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1月 17 2022 笑う頻度が高い震災被災者は生活習慣病が少ない――福島県民健康調査
東日本大震災と原発事故の被災という困難な状況下でも、笑うことが健康に良い影響を与えている可能性を示唆するデータが報告された。福島県立医科大学医学部疫学講座の江口依里氏らが地域住民を対象に、笑う頻度と生活習慣病の有病率との関連を検討した結果であり、「International Journal of Environmental Research and Public Health」に12月2日、論文が掲載された。
東日本大震災と福島第一原発の事故は、近年の日本で最大規模の災害であり、被災者の間で心理的ストレスや生活習慣病が増えていることが報告されている。一方、健康に対する笑いの効用が最近注目されている。例えば、日常生活で笑う頻度と、心血管疾患リスクやアレルギー疾患の症状などが逆相関することが報告されている。江口氏らは、福島の被災者にも笑いの効用が認められるかを検討した。
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郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。この研究は、東日本大震災を契機にスタートした福島県民健康調査のデータを用いて行われた。同調査の対象は、2011年3月11日~2021年4月1日に、政府によって避難地域に指定された範囲内に居住していた全住民。このうち2012年度と2013年度に実施されたアンケートに回答した30~89歳の被災者から、データ欠落のない4万1,432人(男性44.4%)の回答を解析対象とした。
笑いの頻度は、「ほぼ毎日笑う」、「週に1~5回笑う」、「月に1~3回笑う」、「ほとんど笑わない」から選択してもらい、「ほぼ毎日笑う」とそれ以外の回答に二分し、生活習慣病の有病率との関係を検討した。生活習慣病の有無は、高血圧、糖尿病、脂質異常症、脳卒中、心臓病などについて、「診断されたことがあるか」という問の回答で判定した。また生活の場所に関する質問に、仮設住宅や避難所と回答した場合は「避難経験者」と判定した。このほかに、主観的健康感や心理的ストレス(K6やPCLSという指標で評価)や就労状況、他者との絆(助けを求めることができる肉親や友人の数)などを把握した。
「ほぼ毎日笑う」と回答した割合は、男性23.1%、女性28.6%だった。ほぼ毎日笑う人は男性、女性ともに、笑いの頻度がそれ以下の人に比較し、生活習慣病の有病率が低く、その関係は、年齢やBMI、喫煙・飲酒・身体活動習慣、心理的ストレス、睡眠の質、就労状況、他者との絆などの影響を調整後も有意だった。
例えば、ほぼ毎日笑う男性は、糖尿病〔オッズ比(OR)0.84(95%信頼区間0.75~0.94)〕と心臓病〔OR0.86(同0.75~1.00)〕、女性では高血圧〔OR0.89(同0.83~0.97)〕と脂質異常症〔OR0.76(同0.69~0.84)〕のオッズ比が有意に低かった。反対に男性では、がんのオッズ比上昇が認められた〔OR1.23(同1.02~1.48)〕。ただしこの点については、笑いの効用が広く認知されるようになったため、がん治療中の患者が積極的に笑うように心がけていることの現れではないかと、著者らは考察している。
次に、避難経験の有無で分けて解析。避難経験がない群では、ほぼ毎日笑う人の有意なオッズ比の低下が認められたのは、女性の高血圧と脂質異常症のみであり、男性では有意性が認められなかった。一方、避難経験のある群では、女性の高血圧、脂質異常症に加えて、男性の高血圧、糖尿病、心臓病についても、ほぼ毎日笑う人ではオッズ比が有意に低かった。
