• バストに不満あると乳がんチェックを怠りがちに?

    乳がん予防には普段から自分の乳房にしこりなどの異変がないかどうかを調べるセルフチェックが役立つとされている。ところが、バストサイズに不満がある女性はセルフチェックを怠りがちであることが英国の研究から明らかになった。

    この研究結果は「Body Image」3月号(1月2日オンライン版)に掲載されている。

    この研究を実施したのは英アングリア・ラスキン大学心理学教授のViren Swami氏ら。対象は18~76歳の英国人女性384人だった。このうち31%は自分のバストが大き過ぎることに、44%はバストが小さ過ぎることに不満を持っていた。

    また、乳がんのセルフチェックの頻度について聞いたところ、「ほとんどしない」または「全くしない」と回答した女性の割合は全体の33%だった。

    さらに、もし乳房に異変があることに気付いた場合、医師を受診するかどうか聞いたところ、全体の55%が「すぐに受診する」と回答したが、「できるだけ受診を遅らせる」あるいは「受診するつもりはない」と回答した女性も10人中1人を占めていた。

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    バストサイズへの不満度と乳がんセルフチェックの頻度や受診行動との関連について検討するため、Swami氏らは回帰分析を実施した。
    その結果、バストサイズへの不満はセルフチェックの頻度の低下や受診の遅れに有意に関連していたという。

    この研究結果を踏まえ、Swami氏は「バストサイズに不満がある女性にとって、自分の乳房をチェックする行為は自身が抱く身体像(ボディイメージ)を脅かすことにつながるため、こうした行為を避けてしまうのかもしれない。

    また、バストへの不満があると羞恥心や屈辱感といった否定的な自意識感情を呼び起こされることもセルフチェックを回避する要因の一つかもしれない」と考察している。

    さらに同氏は「普段から乳房の状態に注意を払い、乳がんの早期発見につなげることを提唱する“Breast Awareness”の考えが広がれば、乳房を審美的な側面からでなく機能的な側面からとらえる女性が増えるのではないか」と話している。

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    HealthDay News 2018年1月10日
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  • スクリーニングと治療の進歩で乳がん死が半減

    近年、スクリーニングと治療が飛躍的に進歩したことで、乳がん死亡率が大幅に低下したことが米スタンフォード大学医学部教授のSylvia Plevritis氏らの研究で明らかになった。

    シミュレーションモデルを用いたこの研究では、スクリーニングや治療によって乳がん死が半減したと推定された。
    詳細は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」1月9日号に掲載された。

    Plevritis氏らは今回、6つのCISNET(Cancer Intervention and Surveillance Modeling Network)のシミュレーションモデルを用いて、2000~2010年に30~79歳の米国人女性の乳がん死亡率低減にスクリーニングと治療がどの程度寄与したのかについて検討した。

    その結果、2000年にはスクリーニングおよび治療によって乳がん死亡率が37%低下したと推定された。
    また、こうした乳がん死亡率の低減効果の44%はスクリーニング、56%は治療によるものであることが分かった。

    2012年にはスクリーニングおよび治療によって乳がん死亡率が49%低下し、その低減効果の37%はスクリーニング、63%は治療によるものと推定された。
    なお、2000年と比べて2012年に乳がん死亡率がさらに低下したのは、この間に乳がんの治療とスクリーニングが大幅に向上したためであることも明らかになった。

    なお、2000年の時点では乳がん死亡の抑制効果に対する寄与度はスクリーニングと治療で同程度だったが、2012年には治療がスクリーニングを上回っており、スクリーニングよりも治療の向上の方が死亡率の低減により大きく貢献したことも分かった。

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    米国がん協会(ACS)医務部門副部長のLen Lichtenfeld氏によると、この間に乳がん治療ではエストロゲンによって増殖するタイプ(ER陽性)の乳がんに対してホルモン療法が実施されるようになったほか、特定の遺伝子(HER2遺伝子)に異常があるタイプ(HER2陽性)の乳がんに対しては新たな治療薬としてトラツズマブ(商品名ハーセプチン)といった分子標的薬が登場。

