが平均赤血球容積でわかる?
健康診断などでよく見る平均赤血球容積(MCV)は貧血の種類を判別する指標だが、食道がんの予測因子としても使えるようになるかもしれない。静岡県立総合病院消化器外科の佐藤真輔氏、静岡社会健康医学大学院大学の菅原照氏らの研究によるもので、食道がんの発症リスクが高血圧の既往や生活習慣などとともにMCVでも予測できる可能性があるという。研究の詳細は「PLOS One」に2月11日掲載された。
食道がんは予後不良のがんであり、2020年には世界で54万人が食道がんで死亡している。症例の多くは扁平上皮がんであり、日本や中国を含む東アジアでの発症率が特に高くなっている。食道の扁平上皮がんのリスク因子は飲酒と喫煙であることが報告されている。
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MCVの数値も、多量の飲酒や喫煙により増加することが報告されていることから、食道がん発症の潜在的なバイオマーカーであることは示唆されていた。しかし、これまでの報告は、症例対照研究または単施設研究であったため、研究グループは大規模な日本国内のデータベースを使用し、より信頼性の高い後ろ向きコホート研究を行うこととした。
本研究では、静岡県市町国保データベース(SKDB)を利用した。解析データセットには、2012年4月~2020年9月までのSKDBより、適格性を満たす58万2,342人が含まれた。食道がんの発生は1,562人(0.27%)であり、ICD-10コードのC15によって特定された。共変量については、年齢、性別、BMI、現在の喫煙状況、飲酒状況、併存疾患、血液検査値とした。
対象患者全体の主な特徴は平均年齢が67.9±11.3歳、男性が42%だった。一方、食道がんを発生した患者の平均年齢は71.4±8.13歳であり、男性が80%を占めた。
単変量および多変量のCox比例ハザード回帰分析を実施した結果、高血圧、喫煙、収縮期血圧、飲酒、アルコール使用障害、BMI、LDLコレステロール、MCVが食道がん発症のリスク因子となった。
MCVの値を四分位範囲別に分類し、食道がんの累積発生率をみたところ、MCVの値が高くなるにつれて、食道がんの累積発生率も高くなっていた。また、条件付き推論ツリー解析によって求められた食道がん発症予測のカットオフ値は104.086fLであった。
本研究について、研究グループは、「喫煙と飲酒状況が詳細に分かるのであれば、これらは食道がんの予測因子として非常に有用だろう。しかし、喫煙や飲酒に関する自己申告は必ずしも正確ではない。そのような状況ではMCVの値が有用な予測因子となる可能性がある。また、喫煙や飲酒がリスク因子であることが知られている食道以外のがんに関しても、MCVはがん発症の指標となるかもしれない」と総括した。
予想されるMCVの運用については、「MCVが104fLを超える場合に、内視鏡検査を実施するのが適切と考える。採血のみで簡便に判定できるMCVは、患者負担の観点からも有用な指標となりうる」と述べた。
なお、本研究の限界点については、特定の地域のデータに基づいているため結果は一般化できないこと、データに含まれる飲酒量や喫煙量は自己申告に基づくため、想起バイアス・社会的望ましさバイアスの影響は排除できないこと、などを挙げている。
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AIサポートにより前眼部疾患の診断精度が向上か
AI活用が医療現場にもたらす効果についての研究が活発化している。そのような中、白内障や角膜疾患の診断用に設計されたディープラーニングモデル「CorneAI」のサポートにより、角膜炎などの前眼部疾患に対する眼科医の診断精度が向上したという研究結果が報告された。CorneAI自体の診断精度は86%だったが、そのサポートにより、眼科医の精度がCorneAIのベースを超えて向上したという。福島県立医科大学附属病院眼科学講座の前原紘基氏、筑波大学附属病院眼科の上野勇太氏らの研究によるもので、詳細は「Scientific Reports」に2月11日掲載された。
人工知能(AI)は画像診断(CT、MRI、病理画像など)と親和性が高く、研究開発が活発化している分野の一つだ。眼の画像診断は、様々な前眼部疾患の診断と管理に重要な役割を果たしている。研究グループは、前眼部のカラー写真5,270枚を教師データとして、AIベースの分類ツールであるCorneAIを開発した。教師データには、細隙灯顕微鏡で撮影された、正常、感染性浸潤、非感染性浸潤、瘢痕、沈着/ジストロフィー、水疱性角膜症、水晶体混濁、腫瘍性病変、緑内障発作の9つのカテゴリーの画像が含まれた。
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CorneAIは、眼科医の診断精度の向上、潜在的な診断の提示などに活用できる可能性があるが、AIサポート診断における影響はまだ十分に検討されていなかった。本研究では、CorneAIのサポートにより、眼科医による前眼部疾患の診断の効率と精度が向上するという仮説を立て、CorneAIサポートの有無によるスマートフォン(スマホ)と細隙灯顕微鏡に基づく前眼部疾患の診断性能を評価することとした。
対象は、2022年1月から12月までに13施設で収集された前眼部疾患を有する807名で構成された。症例ごとに、スマホ、細隙灯顕微鏡でそれぞれ1枚の画像が収集された。この807名より無作為に選択された50名(100画像)を最終的な解析対象に含めた。
まず、40人の眼科医(専門医20名、研修医20名)にはConreAIを用いずに画像を9つのカテゴリーに分類してもらった。次に、2~4週間後に同じ画像をCorneAIのサポートの下、再度分類してもらった。その結果、眼科医による全体的な分類精度は79.2±7.9%から88.8±5.3%に大幅に向上した(t検定、P<0.001)。なお、CorneAI自体の画像の分類精度は86.0%だった。
