• AIで生活習慣病リスクを高精度に予測-NTTデータら

    NTTデータとNTT(日本電信電話)は5月16日、人工知能(AI)を用いて、健診データから高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の発症リスクを予測するシステムを開発したと発表した。

    継続受診していない場合や受診が一定期間に限られる健診データでも予測精度は90%に達したという。実用化に向けた無償トライアルに参加する生命保険会社を募り、保険商品の開発や加入時の査定、加入後の健康改善などでの有効性を検証する予定だ。

    生保各社が販売する医療保険では、保険料を算定する際などに各種の疾病の発症リスクを予測することが不可欠となる。
    しかし、健診やレセプトデータを多量に入手し、分析する必要があるなどの課題があった。

    また、健診データの分析では、継続受診していない場合や受診期間が一定期間に限られるなど、データが不均質だったりサンプル数が少ないケースも多く、高精度な分析データを得るには限界があった。

    生活習慣病に関する治験・臨床試験(新しい治療薬)情報をsmtで検索
    郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。

    そこで、NTTらはAI関連技術(商品名:corevo)の一つとして、AIに従来の「発症」「未発症」の分類による学習ではなく、生活習慣病の発症しやすさを比較するランキング学習を行わせ、データの保有期間が短い未発症者のデータも利用できる予測システムを開発した。
    NTTが保有する10万人の最長6年分の健診データで試用したところ、数年後の2型糖尿病の発症を90%の高い精度で予測できたという。

    NTTデータらは、2018年度中に生命保険会社向けのサービス提供を開始することを目指す。
    また、生活習慣病の発症リスクの予測だけでなく、糖尿病発症後の重症化予防に関する研究も進行中であり、対象疾病も拡大していく見込みだとしている。

    治験に関する詳しい解説はこちら

    治験・臨床試験は新しいお薬の開発に欠かせません。治験や疾患啓発の活動を通じてより多くの方に治験の理解を深めて頂く事を目指しています。治験について知る事で治験がより身近なものになるはずです。

    治験・臨床試験についての詳しい説明

    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2018年5月28日
    Copyright c 2017 HealthDay. All rights reserved.
    SMTによる記事情報は、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。
    病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。
    記載記事の無断転用は禁じます。
  • 血糖値や脂質値の変動に腸内細菌が強く関与 熊本大グループ

    腸内細菌の働きで産生される代謝産物の「二次胆汁酸」が糖代謝や脂質代謝に関与するメカニズムを解明したと、熊本大学大学院微生物薬学分野教授の大槻純男氏らの研究グループが「Scientific Reports」1月19日オンライン版に発表した。

    抗生物質の服用で腸内細菌叢のバランスが崩れると二次胆汁酸を産生する腸内細菌と二次胆汁酸が大きく減少し、血糖や脂質の値の低下が引き起こされることがマウスを用いた実験で分かった。
    二次胆汁酸を産生する腸内細菌を標的とした糖尿病や脂質異常症の新しい治療の開発につながる可能性があるという。

    腸内細菌叢の変化は宿主であるヒトの健康に大きな影響を及ぼすことは広く知られている。
    研究グループはプレスリリースの中で腸内細菌叢に大きな変化をもたらす要因の一つとして抗生物質の使用を挙げ、抗生物質の使用により腸内細菌叢を構成する細菌のバランスが破綻する「dysbiosis」と呼ばれる状態が引き起こされると指摘している。

    2型糖尿病に関する治験・臨床試験(新しい治療薬)情報はこちら
    郵便番号を入力すると、お近くの治験情報を全国から検索できます。

    これまで複数の研究で抗生物質の使用による腸内細菌叢のバランスの破綻は、肝臓の蛋白質の発現量に影響を与えることが報告されている。
    肝臓は糖代謝や脂質代謝を担う重要な臓器であることから、研究グループは今回、こうした腸内細菌叢のバランスの破綻が糖代謝や脂質代謝に及ぼす影響を調べるマウスを用いた実験を行った。

    まず、抗生物質を5日間投与してdysbiosisモデルマウスを作製し、血糖値と中性脂肪(トリグリセライド;TG)値を調べたところ、抗生物質を投与していない対照マウスと比べてdysbiosisモデルマウスでは血糖値が64%、TG値が43%低下することが分かった。

    研究グループは次に、腸内細菌が産生する代謝物「二次胆汁酸」に着目して解析したところ、dysbiosisモデルマウスでは二次胆汁酸を産生する腸内細菌の数と肝臓における二次胆汁酸の濃度が対照マウスと比べて低下していることが分かった。
    dysbiosisモデルマウスに抗生物質と同時に二次胆汁酸を補充すると血糖値とTG値が回復することも見出した。

    さらに、蛋白質の発現量を網羅的に解析する定量プロテオミクスの手法を用いて、二重胆汁酸がどのように肝臓の糖代謝や脂質代謝に影響しているのかを分析したところ、dysbiosisモデルマウスの肝臓ではグリコーゲン代謝とコレステロールや胆汁酸の生合成に関わる蛋白質の発現量に変化がみられた。
    二次胆汁酸を補充するとこうした蛋白質の発現量は正常に回復したという。

    これらの結果を踏まえて、研究グループは「腸内細菌が産生する二次胆汁酸は糖代謝や脂質代謝に影響を及ぼしている可能性がある。
    二次胆汁酸を産生する腸内細菌が糖尿病や脂質異常症などの新しい治療標的となることが期待される」と述べている。

    糖尿病の基本情報についての詳しい解説はこちら

    糖尿病とは?血糖値や症状に関する基本情報。体内のインスリン作用が不十分であり、それが起因となり血糖値が高い状態が続いていきます。症状など分類別に解説しています。

    糖尿病とは?血糖値や症状に関する基本情報

    参考情報:リンク先
    HealthDay News 2018年2月19日
    Copyright c 2017 HealthDay. All rights reserved.
    SMTによる記事情報は、治療の正確性や安全性を保証するものではありません。
    病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください。
    記載記事の無断転用は禁じます。