    以前から行われている化学療法も向上したことも、乳がんの予後を改善した。
    スクリーニングについては、この間に従来のマンモグラフィと比べて鮮明な画像が得られるデジタルマンモグラフィが普及し、死亡率の低減に寄与した。

    Plevritis氏らによる今回の研究では、乳がんのサブタイプごとのスクリーニングと治療による乳がん死亡率の抑制効果についても検討された。
    その結果、ER陽性かつHER2陽性の乳がんによる死亡率の低減効果のうち、69%は治療、31%はスクリーニングによる効果であることが示された。

    一方、エストロゲンなどのホルモン受容体が陰性で、HER2も陰性の「トリプルネガティブ」と呼ばれるタイプの乳がんでは、死亡率の低減に治療とスクリーニングが同程度に寄与していることが分かった。

    米国臨床腫瘍学会(ASCO)前代表で米ミシガン大学のDaniel Hayes 氏は「乳がんは早期に発見すれば治療の成功率も高まる。どのタイプのがんでも、スクリーニングで早期発見して治療することで死亡リスクは低下する」とスクリーニングの重要性を強調。

    Lichtenfeld氏も「コンピューターモデルを用いた今回の研究で、マンモグラフィが乳がんによる死亡を大幅に低減してきたことが明示された。
    治療が全てであると捉えるべきではない」と話している。

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    HealthDay News 2018年1月9日
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  • 化学療法受けない早期乳がん患者が増加

    近年、早期乳がん患者に対する化学療法の実施件数が減少傾向にあることが、米スタンフォード大学内科・健康研究准教授Allison Kurian氏らによる研究で明らかになった。

    同氏らは「一部の早期乳がん患者では化学療法の(副作用による)有害性が有益性を上回る場合があることが、医師や患者に認識されるようになったことが一因ではないか」としている。
    詳細は「Journal of the National Cancer Institute」12月11日オンライン版に掲載された。

    Kurian氏らは今回、米国のがん登録(SEER)のデータベースを用い、ジョージア州およびロサンゼルス市内で2013~2015年に早期乳がんの治療を受けた女性2,926人を対象に化学療法の実施状況を調査した。
    対象者はステージ1~2で、エストロゲン受容体陽性かつ上皮成長因子受容体(EGFR)2陰性の乳がんだった。

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    その結果、対象者における化学療法の実施率は、2013年の34.5%から2015年には21.3%へと低下していた(P<0.001)。
    また、リンパ節への転移がある患者に対する化学療法の実施率は、同期間に81.1%から64.2%に低下。
    リンパ節転移がない患者でも、実施率は26.6%から14.1%に低下していた。
    さらに、主治医から化学療法を勧められたと回答した早期乳がん患者の割合も、2013年の44.9%から2015年には31.6%に低下していた。

    このほか、臨床腫瘍医504人にも化学療法やがんの治療薬の効きやすさを調べるための遺伝子検査の実施状況について尋ねたところ、医師の勧める治療と患者が望む治療が一致しない場合には、医師はがんの遺伝子検査を実施する確率が高いことも分かった。

    ただ、Kurian氏らによると同期間に国や学会などが策定した乳がん診療ガイドラインにおける化学療法の推奨内容に大幅な変更はないという。
    同氏は「多くの医師が治療の個別化を目指し、化学療法の副作用をできるだけ軽減しようとしていることが、この結果に反映されたのではないか」との見方を示す。
    その上で、「こうした近年の化学療法の実施状況の変化が長期的にはどのような結果を招くかについては不明だ」と話している。

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    HealthDay News 2017年12月13日
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  • 早期乳がん患者の内分泌療法、より短期間でも予後変わらず

