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3月 16 2021 1964年の東京五輪に参加した元選手にはサルコペニアが少ない
前回の東京オリンピックに参加した元選手は、サルコペニアの有病率が低いことが明らかになった。特に、運動強度の高い競技に参加していたり、引退後にも運動を続けていた元選手は、有病率が顕著に低いという。ただし、身体機能が低下している人の割合は、一般住民よりも元選手の方が高いとのことだ。東京大学高齢社会総合研究機構・未来ビジョン研究センターの飯島勝矢氏らが報告した。
サルコペニアとは、加齢や疾患のために筋肉量や筋力が低下した状態のこと。転倒や骨折などのリスクが高く、要介護につながりやすい。若いうちに筋肉量を高めておくことが、サルコペニアの予防につながる可能性があるものの詳しくは不明。このような背景から飯島氏らは、東京五輪に参加した元選手と一般住民とで、サルコペニアの有病率に差があるかを比較検討した。結果の詳細は、「Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle」に1月18日掲載された。
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サルコペニアを2019年のアジアワーキンググループの基準(骨格筋量が生体インピーダンス法で男性7.0kg/m2未満、女性5.7kg/m2未満、握力が男性28kg未満、女性18kg未満、歩行速度1.0m/秒未満)に準拠して判定した。その結果、元五輪選手はサルコペニアが有意に少ないことが分かった。
具体的には、一般住民のサルコペニア有病率が男性8.9%、女性7.8%であるのに対して、元五輪選手は男性4.1%、女性4.0%であり、男性・女性ともに有意差が認められた。サルコペニア発症に影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、疾患既往歴、飲酒・喫煙・運動習慣など)で調整後、元五輪選手がサルコペニアである確率は、一般住民の半分以下だった(調整オッズ比0.49、95%信頼区間0.20~0.94)。ただし性別の解析では、女性は非有意だった。
元五輪選手で認められたサルコペニア有病率の低さは、運動強度の高い競技種目に参加していた元選手や、競技生活引退後も運動を続けていた元選手で、より顕著に認められた。また、元五輪選手は男性・女性ともに一般住民よりも、骨格筋量指数(Skeletal Muscle Mass Index;SMI)が高く握力も強かった。
その一方で、歩行速度や開眼片足立ちで評価した身体機能は、元五輪選手よりも一般住民の方が有意に優れていた。また筋骨格痛(肩や腕、腰などの痛み)は元五輪選手の方が強く自覚していた。身体機能の低下と筋骨格痛は、コンタクトスポーツ(選手同士の身体の接触が多い競技)に参加していた元選手で、より多く認められた。
これら一連の結果を基に著者らは、「前回の東京五輪に参加した元選手は、筋肉量が多く筋力が強くてサルコペニアが少ないが、身体機能が低下していて筋骨格痛の訴えが多かった」と結論付けている。また考察として、「スポーツなどによって、若年期に筋肉量と筋力を増大させることは重要だが、けがなどにより運動機能を低下させないことも、高齢期の健康にとって大切なポイントだ」と述べている。
軽度認知障害(MCI)のセルフチェックに関する詳しい解説はこちら
軽度認知障害を予防し認知症への移行を防ぐためには早期発見、早期予防が重要なポイントとなります。そこで、今回は認知症や軽度認知障害(MCI)を早期発見できる認知度簡易セルフチェックをご紹介します。
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3月 05 2021 味噌摂取量が多い糖尿病女性にはサルコペニアが少ない――京都府医大
糖尿病患者はサルコペニアの頻度が高いことが知られているが、味噌の摂取量の多い患者はそうでない患者よりも、その有病率が低いというデータが報告された。ただしこの関連は女性のみで認められ、また女性でもタバコを吸う患者では有意でないという。京都府立医科大学大学院医学研究科内分泌・代謝内科の橋本善隆氏、福井道明氏らの研究であり、詳細は「Nutrients」に12月28日掲載された。
人口の高齢化とともに、サルコペニアを併発している糖尿病患者が増加している。サルコペニアとは、加齢や疾患により筋肉量や筋力が低下して、転倒や骨折などのリスクが高くなった状態のこと。糖尿病患者でのサルコペニア発症には、インスリン抵抗性や酸化ストレスの亢進などの関与が考えられている。一方、大豆食品、とりわけ発酵性大豆食品である味噌には、インスリン感受性や抗酸化作用を高める働きがあることが報告されている。
