• 一般的な肩の手術、偽手術を上回る効果認められず

    肩の痛みに対して実施されている一般的な手術の有効性に疑問を投げかけるランダム化比較試験(RCT)の結果が「The Lancet」11月20日オンライン版に掲載された。

    肩甲骨の一部である肩峰の痛みが続いている患者を対象に関節鏡視下肩峰下除圧術を実施しても、手術を実施しない場合を上回る症状の緩和はみられなかったという。

    肩の痛みは仕事や家事などに支障をもたらし、深刻な問題となりうる。
    米国では肩の痛みによる受診件数は年間450万件に上る。肩の痛みの約7割は肩峰の痛みが原因とされているが、その治療法の一つとして広がっているのが関節鏡視下肩峰下除圧術だ。
    これは、関節鏡と呼ばれる内視鏡を皮膚にあけた小さな穴から挿入し、関節の内部を確認しながら肩峰を削って関節内の摩擦や引っ掛かり(インピンジメント)を軽減するというもの。
    英国ではその実施件数は2000年の2,523件から2010年には2万1,355件に増加したという。

    痛みに関する治験・臨床試験(新しい治療薬)情報はこちら
    郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。

    今回報告されたRCTは、この手術の有効性について検証するために英オックスフォード大学教授のAndrew Carr氏らが英国内の32施設で実施した。
    試験では、理学療法やステロイド注射などの非外科的治療を受けても肩峰の痛みが3カ月以上続いており、回旋筋腱板の腱の接触が認められる患者313人(平均年齢53歳、女性が50%)を(1)関節鏡視下肩峰下除圧術群(以下、手術群)、(2)偽手術群、(3)経過観察のみの群―の3群にランダムに割り付けた。
    偽手術群では関節鏡を用いて関節の内部を確認するが、手術は行わなかった。

    試験開始から6カ月後および12カ月後には患者に肩の症状(痛みと機能)の程度を0~48点(点数が高いほど症状が軽い)で評価してもらった。

    その結果、6カ月後および12カ月後のいずれの時点においても、経過観察群を含む全ての群で肩の症状が改善していた。
    6カ月後の症状の評価スコア(平均)は手術群で32.7点、偽手術群では34.2点で、両群間に有意差はなかった。
    一方、経過観察群の評価スコアは29.4点で、手術群および偽手術群と比べると有意に低かったが、実際の症状に明らかな差はなかった。

    Carr氏は同誌のプレスリリースで「関節鏡視下肩峰下除圧術は肩の痛みを訴える患者の症状を緩和し、有害事象や合併症のリスクは低いと信じられ、30年以上にわたって実施されてきた。

    しかし、今回のわれわれの試験から、全く治療をしない場合と比べればわずかに効果がある可能性はあるが、偽の手術を上回るベネフィットはないことが分かった」と説明している。

    この試験結果に対し、ラドバウド大学医療センター(オランダ)のBerend Schreurs氏は、同誌の付随論評で「信頼に足る研究グループによる今回の報告が、今後の日常診療に変化をもたらすことを期待している。
    合併症リスクが低くても得られるメリットがなければ高額な外科手術を実施すべきではない」としている。

    治験に関する詳しい解説はこちら

    治験・臨床試験は新しいお薬の開発に欠かせません。治験や疾患啓発の活動を通じてより多くの方に治験の理解を深めて頂く事を目指しています。治験について知る事で治験がより身近なものになるはずです。

    治験・臨床試験についての詳しい説明

    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2017年11月21日
    Copyright c 2017 HealthDay. All rights reserved.
    SMTによる記事情報は、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。
    病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。
    記載記事の無断転用は禁じます。
  • 中国式マッサージ専門のロボットが登場

    将来、背中や腰の痛みを軽減するためのマッサージはロボットが担当するのが当たり前という時代が来るかもしれない。

    シンガポールで開発されたロボットのマッサージ師“Emma(Expert Manipulative Massage Automation)”が、同国内の中医学(Traditional Chinese Medicine;TCM)を専門とするクリニックで治療を開始したという。開発者らによると、Emmaによるマッサージの質は経験豊富なマッサージ師と同等だという。

    Emmaを開発したのは、南洋理工大学(シンガポール)の研究者らが立ち上げたベンチャー企業AiTreat。
    ヒトの手のひらと母指を模したアームの先端を動かし、背部や膝に対して推拿(すいな)と呼ばれる中国式マッサージを行う。

    マッサージに関する治験・臨床試験(新しい治療薬)情報はこちら
    郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。

    Emmaには腱と筋肉の硬さを感知するセンサーが装備されており、それぞれの患者に最適なマッサージを行うだけでなく、患者ごとに治療の経過も記録される。
    アームの先端はシリコン製で柔らかく、暖めて使用すれば機械が触れることによる不快感はないため、プロのマッサージ師による施術とほとんど区別がつかないという。

    Emmaは既にシンガポールのノバヘルス中医学クリニックで10月9日から使用されている。
    AiTreatの創設者で開発チームを率いたAlbert Zhang氏は、「大きな労力を要するマッサージをEmmaに任せることで、現在いるマッサージ師はEmmaには対応できない頸部や四肢、関節などのマッサージにより時間をかけることができ、これまで以上に質の高い治療を提供できる。
    また、Emmaを導入すれば、より少ないスタッフでクリニックを運営できる」と説明。
    今後、人口の高齢化で増加するとみられている慢性疼痛に対し、低コストで一定の質を保ったマッサージを行えるようになるのではないかと期待を示している。

    治験に関する詳しい解説はこちら

    治験・臨床試験は新しいお薬の開発に欠かせません。治験や疾患啓発の活動を通じてより多くの方に治験の理解を深めて頂く事を目指しています。治験について知る事で治験がより身近なものになるはずです。

    治験・臨床試験についての詳しい説明

    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2017年10月12日
    Copyright c 2017 HealthDay. All rights reserved.
    SMTによる記事情報は、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。
    病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。
    記載記事の無断転用は禁じます。
  • 運動で膝の痛みを緩和      

    膝に痛みがあるときは、運動せずに休んだ方がよいと思うかもしれませんが、定期的な運動をすると膝が強化され、痛みを緩和することができます。以下の点に注意しながらトライしてみましょう。

    • 最初は少しずつ運動を始めましょう。時間をかけて、筋力がついたと感じたら反復回数や負荷を増やしていきましょう。
    • ある程度の苦痛があるのは正常ですが、痛みがあるのは問題です。痛みを感じるときは運動を中止しましょう。
    • 翌日に痛みが出るほど無理をしてはいけません。
    • どのくらいの頻度で運動すればよいか、どのような種類の運動をするべきかを医師に相談しましょう。
    運動に関する治験・臨床試験(新しい治療薬)情報はこちら
    郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。

    情報元:米国整形外科学会(AAOS)
    HealthDay News 2017年6月28日
    Copyright © 2017 HealthDay. All rights reserved.
    SMTによる記事情報は、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。
    病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。
    記載記事の無断転用は禁じます。