    ホルモン受容体陽性の早期乳がん患者への内分泌療法の期間は5年間が標準とされていたが、その後さらに5年間継続しても、2年間継続した場合と比べて予後に差はないことがオーストリアで実施されたランダム化比較試験(RCT)で示された。

    この試験結果はサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS 2017、12月5~9日、米サンアントニオ)で発表された。

    この試験を率いたウィーン医科大学総合がんセンターのMichael Gnant氏によると、乳がん治療の進歩にかかわらず、早期乳がん患者のうちホルモン受容体陽性の患者は再発リスクが持続してみられることが分かっている。
    そこで、一般的に再発予防のために乳がん細胞の増殖を促すエストロゲンを抑える薬剤を用いた内分泌療法が行われる。

    こうした患者に対する内分泌療法の標準的な期間は5年間とされていたが、近年の研究ではより長期の内分泌療法によって再発リスクがさらに低減することが示されているという。
    ただ、どの程度治療を延長すべきかについては不明だった。

    今回の試験では、術後に5年間の内分泌療法(タモキシフェン、アロマターゼ阻害薬のいずれかまたは両方を使用)を受けたホルモン受容体陽性で閉経後の早期乳がん患者約3,500人を、同療法をさらに2年延長(通算で7年間)する群と、5年延長(同10年間)する群にランダムに割り付けた。
    その結果、診断から平均で14年後の時点で再発することなく生存していた患者の割合は、2年延長群と5年延長群のいずれにおいても78%だった。
    一方、骨折の発生率は5年延長群の6%に対して2年延長群では4%と低かった。

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    この結果を踏まえ、Gnant氏は「内分泌療法は2年の延長で十分であり、それ以上の治療を行うべき理由はない。
    また、治療期間が短い方が骨折などの副作用の低減につながる」と説明している。

    内分泌療法で使用されるアロマターゼ阻害薬などの薬剤では骨折やホットフラッシュ、性機能不全、筋肉痛および関節痛などの副作用が問題となることがある。
    今回の試験には関与していない米ペンシルベニア大学AbramsonがんセンターのSusan Domchek氏は「内分泌療法がうまくいく患者がいる一方で、副作用に苦しみ治療を中止したいと望む患者もいる」と説明する。

    ただ、Domchek氏や米ダナ・ファーバーがん研究所のErica Mayer氏は「再発リスクなどに基づき個別に治療を決定する必要がある」と強調。
    今回の試験結果は患者ごとに適した治療を決める際に、その選択肢を広げることにつながるが、再発リスクの高い一部の患者には長期の内分泌療法が有益である可能性があるとの見解を示している。

    今回報告された試験は、内分泌療法で使用される薬剤を製造するAstraZeneca社の資金提供を受けて実施された。
    なお、学会発表された研究は査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

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    HealthDay News 2017年12月7日
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  • 進行乳がん患者が運動から得るベネフィットは大きい

    進行した乳がんの患者であっても、定期的に運動することで疲労や疼痛が軽減され、心血管の状態が改善してQOL(生活の質)の向上につながることがポルト大学(ポルトガル)運動生理学教授のEduardo Oliveira氏らによる研究で明らかになった。

    この研究結果は進行乳がん第4回国際コンセンサス会議(ABC4、11月2~4日、ポルトガル・リスボン)で報告された。

    研究の対象は、運動習慣のない34~68歳の進行乳がん(局所進行乳がんまたは転移乳がん)の患者15人。
    このうち8人には治療に加えて12週間の運動プログラムに参加してもらい、残る7人には通常の治療のみを受けてもらった。

    運動プログラムの参加者は、有酸素運動とレジスタンス運動で構成された1時間のセッションに週2回参加した。
    プログラムの内容は個々の患者に合わせて計画された。

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    その結果、心血管の状態の指標である最大酸素摂取量(VO2max)は、通常治療群の2.7%増加に対して運動プログラム群では12.3%増加した。