画像別にみると、スマホ画像の精度は78.8±23.2%から85.8±22.8%へ、細隙灯顕微鏡画像では81.6±21.8%から89.2±14.8%へとそれぞれ向上していた(各P<0.001)。また、診断に要する時間においても、CorneAIのサポート下では専門医、研修医ともに短縮される傾向が認められた。
研究グループは、今回のCorneAIの検証結果について、「CorneAIのサポートを受けた眼科医で診断精度が向上し、その診断時間が短縮される可能性が示唆された。また、CorneAIは細隙灯顕微鏡画像で学習しているにも関わらず、スマホ画像でも診断精度を効果的に向上させることができた。CorneAIをスマホ画像で学習させればさらなる精度の向上が望めるかもしれない」と総括した。本研究の限界としては、参加した眼科医が大学病院に所属しており、一般病院やクリニックに勤務する眼科医とは区別されること、眼科医が最初の診断の結果を覚えている可能性を完全に否定できないことなどを挙げている。
CorneAIの可能性を示す一方で、著者らは、「AIはあくまでも診断サポートツールであり、誤診をする可能性もある。AIが普及したとしても、医師は臨床経験を積み、専門知識を磨く努力を続ける必要がある」と強調した。
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普通車と軽自動車、どちらが安全?
人はそれぞれ、価格、燃費、デザイン、安全性などを基準に車を選ぶが、軽自動車は普通車と比べ、交通事故後の院内死亡率が上昇するという研究結果が報告された。また軽自動車では、頭頸部、胸部、腹部、骨盤および四肢に重度の外傷、重傷を負うリスクが高かったという。神戸大学大学院医学研究科外科系講座災害・救急医学分野の大野雄康氏らによるこの研究結果は、「PLOS One」に2月5日掲載された。
軽自動車は「ミニカー」とも呼ばれ、日本だけでなく海外での人気も高まっている。人気の理由の1つとして、車体のコンパクトさが挙げられるが、それは車内空間が狭まることも意味する。車内空間が狭くなると、衝突時の衝撃による変形に対して乗員がダイレクトに危険に晒されることになる。しかしながら、車内空間の狭さが生存率の低下や、重度の外傷にあたえる影響については十分に検証されてこなかった。こうした背景から、大野氏らは過去に自動車事故で負傷・入院した患者を対象とした単施設の後ろ向きコホート研究を行った。主要評価項目は事故後の院内死亡率とした。
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本研究の対象患者は、2002年1月1日~2023年12月31日の間に、太田西ノ内病院(福島県郡山市)にて受け入れた交通事故で負傷したすべての車両乗員とした。普通車と軽自動車以外の車両(自転車、オートバイ、大型トラックなど)に乗っていた外傷患者は除外し、5,331名(普通車群2,947名、軽自動車群2,384名)を対象に含めた。最終的に1対1の傾向スコア(PS)マッチングを行い、1,947組を解析対象とした。
PSマッチングを行い、事故後の院内死亡率を比較した結果、軽自動車群で院内死亡率の上昇が認められた(2.6 vs 4.0%、p=0.019)。院内死亡のリスクについても軽自動車群で上昇していた(オッズ比1.53〔95%信頼区間1.07~2.19〕)。また、軽自動車群の院内死亡率の上昇は、シートベルトをしていた患者、運転席にいた患者、エアバッグが展開した事故に巻き込まれた患者のサブグループで特に顕著だった。
次に車両の種類と、特異的な外傷の部位の関連について解析を行った。PSマッチング後、軽自動車群で、外傷重症度スコア(ISS)>15で定義される重症外傷を負うリスクが高くなり、部位別では頭頸部、胸部、腹部および骨盤内臓器、四肢および骨盤に重症外傷を負うリスクが高まっていた。この傾向は、シートベルトをしていた患者、エアバッグの展開した患者のサブグループで特に顕著だった。
生理学的重症度については、軽自動車群で昏睡、ショック(収縮期血圧90mmHg未満に低下)のリスク増加が認められた。また、救急のための気管内挿管、緊急手術を必要とした患者の割合も軽自動車群で有意に増加することが示された(各p=0.046、p=0.001)。
研究グループは、本研究について、「軽自動車の乗員は、有害な転帰のリスクが高く、緊急の外科的介入や追加の医療資源が必要になる可能性がある。シートベルトを着用していた患者、エアバッグの展開した患者で、院内死亡率と部位特異的な外傷が増加していたが、この結果は、軽自動車の乗員に対してより安全な拘束システムの必要性を示唆している。今回の研究データは、購入する側とメーカーの両者に、車両の安全性に関する客観的事実を考えてもらうために利用されるべきだ」と総括した。
また、本研究の限界点については、単一施設での観察研究であり結果の一般化には限界があること、搬送患者は重症患者に偏っていた可能性があることなどを挙げている。
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HealthDay News 2025年3月17日
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食物繊維の摂取で肥満リスクが低下か、性別・年齢で有意差
2型糖尿病患者で、食物繊維の摂取量が多いほど肥満リスクが低下することが明らかになった。新潟大学大学院医歯学総合研究科血液・内分泌・代謝内科学分野のEfrem d’Avila Ferreira氏、曽根博仁氏らの研究によるもので、詳細は「Public Health Nutrition」に2月4日掲載された。
