

リウマチってどんな病気?
「リウマチ」とは、筋肉や関節、骨の痛みやこわばりといった症状をもたらす病気の総称です。「関節リウマチ」がその代表的なものであり、関節リウマチだけで日本に100万人の患者さんがいると言われています。
リウマチになる原因
リウマチは、免疫機能に異常が生じることで発症するとされています。何らかの原因で、本来は攻撃する必要のない細胞や物質に対して免疫機能が働いてしまい、その攻撃のために「抗体」(白血球から作り出される、外敵に対する攻撃手段となる物質)を作り出すことで痛みや腫れといった症状を引き起こします。
このように、外敵ではなく攻撃不要な自分自身の体を構成する細胞を攻撃することから「自己免疫疾患」と呼ばれます。関節リウマチの場合だと、関節の内側を覆う膜である「滑膜」(関節にとっての潤滑液となる「滑液」を分泌する)が攻撃されることで炎症を起こし、滑液を過剰分泌することで症状を引き起こします。
リウマチは遺伝する?
必ずしも遺伝するというわけではありませんが、身内にリウマチ患者が存在する場合はリウマチ発症リスクが高くなると言われています。
リウマチの種類
リウマチには、一般的な関節リウマチの他に以下のような種類があります。
- 若年性リウマチ
若年性リウマチとは、正確には「若年性慢性関節炎」という病気で呼称されています。一般的に中高年に多く見られるリウマチとは異なり、16歳未満で発症するタイプのリウマチです。
若年性リウマチは、さらに分けると「全身型」「多関節型」「小関節型」に分類されます。若年性リウマチ全体の約4割が、全身型になります。
- 悪性関節リウマチ
悪性関節リウマチは、関節リウマチを発症している際に血管炎の症状がとくに重大な場合の名称です。一般的なリウマチの症状である関節の諸症状よりも、内蔵などに症状が重く出るタイプのリウマチです。
時には命にかかわることもある病気です。悪性関節リウマチは「特定疾患治療研究事業」の対象疾患に指定されており、治療に際して申請が通れば医療費の補助を受けることができます。

リウマチの症状

関節の諸症状
関節リウマチがリウマチの代名詞であることからもわかるとおり、リウマチの代表的な症状は関節に現れます。主な症状は以下のとおりです。
- 手足のこわばり
- 手足の腫れや痛み
- 物がつかみにくくなる
- 指に力が入らない
- 細かい作業に支障を及ぼす
- 歩くと痛みが走る、歩行が困難になる
- 指関節が変形を起こす
- ひざが腫れる
- 立つ、座るといった動作が不自由になる
- 肘や肩が痛み、着替えの動作に支障を及ぼす
- 首の骨の炎症等による、後頭部の痛み
- しびれ(首の骨がずれて神経を圧迫)
- 脱力感(首の骨がずれて神経を圧迫)
日常動作に支障を及ぼす可能性が高く、手に症状があれば食事などの動作にも大きな支障を及ぼす可能性があります。また、関節の変形については写真を見るとわかりやすいのですが、場合によっては医学の素人が見ても明らかに「変形している!」と理解できるほど大幅な変形を起こすこともあります。
関節以外の諸症状
関節とは別に、以下の症状を呈する可能性があります。
- 倦怠感、疲労感
- 肺炎(間質性肺炎)
- 血管炎
- 結節(こぶ)
- 貧血
- 骨粗しょう症

リウマチの治療

薬物療法
リウマチの治療法の基本は、医薬品を用いた薬物療法となります。以前は消炎鎮痛薬など痛みや炎症を抑える対症療法が中心でしたが、昨今は「メトトレキサート」などのリウマチに対して効果の強い治療薬が開発されており、リウマチに対する薬物療法の質が向上しています。
リハビリテーション
とは言え、お薬だけでリウマチによる影響を全て取り除くことは難しいです。関節リウマチでは関節機能に異常が生じるため、関節の動く範囲と筋力の維持のためにリハビリが必要になります。
手術療法
病気の程度や進行具合によっては、現代医学による薬物療法とリハビリテーションだけでは完治できない場合があります。これらの治療法でも関節機能に障害が残る場合は、手術によって関節機能を回復する必要があります。

- 人工関節置換術
関節リウマチで機能に障害が残る関節を、人口の関節に入れ替える手術です。昨今は人工関節の技術も向上し、以前だと高齢の患者さんにはあまり用いられなかったこの手術も用いることができるようになっています。
- 滑膜切除術
炎症が激しい滑膜を切除する手術です。薬物療法が今ほど発展していなかった時代によく用いられていた手術内容です。昨今は前述の通り薬物療法が進歩しており、現在では用いられる機会はあまりありません。
- 関節固定術
リウマチによって首の骨に変形等が起きると、神経を圧迫してしびれや麻痺の症状を呈するようになります。その防止のために、頚椎を固定するための手術を行うことがあります。
まとめ

リウマチであると診断されるという点は無視できません。リウマチにはさまざまな症状があり、他の病気に見られる症状も含まれています。病気が違えば有効な治療法も違いますので、リウマチであると正しく診断されることは重要なのです。

あなたの体験談を他の患者さんが必要としています。
リウマチとは、筋肉や関節、骨の痛みやこわばりといった症状をもたらす病気の総称です。関節リウマチがその代表的なものであり、関節リウマチだけで日本に100万人の患者さんがいると言われています。

SearchMyTrialでは、疾患啓発の活動を通じてより多くの方に疾患の理解を深めて頂く事を目指しています。是非、ご協力ください。