この結果から著者らは、「東日本大震災後の笑いの頻度は、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心臓病の有病率の低下と関連していた。特に避難を経験した男性では強い関連性が認められた。大規模災害後などのストレスの多い状況下では、笑いが生活習慣病の予防に有効である可能性が示唆される」と結論付けている。ただし本研究には、横断研究であるために因果関係は不明なこと、生活習慣病の有無を医学的診断ではなく自記式質問票の回答により判定していること、回答率が40.7%であり十分でなく被災者全体の傾向とは言えない可能性があることなどの限界点があると述べ、「被災後の笑いの効用のエビデンス確立には、今後の縦断研究や介入研究が必要」としている。
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9月 08 2021 非糖尿病者の低血糖リスク因子が明らかに――特定健診データの解析
糖尿病でない人の低血糖の頻度やリスク因子に関するデータが報告された。やせている人、喫煙者、そして高齢男性は低血糖リスクが有意に高いという。神奈川県立保健福祉大学大学院保健福祉学研究科の田中琴音氏(研究時点ではヘルスイノベーション科)、中島啓氏らが、特定健診データを解析した結果であり、詳細は「World Journal of Diabetes」に7月15日掲載された。
低血糖は血糖値が下がり過ぎた状態のことで、多くの場合、糖尿病用薬の副作用として発生する。糖尿病患者の低血糖は、心血管イベントや認知症リスクの上昇と関連していることが近年明らかになり、低血糖をできるだけ回避することの重要性が認識されるようになった。一方、糖尿病でない人にも低血糖が起きることが知られている。しかしその実態はほとんど分かっていない。中島氏らは厚生労働省より提供されたレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)のデータを用いた解析により、非糖尿病者の低血糖の頻度とリスク因子の解明を試みた。
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FBH群は非FBH群に比較して女性が多かった(59.1対43.9%)。また検査値関連では、BMI、収縮期血圧、中性脂肪値が低く、HDL-コレステロールは高いという有意差が存在した。生活習慣関連では、現喫煙者、朝食欠食者が多く、大量飲酒(エタノール換算で69g/日以上)者や就寝前の摂食習慣がある人の割合は有意に低かった。一方、年齢、および、運動習慣のある人の割合は、有意差がなかった。
次に、低血糖リスクとなり得る因子(年齢、性別、高血圧・脂質異常症の薬物療法、喫煙・飲酒・運動習慣)を調整した多変量ロジスティック回帰分析により、FBHのリスク因子を検討した。なお、年齢は40代、BMIは21.0~22.9kg/m2、飲酒量はエタノール換算23g/日未満をそれぞれの基準とした。
まず、性別を考慮せずに対象者全体で解析すると、女性、BMI20.9未満、現在の喫煙、心血管疾患の既往、脂質異常症の薬物療法、運動習慣、朝食の欠食が、FBHと有意に関連するリスク因子として抽出された。特にBMI16.9以下の場合、FBHのオッズ比は約4倍に上った。反対に、FBHリスクの低さと関連する因子は、男性、年齢が50歳代、BMI23.0以上、大量でない飲酒(エタノール換算68g/日以下)だった。
性別で分けて解析すると、男性では前記の因子に加えて、高齢(60~74歳)、高血圧の薬物治療がFBHリスクと有意に関連していた。反対に、心血管疾患の既往、運動習慣、朝食の欠食は有意性が消失した。
一方、女性では前記の因子のうち、脂質異常症の薬物療法、運動習慣、朝食の欠食は有意でなくなった。反対に、年齢が50~74歳であることはFBHリスクの低さと有意に関連していた。飲酒については摂取量にかかわらずFBHリスクとの有意な関連が消失した。