肥満の予防と管理においては、食物繊維が重要な役割を果たすことは示されているが、性別で層別化した場合に相反する結果が報告されるなど、一貫したエビデンスは得られていない。このような背景からFerreira氏らは、日本人の2型糖尿病患者集団を性別・年齢別に層別化し、食物繊維摂取量と肥満との関連を検討した。さらに、この関連に寄与する可能性のある生活および食習慣についても検討を行った。
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この横断研究では、一般社団法人糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)のデータが用いられた。対象は、2014年12月~2019年12月の期間に、JDDMに参加する日本の糖尿病専門医クリニックで治療を受けた30~89歳までの外来患者とした。解析対象は1,565名(平均年齢62.3±11.6歳、男性63.1%)だった。
参加クリニックでは、希望する外来患者に対して、JDDMの開発した生活習慣に関するアンケートを実施。患者は身長・体重を自己申告し、食習慣については、それぞれ食物摂取頻度調査票(FFQ)に記入してもらった。栄養素および食品の摂取量は標準化された栄養計算ソフトウェアで計算し、1日当たりの摂取量が600kcal以下または4,000kcal以上の場合は外れ値として解析から除外した。身体活動は国際標準化身体活動質問表(IPAQ)の短縮版を用いて計算した。肥満の定義は日本肥満学会に従い、BMIが25kg/m2以上とした。
性別・年齢およびライフスタイル要因、主要栄養素の摂取量を調整した多変量解析を行った結果、全患者において食物繊維の摂取量が多いほど肥満リスクが低下することが明らかになった(オッズ比OR 0.591〔95%信頼区間0.439~0.795〕、P trend=0.002)。層別解析では、男性(P trend=0.002)および59~68歳群(P trend=0.038)で有意な逆相関の傾向が認められ、69~89歳群(P trend=0.057)でも有意傾向がみられた。一方で女性(P trend=0.338)および30~58歳群(P trend=0.366)では逆相関の傾向は認められなかった。また、男性では食物繊維の摂取量が多いほど、ライフスタイルが健康的であることも分かった。その特徴として、身体活動レベルが高いこと(p<0.001)や、喫煙率の低さ(p<0.001)が挙げられる。
食物繊維摂取量と食品群との相関関係をみると、全患者において、野菜、果物、大豆/大豆製品が強い相関を示したが、穀物は弱い相関を示した。ビタミンおよびミネラルの場合は、葉酸、カリウム、ビタミンCなどが食物繊維の摂取量と強い相関を示していた。
研究グループは本研究について、横断研究であり、日本人の2型糖尿病患者集団のみを対象としたことからも一般化できないといった限界点を挙げた上で、「肥満を効果的に管理するには、食物繊維の豊富な様々な食品を推進するような的を絞った取り組みが必要。また、多様な集団における食物繊維と肥満の関係を理解するには、さらなる研究が必要と考える」と総括している。
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糖尿病でいちばん恐ろしいのが、全身に現れる様々な合併症。深刻化を食い止め、合併症を発症しないためには、早期発見・早期治療がカギとなります。今回は糖尿病が疑われる症状から、その危険性を簡単にセルフチェックする方法をご紹介します。
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HealthDay News 2025年3月17日
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デジタルゲームは高齢者に健康と幸せをもたらすのか
ネット・ゲーム依存は身体活動の低下といった健康問題につながるが、高齢者の場合では、デジタルゲームにより身体活動が低下する可能性は低いということが明らかになった。千葉大学予防医学センター社会予防医学研究部門の中込敦士氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of Medical Internet Research」に1月27日掲載された。
デジタルゲームは高齢者の間でも人気が高まっており、認知的、社会的、身体的なメリットをもたらす可能性がある。しかしながら、高齢者において、デジタルゲームが健康と幸福にどのような影響を及ぼすかは依然として不明だ。中込氏らは、全国で実施された日本老年学的評価研究(JAGES)のデータを使用して、デジタルゲームが高齢者の健康と幸福に与える多面的な影響を評価した。
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本研究ではJAGESのデータベースより、2020年、2021年、2022年のデータを抽出した。デジタルゲームに関しての質問票が含まれていたのは、千葉県松戸市のみであったため、分析は松戸市の参加者のデータに焦点を当てた。
2021年のデータの中で、過去5年間におけるデジタルゲーム(PC、携帯電話、スマートフォン、タブレット、またはコンソールによるビデオゲームと定義)の経験に関する質問に対して、「定期的にプレイしている」と答えた参加者を含む2,504人を対象とした。2022年に、これらの参加者に対してデジタルゲームに関する評価が行われた。また、2,504人の参加者のうちランダムに選択された1,243人(「定期的にプレイしている」192人を含む)に対しては、健康やウェルビーイングを含む人としての豊かさを評価する「Human Flourishing Index」評価も行われた。