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筋肉量の指標である骨格筋量指数(SMI)は29.0±4.3%であり、筋力の指標である体重調整握力(AGS)は44.1±12.0%だった。既報に基づき、男性はSMI28.64%未満かつAGS51.26%未満、女性は同順に24.12%未満かつ35.38%未満をサルコペニアと定義したところ、男性の8.7%、女性の22.6%がこれに該当した。また、味噌を習慣的に摂取している人の割合は、男性88.0%、女性83.6%だった。
女性では、味噌を習慣的に摂取している群が、そうでない群よりも体脂肪率(33.8±8.0対39.3±7.3%、P=0.001)、BMI(24.7±5.0対27.3±5.0kg/m2、P=0.022)、HbA1c(7.2±1.0対8.1±1.9%、P=0.006)が有意に低く、摂取エネルギー量は有意に多かった(30.8±11.2対23.5±6.3kcal/kg/日、P<0.001)。また、サルコペニアの有病率は味噌を習慣的に摂取している群が有意に低かった(18.8対42.3%、P=0.018)。一方、男性では、味噌を習慣的に摂取している群の体脂肪率が低い傾向にあったが有意でなく(24.4±7.2対27.4±5.6%、P=0.056)、BMIやHbA1c、摂取エネルギー量、サルコペニア有病率は両群同等だった。
サルコペニアの発症リスクに影響を与え得る因子(年齢、糖尿病罹病期間、運動・喫煙・飲酒習慣、エネルギーおよびタンパク質摂取量など)で調整後、味噌を習慣的に摂取する女性はそうでない女性に対してサルコペニアである確率が有意に低かった〔オッズ比(OR)0.20、95%信頼区間0.06~0.62〕。さらに、味噌汁の摂取量が多いほどサルコペニア有病率が低いという、有意な関連も存在した(摂取量を対数変換した値が倍になるごとにOR0.67、同0.52~0.86)。男性ではこれらの関係は認められず、また喫煙習慣の有無で層別化すると、女性でも喫煙者はこの関連が非有意だった。
この関連の背景にあるメカニズムとして、著者らはこれまでの知見を基に、味噌の摂取が脂肪蓄積を抑制し、脂肪誘発性の炎症反応が低下して筋委縮が抑えられる可能性を指摘。また味噌を摂取する人は健康的な食習慣であることが多い可能性があるとしている。実際に本研究でも、習慣的に味噌を摂取する女性はエネルギー摂取量が有意に多いながらも、体脂肪率は有意に低かったことが、この考え方を間接的に支持しているという。その他、大豆に豊富な不飽和脂肪酸が筋肉量の維持に働く可能性なども挙げている。
一方、男性で両者の関連が認められないことの理由は「不明」としながらも、女性で見られた味噌摂取量と食事の質との関連が、男性では存在しなかったことが一因ではないかと考察している。
論文筆頭著者の高橋芙由子氏は、「習慣的に味噌を摂取している糖尿病女性のサルコペニア有病率が低いことが、初めて明らかになった」と述べるとともに、「追試が必要ではあるが、味噌は日本の伝統的な食事の一部であり、その摂取でサルコペニアを予防できる可能性のあることが示唆された」と結論付けている。
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10月 28 2020 ふくらはぎ周囲長のサルコペニア判定カットオフ値――早大
ふくらはぎ周囲長は年齢や肥満の有無にかかわりなく、サルコペニアのスクリーニングに有用との研究結果が「Geriatrics & Gerontology International」9月4日オンライン版に掲載された。早稲田大学スポーツ科学学術院の川上諒子氏らが、同大学の同窓生を対象とする「WASEDA’S Health Study」のデータを解析し、明らかにした。
サルコペニアは、筋肉量や筋力が低下して、転倒、骨折、死亡のリスクが高くなった状態。加齢に伴いその頻度が増えるが、筋力トレーニングなどによって予防・改善が可能。そのため、早期に発見することが重要とされる。サルコペニアの診断には、DXA法(二重エネルギーX線吸収測定法)などによる筋肉量測定が行われるが、多くの一般住民に施行するには、コストや時間、放射線被曝などのハードルが高い。
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検討の対象は、2015年3月~2020年1月に早稲田大学同窓生対象の健康調査を受けた人のうち、ふくらはぎ周囲長、およびDXA法とBIA法(生体インピーダンス法)による筋肉量が測定された40歳以上の1,239人。
対象者のうち男性(827人)は、平均年齢が57±10歳、BMI23.8±3.0kg/m2、体脂肪率20.4±4.7%で、ふくらはぎ周囲長37.6±2.6cm、骨格筋量指数(SMI:四肢筋肉量を身長の二乗で除した値)はDXA法では7.9±0.8kg/m2、BIA法では8.3±0.9kg/m2、握力は37.9±5.8kgだった。一方、女性(412人)は平均年齢52±9歳、BMI21.4±2.9kg/m2、体脂肪率27.2±5.1%で、ふくらはぎ周囲長34.4±2.2cm、SMIはDXA法で6.1±0.7kg/m2、BIA法で6.4±0.6kg/m2、握力24.5±3.7kgだった。