    また、最大酸素摂取量出現時のパワー(VO2maxパワー)も通常治療群の3.9%増加に対し、運動プログラム群では37.2%増加した。

    さらに質問票を用いた調査からは、疼痛の自己評価スコアも通常治療群で2.6ポイント低下したのに対し、運動プログラム群では21.4ポイント低下したことが分かったほか、疲労のスコアもそれぞれ2.2ポイント、14.4ポイントの低下が認められた。
    このほか、運動プログラム群では幸福感や日常生活で必要なタスクを行う能力などのスコアも改善した。

    なお、運動プログラム群に割り付けられた全ての女性が最後までプログラムを完遂できたという。
    このことから、Oliveira氏らは「今回の研究に参加した女性は有酸素運動とレジスタンス運動のいずれにも良好な忍容性を示した」としている。

    Oliveira氏によると、運動のベネフィットは既に確立されているが、進行乳がん患者への影響について検討した研究は少なかったという。
    同氏は「進行乳がん患者は強い痛みや極度の疲労に苦しみ、当たり前の日常生活を送ることさえ厳しい。

    そのような状況では何の助けもなく運動プログラムを始めるのは難しいだろう」と指摘した上で、「今回の研究は小規模なものだが、今後この結果をより大規模な研究で検証する価値はある」と強調。
    多くの医療従事者に運動の効果について認識してもらいたいと呼び掛けている。

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    HealthDay News 2017年11月2日
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  • 人工知能が高リスク病変のがん化を97%の精度で予測

    人工知能を利用することで、マンモグラフィ検査と生検で見つかった乳房の「高リスク病変」ががん化するかどうかを97.4%の確率で正確に予測できる可能性が新たな研究で示された。

    研究を実施した米マサチューセッツ総合病院のManisha Bahl氏らは「この人工知能システムを導入すれば、不要な手術を減らすことができるかもしれない」と話している。
    詳細は「Radiology」10月17日オンライン版に掲載された。

    現在、マンモグラフィ検査で乳がんが疑われる病変に対しては生検が行われ、細胞に異常が認められる場合は高リスク病変と判定される。
    こうした高リスク病変は実際には手術時にがん化していないことが多いが、がんの取り逃がしを避けるために必ず切除する方針の医師と、異型乳管過形成(ADH)や非浸潤性小葉がん(LCIS)などのがん化リスクが特に高い病変のみに対して切除術を行う方針の医師がいる。
    しかし、前者の場合、がん化する可能性が低い病変に対しても不要な手術が行われることになり、患者への負担が大きい。
    一方、後者の場合、ADHやLCIS以外の高リスク病変でがん化した場合に取り逃がしてしまう可能性が生じる。

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    そこでBahl氏らは今回、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らと共同で切除の必要な高リスク病変を見極める「機械学習モデル」を開発した。
    機械学習は人工知能の一種で、過去の経験に基づいて自動的に学習し、進歩していくというシステムだ。
    このモデルに生検で高リスク病変と判定され手術または2年以上の経過観察を受けた患者の計1,006病変のうち671病変について、その種類や患者の年齢など多岐にわたるリスク因子に関する情報のほか、生検結果のテキストデータなども組み込み、学習させた。

    次に、残る335病変でこのモデルを用いてリスク予測を行ったところ、97.4%(38病変のうち37病変)の確率でがん化を正確に予測し、がん化しなかった高リスク病変の30.6%(297病変のうち91病変)で手術を回避できることが示された。
    さらに、生検データに「severely atypical(高度の異型)」との記録があると、がんに進展するリスクが高いことも示された。

    今回の研究結果を踏まえ、研究グループは「マンモグラフィの画像と病理標本のデータを機械学習モデルに組み込み、最終的には臨床に取り入れたい」との考えを示している。

    また、Bahl氏は「機械学習は、不要な手術を減らす点でも、患者に多くの情報を与えるという点でも、治療の向上に役立つツールである」と話している。

    一方、米ノーザン・ウェストチェスター病院のBonnie Litvack氏は全ての女性に対して「がんリスクの低い病変の特定に役立つ機械学習の存在を知っておくべきである」と呼び掛けるとともに、「女性に多くのデータを提供し、意思決定を共有するのに役立つ人工知能は楽しみな研究分野である」と付け加えている。