評価項目は6つの領域にわたる18の質問で構成されていた。領域は、1;幸福と生活満足度、2;心身の健康、3;意味と目的、4;性格と美徳、5;親密な社会関係、6;健康に関する行動、とされ領域の1~5に「Human Flourishing Index」の各2問の質問が設定された。全般的な豊かさである「Overall flourishing」は領域1~5までの平均とした。さらに領域2、5、6に関連する項目が追加された。
Bonferroni法で補正し多重検定を行った結果、デジタルゲームは「Overall flourishing」、「Human Flourishing Index」のいずれとも有意な関連は認められなかった(P=0.12~P>0.99)。また、領域6の「座位時間の増加」(リスク比 1.055〔95%信頼区間0.788~1.105〕、P=0.72)、「屋外での活動減少」(平均差異0.026〔-0.081~0.133〕、P=0.64)とも関連していなかった。Bonferroni法で補正した結果、有意とはならなかったが、「趣味のグループへの参加」(平均差異0.124〔0.037~0.210〕、P=0.005)「友人との交流」(平均差異0.076〔0.010~0.142〕、P=0.02)でデジタルゲームとの強い関連が示された。
中込氏らは、この研究結果を、「リアルワールドデータにおいて、デジタルゲームが高齢者の健康と幸福に与える影響に関する貴重な洞察が得られた」とした上で、「(デジタルゲームが身体活動の低下と関連していなかった点について)デジタルゲームは、高齢者のバランスの取れたライフスタイルの一部となり、特に趣味のグループを通じて社会参加の機会を提供できるのでは」と述べている。なお、本研究の限界点として、データは1つの都市から得られたもので、調査結果の一般化はできないこと、本研究が観察研究であることなどを挙げている。
軽度認知障害(MCI)のセルフチェックに関する詳しい解説はこちら
軽度認知障害を予防し認知症への移行を防ぐためには早期発見、早期予防が重要なポイントとなります。そこで、今回は認知症や軽度認知障害(MCI)を早期発見できる認知度簡易セルフチェックをご紹介します。
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HealthDay News 2025年3月10日
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一人暮らしの認知症者は疎外されやすい?
認知症者に対する社会的距離は、認知症の行動および心理的症状(BPSD)を有する一人暮らしの患者でより大きくなることが示唆された。この研究は東京都健康長寿医療センター研究所の井藤佳恵氏らによるもので、研究結果の詳細は「PLOS One」に1月22日掲載された。
認知症者とその介護者は、疾患へのスティグマ(「先入観に基づいてレッテルをはり、偏見をもち、差別する」という、一連の心と行動)による社会的排除に直面している。スティグマは、病気そのものが引き起こす苦痛よりもさらに大きな苦痛をもたらすことがあり、深刻な人権侵害であると言われている。
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スティグマの研究では、スティグマを社会的距離(他の個人との望ましい親密さ、または距離の程度)で測定する方法がある。今回の井藤氏らの研究では、地域住民の認知症者に対する社会的距離がどのような要因によって変化するのかを検討した。
参加者は、オンライン調査会社に登録している国内、地域在住の40歳から90歳までの男女2,589人(平均年齢62.0±10.5歳、女性49.8%)である。この調査では、世帯形態、BPSDの有無の組み合わせが異なる4種類のビネットがあり、それぞれ80代の女性が正常老化から認知症を診断され、軽度、中等度、重度と進行していく様子が描かれていた(A〔家族と同居、BPSDなし〕、B〔家族と同居、BPSDあり〕、C〔独居、BPSDなし〕、D〔独居、BPSDあり〕)。参加者はいずれかひとつのビネットを受け取り、それぞれの病期で、社会的距離を測定するための質問に回答した。
その結果、全てのビネットで、認知症が進行するほど社会的距離が大きくなることが示された。また、すべての病期を通して、ビネットA「家族と同居、BPSDなし」の場合の社会的距離がもっとも小さく、ビネットD「独居、BPSDあり」の場合の社会的距離が最も大きかった。
社会的距離の差が最も大きかったビネットA「家族と同居、BPSDなし」とD「独居、BPSDあり」について、社会的距離に影響を与える要因を探索した。世帯収入、居住地域、認知症に関する知識、認知症患者との接触などを変数とする多変量分析を行った結果、軽度認知症段階では、「認知症に関する知識が多いこと」が社会的距離の縮小と関連していた(ビネットA〔95%信頼区間-0.28~-0.01、p=0.036〕、D〔同-0.26~-0.02、p=0.026〕)。「認知症患者との接触経験があること」は、認知症の全病期を通して、社会的距離の縮小と関連していた(ビネットA〔p=0.001~0.007〕、D〔p<0.001~p=0.006〕)。
井藤氏らは本研究について、「今回の結果は、スティグマに対する介入としての教育の有効性を示すと同時に、その限界をも示すものである。中等度以上の認知症者に対するスティグマに対しては、教育だけではなく適切な準備状況がある社会的接触が必要であり、特に、社会的排除のハイリスク群である、独居でBPSDを示す者に対する方策が重要」と述べている。また、著者らは本研究の限界について、「社会的望ましさのバイアスが働いた結果、参加者はスティグマを過小に報告した可能性がある」と付け加えている。
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HealthDay News 2025年3月10日
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帝王切開は子どもの成長に影響しない?