サルコペニアをAWGSのDXA法によるSMI判定基準(男性7.0g/m2未満、女性5.4kg/m2未満)で定義すると、男性の8.6%、女性の12.9%が該当した。サルコペニア群と非サルコペニア群の比較で、男性・女性ともに年齢や身長、体脂肪率に有意差は認められなかった。
ふくらはぎ周囲長とSMIには、有意な正の相関が認められた(DXA法で男性r=0.78、女性r=0.76。BIA法で男性r=0.81、女性r=0.73)。サルコペニアの診断に用いられる握力とは、弱い正の相関であった(男性r=0.33、女性r=0.31)。
ROC解析の結果、ふくらはぎ周囲長によるサルコペニアの判定は、男性のDXA法による診断に対してAUC0.88、BIA法による診断に対して同0.93、女性では同順に0.84、0.89となった。スクリーニングに最適なふくらはぎ周囲長のカットオフ値は、男性のDXA法による診断に対しては35.8cm(感度81.7%、特異度80.4%)、BIA法による診断に対しては35.4cm(感度91.2%、特異度83.5%)、女性では同順に33.5cm(感度84.9%、特異度72.4%)、32.7cm(感度81.5%、特異度83.6%)という値が算出された。
次に、肥満の有無(DXA法での体脂肪率が男性25%以上、女性30%以上を肥満と定義)、および年齢(60歳未満/以上)で層別化しサブクループ解析を行った。その結果、全てのグループで、ふくらはぎ周囲長とSMIの有意な相関が引き続き認められ、スクリーニングのカットオフ値もほぼ同等だった。
これらより著者らは、「ふくらはぎ周囲長は肥満や年齢に関係なく骨格筋量と正相関し、サルコペニア診断の簡便な代理マーカーとなり得る」と結論づけている。
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1月 31 2018 脳の老化を遅らせるには緑葉野菜を食べると良い?
ホウレンソウやケール、レタスなどの緑葉野菜を毎日食べている人は、脳が老化する速度が遅い可能性を示唆する研究結果が「Neurology」2017年12月20日オンライン版に掲載された。同研究では緑葉野菜をほとんど、あるいは全く食べない人と比べ、毎日1回以上食べている人では脳年齢が11歳若いことが示されたという。
この研究を実施したのは米ラッシュ大学医療センターのMartha Clare Morris氏ら。
高齢者の認知機能などを調査するプロジェクトの参加者のうち、食品摂取頻度について回答し、平均4.7年の追跡期間中に2回以上の認知機能評価を受けた58~99歳の男女960人(平均年齢81歳)を対象に、緑葉野菜の摂取頻度と認知機能の低下度との関連について検討した。緑葉野菜の摂取頻度で五分位に分けて解析した結果、摂取頻度が最も高い群(1日当たり平均1.3回)では、最も低い群(同0.1回)と比べて認知機能の低下度が小さく、年齢に換算すると11歳若いことが示された。
また、このような関連は認知機能に影響する可能性がある喫煙や高血圧、肥満、学歴、身体活動量、認知面の活動量といった因子を考慮しても認められた。老化に関する治験・臨床試験(新しい治療薬)情報はこちら
お近くの治験情報を全国から検索できます。ただ、この研究は緑葉野菜を毎日摂取すれば脳の老化が遅くなるという因果関係を証明したものではない。アルツハイマー協会のKeith Fargo氏は、その点を指摘した上で、「脳の健康には食事などの生活習慣に関連した因子がいかに重要かを裏付けるエビデンスが集積しつつあるが、今回の研究結果もその一つだと言える」と説明している。
一方、研究を実施したMorris氏らは、緑葉野菜に含まれているビタミンKやルテイン、葉酸などの栄養素が脳の老化を遅らせることに関係しているとの見解を示しているが、同氏やFargo氏らはこれらの栄養素をサプリメントで摂取することについては批判的だ。
Morris氏は「食品に含まれている栄養素の複雑なバランスはサプリメントでは再現できない」として、これらの栄養素は野菜そのものを食べて摂取すべきだと強調している。
また両氏は今回の研究が因果関係を証明したものではないことは認めつつも、「食事に葉物野菜を追加することによるデメリットは小さいはずだ」と指摘。脳の健康には食事を含めた全般的な生活習慣が影響することを認識してほしいと呼び掛けている。
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1月 27 2018 ボトックスと比較して見る!ヒアルロン酸の魅力
ヒアルロン酸について老化とともに気になりだす部分は多くなってきますが、一番目にするのはシワの増加ではないでしょうか。最近では多くの美容形成が生まれ老化の回復が成されています。 ここでは、その中でもボトックスと対比しながらヒアルロン酸について詳しく説明していきます。- 1.はじめに
- 2.ヒアルロン酸とボトックスでは、はっきりとした違いがある
- 3.ヒアルロン酸注射が使われる部位と効果とは
- 4.ヒアルロン酸注射で気を付けること、失敗例は?