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    HealthDay News 2017年10月17日
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  • 「アンジー効果」で乳房切除術が倍増―米など2カ国調査

    2013年、米国人女優のアンジェリーナ・ジョリーが乳がんリスクを低減する目的で乳房を切除する予定であることを発表し、話題を呼んだ。ジョリーのこの行動は、各国の一般女性にも大きな影響を与えたことが、米国とオーストラリアの研究で明らかになった。

    研究ではジョリーの発表前と比べて発表後ではリスク低減のための乳房切除術の実施件数が倍増したことが示されたという。

    今回の研究は米ワイル・コーネル大学医学部教授のArt Sedrakyan氏らがニューサウスウェールズ大学(オーストラリア)の研究者らと共同で実施したもの。ジョリーのニュースによるリスク低減乳房切除術の実施件数への影響を調べるため、米ニューヨーク州とオーストラリア・ニューサウスウェールズ州の2004~2014年の退院データを分析した。

    その結果、ニューヨーク州では2カ月間のリスク低減乳房切除術の件数(女性100万人当たり)が、ジョリーの発表前20カ月間の3.3件から発表後20カ月間には6.3件とほぼ倍増していた。
    また、ニューサウスウェールズ州でも同様の結果が示された。

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    2015年の英国の研究でもジョリーの発表によってリスク低減乳房切除術の実施件数が増えたことが示されていた。
    また、2005年にはオーストラリアの歌手であるカイリー・ミノーグが乳がんと診断されたことを公表し、その後乳がんの検査を受ける25~44歳の女性が増加したとする研究結果も報告されている。

    今回の研究結果を踏まえ、Sedrakyan氏は「有名人の行動は一般の人々の医療上の決断を左右することが分かった」と結論づけるとともに、「今後もし有名人が遺伝子検査や治療の選択について公表した際には、それが一般の人々の健康にどのように影響するのかを評価する必要がある」と指摘している。

    この研究結果は「Health Services Research」9月25日号に掲載された。

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    HealthDay News 2017年9月25日
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  • 最新研究では40歳からのマンモグラフィ検診を支持

    マンモグラフィによる乳がん検診は、何歳から何歳まで、どの程度の間隔を空けて受けるべきなのか。複数の異なる指針が存在する米国では適切な検診スケジュールをめぐって議論が続いているが、「Cancer」8月21日オンライン版で報告された研究では、乳がんによる死亡を減らす上で最大の効果が期待できるのは、「40歳から84歳までの間に年1回」であることが示された。

     米国ではマンモグラフィ検診を必要とする年齢や頻度について、米国がん協会(ACS)や米国産科婦人科学会(ACOG)、米国予防医療作業部会(USPSTF)など学会や団体によって異なる指針を示している。そこで、米コロラド大学医学部放射線学教授のR. Edward Hendrick氏らは今回、1960年生まれの全ての女性が(1)40歳から84歳まで年1回(2)45歳から54歳まで年1回、55歳から79歳までは2年ごと(3)50歳から74歳まで2年ごと―のいずれかのスケジュールでマンモグラフィ検診を受けた場合のリスクとベネフィットを比較した。

     その結果、乳がんによる死亡を最も多く低減できるスケジュールは、「40歳から84歳まで年1回」であることが分かった。このスケジュールでマンモグラフィ検診を受けると、乳がんによる死亡を39.6%低減できると推定された。

     一方、「45歳から54歳まで年1回、55歳から79歳までは2年ごと」の場合は30.8%、「50歳から74歳まで2年ごと」の場合は23.2%の乳がんによる死亡低減につながると推定された。