帝王切開(CD)で生まれた子どもと、長期的な健康や発達における悪影響との間には有意な関連はないとする研究結果が報告された。0.5~9歳までの全原因入院、肥満、発達マイルストーン(発達がどこまで進んでいるかという指標)といったさまざまな評価項目で有意な関連は認められなかったという。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科疫学・衛生学分野の松本尚美氏らによるこの研究結果は、「Scientific Reports」に1月20日掲載された。
出産方法は長期的に見た場合、子どもの健康と発達に影響を及ぼすことが示唆されてきた。CDは、母子の安全確保のため、ある特定の臨床的状態のときに実施される。しかしながら、この外科的介入が子どもの身体的成長、認知発達、慢性疾患のリスクなどさまざまな側面に及ぼす潜在的な影響については現在も議論が続いている。松本氏らは、「日本産科婦人科学会周産期登録(PRN)データベース」にリンクされた「21世紀出生児縦断調査」を利用して、CDと子どもの健康および発達との関連を調査した。
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本研究では、出生日、性別、出生時体重、出生時の母親の年齢、在胎週数の情報を使用し、PRNデータベースと21世紀出生児縦断調査を組み合わせた独自のデータセットを作成した。最終的に、2010年5月10日から5月24日に出生した2,114人(正常分娩群;1,351人、CD群;763人)を研究に含め、0.5~9歳までに発生した複数の転帰を評価した。
入院(呼吸器感染症と胃腸疾患による入院、および呼吸器感染症と胃腸疾患を含む全原因入院)は1.5~5.5歳までの調査で報告された0.5~5.5歳までの入院経験と定義。過体重・肥満は、世界保健機関(WHO)の基準に基づいたBMIスコアを用いて5.5歳と9歳で評価された。発達のマイルストーン(運動、言語、認知、自己制御、社会情緒、注意、適応能力、素行など)は2.5歳、5.5歳、8歳で評価された。
潜在的な交絡因子を調整して解析した結果、CDは全原因入院(調整リスク比1.25〔95%信頼区間0.997~1.56〕)、5.5歳(同1.05〔0.68~1.62〕)および9歳(0.83〔0.52~1.32〕)での過体重・肥満、およびさまざまな発達マイルストーンを含むほとんどの転帰と有意な関連は認められなかった。また、多胎出産および早産の状態別に層別化したサブグループ解析を行った結果、多胎出産ではいくつかの発達マイルストーンと、早産では胃腸疾患による入院といくつかの発達マイルストーンに、それぞれCDとの関連が高い傾向が認められたが、いずれも有意ではなかった。
本研究の結果について、研究グループは、「今回の研究で得られた知見は、子どもの親や医療従事者に安心感を与えるものではあるが、統計的に有意でないからといって、必ずしも臨床的に関連する影響がないことを意味するわけではない。今後の研究では、より長期間の追跡調査、サブグループ解析のためのサンプルサイズの拡大、腸内細菌叢の活性化など潜在的な媒介因子のより詳細な評価を検討すべきである」と総括した。なお、本研究の限界については、比較的小規模のサンプルサイズで日本の子どものみを対象としていること、高リスク妊娠の症例が多いデータセットであることから一般化できない点などを挙げている。
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歯周病治療で糖尿病患者における人工透析リスクが低下か
歯周病を治療している糖尿病患者では、人工透析に移行するリスクが32~44%低いことが明らかになった。東北大学大学院歯学研究科歯学イノベーションリエゾンセンターの草間太郎氏、同センターの竹内研時氏らの研究によるもので、詳細は「Journal of Clinical Periodontology」に1月5日掲載された。
慢性腎臓病は糖尿病の重大な合併症の一つであり、進行した場合、死亡リスクも高まり人工透析や腎移植といった高額な介入が必要となる。したがって、患者の疾病負荷と医療経済の両方の観点から、慢性腎臓病を進行させるリスク因子の同定が待たれている。
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歯周病は糖尿病の合併症であるだけでなく、糖尿病自体の発症やその他の合併症の要因でもあることが示唆されている。また、歯周病と腎機能低下との関連を示唆する報告もされていることから、研究グループは糖尿病患者における定期的な歯周病ケアが腎機能低下のリスクを軽減または進行を遅らせる可能性を想定し、大規模な糖尿病患者のデータを追跡した。具体的には、歯周病治療を伴う歯科受診を曝露変数として、人工透析に移行するリスクを後ろ向きに検討した。
本研究では、40~74歳までの2型糖尿病患者9万9,273人の医療受診データ、特定健診データが用いられた。2016年1月1日~2022年2月28日までの期間に、2型糖尿病を主傷病としていた患者を登録した。
9万9,273人の参加者(平均年齢は54.4±7.8歳、男性71.9%)における人工透析の発生率は1,000人あたり1年間で0.92人だった。交絡因子については、年齢、性別、被保険者の種類、チャールソン併存疾患指数、糖尿病の治療状況(外来の頻度、経口糖尿病治療薬の種類、インスリン製剤使用の有無、治療期間)、健診結果(高血圧、高脂血症、蛋白尿、HbA1c)、喫煙・飲酒といった生活習慣などが共変量として調整された。
交絡因子を調整後、人工透析開始のハザード比(HR)を分析した結果、歯科受診をしていなかった患者と比較して、1年に1回以上歯周病治療を受けている患者で32%(HR 0.68〔95%信頼区間0.51~0.91〕、P<0.05)、半年に1回以上治療を受けている患者で44%(同0.56〔0.41~0.77〕、P<0.001)、人工透析開始のリスクが低いことが示された。