以上より著者らは、「非糖尿病の人でもまれながらFBHが発生していることが確認された。女性は男性よりFBHリスクが高い一方、高齢者では男性においてFBHリスクが上昇するようだ。BMI低値と喫煙習慣は性別を問わず、FBHリスクに関連していた」とまとめている。また研究グループでは、今回の研究データについてAI(Sony Prediction one)を用いた解析も行ったところ、上記と同様の結論が得られたという。ただし、AIの解析では、大量飲酒はFBHのリスクを示していた。
なお、非糖尿病者に見られる低血糖として、食後の反応性低血糖が知られているが、本研究の解析対象は食後10時間以上経過後に採血された人に限られていることから、反応性低血糖が含まれている可能性は低いという。
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糖尿病でいちばん恐ろしいのが、全身に現れる様々な合併症。深刻化を食い止め、合併症を発症しないためには、早期発見・早期治療がカギとなります。今回は糖尿病が疑われる症状から、その危険性を簡単にセルフチェックする方法をご紹介します。
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7月 19 2021 座位時間が2時間長いと死亡リスクが15%アップ
1日の座位時間が2時間長いごとに死亡リスクが15%有意に高くなり、余暇時間の身体活動量が多くてもそのリスクはあまり低下しないことが分かった。京都府立医科大学大学院医学研究科地域保健医療疫学の小山晃英氏らが、6万人以上の日本人を8年近くにわたり追跡して明らかにした知見であり、詳細は「Journal of the American Heart Association」に6月14日掲載された。同氏は、「日本人を長期間追跡して、仕事中と余暇時間双方の座位時間と、死亡リスクとの関連を明らかにした大規模調査は、本報告が初めて」としている。
この研究の対象は、「日本多施設共同コーホート研究(J-MICC STUDY)」の参加者から、解析に必要なデータが欠落している人を除外した6万4,456人(男性45.0%)。1日の座位時間が、5時間未満の群(37.7%)、5~7時間未満の群(22.6%)、7~9時間未満の群(16.3%)、9時間以上の群(23.4%)という4群に分類。平均7.7年間追跡した。
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また、1日の座位時間が2時間長いごとに、死亡リスクが15%有意に上昇することも明らかになった〔HR1.153(同1.114~1.194)〕。この関係は、心血管疾患リスク因子のある人ではより顕著であり、例えば高血圧ではHR1.202(同1.129~1.270)、脂質異常症ではHR1.176(同1.087~1.273)、糖尿病ではHR1.272(同1.159~1.396)だった。さらに、高血圧、脂質異常症、糖尿病という3つのリスク因子が重複している人のハザード比は1.417(同1.162~1.728)に上ることが分かった。
次に、座位時間が長いことによるこのような死亡リスクの上昇を、余暇時間での身体活動で相殺し得るかを検討した。余暇時間の身体活動量の四分位で全体を4群に分け、前記と同じ因子で調整後、座位時間が2時間長くなるごとの死亡ハザード比を比較。その結果、余暇時間の身体活動量が多いほど死亡ハザード比は低下していた(傾向性P<0.001)。しかし、第4四分位群(身体活動量の多い上位25%)でもHR1.126(95%信頼区間1.042~1.217)と、有意性は失われていなかった。つまり、座位時間が長いことによる死亡リスクの上昇は、余暇時間に身体活動を積極的に行ったとしても、十分には抑制されないと考えられた。
著者らは、「コロナ禍のテレワーク普及により、今後も座位時間の延長と身体活動量の低下が予測される。座位行動をこまめに中断して、身体活動を差し挟むなどの対策が重要ではないか」と述べている
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肥満という言葉を耳にして、あなたはどんなイメージを抱くでしょうか?