     さらに1960年生まれの米国人女性が全員、これらのスケジュールのいずれかでマンモグラフィ検診を受けた場合に回避できる乳がんによる死亡は、「40歳から84歳まで年1回」で約2万9,400件、「45歳から54歳まで年1回、55歳から79歳までは2年ごと」で約2万2,800件、「50歳から74歳まで2年ごと」で約1万7,200件だった。この結果を踏まえ、Hendrick氏は「乳がんによる早期死亡を回避するには40歳から毎年受けるのがベスト」と述べている。

     同氏によると、米国で生涯に乳がんと診断される女性の割合は8人に1人に上る。しかし、40歳から2年に1回以上、マンモグラフィを受ける女性は5割程度だという。「どのスケジュールでマンモグラフィ検診を受けるのかによって、回避できる乳がんを原因とした死亡の数はかなり変動する」と同氏は強調している。

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     ただ、今回の研究では費用の分析が行われていないほか、既存の検査機器とスタッフだけで検診受診者の増加に対応できるのかといった問題も検討されていない。また、偽陽性の結果が出ることで必要のない追加の検査が行われるという問題もある。しかし、Hendrick氏は「平均的な40歳代の女性が毎年スクリーニングを受けた場合、そのようことが起こる確率は12年に1回程度。また、実際には乳がんでないのに生検が実施される確率も150年に1回ほど」と話す。さらに、マンモグラフィで乳がんを見逃したり、放射線被曝により乳がんになるリスクもわずかだとしている。

     一方、「45歳から54歳まで年1回、55歳から79歳までは2年ごと」を推奨するACSのOtis Brawley氏は、この研究結果について「平均的なリスクの40歳女性では、マンモグラフィ検診を受けたか否かが5~10年以内の健康状態に影響する可能性は極めて低い」と指摘。「マンモグラフィは不完全なツールであり、偽陽性の確率も高い」としている。

     さらに同氏は「マンモグラフィは50歳未満の女性では最善の検査法とはいえないばかりでなく、50~70歳の女性にもとりわけ優れた検査法というわけではない」との見方を示し、「新たな乳がんの検査法を開発することが重要」としている。

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  • 乳頭や乳輪を残す乳房切除術で再発リスクは上昇せず

    がんのある乳房を切除する「乳房切除術」の新しい方法として、近年、乳頭や乳輪、乳房の皮膚を残して切除する「乳頭乳輪温存乳房切除術」が注目されている。その長期的な安全性について検証した研究から、この術式によって乳がんの再発リスクは上昇しないことが示された。詳細は「Journal of the American College of Surgeons」7月17日オンライン版に掲載された。

     この研究を率いた米マサチューセッツ総合病院のBarbara Smith氏によると、近年、外見上の問題から乳頭乳輪温存を希望する乳がん患者が増えているという。乳頭乳輪温存乳房切除術では、術後の胸が自然に見えるだけでなく、乳房切除術と同時に乳房の再建術も受ける「一期再建」を選択できることが多い。

     同氏は「医師として、外見のために患者の安全が脅かされることは望まない」とした上で「女性の多くは乳頭が残っている方が自分らしい本来の身体であると感じやすい」と説明。また、今回の研究について「乳頭乳輪温存乳房切除術後、かなり長期にわたって追跡した研究の1つ。その結果は、少数の例外を除けば乳頭を残しても安全であることをあらためて裏づけるものとなった」と話している。

     今回の研究でSmith氏らは、2007~2012年に乳頭乳輪温存乳房切除術を受けたステージ0~3の乳がん患者297人の転帰を追跡した。このうち14人は両側の乳房にがんがあり、両側の乳房切除術を受けたため、手術数は計311件だった。中央値で51カ月の追跡期間における乳がんの再発率は約5.5%だったが、再発例で乳頭乳輪が関わるものはなかったという。なお、同氏によると、この対象集団での再発率は標準的な乳房切除術後の再発率と同程度だった。

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     この研究報告を受け、米ニューヨーク大学(NYU)ウィンスロップ病院乳腺外科のVirginia Maurer氏は「乳頭乳輪温存術を診療に取り入れるために、長期の成績の報告を待っていたわれわれ医師にとって勇気づけられる結果だ」と話している。また、米レノックス・ヒル病院乳腺外科のLauren Cassell氏は「患者も医師も、これまで乳頭乳輪の局所再発リスクを警戒してきたが、今回の研究により恐怖心が安心感に変わった」と述べている。

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    HealthDay News 2017年7月19日
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  • 遺伝性乳がん、最も発症リスクが高まる年齢は?