研究グループは本研究の結果について、「これらの結果は、糖尿病性の腎疾患の進行を緩和し、患者の転帰を改善するためには、糖尿病治療に日常的な歯周病治療を組み込むことが重要であることを示唆している。また糖尿病患者の管理における専門医と歯科の連携欠如は以前より報告されており、本研究でも患者の半数以上が歯周病ケアを受けていなかった。今後、糖尿病患者の健康を維持するためには、専門医と歯科のさらなる連携が必要と考える」と総括した。なお、本研究の限界について、登録データは企業が提供する雇用保険に加入する個人のみが含まれていたことから、研究の参加者は日本人全体の特徴を表していない点などを挙げている。
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糖尿病の3大合併症として知られる、『糖尿病性腎症』。この病気は現在、透析治療を受けている患者さんの原因疾患・第一位でもあり、治療せずに悪化すると腎不全などのリスクも。この記事では糖尿病性腎病を早期発見・早期治療するための手段として、簡易的なセルフチェックや体の症状について紹介していきます。
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HealthDay News 2025年3月3日
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痛みを抑える目的でタバコを吸う人々の存在とその特徴
喫煙者の一部は、身体の痛みを抑えることを目的にタバコを吸っている。そのような人々は若年者に多く、痛みをより強く感じているといった特徴があるようだ。これは、順天堂大学大学院医学研究科疼痛制御学の山田恵子氏らの研究によるもので、「Neuropsychopharmacology Reports」に1月2日、短報として掲載された。
タバコに含まれるニコチンには「ごく一時的な」鎮痛作用があるらしいことが過去に報告されている。ただし喫煙と痛み(疼痛)との関連は複雑で、長期にわたる喫煙は痛みを生じるリスク因子であることや、ニコチン離脱時(タバコを吸えない時や禁煙開始時)には、痛みがむしろ強まることも報告されている。タバコを吸うという行動と潜在的に関係する心理的な要因や生活環境も、痛みに影響を及ぼし得ると推測される。しかし、痛みを緩和する目的での喫煙の実態は、これまでほとんど調査されていない。山田氏らは本研究を「痛みの緩和を目的としてタバコを吸う人々の存在にスポットを当てた、国内初の研究」と位置付けている。
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この調査は、2020年10~11月に、インターネット調査会社の登録者から、年齢が20~69歳で過去1カ月以内に体のどこかに痛みのあった人を、年齢、性別、居住地の分布を日本の人口構成に近くなるよう調整し、2,000人を抽出して実施した。回答者から、元喫煙者399人と喫煙歴のない人1,129人を除外し、現喫煙者472人(女性23.1%、慢性疼痛患者〔症状持続期間3カ月以上〕が57.6%)を解析対象とした。
主要な質問項目は二つで、「痛みを抑える目的でタバコを吸うか」と「タバコを吸うと痛みが和らぐか」を質問した。それぞれ「まったくそのとおりだ」、「そのとおりだ」、「どちらともいえない」、「そうではない」、「まったくそうではない」の五つから選択してもらい、いずれも前二者を同意(痛みを緩和する目的で喫煙している人、および、喫煙により痛みが緩和すると感じている人)と判定した。
痛みの緩和目的での喫煙者は、472人中31人(6.6%)だった(急性・亜急性疼痛患者〔症状持続期間3カ月未満〕の3.5%、慢性疼痛患者の8.8%)。また、痛みの緩和目的ではない喫煙者441人(93.4%)のうち、5.2%が喫煙による痛みの緩和を実感していると回答した。
このほかに、喫煙本数や鎮痛薬(市販薬/処方薬)の使用、痛みの強さ、不安・うつレベル、治療中の精神疾患、運動習慣、世帯収入なども調査し、前記二つの質問の回答との関連を解析した。なお、解析では、背景因子を検討するために合計26回の検定を行い、偽陽性のリスクを避ける目的で、有意水準を通常の0.05を26で割った値に近い0.002未満に設定した。
喫煙の目的が痛みの緩和の人とそうでない人を比較すると、前者の群は若年であり(平均38.1対46.5歳)、痛みに対する治療中(71.0対22.9%)、鎮痛薬使用中(市販薬は67.7対25.2%、処方薬は51.6対21.3%)、統合失調症治療中(9.7対0.7%)の割合が高いという有意差が認められた。また、痛みがより強く(NRSという10点満点のスコアが6.5対5.1点)、痛みの増強に関与する中枢感作が強く生じていると推測され(CSIという100点満点のスコアが41.0対27.5点)、運動習慣のある割合が高い(68.9対19.4%)という有意差も認められた。
貧困傾向やうつ病治療中の割合、3カ月以上続く慢性の痛み、痛みに対する悲観的な思考、不安レベルなどについては、喫煙の目的が痛みの緩和である群で高い傾向が認められた(P値が0.002~0.05の間)。P値は、結果が偶然である可能性を示す値であり、この範囲では一定の関連性が示唆される。一方、性別の分布、喫煙本数、教育歴、短時間睡眠者の割合などには有意差が見られなかった(P>0.05)。
山田氏らは、「痛みのある喫煙者の6.6%が痛みの緩和を期待してタバコを吸っており、その行動には心や生活環境など多面的な要因が関係していて、鎮痛薬などによる痛み治療が十分な効果を発揮していない可能性が示唆された」と結論付けている。そして、日本で慢性の痛みのある人が約2500万人という推計値と、慢性の痛みのある人の42~68%が喫煙者であるとする過去の調査報告、および本調査で得られたデータに基づき、痛みの緩和目的で喫煙している人が国内に90万~150万人いる可能性があると推算し、「今後の喫煙や慢性の痛み対策ではこのような人々の存在を考慮する必要があるのではないか」と付け加えている。