今回は肥満が原因となる疾患『肥満症』の危険度をセルフチェックする方法と一般的な肥満との違いについて解説していきます。
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6月 14 2021 人生の目的と健康的生活習慣に有意な関連――健康管理士対象の調査
人生の目的がしっかりしている人ほど、日々の生活を健康的に過ごしていることが明らかになった。埼玉医科大学総合診療内科の廣岡伸隆氏らの研究によるもので、詳細は「BMC Public Health」に4月29日掲載された。著者らはこの結果から、「生活習慣が健康的であるということは、人生に明確な目的があるということでもある」と記している。
人生の目的が明確な人ほど健康リスクとなる行動を避けることが既に報告されている。しかしそれらの研究の多くは、禁煙や身体活動など、個別の習慣との関連についての調査であり、生活習慣全般を評価した研究は少ない。廣岡氏らの研究は、国民健康・栄養調査と同様の広範な質問項目によって生活習慣を総合的に評価した上で、人生の目的意識との関連を検討したもの。
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生活習慣は、以下の11項目をスコア化して評価した。体重管理の意思、運動・飲酒・喫煙習慣の有無、および疾患予防のために生活管理をしているか否かについては2段階評価で回答を得て、好ましい選択肢の回答は4点、好ましくない選択肢は1点とした。食品の栄養成分表示ラベルを確認するか、バランスの取れた食事をしているか、運動を心がけているか、ストレスの程度、休息・睡眠の満足度については、4段階評価で回答を得て、最も好ましい選択肢を4点、最も好ましくない選択肢を1点とした。
人生の目的意識の評価には「生きがい意識尺度」を用いた。これは9項目の質問で構成されていて、45点満点で評価する心理測定ツールであり、先行研究によりその精度が検証されている。
結果について、まず生活習慣の全体的な傾向をみると、82.6%が体重管理の意思を持ち、89.2%は疾患予防のために生活管理をしていた。これらの数値から、調査対象者のヘルスリテラシーの高さがうかがえる。また食習慣に関しては、80%以上が食品の栄養成分表示ラベルを確認し(「常に」と「しばしば」の合計)、90%以上がバランスの取れた食事をしていると回答した。運動習慣に関しては、80%以上が運動を心がけ、63.9%は適切な運動量を満たしていた。休息と睡眠についても充足している人の割合が多かった。ただしストレスに関しては、「ストレスを感じている」との回答が74.4%と多かった(「高い」と「中程度」の合計)。
次に、前述の手法で計算した生活習慣スコアを合計し、その中央値をカットオフ値として対象全体を2分した上で、生きがい意識尺度スコアを比較した。すると、生活習慣スコアの上位2分の1に該当する群の生きがい意識尺度スコアは35.3点(95%信頼区間35.1~35.5)だった。一方、下位2分の1に該当する群の生きがい意識尺度スコアは31.4点(同31.2~31.7)であり、より健康的な生活を送っていると考えられる群の方が高スコアで、有意な群間差が存在した(P<0.0001)。
また、生きがい意識尺度のスコアが高いほど、生活習慣スコアも高いという、正の相関が認められた(r=0.401、P<0.001)。なお、生きがい意識尺度のスコア(r=0.15)と生活習慣スコア(r=0.29)は、双方ともに年齢と正相関していた(いずれもP<0.05)。
以上の結論として著者らは、「人びとの健康啓発に関与する健康管理士というヘルスリテラシーの高い集団において、健康的な生活習慣は人生の目的意識と関連していることが示された」と述べている。ただし、「両者の因果関係や関連のメカニズムは不明」として、この領域の研究の発展に期待を寄せている。
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9月 29 2017 歯の黄ばみの原因や変色を防ぐ生活習慣とは?
歯の黄ばみについて歯の色が変色するメカニズムや歯の色が変色する理由、歯の変色を防ぐ食生活や生活習慣についてご説明します。
はじめに笑顔が素敵な人を見ていると、見ている方も幸せになれますが、その時に見える歯の色が気になることはありませんか?
悪い意味で気になってしまうのが、キレイな白い歯よりも変色してしまっている歯です。
他人の歯が変色しているのを見てしまうと、自分は大丈夫かなと心配になる人もいるのではないでしょうか?
