「歯科治療」が腹痛や足のしびれの原因に    

歯科治療には思わぬリスクがあることを示す2症例が「BMJ Case Reports」8月7日および8日のオンライン版で紹介された。

 サー・チャールズ・ガードナー病院(オーストラリア)のTalia Shepherd氏らは、歯科矯正を終えた10年後に腹痛がきっかけで矯正用のワイヤーを腸から摘出した30歳の女性患者について報告した。

 同氏によると、女性は腹痛を訴えて受診。当初、胆石疝痛が疑われたが超音波検査などでは異常は認められなかった。その後、痛みが悪化したためCT検査を実施した結果、小腸の数カ所で歯科矯正用ワイヤーが貫通し、これが原因で腸捻転と呼ばれる症状が起きていることが分かった。そこで、緊急手術でワイヤーを摘出したところ、痛みは消失し、完全に回復した。患者は過去10年間、歯科矯正器具を使用しておらず、以前矯正していた時にワイヤーを飲み込んだり、なくしたりした記憶もなかったという。

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 この症例を経験したShepherd氏らは「内科的疾患の既往や手術歴のない患者が腹痛を訴えた場合には、その原因として異物の誤飲を考慮する必要がある」としている。

 一方、英クイーン・エリザベス大学病院のLiam Stuart Carroll氏らは、それまで健康状態に問題がなかったにもかかわらず、義歯の接着剤の長期使用が原因で脚の感覚を失うことになった62歳の男性について報告した。男性は治療と集中的な理学療法を受けたにもかかわらず、接着剤に含まれる亜鉛に起因したまれな神経疾患からまだ完全に回復していないという。

 男性は、神経科クリニックに紹介されるまでの6カ月間、脚の疼痛やしびれ、脱力感が続いており、外出することも難しかった。MRI検査で脊髄に異常が認められ、さまざまな検査が実施された結果、最終的に銅欠乏性脊髄症と診断された。原因は過去15年間使用していた義歯床用ペーストに含まれる亜鉛だったという。

 Carroll氏らは「まれに、過度の亜鉛摂取が銅の吸収を妨げ、神経障害を引き起こすことがある。この症例では診断の遅れにより神経障害が回復不能になったと考えられる。もし迅速に診断し、治療を行っていれば永続的な障害は回避できた可能性がある」と説明している。

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HealthDay News 2017年8月8日
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