なお、山田氏らは現在、対象者の数を増やした上で、より詳細な質問内容を使ったデータ解析を進めていて、その解析でも本報と同様の傾向が観察されているという
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免疫チェックポイント阻害薬治療中の生存率にインスリン分泌能が独立して関連
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による治療を受けているがん患者において、インスリン分泌能が良好であることが、全生存期間(OS)や無増悪生存期間(PFS)の延長に独立して関連しているとする研究結果が報告された。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科腎・免疫・内分泌代謝内科の渡邉真由氏、江口潤氏らが行った前向きコホート研究によるもので、詳細は「Frontiers in Endocrinology」に12月11日掲載された。
ICIは種々のがんに対してしばしば著効を示すが、従来の抗がん剤とは異なる副作用があり、糖尿病を有する場合はインスリン分泌能低下リスクのあることが知られている。ただし、糖尿病でないがん患者に関しては、まれに劇症1型糖尿病を引き起こすリスクがあることを除き、糖代謝へどのような影響が生じるのかという点の知見は限られている。
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渡邉氏らはこの点について、同大学病院の患者を対象とする前向きコホート研究により検討した。解析対象は、2017年6月~2019年8月に進行がんと診断され、ICIによる初回治療が行われた87人。ベースライン以前および研究期間中に糖尿病と診断・治療された患者、および糖代謝に影響を及ぼし得るステロイドが処方された患者などは除外されている。
主な特徴は、年齢中央値(以下、連続変数は全て中央値)が65歳(四分位範囲56~72)、男性67.8%、BMI19.2。がん種は頭頸部がん52人、胃がん19人、その他16人であり、全身状態を0~4で表すECOG PSは0~1(比較的良好なパフォーマンス)が80.5%を占めていた。糖代謝に関しては、HbA1c5.6%、空腹時血糖値97mg/dL、インスリン分泌能を表すHOMA-βが59.4(四分位範囲37.1~85.3)、Cペプチドが1.52ng/dL(同1.01~2.24)、インスリン抵抗性を表すHOMA-IRが1.11(0.72~2.34)であり、腎機能(eGFR)は70.9mL/分/1.73m2(63.5~87.2)と良好だった。投与されたICIは、ニボルマブが78人、ペムブロリズマブが10人、イピリムマブが1人だった(2人は2剤併用)。
ICI投与開始1カ月後、HbA1cの有意な低下(P=0.018)とCペプチドの有意な上昇(P=0.022)が観察され、ICIは非糖尿病患者の糖代謝にも影響を及ぼし得ることが示唆された。
観察期間中に82人(94.3%)が死亡し、OSは中央値7カ月、PFSは同3カ月だった。OSの中央値で2群に分けて比較すると、HOMA-βはベースラインおよび投与1カ月後の両時点で有意差があり、OSが7カ月以上の群のほうが高値だった。その他の糖代謝関連指標の群間差は非有意だった。ROC解析により、OSが7カ月以上であることを予測するHOMA-βの最適なカットオフ値は64.24と計算され、AUCは0.665だった。また、PFSが3カ月以上であることを予測するHOMA-βの最適なカットオフ値は66.43、AUCは0.582だった。
次に、年齢、性別、BMI(最適なカットオフ値である18.58以上)、eGFRおよびHOMA-β(64.24以上)を独立変数、OSの短縮(中央値である7カ月未満)を従属変数とする多変量ロジスティック回帰分析を施行。その結果、BMI(ハザード比〔HR〕0.481〔95%信頼区間0.299~0.772〕)とHOMA-β(HR0.623〔同0.393~0.989〕)の2項目が、OS延長に独立して関連していることが明らかになった。続いて行ったPFSの短縮(中央値である3カ月未満)を従属変数とする解析からは、HOMA-β(66.43以上の場合にHR0.557〔0.339~0.916〕)のみが、PFS延長に独立して関連していることが明らかになった。
著者らは本研究が単施設の患者データに基づく解析であり、サンプルサイズも十分でないことなどを限界点として挙げた上で、「得られた結果は、ICI治療を受ける非糖尿病患者において、インスリン分泌能の高さがOSやPFSの延長に独立して関連することを示している。HOMA-βは、ICI投与が予定されるがん患者の予後予測指標となり得るのではないか」と結論。また、「ICIが膵β細胞機能に影響を及ぼすメカニズムの解明が期待される」と付け加えている。
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肺がんは初期の自覚症状が少ないからこそ、セルフチェックで早めにリスクを確かめておくことが大切です。セルフチェックリストを使って、肺がんにかかりやすい環境や生活習慣のチェック、症状のチェックをしていきましょう。
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HealthDay News 2025年2月25日
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犬を強く愛している飼い主ほど健康になれる?