- 5.価格は大きな幅を持つ!
- 6.まとめ
はじめに数分で美しくなる簡単な施術ですが、疑問に思う部分はたくさんあると思います。
失敗しない上手な選択をするうえでも、ヒアルロン酸を知ることが必要です。
美容整形の代表でもあるボトックスと合わせてもわかりやすく説明いたします。ヒアルロン酸に関する治験・臨床試験(新しい治療薬)情報はこちら
お近くの治験情報を全国から検索できます。ヒアルロン酸とボトックスでは、はっきりとした違いがあるヒアルロン酸もボトックスもシワ取り効果をメイン目的に皮下注射される薬液のことです。
しかしこの二つは根本的に違うことがいくつかありますので、比べながら見てみましょう。
原材料の違い
ヒアルロン酸はもともと私たちの身体にあるもので、糖分が連なった構成となっているムコ多糖という成分です。身体にあるものといっても細胞と細胞の間にあるものなので目にすることはできません。細胞間の連結物質であり、ネバネバした性状で水分を保持する役目です。この性質を利用しようと乳酸菌やゾウリムシ、ストレプドコッカスを利用して作られたものから、化学的に開発されたもの、鶏のトサカなどから採取したものなどで製品開発されています。
それに対してボトックスは食中毒の中でも猛毒であるボツリヌス菌の毒素を無毒化、希釈して安全が確認されている製剤です。
作用の違い
どちらもシワの改善を目的としたものですが、作用の仕方が全く違います。
ヒアルロン酸は、水分が少なくなって皮膚表面がしわしわになったところに注入することで水分を逃がさずにため込むという働きをします。空気の抜けた風船に水を入れるような感じです。対するボトックスは、毒素の性能を利用します。ボツリヌス菌の毒素は神経伝達部位に反応し、麻痺などを起こさせるものです。笑顔でできるシワや腹が立ってできる眉間のシワなどは習慣化した筋肉の動きの癖からできるものです。
感情の変化によって脳が筋肉を動かすように神経伝達物質に連絡します。それが筋肉に伝わるというメカニズムになりますが、この部分に毒素を注入することで伝達のブロックをかけるわけです。
筋肉の動きをストップさせてシワを伸ばしましょうという原理となります。ヒアルロン酸注射が使われる部位と効果とはヒアルロン酸の効果は治療としても用いられる
ヒアルロン酸を注入することで細胞内がみずみずしくなり、表面肌表面にボリュームが増します。この効果をシワ部分に適応させるとシワが薄くなったかのようになるのです。ヒアルロン酸注入は5分程度であること、メスを使っての施術ではないので回復に時間がかからず、メイクなどもすぐに可能というところにメリットを示しています。
またヒアルロン酸は潤滑油のようなものですので、シワを伸ばすことやバストアップの効果に留まらず、関節の変形や痛みに対する治療としても用いられるものです。
ヒアルロン酸注射の適応部位- 額:横ジワなどを目立たなくさせて若返り効果
- 眉間:シワをとることで若返り効果
- 涙袋:目を大きく見せることで優しい印象を出す
- 鼻:鼻筋をきれいにし顔に六体感を出す
- 目の下:クマや小ジワを消し疲れた印象を改善
- ほうれい線やマリオネットライン:老け顔改善
- 唇:厚みをもたせることで可愛らしさやセクシーなイメージを作る
- 顎:厚みを持たせて品のある表情にする
- 手の甲:シワを除去して手の若返り
- 胸:バストアップ
ヒアルロン酸注射で気を付けること、失敗例は?- 涙袋や口唇など対になる部分は、不慣れな医師の施術ではどちらか一方にふくらみが偏ってしまうケースがあります。
- 鼻へのヒアルロン酸注入では、注入液が多すぎることで血管が圧迫されてしまいその部分の壊死を起こしてしまったという例。またボコボコになり高さを高くするどころか変形したように見える場合があります。
- 目尻のシワは、シワが細かいのでヒアルロン酸を少量ずつ何か所にも注入しなければなりません。この部分で技術不足だとボコボコした皮膚になってしまうことが多いようです。