    BRCA1遺伝子やBRCA2遺伝子に変異がある女性は、乳がんや卵巣がんを発症するリスクが高いことが知られているが、そのリスクが最も高くなる年齢を明らかにした前向きコホート研究の結果が「Journal of the American Medical Association(JAMA)」6月20日号に掲載された。研究を実施した英ケンブリッジ大学公衆衛生・プライマリケア学のAntonis Antoniou氏らは「乳房や卵巣の予防的切除などの対策を取るべき時期を決める際に一助となる知見」としている。

     この研究では、BRCA1遺伝子の変異がある女性が乳がんを発症するリスクが高まる年齢について検討。その結果、発症リスクは成人後、年齢が上がるにつれて急激に上昇し、31~40歳に最大となり、その後は生涯にわたって横ばいとなることが示された。また、BRCA2遺伝子の変異がある女性でも成人後にリスクの上昇が始まり、51~60歳に最大となり、その後横ばいとなることが分かった。

     これまでのBRCA1/2遺伝子変異と乳がんや卵巣がんの発症リスクに関する報告によると、70歳までの乳がん発症の累積リスクはBRCA1遺伝子変異がある女性で40~87%、BRCA2遺伝子変異がある女性では27~84%と幅があった。これらの報告は、後ろ向き研究に基づいたものだったため、Antoniou氏らは今回、より精度の高いリスク推定を行うため、より大規模な前向き研究を実施した。

     対象は、1997~2011年に英国やオランダなどで登録されたBRCA1遺伝子変異陽性の6,036人とBRCA2遺伝子変異陽性の3,820人の計9,856人。このうち4,810人はベースライン時に乳がんまたは卵巣がんの既往があった。中央値で5年の追跡期間中に426人が乳がん、109人が卵巣がん、245人が対側乳がんの診断を受けた。

     解析の結果、BRCA1遺伝子変異がある女性が80歳までに乳がんを発症する確率(累積発症率)は72%、卵巣がんを発症する確率は44%だった。一方、BRCA2遺伝子変異がある女性が80歳までに乳がんを発症する確率は69%、卵巣がんを発症する確率は17%だった。また、乳がんの診断後、20年間に対側乳がんを発症するリスクは、BRCA1遺伝子変異がある女性では41%、BRCA2遺伝子変異がある女性では21%だった。

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     このほか、BRCA1/2遺伝子変異がある女性における乳がん発症リスクは、女性の親族に乳がん既往者がいる場合にさらに上昇すること、変異の位置もリスクの増減に関与することなどが分かった。

     これらのリスク推定値について、米国がん協会(ACS)のLen Lichtenfeld氏は「これまでの推定値と比べて少しばかり正確で、現実が反映された値かもしれない」とコメント。「『卵巣は摘出したくない』と願う女性もいるが、『もっと早く摘出しておけば良かった』と後悔する女性もいる。この研究データは、どのような選択肢があり、どのような結果がもたらされるかについて、冷静に議論する際に役立つだろう」としている。

     なお、乳がんの家族歴のない女性が遺伝子検査を受けるべきか否かについては、議論が続いている。家族歴も既往歴もない場合はBRCA1/2遺伝子変異陽性の確率は極めて低いとされる一方、例外もあるため検査対象を広げるべきとの意見もあり、専門家の見解は一致していない。

    Abstract:リンク先
    HealthDay News 2017年6月20日
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