• レディー・ガガも苦しむ線維筋痛症の実態

    先日、米国の人気歌手レディー・ガガが線維筋痛症に苦しんできたことをソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で明らかにした。

    線維筋痛症に伴う慢性疼痛などの症状を理由に、予定されていた欧州ツアーの延期も決定されている。今回のレディー・ガガのニュースをきっかけに、まだ十分解明されていないこの疾患への関心が高まっている。

    線維筋痛症を発症すると、身体の広い範囲で疼痛が持続し、疲労や睡眠の質の低下、記憶力や集中力の低下などがもたらされることもある。また、光や音への過敏性や不安、抑うつなどの精神症状を伴う場合もある。

    米ミシガン大学麻酔科学・リウマチ学・精神科学教授のDanielClauw氏によると、線維筋痛症でみられる疼痛や障害は、他のどの慢性疼痛を伴う疾患よりも深刻であることが多いという。

    これまで、線維筋痛症に関する研究を主導した経験を持つ米マサチューセッツ総合病院統合疼痛神経画像センターのMarcoLoggia氏も、「研究を通じて出会った患者のほとんどが、この疾患によって大きな打撃を受けている。重い症状のため、仕事をしたり、通常の社会生活を送ったりすることが難しい患者もいた」と振り返る。

    線維筋痛症はまれな疾患ではない。米国の非営利団体である全米線維筋痛症・慢性疼痛協会(NFMCPA)によると、この疾患の有病率は世界で4%と推定されており、米国には500万~1000万人の患者がいるという。
    患者の約80%が女性で、小児期に発症することもあるが、中年期に診断される場合が多い。

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    その原因について、米国立関節炎・骨格筋・皮膚疾患研究所は「現時点では明確には分かっていない」としている。
    ただ、一部の専門家は、線維筋痛症の発症には交通事故などの外傷を伴う出来事や複数回にわたる負傷の経験のほか、中枢神経系の障害、遺伝的素因などが関与しているのではないかとの見方を示している。

    さらにLoggia氏らによると、米国とドイツの研究グループが最近、一部の線維筋痛症患者では末梢の小径神経線維に異常があることが示唆されたと報告している。
    また同氏の研究グループも、線維筋痛症患者の多くが苦しんでいる慢性背部痛には脳の炎症が関与している可能性があることを突き止めたという。

    ただ、原因がはっきりとしていないために「線維筋痛症の痛みは気のせいだ」と信じている人も多いのが現状だ。Loggia氏は「以前から線維筋痛症患者は疑念や偏見の目を向けられがちで、患者のケアに当たるべき立場にある医師でさえ、そのような態度をとる者がいた。

    現在も『線維筋痛症患者の痛みは気のせいで、本当の痛みではない』とみなされることは珍しくない」と指摘する。

    しかし、MRIなどの脳画像検査による研究では、線維筋痛症患者が経験する痛みへの過敏性は実際に存在することが確認されているという。

    線維筋痛症に対する治療法としては、疼痛コントロールを目的にオピオイドによる治療やヨガ、認知行動療法(CBT)などが行われているが、いずれも治癒を導くことはほとんどない。
    Clauw氏は「線維筋痛症患者が今、一番必要としているのは、より効果的な治療法だ」と強調する。

    今回のレディー・ガガのニュースを受け、Loggia氏は「線維筋痛症患者の多くは診断されないまま症状に苦しんでいるが、レディー・ガガの場合、若いうちに診断されたのは幸いだった。
    彼女はレディー・ガガだから線維筋痛症であることを早期に認識してもらえ、より適切な治療を受けることができた。
    しかし、彼女とは置かれた環境が異なる多くの患者にとっては、診察に応じ、真剣に対処してくれる医師を見つけることさえ困難なのが現状だろう」とコメントしている。

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    HealthDay News 2017年9月21日
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