- ほうれい線にヒアルロン酸注入を行ったところ、その下を走行する動脈に注入してしまい、圧迫されてその動脈がつながる小鼻への血流が遮断されることになって壊死を起こした例がありました。
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お近くの治験情報を全国から検索できます。価格は大きな幅を持つ!ヒアルロン酸について知ったとところで、次に気になるのは価格ですね。ヒアルロン酸は一部位○○円という単価ではなく、どのくらいのヒアルロン酸が必要かで算出されるようです。
ヒアルロン酸の価格も違えば、取り扱う美容整形クリニック、サロンなどとその施術院によっても価格は大きく変わってきますが、1㏄あたりで3~6万円の幅があり、注入箇所1部位が30,000~80,000円という価格が相場になっています。
バストアップであれば、量的に言っても使う量はかなり多くなると思われ、両胸をワンサイズアップするのに250,000円〜620,000円の料金設定になるようです。
まとめヒアルロン酸の取り扱い美容整形などは増えてきていますので、情報も多くなります。
安いからといって副作用の多い結果になるとも、高いから安心だともいえず、選択に難しい分野です。闇雲に多くの施術をするのではなく、自分が本当に希望することを整理すること、ヒアルロン酸についてしっかり認識したうえで、美容整形の上手な選択をしましょう。
安全に美しく健康であるための選びが大切です。治験に関する詳しい解説はこちら
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12月 09 2017 「飲み過ぎ」「喫煙」で見た目も老化
お酒の飲み過ぎや喫煙は深刻な健康リスクをもたらすだけでなく、外見にも影響する可能性が新たな研究で示唆された。これらの習慣がある人は目や耳に老化のサイン(徴候)が現れるのが早く、実年齢よりも老けて見えやすいことが分かったという。詳細は「Journal of Epidemiology & Community Health」12月号に掲載された。
この研究は南デンマーク大学(デンマーク)のAnne L. Schou氏らが実施したもの。
21~93歳のデンマーク人1万1,613人を約12年間にわたって追跡調査したCCHS研究(コペンハーゲン市心臓研究)のデータを用い、見た目で分かる老化の徴候とされている(1)耳たぶの深いひだ(フランク徴候)、(2)両眼の角膜周囲にみられる不明瞭な灰色の輪(角膜環)、(3)上まぶたにできる黄色の結節(眼瞼黄色腫)、(4)男性型禿頭症―の発生に対して過度の飲酒や喫煙がもたらす影響について検討した。対象者の週当たりの平均飲酒量は女性で2.6杯、男性で11.4杯だった。また、喫煙者の割合は女性で57%、男性で67%だった。
解析の結果、喫煙量が増えるにつれて角膜環と眼瞼黄色腫、フランク徴候を生じるリスクは上昇していた。
また、過度の飲酒は角膜環とフランク徴候のリスクに関連していた。なお、少量から中等量の飲酒であればこれらの徴候がみられるリスクへの影響はないことも分かった。この研究は観察研究でストレスといった飲酒や喫煙以外の老化に関連する因子による影響を除外できていないなどの限界があり、「飲酒や喫煙が外見を老けさせる」という因果関係を示したものではない。
しかし、Schou氏らは「飲酒と喫煙は老化の徴候に関連しており、それによって実年齢よりも老けて見えるようになることが、前向き研究で初めて明らかにされた。
この結果は過度の飲酒や喫煙が全般的な身体の老化を促進することを反映したものだと考えられる」と結論づけている。老化に関する治験・臨床試験(新しい治療薬)情報はこちら
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