今回はそんな歯の変色を生活習慣で防げるのかどうかを解説していきます。歯の色が変色するメカニズム歯の色が変色していると歯磨きの仕方が悪いからだとか、歯が汚れていると思われがちです。しかし実際は、歯の色というのは歯の成分の量や色味等、個人差によるものが大きいのです。
歯は、象牙質とエナメル質という二つの組織からできています。
歯は黄色っぽい象牙質の表面を半透明なエナメル質で覆われています。
つまり象牙質の量や色がその人の本来の歯の色になります。
よって象牙質が厚いとそれだけ歯は黄色く見えてしまいます。
また年齢を重ねるに従って、エナメル質が薄くなるので、透明度が増して象牙質の色が目立ってきます。歯に関する治験・臨床試験(新しい治療薬)情報をsmtで検索
お近くの治験情報を全国から検索できます。歯が変色する原因歯の着色汚れの事をステインと言います。
一度付いてしまったステインは普段の歯磨きや水ですすいだ位では簡単に落ちません。
つまりステインが付着する前に歯磨きで落としてしまう事が大事になります。
では、どんな事が歯の変色を招いてしまうのでしょうか。1.色の濃い食品の摂取
コーヒーや紅茶、ワイン等の色の濃い飲食物を日常的に摂取するとその色素が歯の表面に付着してしまいます。2.タバコのヤニ
タバコを吸わない方には無縁ですが、タバコを日常的に吸う方は歯の黄ばみが気になるという方も多いのではないでしょうか。
これも歯の表面にヤニが付着してしまう事が原因で歯が黄ばんでしまうんです。3.加齢による黄ばみ
歯の内側にある神経は新陳代謝を繰り返しています。
これによって年齢を重ねる事で歯が黄ばんでしまいます。
それに加えてこれらを覆うエナメル質も歯磨きや歯ぎしり等によって薄くなってきます。
だから気を付けていても見た目には黄ばんで見えてしまいます。4.抗生物質の投与
これは小児科で良く処方される風邪薬のシロップに含まれていたテトラサイクリン系の抗生物質を歯の形成期である0~12才位までの間に服用した場合、象牙質にグレーっぽい着色や縞模様になってしまう事があります。
この場合、重度でなければ根気強くホワイトニングを続ける事でそれなりに白い歯を取り戻せます。歯の変色を起こす食事歯の黄ばみの原因になる食べ物は、ポリフェノール等が多く含まれていたり、着色料が使用されている等の色の濃い食べ物です。
また、色の濃い食べ物の他にも酸性度の強い飲食物やビタミンC(クエン酸)を多く含む食べ物、炭酸飲料、硫黄成分が強い飲食物、アルコール度数の高いお酒等も歯の黄ばみの原因になります。色の濃い飲食物
・色の濃い飲物‥コーヒー、紅茶、ココア、ウーロン茶、赤ワイン等
・色の濃い食べ物‥チョコレート、ココア、ほうれん草、ブドウ等
・色の濃い調味料‥ケチャップ、ソース、焼き肉等のタレ、醤油等酸性度の高い食べ物
・レモンやグレープフルーツ等の柑橘系、炭酸飲料、白ワイン、スポーツドリンク等硫黄成分の高い食べ物
・ネギ類、ニンニク、ニラ等アルコール度数が高い飲み物が黄ばみの原因になるのは歯の表面の水分を奪ってしまって歯の変色を招いてしまうからです。
これらを食べない、飲まないというのはとても難しいですし、人間に必要な栄養素も沢山なるので健康面を考えると摂取しないという選択はして欲しくありません。なのでこれらを摂取して歯の黄ばみが気になる、目立つ等を感じる場合、これらを食べないというのではなく、食べたらすぐに歯を磨いてステインにならないように予防しましょう。歯の変色を防ぐ生活習慣先ほどお話した通り歯の変色を引き起こすのは食べ物だけが原因ではありません。
歯の変色を招いてしまうのは生活習慣も密接に関係しています。
歯の変色はタバコは勿論ですが、口紅やイソジン等の色の濃い薬品でも起こってしまうんですね。タバコのヤニが原因の場合、禁煙するのが白い歯を取り戻す一番の近道です。
タバコは歯の黄ばみだけではなく、肺気腫や肺がんをいった呼吸器系の疾患の大きな要因になってしまいます。
百害あって一利なしと良く言われますが、その通りです。歯の黄ばみが気になった方はこの機会に是非、禁煙する事をお勧めします。また女性にとってメイクはオシャレの必需品ですが、たまに口紅が歯に付着してしまっている方を目にします。
これも歯の変色を招いてしまいます。しかし、女性はメイクしないと外を歩けないという方もいるでしょう。
対策としては、気付いたら口をゆすぐ、歯に付着した口紅を気付いた時に拭き取る事をこまめに行って下さい。