犬と暮らす人の中でも、犬への愛着が強い人ほど身体活動量が高くなっていることが明らかになった。国立環境研究所の谷口優氏と東京都健康長寿医療センター研究所の池内朋子氏による論文が、「PLOS One」に11月27日掲載された。同氏らは、「犬と暮らすことで得られる健康効果を説明する要因として、犬への愛着の強さが鍵を握っているのではないか」と述べている。
近年、犬の飼い主は健康状態が良好な人が多いとする研究結果が複数報告されてきている。谷口氏らも既に、犬と暮らす高齢者は身体機能が高いことや、フレイル(虚弱)や死亡に至るリスクが低いことを報告している。また、犬と暮らす高齢者の中でも、散歩などの運動習慣がある人において認知症の発症リスクが低くなることも報告している。しかし、なぜ犬と暮らす人の中で、運動習慣に差が生じるのかについては不明であった。
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今回の研究は、一般社団法人ペットフード協会が2023年に実施したインターネット調査のデータを用いて行われた。この調査には日本各地に居住している20~79歳の犬猫飼育者1,683人が回答。このうち犬を飼っている1,041人を解析対象とした。
対象者の主な特徴は、平均年齢が52.5歳、女性57.5%、既婚者71.1%、戸建ての持ち家居住者70.0%、独居者10.4%で、平均年収は500~600万円であった。また犬の散歩の頻度は、1日2回以上が25.1%、1日1回から2回が3.8%、週3回から7回が45.8%、週3回未満が25.3%だった。国際標準化身体活動質問票で評価した中高強度身体活動量の平均値は、41.4METs時/週であった。
飼い犬への愛情の強さの評価には、既存の質問票(the CENSHARE Pet Attachment Survey)を用いた。この質問票は、「ペットとの遊びや運動に時間を使うか?」、「ペットはあなたの気分の変化に気づくか?」、「ペットを家族だと思うか?」などの六つの質問から成り、最大スコア24点で回答を評価し、点数が高いほど愛着が強いと判定する。本研究の対象者の平均値は18.8点だった。
犬への愛着の強さと散歩の頻度および身体活動量との関連性について、重要な交絡因子(年齢、性別、婚姻状況、同居家族、収入、自宅の形態)の影響を統計学的に調整した結果、犬への愛着が強いほど散歩の頻度が高いことが明らかになった(B=0.04、P<0.01)。そして、犬への愛着が強いほど、中高強度身体活動量が高いことも認められた(B=1.43、P<0.01)。
著者らは本研究を、「犬に対する愛着の強さと身体活動量の関連を明らかにした初の研究」と位置づけている。研究の限界点として、横断研究であるため愛着と身体活動量の因果関係は不明であることなどを考察した上で、「犬への愛着の強さが、日々の世話を通じて飼い主の運動習慣につながり、その結果、飼い主に健康障害が発生するリスクが低下すると考える」と総括。他方、「単に犬と暮らすだけでは、健康上のメリットを得られない可能性があることも示された」と付け加えている。
軽度認知障害(MCI)のセルフチェックに関する詳しい解説はこちら
軽度認知障害を予防し認知症への移行を防ぐためには早期発見、早期予防が重要なポイントとなります。そこで、今回は認知症や軽度認知障害(MCI)を早期発見できる認知度簡易セルフチェックをご紹介します。
軽度認知障害(MCI)のリスクをセルフチェックしてみよう!参考情報:リンク先
HealthDay News 2025年2月3日
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全身性エリテマトーデスとは、本来身体を守るはずの免疫細胞が異常となってしまい、自分自身を攻撃してしまう自己免疫性疾患です。
「SLE」と略して呼ばれ、オオカミに噛まれた痕のような紅斑が出ることから「ループス」(ラテン語でオオカミを意味します。)とも名付けられています。20~40代の女性に多く発症する病気です。

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