• 意外に多い「未診断の心房細動」、高リスク者の3人に1人で検出

    心房細動と診断されたことはないが、リスクは高いと考えられる患者の胸部に小型の心電図モニタリング機器を植え込み、長期間にわたって観察した結果、ほぼ3人に1人で心房細動が検出されたとする研究結果が「JAMA Cardiology」8月26日オンライン版に掲載された。この結果を踏まえ、研究を率いた米コロンビア大学医学部教授のJames Reiffel氏は「高齢者では、より高頻度に心房細動が発生している可能性が高い」としている。

    心房細動は、原因が特定できない脳梗塞の主な要因であると考えられているが、症状がない場合があるだけでなく、長期間の検査が必要であるため、検出が難しいことが課題となっている。今回、Reiffel氏らは胸部に植え込むタイプの小型の心電図モニタリング機器を使用して長期間観察することで、高リスク者における心房細動の発生頻度を調べた。

     今回の研究は、米国および欧州の57施設で2012年11月から2017年1月まで実施された。対象は、心房細動の診断歴はないが、心房細動や心房細動を原因とした脳梗塞のリスクが高い(CHADS2スコア3以上または2以上かつ他にもリスク因子が1つ以上)と評価された446人。7割以上が65歳以上の高齢者で、平均年齢は71.5歳、52.2%が男性だった。また、対象者の約90%に疲労や呼吸困難、動悸などの症状があった。

     このうち385人(86.3%)の胸部皮下に単4電池ほどのサイズの心電図モニタリング機器を植え込み、18~30カ月間観察した。このモニタリング機器は、自動的に心電図データを記録。データは患者を担当する循環器医に送信されるという。今回の研究で使用されたモニタリング機器は、研究資金とともにMedtronic社が提供した。

     その結果、6分以上持続する心房細動の検出率は、観察を開始してから18カ月の時点で29.3%だった。また、モニタリング機器による観察期間が長くなるほど検出率は高まり、24カ月時点では33.6%、30カ月時点では40.0%に達していた。ただ、脳卒中リスクを大幅に上昇させると考えられている24時間以上持続する心房細動が検出された患者の割合は10.2%だった。経口抗凝固薬が処方された患者の割合は56.3%だった。

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     この研究結果を受け、米メイヨークリニック教授のSamuel Asirvatham氏は「高リスクの人たちでは極めて高い確率で心房細動が検出されることを明確に示した重要な情報」とした上で、「原因が特定できない全ての脳梗塞患者に対して、心房細動が検出された場合と同様に抗凝固薬を使用すべきかどうかについては、大規模研究で検証する必要がある」との見方を示している。

     一方、Reiffel氏は循環器医に対し、今回の研究で使用した心電図モニタリング機器の導入を「積極的に考慮すべき」と勧めている。その理由として、「他の検査法と比べて格段に優れていると考えられる」ことを挙げ、「合併症の発生率は極めて低く、患者にも受け入れられやすい」と付け加えている。

     これに対し、米バージニアコモンウェルス大学ポーリー循環器センターのKenneth Ellenbogen氏は「脳卒中の既往がなく、心房細動の症状もない患者に心電図モニタリング機器の植え込みを行うのは現時点では時期尚早だ」と指摘。「こうした患者で心房細動が検出された場合、それに対してわれわれはどのように対処すべきなのかを明らかにすることが先決だ」と主張している。

     この研究結果は、欧州心臓病学会(ESC 2017、8月26~30日、バルセロナ)でも報告された。

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    HealthDay News 2017年8月26日
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