そしてイソジンですが、風邪の予防や風邪をひいてしまった時によく用いられると思います。しかし、イソジンでうがいすると歯が茶色く変色してしまう事がよくあります。
ただ、風邪の時のうがいには他の物で代用が利きます。
この代用品の代表格は紅茶や緑茶です。歯に関する治験・臨床試験(新しい治療薬)情報をsmtで検索
お近くの治験情報を全国から検索できます。こちらも歯の黄ばみの原因になりますが、うがいをした後にしっかりと歯磨きをすればステインにはなりません。
紅茶は赤い色素のテアフラビンが強い抗酸化、抗菌作用を持っています。
また緑茶に含まれているタンニン、カテキン、テアニン、ビタミンC等が効果を発揮してくれます。それでも黄ばみの原因となるこれらのうがいを躊躇う方もいるでしょう。
そんな方には塩水でうがいするという手もあります。
塩には抗菌作用と脱水作用があります。
脱水作用と聞くと却って歯に悪いんじゃないかと思われるかもしれませんが、脱水作用では炎症部分の水分を取り除く作用があって、口の中に侵入したウイルスや雑菌を脱水させて弱らせる効果があります。
歯の黄ばみが気になる方は塩水うがいが最も適しているかもしれません。
ただ、塩水は歯にしみる事があるという事を覚えておいて下さい。まとめ身近なことが歯の黄ばみを引きを起こす原因だと知っていただけだでしょうか?
逆にこのことから歯をキレイにすることは特別な処置を行うのではなく、日常生活の中で行えるということです。
少しずつ生活習慣を見つめ直して、素敵でキレイな歯を維持していきましょう。治験に関する詳しい解説はこちら
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病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。 -
8月 01 2017 生活習慣の欧米化でアディポネクチンに質的および量的な異常 – 遺伝的素因が共通する日系人と日本人を比較検討
遺伝的素因が同じ日本人であっても、生活習慣が日本式から米国式に変化すると、脂肪細胞から分泌されるホルモンの「アディポネクチン(APN)」に量的および質的な異常がもたらされ、インスリン抵抗性が惹起される可能性があることが、日本在住の日本人と米国在住の日系人とを比較した研究で分かった。広島大学病院内分泌・糖尿病内科の米田真康氏らと大阪大学内分泌・代謝内科学との共同研究によるもので、詳細は「Cardiovascular Diabetology」7月6日オンライン版に掲載された。
日本から米国に移住した日系人は日本人と共通した遺伝的素因を持つ一方で、生活習慣は異なるため、「生活習慣の欧米化」という環境要因の変化が日本人の生活習慣に関連した代謝疾患に与える影響について検討する対象として最適とされる。広島大学の研究グループはこれまでに、血清中のAPN濃度が低いことは2型糖尿病発症の危険因子であることを報告している。APN濃度の低下はインスリン抵抗性と関連することも指摘されているため、APNは生活習慣の欧米化によって生じるインスリン抵抗性に関与している可能性がある。
そこで同氏らは、疫学研究「ハワイ・ロサンゼルス・広島スタディ」で2009~2010年の医学調査の受診者のうち、30~70歳の広島在住の日本人325人およびロサンゼルス在住の日系人304人を対象に、生活習慣の違いがAPNの量的および質的な変化をもたらし、インスリン抵抗性に起因しているのかどうかを検討した。
75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)で評価したインスリン分泌能、血清総APN濃度、さらにメタボリックシンドロームや動脈硬化性疾患のマーカーとして報告されている、血清総APN濃度に対するC1q-APN複合体濃度の比(C1q-APN/総APN比)を日本人と日系人で比較した。
その結果、日本人と比べて日系人では正常耐糖能(NGT)群および耐糖能異常(IGT)群においてMatsuda indexが有意に低く、OGTTにおける血清インスリン濃度の総和、濃度-時間曲線下面積(AUC)が増大していた。一方、糖尿病群では同様の結果は得られなかった。また、日本人と比べて日系人ではNGT群およびIGT群で血清総APN濃度が有意に低く(量的変化)、C1q-APN/総APN比は有意に高いこと(質的変化)が示されたが、糖尿病群ではそのような結果は示されなかった。
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